こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
"伝説"から36年。
トム・クルーズ、大空への帰還
「トップガン マーヴェリック」
今回も大変遅ればせではありますが、2022年5月公開『トップガン マーヴェリック』をAmaonプライムで視聴しました。
コロナ禍による度々の公開延期で観る意欲が失せ、無料公開まで引き伸ばしていたのですが・・もっと早く観ていればよかったと後悔(涙)
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トップガン マーヴェリック
(C)2021 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved. |
36年前の前作『トップガン』では、飛行中の場面はほとんどCGで処理されていたものが、今回は強烈な加速度(Gフォース)で顔が歪む様をリアルに表現するため、俳優らを長期訓練し、撮影のための実機飛行に乗り込ませたのです。
そう・・まさに「本物のリアル」を追及するトム・クルーズの真骨頂。アメリカ海軍が前面的にバックアップしたのは言うまでもありません。
監督は『オブリビオン』でトム・クルーズとタッグを組んだジョセフ・コジンスキー。その最強コンビが、2012年に死去した前作の監督トニ―・スコットに捧げる作品となりました。
さて、そんな『マーヴェリック』の内容は?
誇りをかけて、飛ぶ。
映画の冒頭、新鋭の超音速機「ダークスター」のテスト飛行を行うため、ピート・“マーヴェリック”・ミッチェル(トム・クルーズ)が空軍基地にやって来る。
ところが基地に急報が入る。計画の責任者である上官のケイン少将(エド・ハリス)が計画の中止を直接告げるため、基地に向かっていると言う。
最新鋭機ダークスター
彼は、戦闘機同士がドッグファイトを繰り広げる闘いは時代遅れになったとし、無人ドローン機の開発に予算を廻そうとしていた。
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トップガン マーヴェリック
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ケイン少将の中止命令を「通話不良」を偽造して強行。誰も成し得なかった「有人飛行によるマッハ10」の壁を破って見せる。
ところが、さらにいい所を見せようと速度を上げ続け、耐えきれなくなった飛行機が大破しマーヴェリックは辛くも脱出。
テスト機を失った責任を問われクビかと思いきや、告げられたのは古巣でもある「トップガン養成所」の教師への配属替えだった。
前作『トップガン』で盟友だった海軍大将アイスマン(ヴァル・キルマー)の計らい。
招集されたトップガンたち
トップガンでは、ならず者国家の某国がNATO協定を破って建造している核燃料濃縮施設を破壊する極秘プロジェクトを進めており、そのためのエキスパートを養成しようとしていたのだ。
その指導教官として現地に赴いたマーヴェリックは、集められたメンバーの中に、かつて不慮の事故で死亡させた盟友“グース”の息子“ルースター”ブラッドショー(マイルズ・テラー)がいた事に愕然とする。
ルースター(マイルズ・テラー)
マーヴェリックは亡くなった“グース”の妻から息子をパイロットにしないよう頼まれ、彼の願書を握りつぶしたはずだった。
しかし、ルースターは願書を握りつぶしたのが”父の仇”であるマーヴェリックの仕業と考え深く恨んでいた。
チームに不協和音を抱えたまま訓練を遂行するマーヴェリック。
マーヴェリックは、ルースターが父親と同じ曲を披露する姿に思い出を重ねる
だが今回のミッションは、レーダーに補足されないよう曲がりくねった峡谷の超低空を超高速で飛行せねばならず、能力に勝る敵機から逃れるためには2分30秒で離脱しなくてはならない厳しいものだった。
一向に成功しないシミュレーションに業を煮やした首脳陣は、彼らが生還できなくても破壊さえ成功すれば止む無しと判断し、計画の変更を迫る。
死地に赴く精鋭たち
「もう一人も死なせない」と決意したマーヴェリックは、自ら困難なシミュレーション飛行を成功させ、自身が編隊長としてチームを率いると決意。
さて、マーベリックは不可能ミッションを成功させ、世界を核戦争の驚異から救う事ができるのか? はたまた、マーヴェリックとルースターの関係や如何に!?
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トップガン マーヴェリック
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ルースターの父“グース”を失った事故は、前作でもっとも重要なシーン。ちぃなママが別稿で書いたように、前作『トップガン』のシークエンスを知らないと、今作の魅力は半減します。
そして、前作のヒロイン役でマーヴェリック(トム・クルーズ:撮影時56歳)の恋人だった女性教官チャーリー(ケリー・マクギリス)は登場しません。
既に還暦を過ぎた高齢と太ってしまった容姿のせいか?
