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「Blue Island」(TAM Music Factory)
by 岸波(葉羽)【配信2025.9.4】
 

◆この記事は作品のストーリーについて触れています。作品を実際に楽しむ前にストーリーを知りたくない方は閲覧をお控えください。

 こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。

 ただひたすら
 共に夢を追いかけたーー

 これは実写映画として久々の超ロングラン、ヒット街道ばく進中の映画『国宝』のキャッチコピー。

 原作者の吉田修一氏が仕上がりを見て「100年に1本の壮大な芸道映画」と激賞、第98回米アカデミー賞国際長編映画賞部門の日本代表に選出されています。

国宝

(C)吉田修一/朝日新聞出版 (C)2025映画「国宝」製作委員会

 さて、今回のレビューはゲストのちぃなママ。

 では、よろしくお願いします。

 

 その才能が、
 血筋を凌駕するーー

ちぃな 映画「国宝」を見てきました。

 ヤクザの抗争で天涯孤独の身になった立花喜久雄(吉沢亮)、喜久男に歌舞伎の女形の芸の才能を見出だした花井半二郎(渡辺謙)、花井半二郎の実子で後継ぎの俊介(横浜流星)の物語。

 前から見たかった吉沢亮と横浜流星の共演が実現です。公開2ヶ月たった今なら空いてるかな、というのもあり。

 と・こ・ろ・が、ですよ。m9っ`Д´)

 祝日でハッピーマンデーの日に行ったせいでしょうが、満席。さすが、ロングラン話題作。

国宝

(C)吉田修一/朝日新聞出版 (C)2025映画「国宝」製作委員会

 あらすじですが、長崎のヤクザの家に生まれた立花喜久雄(吉沢亮)は、踊りが好きで、自分で歌舞伎の女形をやっています。

 ヤクザの新年会の余興で幼馴染と演目を演じたのですが、その芸が居合わせた歌舞伎役者の花井半二郎(渡辺謙)の目にとまります。

 が、そこで別なヤクザの殴り込みに合い、喜久雄の父親は亡くなります。

  喜久雄(吉沢亮)

 その後、母(後妻のため継母ですが)も亡くなり、喜久雄は天涯孤独の身となります。

 そこで、花井半二郎に引き取られ、15才で部屋子となり、花井半二郎の息子、俊介と一緒に歌舞伎の稽古をするようになります。

 ある時、半二郎が事故にあい、舞台に立てなくなり代役が必要になります。代役として半二郎が指名したのは、息子でなく、部屋子の喜久雄でした。

  花井半二郎(渡辺謙)

 血筋か、能力かの戦い。

 喜久雄は、「俊ぼんが持ってる血が俺にはない」と動けなくなりますが、俊介が励まし、立派に代役を務めます。

国宝

(C)吉田修一/朝日新聞出版 (C)2025映画「国宝」製作委員会

 その舞台を見ていられず、俊介は出奔してしまいます。

 その時に喜久雄の恋人、春江(高畑充希)も一緒に出て行ってしまいます。

  春江(高畑充希)

 その後、喜久雄は、半二郎の後継者として役者人生を歩むのですが、襲名の舞台で半二郎が突然倒れます。

 その時、半二郎が口にしたのは、後継者として襲名している「喜久雄」ではなく、実子の「俊介」でした。

 そのまま半二郎は亡くなり、喜久雄は「花井半二郎」として襲名したものの、後ろ盾をなくし、役が回ってこなくなります。

  俊介(横浜流星)

 そんな時に、出奔した俊介が春江と結婚し、長男と一緒に戻ってきます。

 世間は半二郎の実子、俊介をもてはやし、喜久雄は歌舞伎界に居場所をなくし、ドサ回りの旅に出ます。

 最終的に人間国宝である万菊(田中泯)の力で歌舞伎界へ戻ることになるのですが。。。

国宝

(C)吉田修一/朝日新聞出版 (C)2025映画「国宝」製作委員会

 以下、感想。

 喜久雄の少年時代を演じた黒川想矢君がすごすぎる。

 女形を演じるのはもちろん、中学生にして背中に入れ墨を入れるシーンが、渾身の演技という感じです。

  喜久雄と俊介の少年時代

 女形を演じるのが楽しくて仕方ない演技、一転して父親が目の前で殺されるシーン、半二郎の部屋子になり、俊介と一緒に稽古するシーンなど、親を殺された恨み、少年らしいところ、とにかく素晴らしかった。

