Our Way
of Ra-a-men 4
岸波 皆さん、今日もおいしいラーメン喰ってますか~!
退かぬ!! 媚びぬ!! 省みぬ!!
“愛ゆえにラーメンを捨てられない男”が、またやって参りました。
こんにちは。久々のラーメン道に、どこを取り上げればいいのか。う~むぅ・・。
やはり、喜多方を含む会津地方といえば、押しも押されぬ福島県のラーメン処。新旧とりまぜて、指折り数えるにいとまがありますまい。
でも、やはりここでは、僕が最も数多く通ったラーメン屋さんを取り上げるのが順当でしょう。
はたして、その店とは・・・?
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さて、ここは何処?
(河東町) |
僕が、数年前まで会津大学に勤務していた折、ラーメン道外伝「魅惑の酸辣湯麺」にも登場したUさんが事務局の次長ということで、大変お世話になっておりました。
このUさん、酒は一滴も飲まないけれど、コト麺にかけては一家言も百家言もあるという人。
特に“蕎麦ぶち”にかけては素人裸足で、時折自分で打ってはみんなに振舞ってくれる。
(←その節はお世話様でした!)岸波
懲りようも尋常ではなく、全国の名だたる蕎麦粉を取り寄せては打ってみたり、タレづくりでは、産地取り寄せの鰹節を削るところから始めるという念の入れよう。
そりゃーうまいわな。(思い出すだけで、もうたまりませぬ。)
ところで、このUさん、時々お昼時になると、学内から姿が見えなくなることがありまして・・・。
いつしか学内では、Uさんが謎のラーメン屋に通いつめているという噂が。
はてさて、またしても登場した麺の達人が、通いつめたほどのラーメン屋とはいかなる店なのか?
ということで、今回の「ニュー・ラーメン道4」は、その“謎のラーメン屋”にまつわる話を・・・。
1 謎のラーメン屋
実は、Uさんが足繁く通っていたラーメン屋は、会津大学から車で五分ほどのところにある国道49号線沿いの店。
その名は「古川農園」!! (あれ?)
まず、ラーメン屋とは思えないこのネーミング・・・それもその筈、この店は元々のラーメン屋ではないのです。
この店は昔、その名の通り“古川さんちの農園”、つまり野菜を販売していた店でした。
店主の趣味が高じて、野菜販売のかたわらラーメンを出してみたら、あれよあれよと云う間の大評判。
いつの間にか主客転倒してラーメン屋になってしまったが、店の看板は昔のまま。
だからね・・・分かんないんですよ、ここがラーメン屋だなんてこと!
商売っけが無いというか何というか、昼頃に開店してスープが無くなり次第、閉店。
店の構えも昔の農園のままだし、ちょっと奥まって店舗があることもあって、イチゲンさんではまず見逃してしまうのがオチ。
店主も、この店を有名にして大々的にアピールしようなんて気はサラサラなく、さっさと切り上げて店を閉めてしまうものだから、タイミングを外すとまず食べられない。
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手打ちワンタンメン
(古川農園) |
ついこないだ、武者小路千家の会津茶会があった時にも、僕はお昼のスタッフ弁当を断って一人、古川農園へ。
(↑上の写真がその時、2004.10.24に撮影した手打ちワンタンメンです。)岸波
久々の古川農園は、僕が会津に居た5年前にも増して、大勢のファンが詰め掛けていました。
ここは、歩いて行けるような場所でもなく、店の前は車10台ほどの駐車スペースしかないので、運悪く満車の場合は、一旦通り過ぎて時間を見計らって戻ってくるしかありません。
幸いこの日は、ぎりぎり停めることができたので、店にはいると速攻でお気に入りの手打ちワンタンメンを所望。
この店のウリは、何と言っても他に例のない太さバラバラの手打ち麺。
何と言っても、麺の太いところは幅一センチもあったり、細いところはソーメンみたいな部分まであるっ!
敢えてバラバラに打ったこの麺には手揉みで複雑なチジレがかかっていて、その食感を更に際立たせているのです。
セルフの水をコップに汲んで待つことしばし・・・
2 超絶チジレ麺!
