こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
命がけで逃げる。
殺られる前に、
撃ちまくる。
またまたAmazonプライムで、ローレンス・フィシュバーンとスティーヴン・ボールドウィン主演の『F.L.E.D./フレッド』(1996年)を視聴しました。
この映画、日本未公開。WOWOWで『脱獄者/手錠のままの逃亡』と題して放映され、現在はビデオ・DVDになっている作品。
先週、『REDリターンズ』が面白かったので、第一作の『RED』を探していたら偶然『FLED』を見つけてしまったもの。 ←(カタカナ検索かよ!)
なお、FLEDはFLEEの過去形で”逃亡”の意味。人の名前ではない。
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F.L.E.D./フレッド
(C)1996.MGM
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ローレンス・フィシュバーンと言えば『マトリックス』シリーズのモーフィアス役が有名。
僕としては、彼が”モーフィアス”以外のどんな演技を見せてくれるのか・が興味の的でした。
さて、そんな『F.L.E.D./フレッド』、その内容は?
ノンストップ・バイオレンス・アクション!!
映画の冒頭、尋問室で女性検察官が証人を尋問している。‥が、実はコレ、翌週月曜日に迫った裁判に向けての予行演習らしい。
彼は、キューバ裏社会と繋がって非合法の商売を仕切る悪の巨魁フランク・マンテハーノの悪事を暴くための重要証人なのだ。
と、そこへ「中華の出前」と称する荷物が届く。包みを開けようとすると大爆発。検察官舎もろとも唯一の証人が死亡する。
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F.L.E.D./フレッド
(C)1996.MGM
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裁判所でフランク・マンテハーノの犯罪に関する検察・弁護側の熾烈な議論がなされている。裁判官「週明け月曜までに確たる証拠を提示するように」と告げて休廷。
自信たっぷりに「間違いなく」と胸を張る検察に急報が届く‥「証人が爆殺された」。蒼ざめる検察官。
この事態を受け、司法長官クリス・ペインは連邦保安官のパット・シラーに「何としても月曜までに別の証拠を見つけ出せ」と厳命する。
場面代わって、監獄の野外作業場。囚人のミリナーが同じ囚人のルーク・ドッジ(スティーヴン・ボールドウィン)にちょっかいをかけて暴力沙汰が発生。
ルーク・ドッジ
止めに入ったチャールズ(ローレンス・フィッシュバーン)は一発でミリナーをぶっつ倒す。
チャールズ
運悪く、ここで看守が駆け付け、暴力沙汰の首謀者としてルークとチャールズが鎖手錠で繋がれてしまう。
「え、オレ!?」
しかし、騒ぎはコレで収まらない。捕縛されなかったミリナーが看守の銃を奪って乱射。護送バスが大爆発して辺りは阿鼻叫喚の巷。
チャールズとルークはこの混乱に乗じて柵をこえて脱獄。ミリナーも銃を持って脱獄。「監獄の野外作業場から囚人三名が銃を持って脱獄」という大事件となる。
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F.L.E.D./フレッド
(C)1996.MGM
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そこで連邦保安官シラーに緊急招集されたのが、ルークを監獄に送り込んだ刑事マシュー・ギブソン(ウィル・パットン)。
マシュー刑事
彼は、自信を示しながらも、これだけの大事件の報道が抑えられていることに疑念を持つ‥「何かウラがあるのか?」
それに、彼が逮捕したルークは、重大犯罪者ではなく単なるネット・ハッカー。野外作業の対象にならないはずだし、あと半年で刑期を終えるはず。そんな彼が何故??
・・間も無くミリナーが包囲した場面にマシューが到着。観念したミリナーが手を上げて投降してきたが、これを警官が射殺!? ‥マシューの疑念は膨れ上がる。
一方、森を抜けて町に出たチャールズとルーク。ルークが「オレを上手く逃がしてくれたら100万ドルをやろう」と持ちかける。
驚きながらも、本当は500万ドル持っていることを聞くと「山分けだ」とチャールズ。しぶしぶ承知したその時、目の前をボールが転がり、追いかけてきた子供が迫るダンプに気づかないまま道路へと。(うわっとぉ!!)
コーラ(サルマ・ハエック)
二人は手錠のまま飛び出し、子供を抱えて転がり、難無きを得た!当然、二人に注目が集まる。「このままではまずい」と、近くに停車していた車に無理やり乗り込む。
驚愕したのは女性ドライバーのコーラ(サルマ・ハエック)。結局、三人はコーラの家に逃げ込むことになる。
コーラ(サルマ・ハエック)
実は、ルークがハッキングして隠してた中には、巨悪フランク・マンテハーノの裏家業に関わる証拠のデータが含まれていたが彼自身はそれを知らない。
一方のチャールズは、実は免職された元刑事。連邦保安官シラーから「データの奪取に成功すれば復職させる」と密命を受け監獄に潜入していたのだ。
逃亡を察知したフランク・マンテハーノは、キューバのヒットマン・チームを放ち二人を追いつめる。
さて、二人は無事に逃げおうせ、現金500万ドルと犯罪証拠のディスクをゲットできるのか?
