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「Freezing Conflagration」(佑樹のMusic-Room
by 岸波(葉羽)【配信2026.5.30】
 

◆この記事は作品のストーリーについて触れています。作品を実際に楽しむ前にストーリーを知りたくない方は閲覧をお控えください。

 こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。

 5分に一回、どんでんがえし。

 5月22日(金)に全国公開された唐沢寿明主演の『ミステリー・アリーナ』をケイ子と一緒に観てまいりました。

 キャッチコピーのとおりトンデモ展開が連続し、「体感で2時間に50回ほどのどんでんがえし」と言う破格の推理ドラマ。

ミステリー・アリーナ

(C)2026 Amazon Content Services LLC or its Affiliates.

 原作は『本格ミステリ・ベスト10』2016年版で国内ランキング1位となった深水黎一郎によるミステリー小説。

 

 果たして大晦日恒例のTV推理ショー『ミステリー・アリーナ(推理闘技場)』で真犯人を的中させ、100億円の栄冠を手にするのは誰か!?

 さて、その内容は?

 

 解けなきゃ、消えろ

 映画の冒頭、ミステリーに有りがちな山奥の洋館を訪れる一人の男。到着すると執事らしき人物が登場し「皆様がお待ちです」と広い客間に案内される。

 映像の背景には、小説風のナレーションが流れている。

 最後の参加メンバーが到着すると、唯一、館に入れる橋が崩落して「陸の孤島」となったことが明かされ、そこで「お約束」の殺人事件が発生する。

ミステリー・アリーナ

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 すると、今までの流れは「劇中劇」であることが分かり、派手な音楽とともに有名司会者樺山桃太郎(唐沢寿明)がステージに登場。

 今まで流れていた映像は、年末恒例の犯人当てクイズ番組『ミステリー・アリーナ』の出題編(冒頭)だったのだ。

  クイズ『ミステリー・アリーナ』

 過去、正解者は殆ど無く、キャリーオーバーされた優勝賞金は「100億円」。 6人の解答者の中で賞金を手にするのは誰か?

 以下、作品の概要とあらすじは以下の通り。

◆『ミステリー・アリーナ』の概要とあらすじ(映画.comによる)

 推理力に覚えのあるミステリー愛好家たちが国民的人気推理ショーを舞台に頭脳戦を繰り広げるさまを描いた深水黎一郎の同名小説を、唐沢寿明主演、堤幸彦監督のメガホンで実写映画化。

 人気司会者の樺山桃太郎が盛り上げるド派手な生放送推理クイズ番組「ミステリー・アリーナ」。ある難問に正解者が連続して現れず、賞金は100億円までキャリーオーバーされていた。今回出題される問題は「嵐の中、孤立した洋館で起きた殺人事件」。

  解答者:一子(芦田愛菜)

 この問題に、閃きの天才少女・一子、直感の勝負師・ギャンブル、伝説の初代王者・レジェンド、データ分析のシン人類・仏滅、理論の先駆者・エジソン、博識のミステリー女王・あのミスという、激戦の予選会を勝ち上がった6人の解答者が挑むことになる。6人はそれぞれの推理力を生かし、複雑に絡み合ったミステリーの謎を解き明かしていく。しかし、この番組はただ賞金を懸けて争うだけではなく、推理を外した出場者には恐ろしいリスクが待ち受けていた。

  ギャンブル(鈴木伸之)

 人気司会者の樺山役を唐沢が演じるほか、浅野ゆう子、芦田愛菜、三浦透子、鈴木伸之、トリンドル玲奈、奥野壮、宇野祥平、野間口徹、玉山鉄二といった多彩なキャストが顔をそろえる。

2026年製作/117分/G/日本
配給:松竹
劇場公開日:2026年5月22日

 「5分に1回のどんでん返がえし」の惹句にひかれて観に行ったわけですが、最初にそれを感じたのが、「本格推理ドラマ」かと思わせて、TVクイズショーの「出題編」であったこと。

 実はこの時点でかなりガッカリしました。クリスティの『そして誰もいなくなった』や綾辻行人の『十角館の殺人』のような「本格推理」を期待していたからです。

 しかも、唐沢寿明演じる主人公の司会者が極めて下品な俗物で、ショーの演出が余りにチープなことに「いったい何を見せられているんだ」と。

ミステリー・アリーナ

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 でも「5分に一回・・」の意味は、間もなく明らかにされます。