 そして、それがそのまま吉沢亮演じる大人の喜久雄になっておりました。

 吉沢亮君は、本当に顔面国宝。

 

 もしかしたら本人にとっては不本意かもしれませんが、女形になったシーンでは、吉沢くんの元の顔がわからないくらい、綺麗でした。

 横浜流星君は、女形になった時、顔立ちで分かるのですが、吉沢亮君は整いすぎて分からない。

 襲名して栄華を極めているときの冷酷な笑顔、「うもう(上手く)なれますようにと悪魔と取引したんや」と笑う何も見てない表情、渡辺謙演じる半二郎という後ろ盾をなくし落ちぶれてからも芸しか頭になく目の前にいる客が誰も見ていなくても、取り憑かれたように舞う様、とにかく芸に生きてる様子がすごかった。

国宝

(C)吉田修一/朝日新聞出版 (C)2025映画「国宝」製作委員会

 喜久雄と俊介、芸か、血筋か、の世界が辛いものがあります。「芸は身を助く」のか、「芸は身を滅ぼす」のか。

 田中泯演じる人間国宝の万菊の台詞が一番好きでした。

「あなた、歌舞伎が憎くて憎くて仕方ないんでしょう。それでいいの。それでもやるの。」

「ここには美しいものが一つもないだろ。妙に落ち着くんだよ。なんだかほっとすんのよ。もういいんだよって誰かに言ってもらえたみたいでさ」

  万菊(田中泯)

 やはり、長い年月やり続けた人の台詞は重みが違います。

 歌舞伎の演目はほとんど知りませんでしたが、女形の二人の二人藤娘、二人道成寺、曽根崎心中、鷺娘、とても綺麗でした。

 楽屋、奈落の移動、早変わりの様子など、歌舞伎を創る側の世界を見れたのも良かった。

  主演の二人(舞台挨拶にて)

 吉沢亮と横浜流星、2人の女形をスクリーンで見るだけでも素晴らしい。

 私にとっては仮面ライダーメテオとトッキュウグリーンの2人が、大河で主演をやり、よくぞここまで(涙)うっうっ(涙)

 ここまで舞えるようになるまで、どれだけ稽古したんだろうと思います。

国宝

(C)吉田修一/朝日新聞出版 (C)2025映画「国宝」製作委員会

 あと、横浜流星君には、ぜひともキングダムの蒙恬を演じていただければ心残りないなあ。

 女性陣たちも。宮澤エマ、寺島しのぶ、高畑充希、見上愛、森七菜、瀧内公美。みなさん外せない役柄でした。

 2回3回と劇場に足を運ぶ人が多いのも頷けますが、私には隠のシーンが重く、2回は見ないかな。原作は読んでみようと思います。

 

/// end of the “cinemaアラカルト487「国宝」”///

 

(追伸)

岸波

 我が家ではいつもケイコと二人で行動。もちろん「映画」でも。

 しかあしっ!!

 『国宝』を観たいケイ子と『ジュラシック・ワールド/復活の大地』を観たい僕と意見が折り合わず、どちらも行けていないのです(泣)

 なので、ちぃなが書いてくれたのは超ラッキー・・カリスマ彰は劇場には行かないしね。

 前期、「子育て日記」に載せた記事でしたが、こちらにもダブルアップすることにいたしました。

 

 では、次回の“cinemaアラカルト2”で・・・See you again !

国宝

(C)吉田修一/朝日新聞出版 (C)2025映画「国宝」製作委員会

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To be continued⇒  “cinemaアラカルト487” coming soon!

 

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