こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
B級以上名作以下、だけど忘れられない映画
このキャッチコピー、イケてるでしょう? 僕がまだ20代後半の頃、劇場で観て大感激した『カリフォルニア・ドールズ』をアマプラで再見しました。
で、上の惹句は公式のものではなく、アマプラのビューワーの一人が書き込んでいた感想記事のタイトル。
まさにこの映画の魅力をズバリと言い表しています。
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カリフォルニア・ドールズ
(C) 1981 Warner Bros. Pictures International. All Rights Reserved
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ドサ廻りを続ける女子プロレスのタッグチーム「カリフォルニア・ドールズ」の二人と決して夢を諦めない老マネージャーの物語。
老マネージャーに扮するのは、刑事コロンボのTVシリーズが終了した直後の名優ピーター・フォーク。
監督は”駄作が一本もない”と言われる名匠ロバート・アルドリッチ。ということで、さっそく内容です。
愛と怒りと涙と笑い、
この人生の全てをかけて彼女たちはリングに立つ!
映画の冒頭、地方の女子プロレス興行にゲストで参加しているカリフォルニア・ドールズの試合風景。
ラフな闘いを制したのはドールズ。しかし・・・
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カリフォルニア・ドールズ
(C) 1981 Warner Bros. Pictures International. All Rights Reserved
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マネージャーのハリー(ピーター・フォーク)がファイトマネーを貰いに行くと、プロモーターは240ドルだと。
「彼女たちに取って10ドルは大金なんだ」と約束どおりの250ドルをかけ合うハリーだが相手にされず。
各地を転戦してわずかなファイトマネーを稼ぐ彼らだが、いつかチャンピオンになって大金を稼ぐ夢だけは失っていない。
ポンコツ車がエンスト
ある興行でイカサマの負けを命じられた彼女らは、あまりのラフプレーにぶち切れてチャンピオンをノックアウトしてしまう。(ノンタイトル戦)
チャンピオンの黒人チーム、トレド・タイガースは退くに引けず、レフェリーを買収した再選で汚く勝利し、以後、両チームは宿敵の間柄となる。
試合でのドールズ
やがて雌雄を決するチャンピオンシップ・マッチが組まれるが、悪徳プロモーターはまたもレフェリーを抱き込み、必ずトレド・タイガースを勝たせるように指示。
絶対に勝てない試合に臨むカリフォルニア・ドールズ。さて、彼女らの運命は?
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カリフォルニア・ドールズ
(C) 1981 Warner Bros. Pictures International. All Rights Reserved
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いや~懐かしい。そして初見の感動が蘇りました。
1981年公開なので既に40年以上も前。対戦を求めて巡業するロードサイドや街中は、古き良きアメリカの風景に満ちています。古めかしいBGMもまた良し。
ピーター・フォーク演じるハリーは、一生懸命だけれど運がないダメダメなマネージャー。彼とドールズのけなし合いが腹を抱えるほど面白く、脚本(メル・フローマン)は文句なし。
そしてカメラワークですが、下の写真をご覧ください。(↓)
ハリーが悪徳プロモーターにファイトマネーを値切られて抗議しているシーンですが、よく見ると鏡の中に不安そうに見つめる二人のドールズが写り込んでいる。心憎い!
監督のロバート・アルドリッチは、元々こういう分野が得意で、ボクシングの八百長試合を描いたロバート・ライアンの「罠」、カーク・ダグラスの「チャンピオン」など佳作揃い。
ロバート・アルドリッチ
この映画はアメリカ本国ではコケましたが、日本やヨーロッパなど海外では大ウケで、トータルではかなりの興行収入を叩き出し、アルドリッチは第二作の日本遠征編を計画しましたが急逝し、結果「遺作」となりました。
本作中にも日本プロレスラー、ミミ萩原&ジャンボ堀とのタッグマッチが盛り込まれています。日本びいきだったんですね。
で、なんと言っても主人公ドールズの二人、アイリス(ヴィッキー・フレデリック)とモリ―(ローレン・ランドン)が美しく、そしてアグレッシブ。
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カリフォルニア・ドールズ
(C) 1981 Warner Bros. Pictures International. All Rights Reserved
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画面をよく見ましたが、吹き替えをしているフシはなく、生身で空中殺法やブレーンバスターなどの大技をこなしています。
中でも圧巻は、ラストシーンの残り時間数秒で二人揃って決めたローリング・クラッチ・ホールド。
ロープ外からの回転海老固め
昭和のプロレス中継で、火の玉小僧と呼ばれた吉村道明が茶の間を魅了した決め技「回転海老固め」、あの大技ですよ。
中央が吉村道明
もうスクリーンの中の観衆も総立ち、スクリーンのコッチ側の観客も皆「おーー!」と叫んで拳を振り上げたものです。(初見時)
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カリフォルニア・ドールズ
(C) 1981 Warner Bros. Pictures International. All Rights Reserved
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なにせ、そこに至るまでの宿敵トレド・タイガースのラフプレーが常軌を逸している・・目つぶし攻撃や首絞め(チョーク)攻撃、挙句は髪の毛を掴んで振り回したり、ニ対一の反則攻撃まで。
しかもレフェリーは見て見ぬ振りでタイガースがフォールされてもカウントを取らずによそ見する。コリャ酷い!!
カウントしないレフェリー
・・と書いてきて気づきましたが、昔のプロレス中継ってこうでしたよね。まあ、全てはショーの出来試合だったのかもしれませんが。
当時健在だったウチの婆ちゃんは、口角泡を飛ばしてTVに喰ってかかってましたっけ(笑)
そう・・まさにあの興奮。同じ年代の御同輩は皆さん、経験がおありでしょう。
そんなワケで、『B級以上名作以下、だけど忘れられない映画』とタイトリングした感想記事に大きく頷いた僕なのでした(笑)
/// end of the “cinemaアラカルト423「カリフォルニア・ドールズ」”///
(追伸)
岸波
思い出深いシーンが外にもありましたね。ドールズとタイガースの試合のアレンジ権を持つ悪徳プロモーターは、タイトルマッチを組む見返りにアイリスとのデートを求めるのです。
朝帰りのアイリスを問い詰めて激怒し、殴ってしまうハリー。「私たちみんなの夢のためよ!」と泣きながらシャワーを浴びるアイリス・・グッときました。
あ、そうそう・・上でも触れたミミ萩原&ジャンボ堀の登場シーンがコチラ。
ミミ萩原&ジャンボ堀コンビ
笑ってしまうのが彼女らタッグのリング・ネーム・・なんと「ゲイシャ」なのです。
やはりアルドリッチ監督、日本びいきですよね(笑)
では、次回の“cinemaアラカルト2”で・・・See you again !
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カリフォルニア・ドールズ
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