 殺人の詳細や背景など全く説明されない冒頭のビデオで早くも一人の解答者が「犯人を提示」。

 続く解答者は前解答者の「推理の穴」を指摘して、次々と犯人候補が変わっていく・・つまりこの物語は推理小説の類型で言うところの『多重解決モノ』だったのです。

  解答者:あのミス(浅野ゆう子)

 映画では「尺」の関係もあり、解答者が6人とされましたが、原作小説では14人。つまり、14通りの犯人指摘がなされます。

 その解答の中身には、叙述トリック、見えない犯人、共謀犯人、解説者が犯人などミステリーの代表的トリックが網羅され、小説『ミステリー・アリーナ』は「多重解決ミステリーの最高峰」と評価されました。

使われなかったトリックは「読者(観客)が犯人」くらいのもの。

 『ミステリー・アリーナ』

 しかし、そこまでやっても誰も正解することができない。その理由は簡単。

 実は台本(出題小説)は解答者が答える都度、別室のAIによって「更新」され、密かに出題者(司会者)に届けられていたからです。(あらららら・・)

 この事実は中盤で明らかにされてしまうので、「謎解き」に関する興味は一気に失われます。(もう、どーでもいいわ)

ミステリー・アリーナ

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 ただし同時に「クイズの外側」にある恐ろしい陰謀が明らかに。

 番組を提供する製薬会社は、不正解者を「ペナルティ」の名目で一定期間「監禁」することを名目に、その実「解体」して臓器売買の犠牲者としていたのです。

 そんな訳で、中盤以降は捉えられた不正解者たちと製薬会社の「影の部隊」による派手な銃撃戦が繰り広げられることに。

  製薬会社との銃撃戦

 いやコレ、期待してたのと全く違う話!

 第一、番組の不正解者たちに長年「消息不明」が続けば、絶対誰かが気づくはず。

 そうそう・・小説の文面では表現できない「映像」をスクリーンに映すため「デジャヴュ」という「耳掛け型」の小道具が映画に登場しています。

 これは、出題者(あるいは解答者)が脳内で描く「現場シーン」を映像化して映し出せるという装置。

  デジャヴュ(思考具現化装置)

 これにより、出題者が「タマ」というネコが現場に居たイメージを想起すると、実際にネコがスクリーンに登場するという仕組み。(相当なハイテクだね、こりゃ!)

 しかし、解答者が「タマ」は言葉を発しないが「実は人間」と指摘すると、ネコが人間の女性の姿で現れる。

この仕組みによって、本来、映像には表せない文章の「叙述トリック」を目の当たりに見せることが可能になっている。

  アシスタント(トリンドル玲奈)

 まあ、そんな実写化に当たっての「工夫」は評価できるのですが、いかんせん物語が「絵空事」である感は否めない。

ミステリー・アリーナ

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 それに輪をかけるのが、主人公の司会者樺山桃太郎(唐沢寿明)の発する罵詈雑言。

 10年前の小説とは言え、当時にせよ少なからずコンプライアンスや放送禁止語の認識はあったはず。

 これが余りにも酷くて胸クソが悪くなる。つまり主人公に全く「共感」できない。(そもそも「悪役」ですが。)

  唐沢寿明

 唐沢寿明も、よくこの役を引き受けたものだと思います。

 ネットでは「何と手の込んだストーリー展開!」などと評価する意見も散見されますが、我ら夫婦の感想は「2時間かけて、いったい何を見せられたんだ」というもの。

 あくまでも「小説」に留めておくべきストーリーではなかったかと思います。残念!

 

/// end of the “cinemaアラカルト528「ミステリー・アリーナ」”///

 

(追伸)

岸波

 この映画には本当にガッカリしました。

 一応、「いい方」の主人公として、解答者のひとり「一子」(芦田愛菜)も登場しますが、全体を通した台詞は圧倒的に「樺山桃太郎」(唐沢寿明)が多いので、印象が薄い。

 愛菜ちゃんも『果てしなきスカーレット』のアテレコで酷評を浴びたから、焦ってこの役に飛びついたのかな・・と感じます。

 『果てしなきスカーレット』

 彼女は女優よりも、その博識を活かしたコメンテーターの方が成功するのでは?

 この作品、カリスマ彰だったら激怒するんじゃないかな。いや、絶対に観ないか(笑)

 

 では、次回の“cinemaアラカルト2”で・・・See you again !

ミステリー・アリーナ

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To be continued⇒  “cinemaアラカルト529” coming soon!

 

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