こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
名匠デビッド・リーン監督が描く
不朽の愛の名篇!
これは、1970年公開のデヴィッド・リーン監督『ライアンの娘』のキャッチコピー。
今週の当番は、カリスマ彰氏です。
1962年公開の『アラビアのロレンス』で彗星のごとく映画界に登場したデヴィッド・リーン監督。その後の『ドクトル・ジバゴ』(1965年)もまた大ヒット。
その彼が1970年に満を持して放った大作『ライアンの娘』ですが、その内容は如何に?

◆『ライアンの娘』(1970年 デヴィッド・リーン監督 3時間15分)
なぎさに立ちこめる
かげろうのように
愛は燃え上がり
そして消えていくーー
カリスマ彰 デヴィッド・リーン監督(1908〜1991)の映画「ライアンの娘」がTV放映されていたのを録画しておいた。これを最近見た。
1970年に公開された3時間15分の作品だ。
この作品は、はるか20代の時にTVで見た記憶がある。当然ほとんどを忘れていた。
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リーン作品でも「アラビアのロレンス」(1962年 3時間36分)「ドクトル・ジバゴ」(1965年 3時間17分)の2大傑作に比べると、作品の出来は落ちるようだ。
あらすじは以下。
◆『ライアンの娘』(1970年)のあらすじ
20世紀初頭、独立運動が秘かに行なわれているアイルランドの港町。古い因習を嫌う美しい娘ロージー(サラ・マイルズ)は、年の差が離れた教師チャールズ(ロバート・ミッチャム)と結婚式を挙げた。しかし彼との平凡な日常生活に不満足なロージーは、赴任してきたイギリス軍将校のランドルフ(クリストファー・ジョーンズ)と不倫関係を結ぶ。

あるとき、武器を陸揚げしていたイギリスからの独立を望む男たちが逮捕されるという事件が起こる。これをイギリス軍に密告したのはロージーの父ライアン(レオ・マッカーン)だった。ライアンは疑われなかったが、その娘でイギリス軍将校との不倫が公然の噂になっていたロージーは裏切り者の烙印を押されてしまう。
ロージー(サラ・マイルズ)
そんなとき、彼女のそばにいて支えてくれたのは、彼女が裏切り続けていた夫のチャールズであった。
その他、ストーリー展開の中心にいる神父(トレバー・ハワード)、唖で頭の弱い足の不自由な漁師マイケル(ジョン・ミルズ)が重要な役回りになっている。 |
しかし、そうは言ってもリーン作品である。3大傑作とは言えないが、それなりに見事な出来栄えだ。
「アラビアのロレンス」は砂、「ドクトル・ジバゴ」は雪、そして「ライアンの娘」は海が主人公と言えなくもない。

ピーター・オトゥール、ジュリー・クリスティが一世一代の演技を見せているのに比べて、主役ロージー役のサラ・マイルズ(脚本を書いたロバート・ボルトの妻)とイギリス軍将校の魅力が今ひとつというのが前2作との差かもしれない。
モーリス・ジャールの音楽がちょっと中途半端でもの足りないのも評価が今ひとつの原因だろう。

それでもフレディ・ヤングのカメラは冴えに冴えていて、大スクリーンで見たら圧倒されるだろう。まあ、いろいろキズはあるがこういう「文芸大作」が好きな映画ファンにはこたえられないだろう。
この後、短編映画をひとつ撮影後にリーンは最後の作品になる「インドへの道」(1984年 2時間34分)を撮った。これはいろいろ問題もある作品だった。
/// end of the “cinemaアラカルト455「デヴィッド・リーンの映画
「ライアンの娘」を見た」”///

(追伸)
岸波
文芸大作か、僕の一番苦手な分野だ(笑)
むしろ『インドへの道』が気になって調べて見たが、これはE・M・フォースターの代表作の舞台化脚本を元にした映画なんだね。これまた難解な文芸作品だった。
ふと思ったが「文芸大作」と言うものは普遍的なものじゃなくて、ある特定の時代の感性に基づいて描かれた作品じゃなかろうか。(「映画」もそうなんだが。)
つまり、時代が変わってしまえば「共感」が失われ、「読まれない作品」になるのではなかろうか。
今の若者世代に、いわゆる「文芸大作」がどれだけ読まれているのだろう?
最初からそれらを読まなかった自分が言うのもナンだが。う~むぅ・・。
では、次回の“cinemaアラカルト2”で・・・See you again !
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