こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
男にツキをもたらす女
古来人々はそれを
アゲマンの女と
呼びならわしてきた…
これは1990年公開、伊丹十三監督の第五作『あげまん』のキャッチコピー。
今週のcinemaアラカルトはカリスマ彰の当番です。
伊丹作品で、これまで唯一観ていなかったものだそうです。
◆『あげまん』(1990年 伊丹十三監督1時間58分)
日本中の駄目男と
そしていい女に捧げる
ナヨコとモンドの
愛の物語り
カリスマ彰 伊丹映画全10作で唯一見ていない映画「あげまん」(1990年 1時間58分)が日本映画専門チャンネルで放映されたので録画して見た。
伊丹十三監督の全10作と公開年は以下の通り。
1.お葬式(1984年)
2.タンポポ(1985年)
3.マルサの女(1987年)
4.マルサの女2(1987年)
5.あげまん(1990年)
6.ミンボーの女(1992年)
7.大病人(1993年)
8.静かな生活(1995年)
9.スーパーの女(1996年)
10.マルタイの女(1997年)
この中では、1と3が飛び抜けた傑作だと思う。この2作だけが日本アカデミー賞を受賞(監督賞)しているが当然だろう。
『お葬式』
あとはまあワンパターンでテーマを変えただけではないかな。
その中では、8がちょっと異色で愛媛県松山東高校で同級生かつ義弟になった大江健三郎の私生活を描いた8が異色作だろう。
『静かな生活』
さてこの「あげまん」は、流行語にまでなった。
銀行、政治、芸者置屋などの実態を捨て子だったナヨコ(宮本信子)を通じて描いた映画だ。
ストーリーは以下の通り。
◆『あげまん』のあらすじ
男にツキをもたらす"あげまん"の女と、彼女の力を得ようとする男たちが繰り広げるコメディドラマ。伊丹十三は本作では花柳界に踏み込み、独特のしきたりなどを興味深く見せる。
身寄りのないナヨコ(宮本信子)は老夫婦に育てられ、芸者の道を歩む。ナヨコを水揚げした僧侶は大出世し、その死後ナヨコはOLに。銀行員の主水(津川雅彦)と愛し合うようになると、彼もまた出世し始める。そんなナヨコに政界の黒幕・大倉(島田正吾)が目をつけ…。 |
伊丹映画5作目で、ちょっとマンネリ化しているし、宮本信子(全10作に主役、脇役で出演)や常連の津川雅彦がウルサク感じられるようになっている。
しかし、これは1〜4作を見てきたからで、この「あげまん」だけを見ていたら、実に面白くて風刺の効いたコメディ映画に感じるのではないだろうか。
まさに1980年代の日本のバブル景気を見事に描いた1990年公開の傑作映画である。
伊丹十三映画については、未だに賛否両論だが、その後の日本映画にとっては、大きな影響を与えた存在だと言っていいのではないかと私は思う。
こういう世相を風刺して笑わせるのは映画でしかできないのだ。
伊丹十三監督
伊丹十三は反社会勢力に殺されたというのが定説だが、それは伊丹にとっては大きな勲章だと思う。
/// end of the “cinemaアラカルト401「伊丹十三監督映画第5作
「あげまん」は1980年代のバブル日本を描いた傑作」”///
(追伸)
岸波
これは観ていなかったなぁ・・てか、観たのは10作のうち半分くらいか。
ま、元々僕の方は外国映画のアクション/SF/ミステリーあたりが好みだったから仕方ないね。
アカデミー賞を獲ったような映画は、なかなかAmazonプライムの無料配信にかからないんだよね。
もし、令和の現代に伊丹監督が生きていたら、どんな作品を見せてくれたろうと考えると、実に惜しい人材だったと思う。
では、次回の“cinemaアラカルト2”で・・・See you again !
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