こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
歴史上の偉人オールスターズが、
現代日本を救うため大復活!?
2021年に出版され大ヒットを記録した眞邊明人によるSF・ビジネス小説を実写化した『もしも徳川家康が総理大臣になったら 』をAmaプラで視聴しました。
実は、漫画化された『もしも徳川家康が総理大臣になったら―絶東のアルゴナウタイ―』も読んでいたのですが、内容はハチャメチャな暴走作品。(途中で止めた)
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もしも徳川家康が総理大臣になったら
(C)2024「もしも徳川家康が総理大臣になったら」製作委員会 |
しかし、キャスティングを見ると、徳川家康役の野村萬斎をはじめ、GACKT、竹中直人、浜辺美波など綺羅星のごとく有名俳優を配し、テーマソングは僕の好きな新しい学校のリーダーズによる「Change」。
これはお試しに観るしかあるまいと鑑賞した作品。さて、その内容は?

最強すぎ内閣、
誕生。
映画の冒頭、舞台はコロナ禍によって大混乱に陥った2020年の日本。あろうことかあるまいことか、時の総理大臣をはじめ重要閣僚がクラスターの発生により急死。
政府が機能不全に陥る中、社会不安は増大、国民はパニック寸前へと追い込まれる。
一計を案じた政府は、最先端AIとホログラフを活用して、徳川家康をはじめ歴史上の偉人たちをAIとして復活させ組織したバーチャル内閣に日本の命運を託すことに。
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もしも徳川家康が総理大臣になったら
(C)2024「もしも徳川家康が総理大臣になったら」製作委員会
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以降、映画のあらすじと概要は以下の通り。
◆『もしも徳川家康が総理大臣になったら 』のあらすじと概要
(映画.comによる)
2021年に出版され大ヒットを記録した同名ビジネス小説を原作に、AIで復活した偉人たちによる最強ヒーロー内閣の活躍を描いたコメディ映画。
コロナ禍の2020年、首相官邸でクラスターが発生し、総理大臣が急死した。かつてない危機に直面した政府は最後の手段として、歴史上の偉人たちをAIホログラムで復活させて最強の内閣をつくることに。江戸幕府を作った伝説の男・徳川家康を総理大臣に据え、織田信長や豊臣秀吉といった偉人たちが集結した夢のような内閣が誕生する。その圧倒的なカリスマ性と実行力に日本中が熱狂する中、アナウンサー志望の新人テレビ局員・西村理沙はスクープを狙い、政府のスポークスマンを務める坂本龍馬に接近するが……。
主人公のテレビ記者・理沙を浜辺美波、内閣官房長官・坂本龍馬を赤楚衛二、内閣総理大臣・徳川家康を野村萬斎、経済産業大臣・織田信長をGACKT、財務大臣・豊臣秀吉を竹中直人がそれぞれ演じる。「テルマエ・ロマエ」の武内英樹監督がメガホンをとり、「翔んで埼玉」でも武内監督と組んだ徳永友一が脚本を担当。
2024年製作/110分/G/日本
配給:東宝
劇場公開日:2024年7月26日 |
とにかく目に付くのは、冒頭に書いたようにキャスティングの豪華さ。徳川家康の野村萬斎、織田信長役のGACKT、豊臣秀吉役の竹中直人は、これしかないだろうというはまり役。
とりわけ、織田信長役のGACKTはかっこ良すぎてたまりません。
織田信長(GACKT)
他にも、こういう格好をすると誰だか分からない紫式部役の観月ありさとか・・(笑)
紫式部(観月ありさ)
唯一「知らない人」だった聖徳太子役の長井短(みじか)というヘンな名前の女性・・彼女はモデルさんでエッセイストなのだそう。(どうして起用されたのか??)
