こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
「ナインハーフ」より官能的
「愛 ラマン 人」より叙情的
「氷の微笑」より衝撃的
これは1992年公開、ロマン・ポランスキー監督の『赤い航路』のキャッチコピーの一つ。
今週のcinemaアラカルトはカリスマ彰の当番です。
論評タイトルが「ポランスキー監督の映画「赤い航路」は自分の女房を見せびらかすためのポルノ映画か?」と非常に挑戦的ですが、確かに主演女優のエマニュエル・セニエは監督の妻。
さて、どのような映画なのか、カリスマ彰、お願いします。
◆『赤い航路」(1992年 ロマン・ポランスキー監督 2時間18分)
どんなに歪んでも、愛。
カリスマ彰 録画していたTV映画から「赤い航路」(1992年 ロマン・ポランスキー監督 2時間18分)を見る。
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ストーリーは以下の通り。
結婚7年目のイギリス人夫婦・ナイジェル(ヒュー・グラント)とフィオナ(クリスティン・スコット・トーマス)は自分たちの愛を確かめるためにイスタンブール行きの豪華客船で地中海クルージングの旅に出た。
その船上でナイジェルは、車椅子のアメリカ人作家・オスカー(ピーター・コヨーテ)とその妻のフランス人・ミミ(エマニュエル・セニエ)に出会う。オスカーはナイジェルに「自分の物語を聞くこと」を求め、ミミとナイジェルを故意に近づける。
初秋のパリでの出会い、過激な性生活、オスカーが車椅子を要するに至った出来事と車椅子になってからの生活、婚姻。二人の関係の荒波が語られ、度々のナイジェルの抵抗に「私の話を聞くのは君だとミミが選んだ」、「話はまだ終わっていない」と物語を続け聞かせる。
ミミもまたナイジェルに「夫の話はうそだ」、「私達の話をする役割は夫だ」、「彼の話はまだ終わっていない」と度々性的にナイジェルをひきつけ、オスカーに近づける。
フィオナとナイジェルの関係に不和が生じ、クルーズ船の航路に荒波が立ち、船体はしけに見舞われながら、新年のパーティの日を迎えるのであるが…。 |
『ゴーストライター』(2010年)がなかなかの出来だったので見てみたが、1989年に監督のポランスキーが結婚したセニエを見せびらかす意図があるのか、どうにも締まらないポルノ映画になってしまったようだ。
まずセニエがそんなに魅力的に見えないの難点だ。それにちょっと尺が長い。たぶんそうなるだろうという結末も、これしか無いので仕方ないがやはり伏線不足で唐突な印象だ。
まあ暇つぶしで豪華クルーズに参加したつもりで見るには恰好な映画かもしれない。船が揺れる感じを見事にカメラが捉えている。船に弱い人だと船酔いするかもしれない。
カメラは見事だが、ポランスキーは、作品の出来に波があるなあ。
/// end of the “cinemaアラカルト385「ポランスキー監督の映画「赤い航路」は自分の女房を見せびらかすポルノ映画か?」”///
(追伸)
岸波
この映画は見ていないし見る予定もないので、ネタバレの顛末を読んでみた。
いやいや、ありとあらゆる変態行為のオンパレードで、最後に破滅・・まあ、それしかないだろうな。
こういう破滅型のバッドエンド映画は、どこにも感動も共感もないし、何のために作られたのか理解に苦しむ。
高尚に言えば「愛の不毛」を描いたのかもしれないが、愛を不毛にしているのは当人同士。「これほど憎しみ合える相手とは二度と出会えないと考えて結婚した」というのが笑わせる。
ポルノとして見るにしても、自分たちの性的欲望のために他人の夫婦を巻き込んで破局させようとするなど罪深すぎて辟易するだけ。
彰の言う通り、自分の女房を見せびらかすためだけの映画かもしれない。やれやれだぜ。
では、次回の“cinemaアラカルト2”で・・・See you again !
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