司法長官が示した期限はあと二日!! タイムリミット・サスペンスが始まる。
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F.L.E.D./フレッド
(C)1996.MGM
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ということなんですが、この映画、非常にテンポよく進み最後まで一気に見せます。カメラワークも非常に秀逸。
そして手錠に繋がれたまま逃亡するチャールズとルークの仲が悪く、すぐにチェーン・デスマッチ(笑)になるところが愉快。
なのに、子供がダンプに轢かれそうになると息を合わせて飛び出す‥二人のコミカルな関係がとてもよろしい。
サスペンス・アクションと言うより『REDリターンズ』同様、アクション・コメディと考えた方がいいかも。
笑える台詞は色々あって、車に乗り込まれたコーラが「家にかくまってくれ」と頼まれて断った理由が「汚いのよ!」と。 ←(ソコかい!)
チャールズとルークが繋がれた手錠をノミで破壊しようと四苦八苦していると、コーラ隣室からカギを持ってきて簡単に開けてしまう‥「だって私の元カレ、刑事だったの♪」(爆笑)
サスペンスと思って観ていたら、ご都合主義のツッコミどころ満載なので、怒り出す人も居るみたい。だからコメディなんだってば!(笑)
それにしてもチャールズ役のローレンス・フィッシュバーン、やはりモーフィアスの印象が強烈過ぎて、それ以外には見えないのが難。
彼はもともとオフ・ブロードウェイの舞台俳優で、コッポラの『地獄の黙示録』に出演したのが映画デビュー(18歳の時)。
日本のアニメのファンで、『マトリックス』の出演に関し、ウォシャウスキー兄弟から「日本のアニメのライブアクション版といった感じにしたい」という話を聞いて一もニもなく飛びついたという逸話が。
ちなみに好きなアニメは『北斗の拳』や『攻殻機動隊』だそう。
それから、はぐれ刑事のマシューがカッコいい役で、逃亡者二名のシークエンスと隠された謎を追う刑事視点のシークエンスが交互に出て来るので、”もう一人の主人公”と言ってもいいかも。
ちなみに演じたウィル・パットンは、この映画に出た後、『アルマゲドン』のチック・チャップル役やニコラス・ケイジとアンジェリーナ・ジョリー『60セカンズ』のアトレー役などをゲットしています。
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F.L.E.D./フレッド
(C)1996.MGM
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だけどまあ、ヒネリはないかな?
逃亡者シークエンスとマシュー刑事シークエンスの両方を観ている観客には、ルークが隠したディスクが巨悪追及の最後のカギだという事が早々に分かってしまうし。
精一杯のヒネリは、マシュー刑事らを指揮していた連邦保安官が巨悪に買収されて二人を殺しにかかる終盤でしょうか。
コレも、簡単に買収されすぎて、どんでん返しと言うより「なにコイツ!?」と呆れるばかり。(マシュー刑事が駆け付けて二人の危機を救う・・やっぱいい役だな。エイリアン2の「ビショップ」みたい。)
そんなこんなで予定調和ではあるけれど、結構、最後まで観てしまう、コメディと割り切って大きな気持ちで臨むのが吉という作品。
やっぱり今度は、間違いなく『RED』の方を観てみようと思った僕なのでした。
/// end of the “cinemaアラカルト400「F.L.E.D./フレッド」”///
(追伸)
岸波
あ、そうそう‥伏線回収が一つあります。
二人が手錠に繋がれて逃げた時、さんざんケンカした挙句「500万ドル山分け」で話がまとまりました。
この後、 ルークが「コレで五分だな」と言うと、いきなりチャールズが一発殴り「いや、これで五分だ」と。(最初に殴り始めたのがルークだった。)
そして終盤、キューバのヒットマン・チームと裏切り連邦保安官を倒し、司法長官にギリチョンで証拠ディスクを届け、マシュー刑事に栄誉が、チャールズに復職が、ルークに無罪放免が決まる。
そのラストシーンで、チャールズが「コレで五分だな」と言うと、今度はルークがチャールズを一発殴って「いや、これで五分だ」と。
しかし、そうは思ってないチャールズが鬼の形相になると、怯えたルークは脱兎のごとく逃げ出し、それを必死に追いかけるチャールズ・・ここでエンディング。
いやぁ、最後が一番笑ったかな。だからコメディなんですってば!(笑)
では、次回の“cinemaアラカルト2”で・・・See you again !
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F.L.E.D./フレッド
(C)1996.MGM
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