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「Glidin'」(TAM Music Factory)
by 岸波(葉羽)【配信2026.1.3】
 

◆この記事は作品のストーリーについて触れています。作品を実際に楽しむ前にストーリーを知りたくない方は閲覧をお控えください。

 皆様、明けましておめでとうございます。

 気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。

 蝶は舞い、時間は過ぎて、世界は変わる。

 これは1992年公開のオタール・イオセリアーニ監督『蝶採り』のキャッチコピー。

 今週の当番は、カリスマ彰氏です。

蝶採り

(C)1992 ピエール・グリーズ・プロダクションズ

カリスマ彰 2025年に見た映画は101本だった。2024年は60本だったから、4月1日から「ほぼ年金生活」になって一気に増えたことになる。

 うち映画館で見た映画は3本。その3本のうちオペラ映画が2本(METライブビューイングの「アイーダ」と「フィデリオ」)。101本は週2本ペースだからかなりのペースだが、中毒というわけではないと思う。

 しかし、ヒマ潰しで漫然と見た映画も40本ほどあり、かなりどうでもいい作品が含まれてしまった。

 そしていわゆる「名作」の再視聴が与えてくれる大きな感動に気付いたのも今年の収穫だった。実は今までできるだけこの再視聴を避けて来たのだが、もうこの歳になるとそのポリシーは捨ててもいいのだと思うようになった。

 まあそういうことで2025年に見た映画のベスト30です。「再」は再視聴した映画。

 

 

カリスマ彰

1.「蝶採り」(1992年 オタール・イオセリアーニ監督  1時間58分)

 イオセリアーニ作品の落ち穂拾いで見たが骨太な映画で滑稽なのに酷薄な人間の運命の描き方、まさにイオセリアーニの世界。

 「蝶採り」

2.「ゲーム」(1997年 デヴィッド・フィンチャー監督 2時間8分)

 2025年は「セブン」「ドラゴンタトゥーの女」も見たがフィンチャー監督にハズレはない。

 「ゲーム」

3.「ター」(2022年 トッド・フィールド監督 2時間38分)

 主人公は天才女性指揮者でケイト・ブランシェットが見事な指揮者ぶり。クラシック音楽好きの私はかなりの高得点。

 「ター」

4.「数に溺れて」(再  1988年  ピーター・グリナウエイ監督  1時間58分)

 ある意味では映画の中に隠れている「数字」を探すという馬鹿げた映画(笑)。

 こういう映画を1988年に撮っていたグリナウエイという映画監督のナンセンスすれすれのアナーキーさが堪らない。

 このアナーキー映画という新カテゴリーを創始した。

5.「ダムネーション/天罰」(1988年  タル・べーラ監督 2時間1分)

 「ニーチェの馬」(2011年)という大傑作を撮って監督業は卒業したハンガリーの映画監督タル・べーラ(1955年7月21日生まれ)の初期の傑作だがすでにダークで破滅的で終末的な世界観が横溢。

6.「夜霧の恋人たち」(1968年 フランソワ・トリュフォー監督  1時間32分)

 2025年は「大人は判ってくれない」を第1作とする「アントワーヌ・ドワネルの冒険」5部作を全て見た2年だった。トリュフォーのコメディ映画の才能を知った。

7.「枯れ葉」(2023年  アキ・カウリスマキ監督  1時間21分)

 2024年に続き、カウリスマキ監督の「浮き雲」「過去のない男」「街のあかり」「枯れ葉」の4本を見たが、「昭和」が漂うフィンランド映画に惚れてしまった。

 この「枯れ葉」は一度引退表明したカウリスマキの復帰作になる。

 「枯葉」

8.「理由」(1995年 アーネ・グリムショー監督 1時間44分)

 ミステリーサスペンスの傑作。ショーン・コネリー主演。

9.「鬼畜」(1978年 野村芳太郎監督 1時間50分)

 松本清張の小説を原作にしたなんともやりきれない傑作サスペンス映画。清張原作の野村監督作品ではこの他に「疑惑」も見た。

10.「ノーバディーズ・ヒーロー」(2025年  アラン・ギロディ監督  1時間40分)

 映画館で見た。移民、テロ、階級格差をフランスの地方都市を舞台に展開。アナーキー映画の系譜だ。

11.「光る眼」(再 1995年 ジョン・カーペンター監督 1時間39分)

 奇想天外、荒唐無稽な怪作。

12.「サブウェイ」(1985年 リュック・ベッソン監督 1時間44分)

 ベッソンの原点。イザベル・アジャーニが輝いている。

13.「ブギーナイツ」(1997年 ポール・トーマス・アンダーソン監督 2時間36分)

 アンダーソン映画の原点になる1980年代の映画界のバブリーな狂態を描いた怪作。

14.「美しき仕事」(1999年 クレール・ドニ監督 1時間30分)

 独特なムードを持ったドニの映画に惹かれた。フランスの映画作家の奥深さを感じる。

15.「ベルファスト」(2021年  ケネス・ブラナー監督 1時間38分)

 ブラナーの自伝映画だが実に独特な抒情が底流に流れる佳作。

16.「博士の異常な愛情」(再 1964年 スタンリー・キューブリック監督 1時間39分 )

 「Dr.Strangelove  or How I Leraned To Stop Worrinng and Love The Bomb」が原題だが、日本語題名は大誤訳をしていることを今回初めて気付いた!

