こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
このまま、何も言わずに愛し続けたい。
これは1993年公開、ジェームズ・アイヴォリー監督『日の名残り』のキャッチコピー。
今週のcinemaアラカルトはカリスマ彰の当番です。
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日の名残り
(C)1993 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC. ALL RIGHTS RESERVED.
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ノーベル文学賞受賞、カズオ・イシグロの原作による不朽の名画についてカリスマ彰、よろしくお願いします。
◆『日の名残り』(1993年 ジェームズ・アイヴォリー監督 2時間14分)
人生の黄昏時に溢れ出た
胸の内に閉じ込められていた感情は
薄暮の夜空に溶けて行く…
カリスマ彰 TV録画映画集から映画「日の名残り」(1993年 ジェームズ・アイヴォリー監督 2時間14分)を見たが、一度見ているにもかかわらず一気に終わりまで見てしまった。
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日の名残り
(C)1993 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC. ALL RIGHTS RESERVED.
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ストーリーと概要は以下の通り。
ブッカー賞を受賞したカズオ・イシグロの同名ベストセラーを、「眺めのいい部屋」のジェームズ・アイボリー監督が映画化。イギリスの名門貴族に人生を捧げてきた老執事が自らの過去を回想する姿を丹念かつ重厚な演出で描き、第66回アカデミー賞で作品賞を含む8部門にノミネートされた。
1958年、オックスフォード。ダーリントン卿(ジェームズ・フォックス)の屋敷で長年に渡って執事を務めてきたスティーブンス(アンソニー・ポプキンス)は、主人亡き後、屋敷を買い取ったアメリカ人富豪ルイス(クリストファー・リーブ)に仕えることに。
そんな彼のもとに、かつてともに屋敷で働いていた女性ケントン(エマ・トンプソン)から手紙が届く。20年前、職務に忠実なスティーブンスと勝ち気なケントンは対立を繰り返しながらも、密かに惹かれ合っていた。ある日、ケントンに結婚話が舞い込み……。
アイボリー監督の前作「ハワーズ・エンド」に続いてアンソニー・ホプキンスとエマ・トンプソンが共演した。 |
実に上手い映画だ。主役の2人によるところは大きいが演出・キャスティングが見事だ。
原作になったカズオ・イシグロの小説は積読で読んでいないが、典型的イギリスの執事を主人公にして、その主人である1930年代後半の親ナチのイギリス貴族、その20年後の現在の主人は屋敷を買ったアメリカ人富豪。時間軸が2つあるが、これが巧みに交錯する。
そして屋敷のあるイギリスの内陸オックスフォードと20年前に辞めた女執事が住む西部の海の街の対比の見事さ。
さらに執事の年老いた父親まで登場して盛り沢山のエピソードを加える。映像と演出は重厚で実に丹念。まさにザ・映画という感じなのである。
ジェームス・アイヴォリー監督
ところで監督のジェームス・アイヴォリーだが、監督作品の「眺めのいい部屋」「モーリス」「ハワーズ・エンド」などのエドワード・モーガン・フォスターの小説を原作にした作品を見る限り、生粋のイギリス人だとばかり思っていた。
しかし経歴を覗いたら1928年6月7日、カリフォルニア州バークレー生まれのアメリカ人だった。
原作者カズオ・イシグロ
そう言えば、この「日の名残り」の原作者のカズオ・イシグロ(1954.11.8生まれ)だって、5歳までは日本の幼稚園に通っていた。
/// end of the “cinemaアラカルト393「再鑑賞だが一気に見てしまった
傑作映画「日の名残り」」”///
(追伸)
岸波
人生の黄昏時の恋心・・まるで広兼憲史の『黄昏流星群』のエピソードのようだね。
ところで、カズオ・イシグロ(日本語: 石黒 一雄)って僕らと同い年なんだな。長崎生まれで両親とも日本人、人種的には完全に日本人か。
そして、伊藤忠のビジネスマンを振り出しに、海洋科学の研究者や音楽活動の経験もある・・そんな多彩なところも僕らと似ている。近くに居たら友達になってたかもしれないな(笑)
では、次回の“cinemaアラカルト2”で・・・See you again !
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日の名残り
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