こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
感傷か!悔恨か!名匠が人間性の奥底に
新たな光をなげかけた問題作!
これは1956年公開、イングマル・ベルイマン監督『野いちご』のキャッチコピー。
今週の当番は、カリスマ彰氏です。
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野いちご
(C)1957 AB Svensk Filmindustri
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1956年公開というと、僕らが生まれて間もない頃の作品。
老教授の人生の回想を織り交ぜた映画だが、その老教授の年齢に近くなってきた今、いろいろと身につまされる映画ですね。
さて、その感想は?

◆『野いちご』(1956年 イングマル・ベルイマン監督 1時間30分)
恋を知り、恋に破れた青春の日々……
北欧の自然を背景に
人間の内面と人間の”時間”を描く珠玉の名篇!
カリスマ彰 映画「野いちご」(1956年 イングマル・ベルイマン監督 1時間30分)を録画して視聴。
学生の頃、ゴダールとベルイマンの映画はまさに映画青年にとって崇拝の二大対象だった。映画としては両極の存在だが、東京中の自主上映会を追いかけたものだった。
もちろんフェリーニとヴィスコンティのイタリア映画も見たが、この2人の巨匠は、この2人に比べれば、分かり易くて、難解好みの映画青年には物足りなかったのだ。
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野いちご
(C)1957 AB Svensk Filmindustri
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さて難解な作品の多いベルイマンの映画の中で、78歳の老教授の人生の回想を描いた老境映画「野いちご」は、最も分かり易いがそのころの私にはちょっと違和感があった。当然だろう。
しかし、じっくり再視聴してみると、ビビ・アンデショーンが2役演じていることに初めて気付いたり、発見は多かった。

初めて見てからほぼ半世紀が経過して、この老教授の心境と言うのが痛いほど分かるようになったのだ。
あらすじと概略は以下の通り(Filmarksによる)。
◆『野いちご』(2022年)
のあらすじ(Filmarksによる)
スウェーデンの巨匠イングマール・ベルイマンが、ひとりの老人の1日を通して人生のむなしさや孤独をつづり、ベルリン国際映画祭金熊賞をはじめ数々の映画賞に輝いた傑作ドラマ。
名誉博士号を授与されることになった老教授が車で授与式場へと向かう道のりを、老教授の回想や悪夢を織り交ぜながら描いていく。

老教授を演じるのはサイレント期の名監督として知られるビクトル・シェストレムで、本作が遺作となった。2013年、デジタルリマスター版でリバイバル公開。2018年の「ベルイマン生誕100年映画祭」(18年7月~、YEBISU GARDEN CINEMAほか)でもリバイバル上映。 |
しかし、それからほぼ50年が経ってみると、この映画の考え抜かれた構成と画面の力に驚かされる。
ベルイマン一家の役者たち(ビビ・アンデショーン、イングリット・チューリン、マックス・フォン・シドー)に加えて、老教授を演じるのはスウェーデンを代表する映画監督・脚本家・俳優のヴィクトル・シェストレム。

映画というよりも、これは演劇といっていいのかもしれない。その演出力に加えて、これを映像にするベルイマンの天才的な映像的発想。
ベルイマンのファン、映画ファンはもとより、分かり易く1時間30分という鑑賞し易い長さ。人生の最後半に入った方々に薦めたい映画である。
/// end of the “cinemaアラカルト493「ほぼ半世紀ぶりに見た
ベルイマン映画「野いちご」」”///

(追伸)
岸波
恋を知り、恋に破れた青春の日々・・老境に差し掛かると、こういう人生の思い出がとてもいとおしくなるね。
岸波通信プロジェクトの「人生カルタ」も同じような意味を持っていることに気づかされる。(14年前の「恋愛カルタ」の時には、まだそんな心境ではなかったが。)
いい映画だね。
では、次回の“cinemaアラカルト2”で・・・See you again !
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野いちご
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