 ステレンジラブという名前の博士なのである。

 

17.「シャイニング」(再 1980年 スタンリー・キューブリック監督 北米公開版)

 従来見た国際版より24分長いバージョン。プレミア版はさらに3分長いという。

18.「野いちご」(再 1956年 イングマル・ベルイマン監督 1時間30分)

 大学生のころに見て以来の再視聴だが、この作品の良さがこの歳になってやっと分かった。

19.「アリスの恋」(1974年  マーティン・スコセッシ監督  1時間53分)

 スコセッシの初期作品で日本公開された最初のスコセッシ映画。エレン・バースティンの大熱演。

20.「逆転のトライアングル」(2022年  リューベン・オストルンド監督 2時間21分)

 豪華客船が沈没し乗客は孤島に打ち上げられるがそこでは.......。階級格差をテーマにしたアナーキー映画。こういう映画が増えているなあ。

21.「ライアンの娘」(再  1970年 デヴィッド・リーン監督  3時間15分 )

 大学生の時に白黒の小型テレビで吹き替え版を見て以来。やはりリーンは「映画の神様」の一人なのではないかな。

22.「そして僕は恋をする」(1996年  アルノー・デプレシャン監督  3時間1分)

 デプレシャン映画というのも2025年の発見のひとつで他に2本見た。こういう映画監督はフランスにしかいないなあ。とにかく恋愛しか頭にないのです(笑)。

 「そして僕は恋をする」

23.「アパートの鍵貸します」(再 1960年 ビリー・ワイルダー監督  2時間)

 再視聴するといろいろ発見が多いのが名作の名作たる所以。

 「アパートの鍵貸します」

24.「見知らぬ乗客」(1951年 アルフレッド・ヒッチコック監督  1時間41分)

 やっぱりヒッチコック映画は面白い。この映画のテーマは「交換殺人」。

25.「エレメント・オブ・クライム」(1984年 ラース・フォン・トリアー監督  1時間44分)

 トリアーはデンマークの映画監督で「ダンサー・イン・ザ・ダーク」(2000年 主演ビョーク)が有名だがこれは初期のおどろおどろしい傑作。

26.「グレートレース」(再 1965年  ブレーク・エドワーズ監督  2時間40分)

 初めて見たのは中学生かな。ドタバタコメディの傑作。若くして事故で不審死したナタリー・ウッドが懐かしい。

27.「ノック 終末の訪問者」(2023年 ナイト・M・シャマラン監督)

 長らく不調が続いたシャマラン監督だが復調の兆しかな。

28.「イングロリアス・バスターズ」(再 2009年 クエンティン・タランティーノ監督 2時間33分)

 とにかく面白い。これはタランティーノの最高傑作だと思う。

 「イングロリアス・バスターズ」

29.「サムライ」(再   1967年  ジャン=ポール・メルヴィル監督 1時間45分)

 フィルム・ノワールの傑作。アラン・ドロン主演。

30.「ラウンド・ミッドナイト」(1986年 ベルトラン・タベルニエ監督 2時間13分)

 ジャズ映画の傑作。サックス奏者のデクスター・ゴードンが主演。モデルにナッテいるのはバド・パウエル(ピアニスト)とレスター・ヤング(サックス奏者)。

 映画の音楽担当はハービー・ハンコック。

 

/// end of the “cinemaアラカルト507「2025年に101本見た
映画のベスト30を選んでみた
」”///

 

(追伸)

岸波

 一位の『蝶採り』は、あまり鮮明な画像が見つからなかった。

 なので、最後の画像は比較的近作の『ノック 終末の訪問者』にしといたよ。

 『博士の異常な愛情』はただの誤訳だったのかなぁ・・Dr.の後に続いてるからすぐに分かりそうなもんだ。

 もしかして「確信犯」? 悪くないニュアンスの邦題かもね(笑)

 

 では、次回の“cinemaアラカルト2”で・・・See you again !

ノック 終末の訪問者

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To be continued⇒  “cinemaアラカルト508” coming soon!

 

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