こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
最も続きが観たい最凶ホラー。
前回の記事で「ホラー映画はめったに見ない」と書いておきながら、またまた見てしまいました(笑)
その映画はamazonプライムで過去4作品が一挙リリースされた「インシディアス・シリーズ」の第四作『インシディアス 最後の鍵』。(日本では劇場未公開)
実は、シリーズものという事を知らずに、たまたま見つけた評価の高い作品をポチっただけなのですが。すると・・
怖い! 実に怖い!!
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インシディアス 最後の鍵
(C)2018 Universal Pictures |
あまりの怖さに、途中からアブナイ場面になってくると、掌で画面の上部9割を覆って一番下の5センチくらいしか見えないようにして、音だけ聞いていました(笑)
しかも事前情報ゼロで臨んだため、これがサスペンスなのかホラーなのかコメディなのか全く分からないまま引きずり回されたのです。
コメディかと思ったのは、主人公以下3名のチームが「心霊捜査班(ゴーストハンター)」と名乗り、ゴーストバスターズを真似たトレードマークを専用車に描いていたため。
今回は怖いけれども「グロ」は無いので、それが苦手な向きでも大丈夫。
さて、その内容は?

そこに、誰かいるーー。
映画の冒頭は、主人公の霊能者エリーズ(リン・シェイ)の少女時代のエピソードが16分ほどプロローグとして描かれる。
1953年のニューメキシコ州立刑務所の間近にエリーズ一家4人が住む「レイニア家」があり、父親は刑務所の刑務官、そして母親と弟だ。
父親はテレビが唯一の趣味という、この時代ではよくあった父親像だが、見るのは政治や国際情勢のニュースばかり。
突然、家の電気が点滅を始め、弟が「また誰か電気椅子にかけられたね」と。
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インシディアス 最後の鍵
(C)2018 Universal Pictures
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するとエリーズは、その死刑囚のフルネーム、罪状、犯行時の様子、最後に食べた食事などを語り始め、父親は気味の悪そうな眼で睨む。
母親が二人を連れて子供部屋に行くと、おもちゃが乱雑に転がっている。「どうしたの」と聞くとエリーズは「私たちじゃない、別の子が散らかしたんだよ」と。
少女時代のエリーズ
母親は言う。「貴女が他人の見えないものを見る力があることは分かっている。でも、それを人に言ってはダメ・・特にお父さんには。お父さんはそんな貴女を怖がっているのよ」と。
別の日、エリーズが霊と会話しているのを父親に見つかってしまう。父親は「いい加減なことを言うな」と激怒して激しい体罰を与え、遂には地下室に監禁する。
監禁されるエリーズ
エリーズは地下室の一番奥の扉から灯りが漏れているのを見つけ、何者かの声を聞く・・「その鍵でこの扉を開けて欲しい。自分には空けられない」と。
エリーズが鍵を開けると、怖ろしい姿の何者かが飛び出してきて悲鳴をあげる。聞きつけた母親が駆け付けるが、母親はその何者かに殺されてしまいエリーズは気を失う。
悪霊に襲われて・・
そして現在。エリーズは既に老婆となっており、スペックス(リー・ワネル)とタッカー(アンガス・サンプソン)の二人の助手と共に「心霊捜査班(ゴーストハンターズ)」を営んでいる。
助手のスペックスとタッカー
依頼の電話が入るが、その住所を聞いたエリーズは即座に「自分にはできない」と断りを入れる。それは、かつて自分が父親の虐待から逃げ出した実家の住所だった。
しかしエリーズは、あの悪霊がまだ居るとしたら、それを解き放ったのは自分の責任だと考え直し、助手たちには告げず自分一人で過去の因縁に立ち向かう決意をする。
さて、かつて自分が住んでいた家に憑りついた悪霊の正体とは? そしてエリーズはたった一人で凶悪な敵を倒すことができるのか!?
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インシディアス 最後の鍵
(C)2018 Universal Pictures
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最初に言ったように、この『最後の鍵』はシリーズ第四作ですが、不思議な構造になっています。
2010年にアメリカで公開された第一作『インシディアス』にも霊能者エリーズが登場しますが、そのラストで彼女は悪霊に殺されてしまうのです。(おーまいがー!)
