こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
一線を越える。常識が変わる。
4月26日(金)の封切日に『ゴジラ×コング 新たなる帝国』をケイ子と観て参りました。
これで『陰陽師0』に引き続き、封切日鑑賞の二連荘。うん、かつてのペースが戻って来たぞ(笑)
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ゴジラ×コング 新たなる帝国
(C)2024 Legendary and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.
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今回の『ゴジラ×コング 新たなる帝国』は2014年のハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』からスタートしたレジェンダリー・エンターテインメント制作の「モンスター・ヴァース』シリーズ第5弾。
レジェンダリーは、ハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』をユニバーサル・スタジオと共同制作しましたが、二作目からはワーナー・ブラザースにパートナーを変更。さらに、レジェンダリー自体が、中国のコングロマリット「大連万達グループ」に買収されるなど紆余曲折。
しかし、ゴジラやキングコングなどの大怪獣と怪獣特務機関モナークが全てのストーリーに絡むことで共通の世界観を維持しています。(全て連続した物語)
さて、前回第4作『ゴジラvsコング』のタイトルが『ゴジラxコング』に変わった理由とは? 早速、その内容です。
世界は今、目撃する。
映画の冒頭は2027年の地球。前作『ゴジラvsコング』でコングの安住の地となった地下の大空洞世界では、コングがワ―トドッグという巨大ハイエナの群に襲撃を受けている。
ゴジラの背びれで作った斧で辛くも撃退したものの機嫌がすぐれない。どうやらその理由は犬歯の虫歯によるようだ。
一方、地上の王となったゴジラは、突如ローマに出現した怪獣スキュラと闘い、これを殲滅。以後、コロッセオを新たな巣とし、そこで眠っている。
スキュラは巨大なタカアシガニのような怪獣。
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ゴジラ×コング 新たなる帝国
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そんな中、コングが棲息していた髑髏島の先住民イーウィス族の最後の生き残りである少女ジア(ケイリー・ホトル)はモナークの人類言語学者アイリーン・アンドリュース博士(レベッカ・ホール)の養女となっていたが、謎の電波信号を感知し不安におののく。どうやら地球に、新たなる危機が迫っているようだ。
危機を発信していたのは、地下世界で文明を築くイーウィス族の守り神モスラ。その危機とは、地下世界の「火の国」でグレイト・エイプ族(コングと同種)の帝国を築いていたスカ―キング。
スカ―キングは、かつて地上に氷河期を到来させた古代怪獣シーモを支配下に置き、地上世界への侵攻を企てていたのだ。
スカ―キング
これを阻止せんとするコングだったが、古代怪獣シーモの冷凍波により利き腕を負傷しイーウィス族の結晶ピラミッドに撤退。
そこで、モナークから装身強化具サンダー・アームの装着を受け、さらに地上の王ゴジラに共闘を申し入れ、スカ―キング軍団に闘いを挑む。
さて、最終決戦の行方は? そして、同族と相まみえたジアはアイリーンの許を去ってしまうのか? はたまた地球の運命や如何に!?
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ゴジラ×コング 新たなる帝国
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という事なんですが、しっかりと世界観が繋がっていることが分かります。2027年の地球は、『ゴジラvsコング』でメカゴジラを共闘で倒した後、コングは故郷である地下空洞世界に戻り、研究機関モナークが行き来できる通路と地下での前哨基地を建設して、コングの生態を観察していました。
一方のゴジラは、様々なルートで地下世界から襲来する怪獣から人類を守る守護神として地上に君臨。「地下の王コング」と「地上の王ゴジラ」が棲み分けし、モナークがそれらを管理する体制が整っています。
また、髑髏島のイーウィス族は、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』の後日談となるアメコミ『Kingdom Kong』において、生前の怪獣ギドラ(宇宙怪獣キングギドラ)が地下世界から召喚した怪獣カマソッソによって壊滅したことが描かれ、15歳の少女ジアだけがモナークに救出されてアイリーン博士の庇護を受けています。
イーウィス族の少女ジア
今作で、地下世界にもイーウィス族の文明が残っていた事が明らかにされ、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』で中国奥地にいたモスラは、闘いの後、地下世界イーウィス族の守護神として結晶ピラミッドで眠りに付いていました。
まあ、そんな世界観なのですが、今回は登場する怪獣の数が凄い。冒頭のワ―トドッグやスキュラのほか、北極海のティアマット、地下世界の水蛇型ドラウンヴァイパー、放電翼竜ヴァータシーンなどなど。
