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「Glidin'」(TAM Music Factory)
by 岸波(葉羽)【配信2025.7.5】
 

◆この記事は作品のストーリーについて触れています。作品を実際に楽しむ前にストーリーを知りたくない方は閲覧をお控えください。

 こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。

 世界最北端の駅へ向かう寝台列車の6号室。
 最悪の出会いではじまる最高の旅を世界が絶賛。

 これは2021年制作、日本では2023年に公開された『コンパートメント No.6』のキャッチコピー。

 今週の当番は、カリスマ彰氏です。

コンパートメント No.6

(C)2021 - AAMU FILM COMPANY, ACHTUNG PANDA!, AMRION PRODUCTION, CTB FILM PRODUCTION

 カンヌでコンペティション部門のグランプリを獲得した作品。どうやらLGBT要素もあるらしい。

 さて、その内容は?

 

◆『コンパートメントNo.6』(2021年 ユホ・クオスネマン監督 1時間47分

 空回りするわたしを捨てて、
 列車に乗ったーー。

カリスマ彰 録画していた映画「コンパートメントNo.6」(2021年 ユホ・クオスネマン監督 1時間47分)を見た。

 日本では2023年の公開だが、時節柄ほとんど話題にならなかった。フィンランドの映画監督によるが、言葉はほとんどロシア語。

コンパートメント No.6

(C)2021 - AAMU FILM COMPANY, ACHTUNG PANDA!, AMRION PRODUCTION, CTB FILM PRODUCTION

 あらすじと概要は以下の通り。

◆『コンパートメント No.6』(2021年)の概要とあらすじ

 長編デビュー作「オリ・マキの人生で最も幸せな日」がカンヌ国際映画祭「ある視点」部門の作品賞に輝いたフィンランドの新鋭ユホ・クオスマネンが、同国の作家ロサ・リクソムの小説を基に撮りあげた長編第2作。

 

 舞台は1990年代のモスクワ。フィンランドからの留学生ラウラは恋人(女性の大学教授)と一緒に世界最北端駅ムルマンスク近くで発見されたばかりのペトログリフ(古代人の岩面彫刻)を見に行く予定だったが、恋人に突然断られ1人で出発することに。寝台列車の6号客室に乗り合わせたのはロシア人の炭鉱労働者リョーハで、ラウラは彼の粗野な言動や失礼な態度にうんざりする。しかし長い旅を続ける中で、2人は互いの不器用な優しさや魅力に気づき始める。

 2021年・第74回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、グランプリを受賞した。

 2021年製作/107分/G/フィンランド・ロシア・エストニア・ドイツ合作

 モスクワの大学に留学しているフィンランド人の女性大学生が主人公で、モスクワから2000キロ以上離れたオーロラが見られることで有名な世界最北の駅まで列車で移動するロードムービーの体裁だ。

 

 しかも1990年代が舞台。国境を接したびたび戦争もしているフィンランドとロシアの関係も描いている。

 2022年2月のロシアのウクライナ侵攻の前年にヨーロッパで公開されているのを知るとなかなか複雑な背景を持った映画である。

 じっくり見るとやはりヨーロッパ映画らしい重厚な味わいと細かい演出が感じられる。

 

 2人の主役(セイディ・ハーラとユーリー・ボリゾフ)がなかなかの役者。

 ただしラウラ役のセイディ・ハーラは女子大生にしてはちょっと老けている。

 

/// end of the “cinemaアラカルト478「2021年カンヌ映画祭グランプリ作品
「コンパートメントNo.6」の複雑な味わい
」”///

 

(追伸)

岸波

 なるほど・・セクハラ男のリョーハに「"愛してる" ってフィンランド語で何て言うんだ?」と聞かれて、主人公が「Haista vittu(クソったれ/くたばれ)」と嘘を教え、リョーハが何も知らずにその言葉を連呼するのが笑えるね。

 まあ、その言葉がエンディングのオチに繋がる辺りは素晴らしい。

 今はフィンランドとロシアの国境地帯は封鎖され、鉄道も止まっているだろうけれど、その直前に作られた映画という事を考えると、たしかに複雑な気持ちになるね。

 

 では、次回の“cinemaアラカルト2”で・・・See you again !

コンパートメント No.6

(C)2021 - AAMU FILM COMPANY, ACHTUNG PANDA!, AMRION PRODUCTION, CTB FILM PRODUCTION

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To be continued⇒  “cinemaアラカルト479” coming soon!

 

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