「おぉーっ、来たキタァ!」
白河ラーメンと同じタイプの極薄の皮に包まれた繊細な味のワンタンをより分けると、夢にまで見たバラバラ・ちりちり麺のお目見え!
この麺から、いきなり手繰る。
「くぅーっ! このため生きてるぅー!」
バラバラの太さの麺が、唇をプルプルと震わせながら啜り込まれていく・・・このカイカンを何としょう!
~というわけで、ここで麺道斉師匠の登場!
麺道斉
待たせたな、皆の衆。 ワシが綾小路麺道斉である。
ラーメンを味わう感覚として、「味覚」やスープの香りなどの「嗅覚」は極めてスタンダードなところじゃ。
これに、盛り付けの美しさなど、「視覚」を付け足す者もおるに違いないな。
だが、さらに上級編ともなれば、麺が出来上がるのを待つ間、タンメンなどの具材を炒めるフライパンの「ジュージュー」という音や、茹で上がった麺をザルでリズミカルに「チャッチャ!」と切る音、すなわち・・・
「“聴覚”だってあるんだかんね」
~という御仁もおるに違いない。
しかぁしっ!
まだまだじゃな。
“麺道一直線”のワシは、それだけでは満足しない。
チジレ麺が唇を震わすふるふるという感覚、つまり「触覚」まで挙げねばならんじゃろうよ。
「ほーぅ、なるほど・・・」
と、師匠の講釈に耳を傾けていたら、背後でイキナリ・・・
バッシャーン!!
「スワ、何事?! もしやテロか!」と驚き、振り返ってみると・・・
なんとソコでは、店主の奥さんが入り口のシャッターを閉ざしているではないか!
どうやらズンドウのスープが底をついたらしいが、客に一声もかけずに何と乱暴な。
僕のテーブルの辺りは暗くなるし、「第一、どうやって出るんだよ?」といぶかっていると、食べ終わった常連の客は慣れたもので、怒りもせずにトイレへと続く汚い裏口から出て行く・・・。
そうなのです。
この店は、見てくれとか体裁には無頓着な店なのです。
しかも、この店のオヤジ、自分のラーメンが旨いと気が付いていないフシもあって、あまり商売っけもないのです。
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古川農園全景
←これで、ラーメン屋です! |
以前、ここの手打ち麺に感動して、オヤジに聞いたことがあります・・・
「ここの手打ち麺は独特のチジレで、凄く旨いですねぇ。」
「そうかよ?」
(あれ? 不思議がってる・・・)
「あのぅ、この麺、お土産パックにしたら売れると思いますよ。」
「でもなぁ・・」
「なにか問題でも?」
「別にオレが打った麺じゃないし、第一・・・」
「え?」
「手打ちじゃないし。」
「ええー! だって、壁のメニューに“手打ちラーメン”って!」
「そんなふうに見えるっぺ?手打ち風機械ぶちだけど。あは!」
「・・・・・・。」
~とまあ、“謎のラーメン屋”は“超絶手打ち麺”の出自も大いなるナゾを秘めていたワケですが、そんなことを全て承知の上でも、この店のラーメンは旨いのです!
それにしても、オヤジぃ、せっかく旨いラーメン作ってんだから・・・
もっとプライドを持ってくれよぉ!!
/// end of the“その4「謎のラーメン屋」” ///
《追伸》
久々に“外伝”でない「ラーメン道」に戻ってまいりました。
それにしても困ったのが作品ナンバーのこと。
昔のラーメン道は一編が長いので、今後のリメイクに当たってもまだまだ加筆・分割ものが出そうです。
そうなると、この新作を「その何番」にしていいのか分かりません。
えーい、面倒だということで、このリニューアル・ラーメン道コーナーにアップする順番でナンバーを入れることにしました。
すいません。
えー、とりとめもない「追伸」がラーメン道のスタイル・・・とフォローするつもりがどんどん泥沼に入っていくような気がします。(いろんな意味で。あは!)
では、また次の「ラーメン道」で・・・See
you again !
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ワンタンメン大盛り
(ちんらん/福島市) |
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