こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
頼みの綱は彼一人!
頭脳と精神力――
死んでも死なぬタフな奴(ダイ・ハード)
いま、戦闘の火ぶたが切られた!
Amazonプライムで、1988年公開のブルース・ウィリス出世作『ダイ・ハード』を35年ぶりに視聴しました。
実質的にブルース・ウィリスが元気だった最後の作品『REDリターンズ』の後、第一作『RED』も観て感激したのですが、その前の『ダイ・ハード/ラスト・デイ』を観てがっかり。
話のテンポが遅いしアクションも少ない・・というか若手任せ。
そう言えば、劇場で観た時も途中でダレて寝てしまったなぁと・・。
それならばっ!!
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ダイ・ハード
(C)1998.20世紀フォックス映画
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ブルース・ウィリスの名声を不動のものにした第一作『ダイ・ハード』をもう一度観てみるしかないと思った次第。
これを劇場で観たのは1988年・・あらら、何と35年ぶりではないですか。ストーリーもほとんど忘れている。
そして見直した結果、やはりこれこそがシリーズの原点、ジョン・マクレーン刑事の魅力が凝縮された作品だと再確認しました。
さて、そんな『ダイ・ハード』、あなたは内容を覚えていますか?
地上40階!超高層ビルは戦場と化した!
映画の冒頭、妻とクリスマス・パーティに出席するため妻の待つロサンゼルスに向かうニューヨーク市警ジョン・マクレーン刑事。
隣座席の乗客からアドバイスを受ける・・「あなた、飛行機は慣れていないでしょう。リラックスするには靴を脱いで裸足の指をグッと丸めるといいんですよ」と。
このさりげない会話が、クライマックスで大変な状況を生む伏線になっていたことをすっかり忘れていました。
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ダイ・ハード
(C)1998.20世紀フォックス映画
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ロサンゼルスに子連れで逆単身赴任中の妻のホリー(ボニー・ベデリア)は、”あからさまな亭主持ちだと出世に響く”と言う理由でホリー・ジェネロの旧姓を名乗り、日系企業ナカトミ商事のナンバー2まで出世している。
その事に不満と嫉妬を抱くジョンとの仲は喧嘩が絶えないが、心の中ではお互いを深く愛している。
ジョンが、妻が待つパーティ会場のナカトミ高層ビルに入った直後、武装集団が守衛を殺傷してなだれ込む。
彼らの目的は、建設中のこのビルの大金庫に眠る数億ドルの無記名債権を強奪すること。折しもクリスマス・パーティのために参集していたナカトミ社長やホリー、そして招待客らを人質に獲る。
ただ一人、難を逃れたジョン・マクレーン刑事(ブルース・ウィリス)は、なんとかこの事態を通報しようとするが、武装集団が電話線を切断。たった一人で武装集団と闘う事を余儀なくされる。
さて、人質となったホリーの運命は? ジョンはテロ集団の目論みを阻止することができるのか!?
そうか、確かにクリスマスの一夜の話だったなと思い出す。そう言えば『ダイ・ハード2』も一年後のクリスマスの事件だったような。(まだ再視聴していない。)
それと、テロリストのリーダー、ハンス・グルーバー役が若い頃のアラン・リックマンだったことに気づいて驚愕。
ハンス・グルーバー
リックマンと言えば、ハリーポッター・シリーズのセブルス・スネイプ先生を演じた演技派。
後の『ロビン・フッド』(1991)で英国アカデミー賞助演男優賞、『ラス・プーチン』(1996)でエミー賞とゴールデングローブ賞の主演男優賞を受賞しています。
スネイプ先生@ハリーポッター
この『ダイ・ハード』の醍醐味は、マシンガンからミサイル、プラスチック爆弾まで完全武装している敵に対し、徒手空拳(ほぼ丸腰)のマクレーン刑事が単身でいかに立ち向かうか。
いやいやいや、それよりも何よりも、味方になるはずの無能なロサンゼルス市警やFBIがマクレーンを騒乱の主犯と誤解して命を狙ってくること。
ビル爆破シーン
さらに人質の一人、小ズルいナカトミ商事重役のハリー・エリス(ハート・ボックナー)が自分の命惜しさにマクレーンの個人情報をエサにテロ集団に取り入ろうとし、マクレーンは更なる窮地に。
まさに前門の虎・後門の狼状態で、彼の言葉を信じて力を貸そうとするのは、市警の非力なアル巡査部長(レジナルド・ヴェルジョンソン)たった一人。
孤立無援!