聖徳太子(長井短)
なお、実質主人公となるTV局新人記者の西村理沙(浜辺美波)と主要閣僚の10人は以下のとおり。
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もしも徳川家康が総理大臣になったら
(C)2024「もしも徳川家康が総理大臣になったら」製作委員会
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なお、原作小説では、こうした主要人物それぞれの視点でとらえた「群像劇」となっていますが、映画では(分かりやすくするため)、西村記者(浜辺美波)と官房長官の坂本龍馬(赤楚衛二)、二人の視点によって物語が進行します。
坂本龍馬官房長官
駆け出しの西村記者は、上司から「何としても情報源として内閣の一角に食い込め」という指令を受け、坂本龍馬官房長官の記者会見で手を上げて指名されるも、肝心の質問をド忘れし、やむを得ず竜馬の口癖について・・
「ぜよ。・・って何ですか?」という爆笑質問を。
「ぜよ。・・って?」
ところがこれに対し竜馬が「ぜよ・・は、ぜよぜよ!」と答えたやり取りが大バズリ。以後、竜馬に気に入られて核心をつくやり取りができるようになる(笑)
さて、偉人オールスター内閣は「一か月のロックダウン」やその間「国民一人当たり50万円の給付」、職を失った者のために国営大農場を建設して農業振興を推進する「享保の改革2.0」、税制優遇して国際金融資本を東京に集中する「令和版楽市楽座」など革新的政策を次々に発布し、国民の支持を集める。
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もしも徳川家康が総理大臣になったら
(C)2024「もしも徳川家康が総理大臣になったら」製作委員会
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と、その辺までは漫画版『もしも徳川家康が総理大臣になったら』で読んでいて、あまりの調子の良さにあきれて読むのをやめてしまったのですが、問題はこのハチャメチャストーリーを「どう着地させるのか?」。
すると、徳川家康総理大臣は、あまりに「偉人内閣」に国民の支持が集まりすぎ、「一か月限定」のはずの任期の延長まで要望されるに至って「本当にこれでよかったのか?」と疑問を口にする。
本当にこれでよかったのか?
一方で、この異常な人気の高さは、誰かが国民を扇動して操っているのではないかという疑念を抱き始める。
・・と中盤以降、ハチャメチャ喜劇路線から、サスペンス路線に切り替わるのです。
その原因は、AI設計者が「偉人内閣のメンバーが過去の歴史上の怨念を持たないよう、また、コロナ禍収束以上の野望を持たないよう」に作ったプログラミングにバグがあり、それを修正できないまま死去してしまった「未完成のAI」であったことが判明。
裏切者は?
「偉人内閣の中に誰か裏切者が居る」と家康は察知。その探索を坂本龍馬官房長官と西村記者に密命を下す。
その「裏切者」は、もともと世界征服を念願していた織田信長(GACKT)ではないかと調査が進んだ頃、当の織田信長が暗殺される。(データ消去される)
はてさて、真の裏切者は誰なのか? はたまた日本の運命や如何に!?
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もしも徳川家康が総理大臣になったら
(C)2024「もしも徳川家康が総理大臣になったら」製作委員会
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と、中盤以降、目が離せない進行となるのですが、この映画のクライマックスは「犯人捜し」そのものではありません。
そのヒントに、こんなTik Tok動画が上がっていました。
実は、感動大作。
終盤、裏切者の陰謀が暴かれた後、徳川家康総理大臣が「国民に大政奉還する」として大演説を打つシーンが。
そこでは、「誰かの言葉」に安易に付和雷同する危険性、国の進路を「他人任せ」にすることへの警鐘等々、現代日本に巣食う病巣が語られ、自分自身の目で確かめ考えることの大切さ、そしてそれは「あなた方ならできる」という力強いメッセージが。
徳川家康総理大臣
おそらくこのシーンは、チャップリンの『独裁者』のラストを模したものと思われますが、このシーンの為に作られた作品と言っても過言ではないでしょう。
うん、やっぱり最後まで見てよかったです。
/// end of the “cinemaアラカルト497「もしも徳川家康が総理大臣になったら」”///

(追伸)
岸波
この映画は、上述のとおり「漫画版」を読んで途中であきれたため、劇場に足を運ぶことは無かったのですが、昨年8月、以下のように「大ヒット御礼舞台挨拶」が挙行されました。
大ヒット御礼舞台挨拶/24年8月
これだけ豪華なキャスティングをした製作費は公表されていませんが、Wikiを見ると興行収入は12億円とあります。
「大ヒット」と評していいのでしょうか? そこまで話題になった感じはなかったのですが。
いずれにしても、設定や序盤のハチャメチャ進行から「観客を選ぶ映画」ではないかと思われ、カリスマ彰だったら「絶対にみてはいけない映画」に分類されそうな気がします(笑)
では、次回の“cinemaアラカルト2”で・・・See you again !
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「もしも徳川家康が総理大臣になったら」初日舞台挨拶
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