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「Freezing Conflagration」(佑樹のMusic-Room
by 岸波(葉羽)【配信2024.7.13】
 

◆この記事は作品のストーリーについて触れています。作品を実際に楽しむ前にストーリーを知りたくない方は閲覧をお控えください。

 こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。

 タギれ、野郎ども。
 最強の〈消耗品軍団〉エクスペンダブルズ、再結集。

 前作からなんと9年ぶりとなるシリーズ第四作『エクスペンダブルズ ニューブラッド』をAmaonプライムで、今ほどる視聴いたしました。ちょっと懐かしいですね。

 と言ってもこの映画、日本公開は本年1月5日・・ハイ、劇場では観ていなかったのです。

エクスペンダブルズ ニューブラッド

(C)2022 Ex4 Productions, Inc.

 黒澤明監督の『七人の侍』をモデルにしたというこのシリーズ、タイトルに"ニューブラッド"とある通り、今回は新生軍団。

 お馴染みのバーニー・ロス(スタローン)とリー・クリスマス(ジェイソン・ステイサム)は「二枚看板」なので外せませんが、ほか初期メンバーから残っているのは射手のガンナー(ドルフ・ラングレン)と格闘技のプロ、トール(ランディ・クートゥア:元UFC世界ヘビー級王者)のみ。

 さて、新生軍団はどのような活躍を魅せてくれたのか?

 

 伝説の【脳ストップ】アクションの新章が幕を開ける――。

 映画の冒頭、国際テロリストのラフマト(イコ・ウワイス)は核爆弾の起爆装置を強奪。その糸を引いているのは、かつてバーニー・ロス(スタローン)が追い詰めながら部下らを皆殺しにされ取り逃がした謎のテロリスト「オセロット」。

 オセロットは巨大貨物船に核爆弾を仕掛け、ロシア近海で爆発させることにより第三次世界大戦の誘発を企てていた。

 核爆弾完成前に起爆装置の回収を狙ったCIAは、ロス(スタローン)率いる命知らずの傭兵部隊「エクスペンダブルズ」に密命を下す。

エクスペンダブルズ ニューブラッド

(C)2022 Ex4 Productions, Inc.

 ところが、襲撃情報は事前に漏洩しており、ロスの操縦する輸送機は敵ミサイルで大破。

 事前に地上に降下していたクリスマス(ジェイソン・ステイサム)はラフマト討伐よりロスを狙うミサイルの破壊を優先して任務に失敗、解任される。

  敵地へ向かうクリスマスとロス

 復讐の鬼と化したクリスマスは、新たにエクスペンダブルズ司令官となった元恋人のジーナ(ミーガン・フォックス)にロスの遺品だと偽りGPS発信機を仕込んだ野戦ナイフを託し、密かに作戦行動の後を追う。

  新リーダーのジーナ

 しかし、エクスペンダブルズが向かった核爆弾搭載の大型輸送船では、またも情報漏洩で待ち伏せに遭い、全員が捕虜となる。

 そこに単身で向かったクリスマスは、果たしてテロリスト大軍団相手に勝利できるのか? そして宿敵オセロットの正体とは? はたまた核戦争による世界の運命や如何に!?

エクスペンダブルズ ニューブラッド

(C)2022 Ex4 Productions, Inc.

 メンバーが大幅に入れ替えになった今作ですが、少林拳のイン・ヤン(ジェット・リー)はアクション俳優を引退。

 チームのムードメーカーだったシーザー(テリー・クルーズ:元アメフト選手)は、スタローンの代理人アダム・ヴェニットから性的暴行を受けたとして出演を拒否するなど、やむを得ない事情もあったもよう。

 しかし、それよりも何よりも、これまでの作品で軍団外から加わったブルース・ウィリスやシュワルツネッガー、ハリソン・フォードらのビッグネームが参加していないのが実に残念。