これって、『ジョーズ』の危機を幾ら訴えても耳を貸さないアホな公務員か、もしくはプロレスで悪役が凶器を持ち出したのを観客が訴えているのに、意に介してくれないレフェリーか(笑)
まあ、コチラは”ショー”なんで、折り込み済みでしょうが。
このイライラ感・焦燥感が更にサスペンスを盛り上げる。
こういう「ダメダメな味方」パータン、外にもあった気がしますが、ストーリーを盛り上げるのに重要なガジェットですね。(最近、見ないけど)
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ダイ・ハード
(C)1998.20世紀フォックス映画
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この『ダイ・ハード』の見事な脚本は、脚本家ジェブ・スチュアートが書いたものですが、彼にとって作品の成功は起死回生のものでした。
書いた脚本が次々とボツになったスチュアートは経済的に困窮し、それに手を差し伸べたのが20世紀フォックスの開発部門責任者ロイド・レヴィン。
脚本家ジェブ・スチュアート
レヴィンはスチュアートに、元警察官のロデリック・ソープが1978年に書いた小説『Nothing Lasts Forever』の脚本化を依頼し、彼が面白いと思った”ロサンゼルスのクリスマスの出来事”という一線を守れば、あとは自由に書いていいと全権委任。
スチュアートは妻と喧嘩してイライラしながら運転中に、放置された空き箱を轢いてドキドキした経験を思い出し、「大惨事の前に妻に謝るべきだった男」というテーマを思い付いて、これが骨格となりました。
人生、何が幸いするか分かりませんね(笑)
しかし、この頃のブルース・ウィリスって若かった。髪の毛もあるし。
テロリストを一人ずつおびき出して殲滅していくのですが、改めて見るその肉弾戦やスタントが物凄い。
屋上爆破シーン
テロリストがビルの屋上にヘリから降りて来る降下部隊を殲滅するために屋上ごと爆弾で吹き飛ばすのですが、爆風から逃れるため、消化ホースを身体に巻きつけて階下へダイブする。
もちろんこの爆破自体もマクレーンの仕業とされ、FBIがいよいよトサカに来る。
そんな危険に身をさらすたび、マクレーン刑事は「なんでオレがこんな事に巻き込まれなきゃならねえんだ!」とボヤく・・これがまたイイ!
まさに、史上最悪に運の無い刑事。この設定、最高!!(悪運が強い気もするが)
何でこんな目に‥
また、マスコミに対するキツい皮肉も込められている。
視聴率稼ぎのためマクレーン刑事の(妻の)自宅に突撃し、娘に「お父さん、お母さん無事に帰ってきて!」と言わせた独占取材をテロリストが見て、人質の中にマクレーン刑事の妻が居ることが分かってしまう。あらららら・・。
このキャスター、最後に妻のホリーからぶん殴られるのですが、スクッと立ち上がるやカメラマンに「今の、撮ったか♪」と大喜び。(ホント、馬鹿だねー)
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ダイ・ハード
(C)1998.20世紀フォックス映画
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あ、そうそう・・ファースト・シーンの「裸足がいい」の伏線ですが、マクレーンは敵に足音を悟られないため、飛行機で言われた言葉を思い出して裸足でビルの中を駆けまわります。
ところが中盤、敵のボス、ハンス・グルーバーにそのことを気づかれ「敵は裸足だ、ガラスを撒き散らせ!」とヤラれて大怪我を負うハメに。
さすがに、気力・体力が尽きて弱気になったところを励ますのが、無線の向こうにいるただ一人の味方アル巡査部長なんですね。
ラストは、そんなアル巡査部長とマクレーン刑事が初めてフェイス・トゥ・フェイスで対面し、感謝の涙を浮かべるシーン。胸アツです。
感動の対面シーン
そんなこんなで、主線のアクション・サスペンス以外にも、いろいろな味付けが散りばめられたこの映画、実に爽快、満足できる名作でした。
これは、引き続き『2』と『3』も見直さなきゃ♪
/// end of the “cinemaアラカルト402「35年ぶりの「ダイ・ハード」は
やはり間違いのない大傑作だった!」”///
(追伸)
岸波
上で『2』と『3』のことを書きましたが、その後の『4.0』は既に再視聴済みなのです。
『1』→『2』→『3」→『4.0』と、どんどんアクションが超絶化していくのですが、『4.0』は凄かったですよ。(ブルースはすでに”毛”がありませんけど:笑)
何と言っても、敵の戦闘機ハリアーと徒手空拳で闘うんですから。しかも勝ってしまうと言う!!
その、戦闘機をやっつけるため飛行中のハリアーに飛び移るシーンが下。(ありえねーつの!:大笑)
では、次回の“cinemaアラカルト2”で・・・See you again !
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ダイ・ハード4.0
(C)2007.20世紀フォックス映画
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