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「Glidin'」(TAM Music Factory)
by 岸波(葉羽)【配信2025.8.30】
 

◆この記事は作品のストーリーについて触れています。作品を実際に楽しむ前にストーリーを知りたくない方は閲覧をお控えください。

 こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。

 または私は如何にして心配するのを止めて
 水爆を・愛する・ようになったか

 これは1964年日本公開、スタンリー・キューブリック『博士の異常な愛情』のキャッチコピー?

 実は、この映画にはキャッチコピーが無く、正式タイトルが『博士の異常な愛情または私は如何にして心配するのを止めて 水爆を・愛する・ようになったか』なのです。

博士の異常な愛情

 今週の当番は、カリスマ彰氏です。

 では、よろしくお願いします。

 

カリスマ彰 NHKBSをつけっぱなしで仕事することが多い。日本のプロ野球や高校野球にはほとんど興味がないが、大谷翔平のおかげでMLB中継を見ているからだ。

 NHKBSは映画の放映も多く、ついついつけっぱなしになる。大相撲をやっていると夕方5時からは相撲中継を晩酌しながら見てしまう。

 酷暑で冷房もつけっぱなしだから、電気代はどうなるんだろう。下手すると2万円をオーバーするかもしれない。それよりも、TVも冷房もそろそろ壊れそうで怖い。

  大谷の不振が心配だが、映画では最近見たのが「博士の異常な愛情」(1964年 スタンリー・キューブリック監督 1時間35分)。正確はタイトルの日本語訳は「博士の異常な愛情、または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」である。

博士の異常な愛情

 一度か二度見たことがあるが、ほとんど忘れている。今回も途中から見ていたが、昼飯後ということもあり、なんと寝てしまった。

 気になって、以前録画していたはずだなと探したら出て来て、じっくり見てしまった。よく考えたら本日は8月5日火曜日午後1時、明日は広島の原爆投下の日なんだね。

  あらすじは以下の通り。

◆『博士の異常な愛情』(1964年)のあらすじ

 冒頭にアメリカ空軍による「映画はフィクションであり、現実には起こりえない」との趣旨の解説が流れる。

ある日、アメリカ空軍戦略航空軍団第843爆撃隊が所属するバープルソン空軍基地の司令官リッパー准将が精神に異常をきたし、警戒飛行中だった第843爆撃隊のB-52戦略爆撃機34機に対して、本来政府中枢が敵の先制攻撃を受けて混乱した場合に下級指揮官が独地の判断でソ連への報復核攻撃を行うことができる「R作戦」を実行するよう命令すると、基地に戦時体制を発令して立て篭もった。

 バープルソン空軍基地に派遣されていたイギリス空軍のマンドレイク大佐は偶然にも戦争状態でないことを知り、リッパー准将にB-52を引き返させるよう進言するが拒否される。

 

 マンドレイク大佐は自身の権限によってB-52を引き返させようとするが、逆にリッパー准将が閉じこもる執務室に軟禁されてしまい、リッパー准将の話し相手となる。

「R作戦」に従いソ連への攻撃に出撃したB-52には、それぞれ第二次世界大戦で使用された全爆弾・砲弾の16倍の破壊力がある核兵器が搭載されていた。

 バープルソン空軍基地の状況とB-52出撃を知ったアメリカ政府首脳部(マフリー大統領、タージトソン将軍を始めとする軍高官、大統領科学顧問兼兵器開発局長官のストレンジラヴ博士など)は、ペンタゴンの戦略会議室に集結して対策を協議するが.........

 尺が1時間35分の映画とは思えない、面白過ぎる出来栄えだ。同時にいろいろと細かい仕掛けが張り巡らされているのに気付かされる。

 ピーター・セラーズは1人3役(米国大統領、リッパー准将の副官のマンドレイク大佐、ストレンジラヴ博士)を演じていて、芸達者ぶりを発揮している。

博士の異常な愛情

 本当は核爆弾にまたがってソ連領内に降下するコング少佐(スリム・ピケンズ)も演じる予定だったという(この映画の撮影中に負傷し断念)。

 しかしそれよりもタージトソン将軍役のジョージ・C・スコットやリッパー准将役のスターリング・ヘイドンの鬼気迫る演技の方が私には面白い。

  

 この作品(原作ピーター・ジョージ「破滅への二時間」)を起点に、キューブリックは「2001年宇宙の旅」(1968年、同名の原作アーサー・C・クラーク)、「時計仕掛けのオレンジ」(1971年、同名の原作アンソニー・バージェス)とSF3部作を完成したが、原作の選び方がまず素晴らしいのを忘れてはならない。

 

 もちろんその素材を料理する天才的な想像力・創造力は言うまでもないのだが。

 今更だが、キューブリック(1928~1999、70歳没)はやはり凄い。もう1作、作って欲しかったな。

 

/// end of the “cinemaアラカルト486「映画「博士の異常な愛情」をじっくり鑑賞」”///

 

(追伸)

岸波

 水爆にまたがってソ連に降下するシーンはぶっ飛んでるよな。

 なお、上に掲げた『2001年宇宙の旅』らしき画像は、グッチが『宇宙の旅』を引用して制作したプロモーション・フィルムだ。これは二重にぶっ飛んでる(笑)

 中学校の時の即興ピアノ・パフォーマンス連弾「原爆ミサ」を弾いた俺たちも相当なもんだと思うけどな(大笑)

 

 では、次回の“cinemaアラカルト2”で・・・See you again !

博士の異常な愛情

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To be continued⇒  “cinemaアラカルト487” coming soon!

 

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