こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
スペシャルドラマ必殺仕事人
【シリーズ50周年「必殺」最新作主演・東山紀之】
昨夜21時から放映されたスペシャルドラマ『必殺仕事人』をケイ子と鑑賞しました。
今回の「必殺」は、シリーズ50周年記念の特別作品。
しかも年内でタレント活動からの引退を発表しているスマイルアップ(旧ジャニーズ事務所)社長の東山紀之氏にとって最後のテレビ出演。
いやぁ、コレはもう観るしかないでしょう。
必殺シリーズの皮切りは1972年、西村左内(林与一)と藤枝梅安(緒形拳)による『必殺仕掛人』。
そして、翌1973年春からの『必殺仕置人』において後々シリーズ主役を務めることになる中村主水(藤田まこと)が登場。
『必殺仕置人』
1991年で制作がストップしたものの、2007年に中村主水(藤田まこと)をアイコンとして渡辺小五郎(東山紀之)・経師屋の涼次(松岡昌宏)ら新メンバーが主人公となる『必殺仕事人2007』が復活。
『必殺仕事人2007』
近年は、年の始めを飾る特別番組として制作が続けられてきました。
さて、二代目"昼行灯"東山紀之クンの最後の作品はどんなものであったか。早速行きましょう。
晴らせぬ恨み、
晴らします――
番組の内容ですが、今回はTV朝日のWebサイトで紹介されている『番組概要』から引用します。
◆『番組の詳細』TV朝日Webサイトの番組概要から引用
番組内容残忍な手口で人を殺める“人斬り牛鬼"の犯行が連続し、江戸の町は騒然。渡辺小五郎(東山紀之)ら仕事人たちは、裏稼業で悪人たちを成敗していた。しかし、瓦屋の陣八郎(遠藤憲一)亡き後、喪失感でいっぱいのリュウ(知念侑李)は、形見の鏨(たがね)を手に仕事に挑むも、反撃されて窮地に…。そんなリュウの様子を見かねたお菊(和久井映見)は、流しの仕事人・雪丸(中尾明慶)に、密かにリュウを援護してほしいと依頼。
一方、芝居小屋で踊り子たちの絵を描くという絵師としての表稼業に勤しむ経師屋の涼次(松岡昌宏)は、髪結い師の棗(松下奈緒)と居合わせる。芝居小屋に通う涼次は、一人の踊り子の姿が見えないことが気に掛かる。すると、棗も同じく彼女の身を案じていて…!? そんな中、江戸の町では、住民たちの長年の願いが叶い、川に橋を架ける建築工事が始まる。その建築工事の裏には、金に目のくらんだ権力者の思惑が渦巻いていて…!? |
まず最初にお断りですが、特別番組としての「必殺仕事人」は年始に放映される慣わしで、そのオンエア年を「必殺仕事人」の後に付けた通称で、いつの番組であったか分かるようになっていました。
ところが、本年2023年の1月8日に『必殺仕事人2023』が放映されたので、今回12月29日に放映された作品は”同じ年の二本目”となりました。
『必殺仕事人2023』
しかし、「2023-2」のような表記ではなく「2024」と呼ばれているようです。これは本来2024年始に放映する予定で制作されたものが、東山紀之クンの「年内引退」発言により繰り上げてオンエアされたものと思われます。
よって、このcinemaアラカルトでは作品名を通称のまま『必殺仕事人2024』としました。
今回注目されたのが、年始の『仕事人2023』で壮絶な最後を遂げた仕事人、瓦屋の陣八郎(遠藤憲一)の後釜がどんな人物になるかということ。
ストーリーの流れから言えば、元締めのお菊(和久井映見)がサポートを頼んだ流しの仕事人雪丸(中尾明慶)がその人ではないかと思われました。
流しの仕事人雪丸(中尾明慶)
しかしこれが大どんでん返し。実は雪丸(中尾明慶)は悪徳汚職グループと内通していた実質的ラスボス。最後は主人公渡辺小五郎(東山紀之)との一騎打ちに。
まあ”格の違い”で、アッサリやられるのですが(笑)
で、世間を騒がせている“人斬り牛鬼"と仕事人グループのターゲットがバッティングし、両者が鉢合わせになります。
“人斬り牛鬼"とバッタリ
本来無関係な者同士、殺し合う筋合いでは無いのですが、”素顔”を見られたからには殺るしかない。とりあえず牛鬼をひっ捕らえて、元締めの判断を仰ぐことに。
で、この牛鬼の正体が何と女性で無類の剣技を使う。で元締めは・・お見込みの通り、牛鬼の正体である髪結い師・棗(なつめ:松下奈緒)を仲間に引き入れることに。
