こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
恋の勘違いバトル、開幕!
カオスなバンパイア・ラブコメディ
今年7月8月に公開された吉沢亮主演作『ババンババンバンバンパイア』が早くもAmaプラに登場したので視聴しました。
昨年2月29日(ニンニクの日)に制作が発表され、本来は今年2月14日のバレンタインデーに封切予定だったものが公開延期となっていた作品です。
どうして公開延期に!?
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ババンババンバンバンパイア
(C)2025「ババンババンバンバンパイア」製作委員会 (C)奥嶋ひろまさ(秋田書店)2022 |
その理由は公表されていませんが、考えてみればすぐに想像がつくはず。だって、吉沢亮君と言えば、あの『国宝』が6月6日に公開予定だったのですから。
こんな「おバカな映画」(誉め言葉)を先に公開してしまったら、吉沢亮君のイメージに影響するのは必至でしたでしょう(笑)
原作は、「別冊少年チャンピオン」で連載されている奥嶋ひろまさ作の漫画作品。
信長の死と共にバンパイアと化した森蘭丸が現代まで生き延び、銭湯「こいの湯」の従業員として働きながら銭湯の息子「李仁(りひと)」に”血を吸いたい”と恋するハチャメチャなBLもの。(※この漫画では「BL」を「ブラッド・ラブコメ」の略としている。)
さて、その内容は?

童貞喪失、絶対阻止
この初恋、ダメ絶対!
映画の冒頭は2015年の春。季節外れの暑い太陽に苦しみながら今にも死にそうになって徘徊しているバンパイアの森蘭丸(吉沢亮)。
そこにやって来たサッカーボールを抱えた少年李仁(りひと)が、「うちに来る?」と助け舟を出す。
蘭丸は、少年の実家である町の銭湯「こいの湯」に救われ、そのまま従業員として住み着くことになる。
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ババンババンバンバンパイア
(C)2025「ババンババンバンバンパイア」製作委員会 (C)奥嶋ひろまさ(秋田書店)2022
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そして10年。李仁(板垣李光人)は高校1年生に成長し、蘭丸(吉沢亮)は彼の血を吸いたいという衝動を抑えられなくなる。
しかし「美味しいものは一番美味しい状態でいただく」を主義とする蘭丸は、最高の状態は「18歳の童貞」であると信じ、それまで李仁の「童貞喪失、絶対阻止」を目的に、あらゆる方法で李仁の恋が実らないよう画策をする。
以後のあらすじや映画の概要は以下の通り。
◆『ババンババンバンバンパイア』(2025年)のあらすじと概要
(映画.comより抜粋)
銭湯に住み込みで働く美青年・森蘭丸。その正体は450歳のバンパイアで、現在は銭湯のひとり息子である15歳のピュアボーイ・立野李仁を狙っており、究極の味わいである「18歳童貞の血」を得られるようになるまで李仁の成長と純潔を見守る日々を送っている。ところがある日、李仁がクラスメイトの篠塚葵に一目ぼれしてしまう。李仁の恋が成就して純潔が失われるのを防ぐべく、決死の童貞喪失阻止作戦に乗りだす蘭丸だったが……。
李仁と葵
銭湯で働く美しきバンパイア・蘭丸を吉沢亮、蘭丸が狙う天真爛漫な少年・李仁を板垣李光人、李仁の初恋相手・葵を原菜乃華、蘭丸に積年の恨みを抱える兄・森長可を眞栄田郷敦、若き日の蘭丸に寵愛を注いだ織田信長を堤真一が演じる。 |
タイトルを見て「長くて分かりずらいなぁ」と思ったのですが、原作者の奥嶋ひろまさ氏はドリフの『ビバノン音頭(いい湯だな)』の囃子から思い付いたとのこと。
なるほど、そう言われてみると「ババンバ、バンバンバン」だから覚えやすい(笑)
ドリフの『ビバノン音頭』
監督は、au三太郎シリーズをはじめTVCMのヒットメーカーである浜崎慎治。
ストーリーはハチャメチャな訳ですが、それを緻密に組み立てていて「中々よくできた映画」と感じました。
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ババンババンバンバンパイア
(C)2025「ババンババンバンバンパイア」製作委員会 (C)奥嶋ひろまさ(秋田書店)2022
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人間関係が意外性のある設定になっていて「どう転ぶか分からない」面白さ。
蘭丸は李仁の初恋を阻止するため、夜中にバンパイアの姿で相手の女子高生・葵(原菜乃華)の部屋を訪れて手を引かせようとしますが、そもそも葵は李仁のことなど眼中にない。
蘭丸と葵
逆にミステリー好きの葵は、バンパイアの実在に驚喜し「バンパイアさま~♪」と大ファンになってしまう。
これでは埒が明かない、いっそ血を吸ってしまおうとすると、そのシーンを遠目で見た李仁から「二人はキスしようとしてる!」と誤解を受け、ライバル視されてしまう。
ご、誤解だ・・!
また、李仁と葵の担任教師坂本(満島真之介)の正体はバンパイアの宿敵「バンパイア・ハンター」だったが、本当は吸血されることに陶酔を覚える「変態」で、噛んでもらうために蘭丸を付け狙っていたり。
バンパイアに匹敵する怪物フランケン(関口メンディー)が、実は葵の兄だったり。
変態なハンターとフランケン
蘭丸の兄、森長可(眞栄田郷敦)もバンパイアになっていて、信長様を守れなかった蘭丸を逆恨みして命を狙っていたり。
蘭丸と信長(堤真一)
最後は誰が敵やら味方やら、ゴチャゴチャになるストーリー展開なのです。
結局、みんな「友達」になるけれども(笑)
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ババンババンバンバンパイア
(C)2025「ババンババンバンバンパイア」製作委員会 (C)奥嶋ひろまさ(秋田書店)2022
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一番笑えたのは、弟蘭丸は「十字架」を何とも思わないのに、兄長可はビビッている。
その理由は、長可がWikipedliaを読んで「バンパイアは十字架とニンニクに弱い」と知ってしまったというもの。(おいおい)
もう一人のバンパイア森長可
それにしても驚くのが、この『ババンババンバンバンパイア』と『国宝』とで、主演吉沢亮クンの演技の「振り幅」の大きさ。
『国宝』
二人の「真逆」なキャラクターを「同時期」に撮影していたことは驚異的です。「さすが」と言うべきでしょうね。
/// end of the “cinemaアラカルト492「ババンババンバンバンパイア」”///

(追伸)
岸波
原作の『ババンババンバンバンパイア』は少年誌で初めての「BLもの」連載だったそうです。
といっても、いわゆる腐女子が愛する「BL」ではなくコメディですけどね。
ただ、興行収入を見ると公開から46日間で興行収入5億100万円、動員37.4万人というデータがあり「ヒット」と言えるか微妙なセンです。
やはり、笑いの質が「ディープなファンには受けるモノ」だったので、大衆受けは難しかったのでしょう。なので、早々とAmazonに売却してネット公開されたのかもしれません。
『国宝』の前に公開を急いで、ミソを付けなかったのは良い判断でしたね(笑)
では、次回の“cinemaアラカルト2”で・・・See you again !
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ババンババンバンバンパイア
(C)2025「ババンババンバンバンパイア」製作委員会 (C)奥嶋ひろまさ(秋田書店)2022
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