こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
世界滅亡の危機に、伝説の元スパイが集結した。
彼らの名前は――RED
アメコミ原作で豪華俳優陣を集結させてスマッシュ・ヒットを放った『RED』の続編『REDリターンズ』をAmazonプライムで視聴しました。
今回の「必殺」は、シリーズ50周年記念の特別作品。
スマッシュ・ヒットと言うのは、全米初週末興行成績が2位にとどまったものの最終的な世界興収が1億9.900万ドルの成功を収め、プロデューサーの"想定以上"だったため(笑)
まあ、マーベルのアメコミヒーローじゃないネタですからね。
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REDリターンズ
(C)2013 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.
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この作品に注目したのは、彼が失語症を発祥してまともな演技が出来なくなる直前の”実質・最後の出演作品”だったため。
同時期に制作された作品に『ダイ・ハード/ラスト・デイ』がある。
実際観てみると、病気の片鱗も見せず元気なウィリスだったので大満足。しかもコレ、『ダイ・ハード』シリーズのようなガチのアクション映画ではなく、アクション・コメディなんですね。(珍しい!)
さて、そんな『REDリターンズ』、実際の内容は?
若造に世界が救えるか!!
元CIAの腕利き諜報員だったフランク(ブルース・ウィリス)は、恋人サラ(メアリー=ルイーズ・パーカー)とホームセンターで買い物をしていると、かつての相棒マーヴィン(ジョン・マルコヴィッチ)が突然現れ、危険が近付いていると警告。
だから自分と行動を共にしろと言うが、平穏な日々に満足しているフランクは取り合わず、引き返そうとしたマーヴィンの車が目の前で大爆発。
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REDリターンズ
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そして、その帰り道、今度はフランクがFBIに拘束され尋問を受けることに。彼らは、死んだマーヴィンとフランクが「ナイトシェード計画」という陰謀に関わっている事を疑っているようだ。
ところが今度は、尋問中のビルを謎の一団が急襲。FBI捜査員を皆殺しにすると、フランクを同じ質問(ナイトシェード計画)で問い詰める。
主人公の三人
全く心当たりのないフランクは隙を見て逃走しようとするが、追いつめられて銃撃戦に。進退窮まった所に颯爽と表れたのは死んだはずの相棒マーヴィン、そしてサラ。
辛くも脱出に成功するが、フランクはマーヴィンが死を偽ったこととサラを巻き込んだ事に無いし激怒。
その後、いろいろあって・・どうやら今回の事件は、かつて冷戦時代にフランクとマーヴィンが現役だった頃、護衛任務に失敗して死なせてしまったベイリー博士の研究に関連することが判明。
ベイリー博士(アンソニー・ホプキンス)は実現不可能とされた液体核爆弾の研究者だったが、それが実は完成しており、盗み出したのがフランクらではないかと疑っていたのだ。
ベイリー博士(左)とサラ
そんな時、かつての盟友だった元MI6のスナイパー、ヴィクトリア(ヘレン・ミレン)から電話が入り、「これから命令で殺しに行くから」と。(笑)
そしてまた、かつてフランクのせいでCIAを追われ、現在は”世界最高の殺し屋”となっているハン(イ・ビョンホン)も殺しに向かっていると。
ヴィクトリアと殺し屋ハン
さて、世界中の諜報機関から命を狙われることになったフランクとマーヴィン、そして恋人サラの運命や如何に!?
はたまた液体核爆弾を手中にし、彼らをスケープゴートにした黒幕の真の狙いとは?
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REDリターンズ
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タイトルの『RED』はRetired Extremely Dangerousの略称だそうな。
現実に使われている言葉かどうかは不明。
世間で言う所の”リタイヤ状態だけど、本気を出せば歯止めが利かない危ねぇ奴ら”‥という感じでしょうか。
←危ねぇ奴ら
世界の諜報機関が全部敵(無実なのに)、味方はたった三人。しかも恋人サラはただのコールセンター職員。絶対絶命の危機に何度も陥る。
その上、ロシアの諜報員で昔、フランクといい仲だったカーチャ(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)まで参入して来る。
元カノのカーチャ参上!
このあたり、ミッション・インポッシブルの設定に近い部分もありますね。だけどコレ、アメコミ原作のアクション・コメディ。
彼らを襲ってきた敵軍が実は味方だったり、最終的に元MI6スナイパーのヴィクトリア(ヘレン・ミレン)も世界一の殺し屋ハン(イ・ビョンホン)もチームに加わって黒幕と対峙する。
ハン(イ・ビョンホン)
イ・ビョンホンはファンサービスのために、華麗なカンフー・シーンや筋肉美披露の場面(要人に逢う時に全裸検査される)がありますが、こと対フランク(ブルース・ウィリス)となると悉く出し抜かれる間抜けな結果。
このため憤慨するシーンが多く、次第にイ・ビョンホンというより劇団ひとりに見えて来るのは僕だけ?(笑)
何回やっても勝てないorz..