チャーリーの現在
変わってヒロインとなるのが、チャーリーの後の恋人だった(設定の)ペニー・ベンジャミン(ジェニファー・コネリー:撮影時48歳)。
彼女は基地近くのダイナーを経営しているバツイチで、10歳くらいの娘との二人暮らし。緊張感溢れるストーリーの中で、彼女らとのやり取りが非情にいいアクセントになっていました。
例えば再会シーンで「もう遅い」「え?」「私を誘っても無駄よ」・・マーヴェリックが「本当か」とニヤケると・・
「その顔はキライよ」
「いやいや、俺はなにもたくらんでないよ」と慌てて弁解するハメに(笑)
その顔はキライよ・・
また、故障したペニーのヨットを二人でボートヤードに運ぶシーンで・・
「バックステア引いて、パワーダウンさせるから」
「OK!・・どういう意味?」
「あなた海軍の人でしょ?」
「俺は船は操縦しないんだ。船に"降りる"だけ!」
あなた海軍の人でしょ?
そして極めつけが、娘が友達の家に泊りに行ったタイミングで、二人が二階のベッドに居る時に何故か娘が帰って来てしまう(笑)
慌てて服を着て降りて行こうとするマーヴェリックが「そっと窓から出て。初対面の男性を連れ込んだって娘に思われたくないの」と言われて、窓から庭へ飛び降りることに。
しかし、飛び降りて先の一階の窓いた少女と目が合ってしまう。絶体絶命!どうなるかとドキドキしていると少女が口を開く・・
「ママを大切にしてね」
ママを大切にしてね
素晴らしい脚本です。ハートがワシ掴みにされました。
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トップガン マーヴェリック
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決死隊の搭乗機として採用されたのが数世代前のF/A-18E/F スーパーホーネット。海軍が撮影協力するにあたり「もっと良い機体がある」と大論争になったそうですが、これには理由がありました。
スーパーホーネットには操縦席の前や後部に撮影カメラを設置できるスペースがあったので、実機を使用する以上、コレにするしかなかったのです。
スーパーホーネット
このため、敵基地には電波妨害装置があり、衛生とのリンケージで飛行する最新鋭機は使えない・・という設定に。
逆にこの設定にしたおかげで、遥かに能力が上回る第五世代の敵戦闘機とのドッグファイトが非情にスリリングになりました。
興行成績や評価ですが、北米での初週末興行収入は1億2670万ドル(160億円)を記録し、トム・クルーズが主演した映画の中でナンバーワンとなりました。
そして、公開ほぼ二か月後の7月13日、パラマウント・ピクチャーズは本作の北米累計興行収入が約6億192万ドルを突破し、過去、同社の首位であった『タイタニック』を超えたことを発表。
タイタニック
さらに、映画評論サイトRotten Tomatoesでは、97%が「高評価」で平均点は10点満点中8.3点という驚異的なスコアを獲得しました。
早い話、この『マーヴェリック』がトム・クルーズの代表作となったのです。
映画公開後、アメリカでは海軍志望者が激増し、日本でも自衛隊応募者が増えたというのですから、映画の影響は凄まじいものがあります。
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トップガン マーヴェリック
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さて映画の終盤、困難な作戦を成功させ、マーヴェリックとルースターが和解してメデタシメデタシと思っていたのですが、ドッグファイト中に弾切れとなったルースター機を庇ってマーヴェリックの機体が被弾・大破したシーンで、えええ~と!
トップガン終了!?
・・と思いきや、空中脱出に成功していたのですが、今度は地上で敵ヘリに狙われて絶体絶命。そこに帰還命令を無視して単機突っ込んで来たルースターがギリチョンで破壊するものの、今度はルースター機がミサイルの直撃で大破。
再度、えええええええ~と!
この後、もう一回悲鳴を上げることになるのですが、とにもかくにも息を尽かせぬクライマックの展開。素晴らしい。
いや~ もう十分に堪能させていただきました。なんで最初から劇場で観なかったのかな?(大笑)
/// end of the “cinemaアラカルト429「トップガン マーヴェリック」”///
(追伸)
岸波
前作の主題歌「デンジャー・ゾーン」が、今回の作品でもテーマソングに採用されています。ファンにはたまらないですね。
そして驚きの情報。
Wikiによれば「続編」の脚本が執筆開始されたとのこと。えええ~(またかい!)
逆にコレはちょっと不安ですね。伏線はすでに回収済みだし年齢的な問題もある。還暦過ぎの戦闘機乗りって実際はいないだろうし。
ルースター役のマイルズ・テラーが自分で『トップガン ルースター』の企画を売り込んでいるという情報もありますが、まさか・・そんな・・うむむむむ。
では、次回の“cinemaアラカルト2”で・・・See you again !
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