しかし、公開されると5週連続トップテン入りするスマッシュヒットを放ち、続く2013年に第二作『インシディアス第二章』が公開。
『インシディアス第二章』
前作ラストで殺されたエリーズは「あの世」からメンバーに指示を出すという奇想天外な登場になるも大ヒット。
さらに2015年、やはりこのシリーズにエリーズは欠かせないとなったのか、時を遡った『インシディアス序章』として倍の制作費を投入して公開、またも大ヒット。
今回の『最後の鍵』は、この『序章』の後を受け、第一作『インシディアス』のファーストシーンに繋がるまでのストーリーなのです。
リン・シェイ(エリーズ役)
それほどまでにブレイクしたエリーズ役の女優リン・シェイは、1943年生まれと言いますから今年で81歳。
父親はスーパーマーケット経営、母親は普通の主婦という一般家庭の出。演技者を目指して主にSF映画やホラー映画に出演していましたが、本当の意味で日の目を浴びるのはインシディアス・シリーズが初めて。
長年の努力が報われてよかったですね。現在では「ホラーのゴッドマザー」の異名を取るまでに。
しかしこの『インシディアス』、「怖さ」のツボをよく抑えていると思いましたら、脚本がホラー映画『ソウ』シリーズで脚本を務めたリー・ワネル。
脚本家リー・ワネル
こんな優しい顔をしたオジサンなのですが、あんな怖ろしい脚本(ホン)が書けるのですね。才能があるんでしょう。
ちなみに第一作と第二作は、『ソウ』の第一作でワネルとタッグを組んだジョームズ・ワンが監督を務め、第三作ではワネル自身が監督も務めています。
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インシディアス 最後の鍵
(C)2018 Universal Pictures
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現代パートになって、悪霊の正体が明かされる場面ではサプライズがあります。
「悪霊払い」の依頼者の男は、エリーズの実家の家具をそのまま用いた「居抜き」で使用していたのですが、悪霊が居るというのはエリーズらが住んでいた子供部屋。
しかしエリーズは、地下室に霊の気配を感じて探索をし、遂に悪霊の正体を発見。何とそれは「悪霊」ではなく、長年、家主に監禁されていた生身の女性だったのです。
地下室が怪しい・・
ことココに至って家主は本性を表し、エリーズらを殺しにかかる。力を合わせて悪の家主を倒したエリーズらは女性を解放。しかし、まだ妙な気配を感じる。
換気ダクトの奥に何かが潜んでいると睨んだエリーズが中に潜り込むと、そこにはたくさんの大きなトランクが。
この奥に何か・・?
意を決して一つのトランクの蓋を開けると、その中には「本当の恐怖」が秘蔵されており、エリーズの父親の真実を知ることになる!!
また「画面の9割」を隠して音を聞いていました。ガクガクブルブル・・。
ここのシナリオは凄い。予想もしなかった。さすがワネル!
さて、中に入っていたものとは!?
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インシディアス 最後の鍵
(C)2018 Universal Pictures
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このシークエンスで終わらないところがまた凄い。
考えてみれば、エリーズが最初に解き放ってしまったラスボスはまだ登場していないのですから。
ということで、恐怖でお腹いっぱいになるこの『インシディアス 最後の鍵』。
第五作の『インシディアス 赤い扉』も2023年に制作され、現在有料配信中なので、「無料」になったら観てみたいと考えています(笑)
/// end of the “cinemaアラカルト467「インシディアス 最後の鍵」”///

(追伸)
岸波
父親から虐待され続けたエリーズは、16歳の時に弟を残して家を飛び出すのですが、晩年(このエピソードの時代)に弟の面影によく似た姉妹と遭遇します。
彼女たちは、エリーズの弟クリスチャンの娘たちでした。
霊能力の無かった弟は、自分を置いて出て行ったエリーズを恨んでいましたが、密かに能力を受け継いでいる二人の娘たちはエリーズ(伯母さん)と意気投合。
ラスボス(デビル)との最終決戦では、危機に陥ったエリーズを救出に駆け付けます。この流れもいいですねぇ。
あ、そうそう・・ゴースト・ハンターズの助手スペックスは、脚本のリー・ワネル自身が演じています。演技も達者じゃないですか!
では、次回の“cinemaアラカルト2”で・・・See you again !
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『インシディアス 最後の鍵』(撮影の合間に)
(C)2018 Universal Pictures
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