さて、波乱万丈のストーリーと中々姿を表さないラスボス、最凶の敵が最強の味方に寝返って共闘・・おやコレは、日本の少年コミックやRPGゲームの王道展開ではありませんか。
血が騒ぎますね、こういうの♪
ただし、原作のアメコミ『RED/ワイルドストーム』は作家のウォーレン・エリスとアーティストのカリー・ハムナーが共作した短編で、こんな複雑な展開はありません。
実は映画化の話が出てから、映画独自のキャラクターやストーリーを取り込んで追補され、結果的に同じ話になったもの。
原作『RED/ワイルドストーム』
なお、映画シーンの切り替わり時に、ストップモーションで「実写」の人物が「漫画」に置き換わるサービスショットがあります。(何回も)
原作と映画が共同制作された成果‥と言っていいでしょうか。
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REDリターンズ
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そしてまた共演陣の豪華なこと。
相棒マーヴィンを演じるジョン・マルコヴィッチは前作に続いての出演で、彼はブロードウェイの『セールスマンの死』などでオビー賞など数々の賞を受賞した演技派。
映画では『ジキル博士とハイド氏』や『マルコヴィッチの穴』など個性的な役をこなしている。
『マルコヴィッチの穴』
MI6ヴィクトリアの英国俳優ヘレン・ミレンは、エリザベス2世を演じた『クイーン』でアカデミー賞主演女優賞を受賞。
僕としては『ワイルドスピード』シリーズでのドミニクの仇敵、オーウェン・ショウとデッカード・ショウ兄弟の肝っ玉母さんの印象が強いですが(笑)
ショウ兄弟の肝っ玉母さん(ワイスピ)
今回の映画の中では、MI6と関連した精神病院への潜入時、自分がエリザベス2世と思い込んでいる精神病者のフリをするセルフ・パロディが秀逸。
『クイーン』
ほか、名優アンソニー・ホプキンスやイ・ビョンホン、「ラックス」のCMでお馴染みのキャサリン・ゼタ=ジョーンズなど有名どころ目白押し。
コールセンター職員なのに冒険大好きなサラを引き続き演じているメアリー=ルイーズ・パーカーはよく知りませんが、やはり最近Amazonプライムで観た『レッド・スパロー』にも出ていました。
キャサリン・ゼタ=ジョーンズ
で、アクション・コメディだけあって、市街戦のカーチェイスで信じられないほどの狭い道に突っ込んで、結局、挟まって動けなくなるとかお笑いも満載。
特に、とっ捕まえたフェイクニュースの情報漏洩者カエルを拷問する方法が、彼の秘蔵のヴィンテージ・ワインの瓶を次々に割っていくことだったり。(爆笑)
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そんなユーモアとアクションのバランスが丁度いい具合の肩の凝らない作品。
まあ、それよりも何よりも、ブルース・ウィリスが失語症を発祥してから制作サイドに無理やり出演させられた残念な作品を観てきたので、彼が元気いっぱいの最後の作品として大切なものになりました。
ところで・・この第一作『RED』って、僕、まだ観ていないんですけど。(ダメじゃん!)
/// end of the “cinemaアラカルト398「REDリターンズ」”///
(追伸)
岸波
この映画の撮影の大半はカナダのモントリオール市内で撮影されたそうです(もちろん、ロンドンやパリでも撮影)。ここの街並みはヨーロッパのそれと非常に似ているんですね。
それと、モントリオールが属するケベック州がフィルム・コミッションで25%の税額控除を提供したのも大きい。
俳優には金を掛けるがロケに大盤振る舞いはしない・それでボチボチ儲かればOKというプロデューサーのスタンスが分かります。(結果、そこそこのヒット)
それから、日本公開でのアオリでが『引退したCIAエージェントが超一流のスパイからなる究極のチームを再結成させ、失われた核兵器を取り戻すミッションに挑む。大成功を収めたアクション映画「RED/レッド」の続編。』となっていました。
これってミスリードですね。南総里見八犬伝のように導かれた勇者が集結するわけでなく、結果的に共闘することになっただけ。実際、ハン(イ・ビョンホン)は最後まで報酬(カネ)のことで文句タラタラでした(笑)
なにはともあれ、元気なブルース・ウィリスを観れてよかった。そして、演じる俳優たちは大真面目。観ているコチラは大爆笑‥という実に楽しめる作品。
早速、「RED1」も探して鑑賞したいと思います♪
では、次回の“cinemaアラカルト2”で・・・See you again !
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