ブルース・ウィリスは、失語症により引退していますが。

 『エクスペンダブルズ2』

 もちろん、スタローンも企画段階で手をこまねいていた訳ではなく、ピアース・ブロスナンやクリント・イーストウッドに打診し、悪役にはジャック・ニコルソンを想定するなど、これまでの路線踏襲を目指したとのこと。

 最終的には、世界的なコロナ・パンデミックもあって今回の姿に着地したもので、スタローンはこの第四作が自身として出演する『エクスペンダブルズ』の最終作になること、そしてその後はジェイソン・ステイサムに全てを引き継いでほしいと述べました。

  スタローン、かく語りき

 そんなふうにして完成した『ニューブラッド』ですが、全編を通して観ると決して悪くない。

 新たに加入した女性二人、元CIAの格闘技名人ジーナ(ミーガン・フォックス)と鞭使いのラッシュ(レヴィ・トラン)のアクションも見事。

  ラッシュとジーナ

 敵方実行犯のリーダー、ラフマトを演じたイコ・ウワイスは元インドネシアのスタント俳優ですが、現時点での格闘演技では世界一との折紙が付く猛者。

 そして、いつもの事ですが、緊迫した状況の中でのジョークが非常にウケる。

この脚本執筆にはスタローン自身も参加しています。

エクスペンダブルズ ニューブラッド

(C)2022 Ex4 Productions, Inc.

 ただ・・設定に穴が無い訳ではない。

 終盤近く、正体を現したオセロットが「自分の狙いは第三次世界大戦を引き起こし武器商売で大金をせしめることだ」と豪語したにも拘わらず追いつめられ、秒読みが始まった核爆弾停止装置を「これでどうだー!」と言わんばかりに海中に放棄し、自分自身も逃げられなくなるシーン。(バカなの?)

  CIA司令官、実は・・? 

 そもそもそ「オセロット」の正体が、エクスペンダブルズに密命を与えたCIAの上司というあたりも、既に「ミッション・インポッシブル」で使い古されたパターン。

 ま、そういった細かい事(細かくないか?)を気にせず、ハラハラドキドキと見ていれば十分に楽しめる。(ウンウン)

 外様(カメオ出演)のビッグネームが皆無だった件も、それを期待せず一本のアクション映画として観るつもりでいれば問題ない。

  ラストの核爆発シーン(部分)

 とは言え興行的にはどうだったかと調べてみると、第一作(2010年)が世界興収2億7,400万ドルのヒットに対し、第二作(2012年)が3億1,400万ドルの特大ヒット。

 第三作(2014年)は2億1,400万ドルに留まって第一作も越えられず、今回の第四作は8,981万ドルと大幅に下げていました。ぐぬぅ・・やはりそうか。

 チームと言うより、ほぼジェイソン・ステイサム無双の映画だったし、敢えて彼がこのシリーズを引き継がなくてもいいような気がしてきました。

 スタローンも今年78歳。映画界を”ニューブラッド”にお任せして、もう無理しなくていい歳じゃないかな。

 

/// end of the “cinemaアラカルト425「エクスペンダブルズ ニューブラッド」”///

 

(追伸)

岸波

 序盤早々でミサイルに撃墜され、焼死体となったロス(スタローン)ですが、最終盤、クリスマス(ジェイソン・ステイサム)のピンチを助けるため再登場します。

「なんでお前が生きてるんだよ!」とはクリスマスの台詞。そりゃそうだ、ご都合主義にも程がある(笑)

  再会を祝すロスとクリスマス

 後から「実はあの時、コレコレこうして・・」と種明かしをされても、そりゃあシラケるばかり。

 ”往生際”と言うのでしょうか、映画出演を諦めきれないスタローン自身が重なるようで悲しくなりました。

 まさか「5」を撮る伏線のつもりじゃないだろな。末節を汚してほしくないな・・。

 

 では、次回の“cinemaアラカルト2”で・・・See you again !

エクスペンダブルズ ニューブラッド

(C)2022 Ex4 Productions, Inc.

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To be continued⇒  “cinemaアラカルト424” coming soon!

 

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