こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
その恐怖に世界が戦慄した、ゴシックホラーの最高傑作
スペインの鬼才アレハンドロ・アメナーバル監督を迎えてトム・クルーズが制作し、ニコール・キッドマンが主演した『アザーズ』(2002年日本公開)をAmaプラで視聴しました。
この映画を今まで観ていなかったことを後悔するほどの傑作スリラーでした。
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アザーズ
(C)2002 ギャガ・コミュニケーションズ |
僕の中でスリラー映画の傑作と言えばオードリー・ヘプバーンの『暗くなるまで待って』とブライアン・デ・パルマ監督の『殺しのドレス』ですが、この『アザーズ』は三本柱の一角に加わりました。
グロテスクなシーンもこれ見よがしの悲鳴の脅かしも無いのに、終始「何が起きているか分からない」恐怖は、まるで荒木飛呂彦が描く『ジョジョ』の世界のよう。
まさに、正統派ゴシック・ホラーの金字塔。さて、その内容は?

その存在(アザーズ)が見えた時、すべてが変わる。
映画の冒頭、第二次世界大戦でドイツ軍に占領されていた英国ジャージー島の古い洋館に住むグレース(ニコール・キッドマン)のところへ三人の使用人候補が訪れる。
グレースの夫は出征したきり消息不明となっており、アン(娘)とニコラス(息子)の三人で大きな館に住んでいる。
彼女は、今まで居た使用人たちが日突然に姿を消してしまったので、新聞に募集広告を出そうとしていたところだったのだ。
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アザーズ
(C)2002 ギャガ・コミュニケーションズ
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新聞広告が出る前にやってきた女性執事、小間使い、庭師の三人に「何故、募集しようとしたことが分かった?」と聞くと、彼女らは以前、この屋敷に仕えていたと言う。
グレースは三人を雇うことにしアンとニコラスを紹介するが、家の中での「奇妙なルール」について説明する。
館内の移動は「必ず後ろの鍵を閉めてから次の扉を開ける事」、そして「子供たちは決して日光に当ててはいけない」などだった。

子供たちを日光に当たると、強いアレルギー発作が起きて死んでしまうと言うのだ。
そして、この館の中で、娘が誰も居ないはずの部屋の中で誰かと会話している事件をきっかけに不可解な事象が起こり始める。
その後、映画の概要とあらすじは以下の通り。
◆『アザーズ』の概要とあらすじ(allcinemaオンラインによる)
「オープン・ユア・アイズ」のアレハンドロ・アメナーバル監督によるサスペンス・ホラー。「バニラ・スカイ」で「オープン・ユア・アイズ」をリメイクしたトム・クルーズが本作でも製作総指揮として名を連ねる。主演は「ムーラン・ルージュ」のニコール・キッドマン。広い屋敷を舞台に、姿の見えない何者かの存在に怯える家族の心理をジワジワと迫り来る巧みな恐怖演出で描き出す。

1945年、第二次世界大戦末期のイギリス、チャネル諸島のジャージー島。グレースは、この島に建つ広大な屋敷に娘アンと息子ニコラスと3人だけで暮らしていた。夫は戦地に向かったまま未だ戻らず、今までいた使用人たちもつい最近突然いなくなってしまった。屋敷は光アレルギーの子どもたちを守るため昼間でも分厚いカーテンを閉め切り薄暗い。そこへある日、使用人になりたいという3人の訪問者が現れる。使用人の募集をしていたグレースはさっそく彼らを雇い入れるが、それ以来屋敷では奇妙な現象が次々と起こりグレースを悩ませ始める……。

2001年製作/104分/アメリカ・スペイン・フランス合作
原題または英題:The Others
配給:ギャガ・コミュニケーションズ
劇場公開日:2002年4月27日 |
映画のタイトルが『アザーズ』である通り、家の中に「見えない誰か」が存在していることが次第に明らかになっていく訳ですが、三人の使用人たちはその正体を知っているようでもあり、広い庭の片隅にある誰かの「墓」を枯葉で隠したり不可解な動きをします。
しかし、この映画で一番怖いのは、主人公のグレースの目や行動に「狂気」が増してくること。
舞台となった洋館
夫が既に戦争で死んでしまった事を悟りながらも、一途の望みを繋いで健気に病気の子供たちを育てていますが、時に激高し「見えない相手」に対して銃を持ち出して家探しする姿は子供たちを怯えさせます。
強い信仰心と子供たちに対する深い愛情を持ちながら、心の中の闇と絶望に引き裂かれそうになり、遂には狂気の行動に走るグレース。この難しい役柄をニコール・キッドマンが見事に演じました。
狂気に走るグレース
彼女は、この映画への出演が契機となり、以後、2003年の『めぐりあう時間たち』で特殊メイクのバージニア・ウルフを見事に演じ切り、アカデミー賞主演女優賞やゴールデングローブ賞を受賞、名優へのステップを駆け上がって行きます。
また、脚本・監督を務めたアレハンドロ・アメナーバルは映画の音楽も自ら手掛けるほどの才人で、「グロ」も使わず「悲鳴」も使わず「静かな狂気」に支配されていく家族の悲劇をスリリングに演出しました。
アレハンドロ・アメナーバル監督
しかし、何といっても驚きなのは、とんでもないスケールの大どんでん返し。終盤に怒涛の如く明かされる「真実」はまさに予想の斜め上。
三人の使用人が「死者」ではないかという事実は「ほのめかし」がありますが、戦死したと思っていた夫が帰ってくるあたりから不穏な空気が。
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アザーズ
(C)2002 ギャガ・コミュニケーションズ
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ここから大ネタバレになります。
実際には、夫の死と島の占領に絶望したグレースは子供たちを道連れに無理心中し、自分たちが幽霊になっていることを自覚せずに家に憑りついていたというのが真相。
彼らが見えない「幽霊」と思っていた者たちこそ現在の家に住む「生者」であり、幽霊と生者は「互いに気配を感じる」ものの「見ることは出来ない」のでした。

最終的に、グレースらは自分たちが「幽霊」であることを認識しますが、それでもこの家に留まり、幽霊として暮らしていく道を選びます。
スリラー映画ではなかなか味わえない不思議な安堵感、そしてカタルシス。
この家族に幸あれ(既に死んでいるけれど)と祈った幕切れでした。
/// end of the “cinemaアラカルト506「アザーズ」”///

(追伸)
岸波
なんか今回はちょっと不出来。感じたことを上手に伝えられなかった気がします(笑)
と言うのも、昨夜は「県庁まっさん会」。僕は「事前準備」も含めて16時から22時まで6時間も呑みまくり、歌いまくりで今日は死んでいました。
え!? もしかしてこの僕も既に「幽霊」になっているのでは!?
では、次回の“cinemaアラカルト2”で・・・See you again !
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アザーズ
(C)2002 ギャガ・コミュニケーションズ
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