その棗さんですが・・あれ?松下奈緒ってこんなに素敵な人だったっけ?というくらい魅力たっぷりのハマり役。
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この松下奈緒さんて、たしかに朝ドラ『ゲゲゲの女房』や『らんまん』などにも出演していますが、僕の認識ではピアニスト。あるいは作曲家・歌手。
NHK大河『義経』のエンディング解説でピアノ演奏していましたし、NHK紅白の司会も何度か務めている。
ピアノ演奏中の松下奈緒
映画出演で記憶しているのは『沈まぬ太陽』(2009年)の桶田恭子役くらいでしょうか。
それなのにどうですか、この髪結い師・棗のハマり具合。しかも(よほど練習したのか)剣技もぢつにカッコいい。う~ん、これなら『キングダム』のキョウカイをやらせてもよかったな。(コチラの方がキョウカイに似てるし)
髪結い師・棗(松下奈緒)
ただ、もう一人の食わせ物の仕事人(実はラスボス)、雪丸の中尾明慶クンも中々いいキャラだったんですよ、マジ。
とにかく人懐っこくてお喋り。まず、今までの仕事人には見当たらないタイプ。ムードメーカーにもなるし、そのまま倒さずに仲間入りでもよかったような。
まあ、それだけ中尾明慶クンが上手く演じていたという事ですが。
ちょっと明るすぎるか‥
実は藤田まことの中村主水シリーズが終わってからは、あまり「必殺」を見ていないのですが、近年の作品を振り返ってみると、今まで悪役などやらなかった大物俳優が「悪の巨魁」を演じてたりするのですね!?
例えば、高橋英樹や里見浩太朗に西田敏行。今回の作品で言えば松下由樹。桃太郎侍や黄門様の格さん、松下由樹なんか『ナースのお仕事』の看護師長さんですよ(笑)
『ナースのお仕事』
こういう”趣向”を懲らしてくれるところが実に楽しい。
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ネットには「毎度おなじみのワンパターン」とか「中村主水の方が好きだった」とか非難する意見もありますが、ワンパターン上等! 最後に悪が懲らしめられるから安心して勧善懲悪を楽しめるんです。
昔の『水戸黄門』みてごらんなさい。20時30分頃に由美かおるの入浴シーンがあって、20時43分には”印籠”が出て必ず決着するんです。でないとカタルシスなんかないでしょう?(大笑い)
『水戸黄門』の印籠タイム
まあ、それにしても気になるのは東山紀之クンが引退後の「仕事人シリーズ」。それなりに安定した視聴率を稼げるお祭り番組なので打切りということはないでしょうが、後釜がいるのか?
ネットでは堺雅人を推す声が大きいがどうか。彼なら十分、三代目”昼行燈”を演じられそうですが、『VIVANT』の続編もあるし忙しいでしょうね。
ま、年一回の特別番組だから何とかなるかな(笑)
/// end of the “cinemaアラカルト396「必殺仕事人2024」”///
(追伸)
岸波
2010年に食堂がんで亡くなった藤田まことさんは、『必殺仕置人』で中村主水を演じたのが40代に入った頃。以後、継続して還暦近くまで主水を演じました。
一方、2007年から渡辺小五郎を演じてきた東山紀之クンは今年で57歳。ほぼ中村主水全盛期と同じ世代になったんですね。
今回の『2024』の演技を見ると、あの頃の主水を意識している雰囲気が垣間見え、改めてあのヒガ君もいい歳になったなという感慨が。
現在では、貴重な時代劇俳優だったと思います。藤田氏の方は、そのあと『はぐれ刑事純情派』や『剣客商売』でひと花もふた花も咲かせたんですから、ヒガ君の俳優引退というのは、とても惜しいなぁ・・。
小ネタですが、『必殺仕事人2018』の小五郎の姑役をやっていた野際陽子さんは、それが最後の出演作品でした。
また、冒頭のナレーション「あの世の地獄と この世の地獄 どちらも地獄にかわりなし」を担当していた市原悦子さんもその一年後に死去されています。
名人たちが関わっていたシリーズでした。
では、次回の“cinemaアラカルト2”で・・・See you again !
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