そこに、スカ―キング率いるグレイト・エイプ軍団や古代怪獣シーモ、モスラやミニコング(スーコ)まで登場し、まさに怪獣テンコ盛り(笑)
ミニ・コング(スーコ)
そんな怪獣オールスター総出演ですから、(細かいことは抜きにして)怪獣バトルが連続するのは当然の帰結。
ケイ子が評して「ったくアメちゃんなんだから。これってアメコミだよね」と言うのもムベなるかな。
坂野義光監督がエグゼクティブ・プロデューサーを務めたモンスター・ヴァース第一作『GODZILLA ゴジラ』から”遠いトコに来ちゃったな”と言うのが素直な感想です。
そんな、「シリーズの迷走感」を感じさせる理由の一つは、ゴジラの宿敵であるキングギドラを、早くも第3作『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』に"モンスター・ゼロ"として登場させてしまったことにあるでしょう。
ゴジラとモンスター・ゼロ
同作では、ムートー、ベヒモス、スキュラ、メトシェラなどアメリカン・オリジナル怪獣に加え、日本映画『ゴジラ対ラドン』でタイマンを張ったラドンまで登場(モスラも)。まさにこれこそが地上最大の決戦、決定版だと思うので、その後に続く話はどうしても蛇足感がある。
まあ、次のメカゴジラまではいいとしても、今回のスカ―キングは、どう見てもその二者より格下だし。
アベンジャーズもそうですが、どうもアメリカのSFシリーズと言うのは、どんどん派手になる一方で、内容が薄っぺらくなる気がします。
レジェンダリーが中国に買収されたので、その後のシリーズを「アメリカ映画」と呼んでいいのか悩みますが。(スタッフ・キャストは米国人が中心)
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ただ、日本の原作ゴジラ・シリーズをリスペクトする表現は好感が持てます。代表的なのが、テレパシーで怪獣とも交信できるイーウィス族少女ジア。これは、モスラと交信できる小美人(ザ・ピーナッツ)のオマージュですね。
ジアはモスラの背に乗ってコングとゴジラの仲裁に入り、共闘の説得に成功しますが、このシーンは1964年の『三大怪獣 地球最大の決戦』がモデルでしょう。
小美人(ザ・ピーナッツ)
また、ある映画評論家が書いていましたが、強い・怖い怪獣は誰でも描けるが(性格が)嫌な怪獣を描いたのは凄いと。
確かにコレには大笑い。最初は子分たちに闘わせ、次に自分で戦って分が悪くなると古代怪獣を引っ張り出してニ対一になったり、コングの入れ歯を指差して腹を抱えて嘲笑するシーンなど、本当に卑怯でヤな奴。
まあ、前回のメカゴジラもその前のキングギドラも全くの無表情なので、性格を逆張りしたのでしょうか(笑)
メカゴジラ@ゴジラvsコング
なお、『一線を越える。常識が変わる。』の意味ですが、どうやら、ゴジラとコングが共闘することを指すらしい。
でも、前作の『ゴジラvsコング』も真の敵はメカゴジラで、ゴジラとコングは共同して闘ったよね・・と思うのは僕だけ?
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ゴジラ×コング 新たなる帝国
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『ゴジラ-1.0』の山崎貴監督と本作のアダム・ウィンガードが対談し、山崎監督は次のように述べていました。
”『ゴジラ-1.0』と『ゴジラxコング』を見ると真逆の作風。楽しさもゴジラの大切な要素で、それをアダムさんがやってくれているからこそ、僕らは反対方向に思いっきりふれる。ゴジラっていうIPを現代でも幅広く維持できていると思うんです”と。
山崎監督とウィンガード監督
なるほどなぁ、山崎監督は感謝しているんですね。心の大きな人だと思う。
また、興行収入ですが、日本国内では初登場1位を獲得できなかったものの、世界興収では5億ドルを超えてシリーズ最高を記録する勢いだとのこと。特に貢献しているのが中国。
エンターテインメントとしてはとにかく派手で、”最後に正義は勝つ”という痛快なところもありますからね。
辛口評価した僕としては、ちょっと悔しい(笑)
/// end of the “cinemaアラカルト414「ゴジラ×コング 新たなる帝国」”///
(追伸)
岸波
ゴジラの最大の宿敵キングギドラが『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』で登場しましたが、その段階で次作の『ゴジラvsコング』はしっかり構想されていました。
映画のラスト、とある古代遺跡で巨大な猿と恐竜が闘う壁画が発見される一方、ゴジラが落としたキングギドラの首の残骸を傭兵部隊のアラン・ジョナが回収するシーンがあったからです。
キングギドラの首は、次作『ゴジラvsコング』の真の敵であるメカゴジラの脳に組み込まれた。
このように、早々とキングギドラやメカゴジラまで使ってしまうと、以後のラスボスは(今回のように)オリジナルにするしかないんだろうな・・と思いました。
そしたら、本作のアダム・ウィンガード監督は、”もしIMAXでゴジラ映画の3本立てを企画するとしたら、『ゴジラ-1.0』に加えて『ゴジラ対ヘドラ』『ゴジラVSデストロイア』を入れたい”と発言。さらに、今回のヒットに気をよくし、”全三部作で作りたい”とも。
ええええ~ もしかして、次のラスボスはヘドラ? デストロイア? ・・それともまさか、メカ・キングギドラ!!?
では、次回の“cinemaアラカルト2”で・・・See you again !
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