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「Glidin'」(TAM Music Factory)
by 岸波(葉羽)【配信2023.9.2】
 

◆この記事は作品のストーリーについて触れています。作品を実際に楽しむ前にストーリーを知りたくない方は閲覧をお控えください。

 こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。

 <愛>を描き続けたフランス映画界の名匠、
 
故フランソワ・トリュフォー監督が
 若きジャンヌ・モローと共に作り上げた不朽の名作

 これは1962年公開、フランソワ・トリュフォー監督の代表作『突然炎のごとく』のキャッチコピー。

 今週のcinemaアラカルトはカリスマ彰の当番です。

突然炎のごとく

C)1962 LES FILMS DU CARROSSE/ SEDI

 記事の原題は以下の通り。

◆名作映画「突然炎のごとく」は繰り返しが多すぎてウトウトしてしまう

 ではカリスマ彰、お願いします。

 

◆『突然炎のごとく』(1962年フランソワ・トリュフォー監督 1時間47分)

 むなしい祈りと知りつゝ、
 すべてを与え尽くす真実の愛!

カリスマ彰 録画映画集から映画「突然炎のごとく」(1962年フランソワ・トリュフォー監督 1時間47分)を見る。

 名作映画ベスト100なんてやったら入る確率が高い名作だが、実に45年ぶりに鑑賞。

突然炎のごとく

C)1962 LES FILMS DU CARROSSE/ SEDI

 ストーリーは以下の通り。

 フランソワ・トリュフォーがアンリ=ピエール・ロシェの小説(日本語題名は「つむじ風」)をもとに撮った長編第3作(「大人は判ってくれない」「ピアニストを撃て」が先行する第1作第2作)で、親友同士の2人の男と1人の女が長年にわたって織りなす恋愛模様をつづった名作ラブストーリーだ。

 パリ、モンパルナスで出会ったオーストリア出身のジュール(オスカー・ウェルナー)とフランス出身のジム(アンリ・セール)が男性側の登場人物。

 ともに文学青年である2人はすぐに意気投合し、親友になる。ある日、カトリーヌという女性と知り合った2人はそろって彼女に夢中になるが、自由奔放な彼女に翻弄され……。

 「死刑台のエレベーター」のジャンヌ・モローが奔放で破滅的なヒロインのカトリーヌを魅力的に演じる。

 40年前もちょっと寝てしまった記憶があるが、今回もまたウツラウツラしてしまった。1時間47分の尺だが、同じエピソードの繰り返しが多く長過ぎるのだ。

 ヒロインのカトリーヌみたいな女性は実生活では願い下げだが、まあ映画で見る分には面白い。

  突然炎のごとく

 しかし別れてはまたヨリを戻しというのを飽きもせず何度も繰り返すのか。フランス人はこんなに気が多くて愛し合うことやSEXが好きなのか?

 しかも、3角関係、5角関係もOK。結局オーストリア人のジュールだけがまともということになるのか。

 こんなある意味馬鹿馬鹿しいストーリーをなんとか見せるようにしたのはジャンヌ・モロー(1928.1.23〜2017.1.23)の魅力に尽きるだろう。

  突然炎のごとく

 撮影時33歳で、映画中での32歳という年齢にぴったりだが、それよりかなり老けて見える。

 そして40年ぶりに見て、なによりも感心したのはラウル・クタールの撮影の見事さだ。モノクロだが陰影の表現や移動撮影の素晴らしさに驚く。

突然炎のごとく

C)1962 LES FILMS DU CARROSSE/ SEDI

 トリュフォーは、「突然炎のごとく」以外にも、ロシェの原作で「恋のエチュード」(1971年)、「恋愛日記」(1977年)を映画化している。

 特に「恋のエチュード」はこの「突然炎のごとく」の続編らしく、私はすでにかなり昔に見ている。

  恋のエチュード

 しかし、ラストシーンでなんでジムの葬式に軍人が恭しく登場するのか?と思っていたが、ジムは第一次世界大戦でかなりの軍功があったということがなんとなく今回分かった。

 この映画はディテールはナレーションで説明しどんどん進めるという手法で、まあ言ってみれば、絵本みたいな映画なのだが、説明しきれないディテールももちろんある。

 この3人の氏素性もほとんど説明されていない。いわゆる中産階級ではあるのはなんとなく分かるが。

  突然炎のごとく

 それにこれだけ性生活が乱脈なら、性病や堕胎のエピソードがないのはちょっと不自然ではないだろうか。そこまで描くと尺が2時間を越してしまうか。

 この2カ月、トリュフォーの映画を4本見たが、やはりこの映画がトリュフォーのベストであるのに異論はない。

 しかし、次にこの映画をみるのはいつになるだろうかなあ。もう3回目の鑑賞はないかもしれないと思うと、寂しい気持ちになる。

 

/// end of the “cinemaアラカルト379「突然炎のごとく」”///

 

(追伸)

岸波

 この映画は、映像が偶然の瞬間を切り取ったような瑞々しい演出だったね。トリュフォー監督の天性の資質が垣間見られると思う。

「見ている分には面白い」との事だが、確かに!(笑)

 映画の中でジュールが「彼女はとくに美しくもない、聡明でも誠実でもない。だが、女そのものだ」と語るように、自由で奔放な女性なんだろうな。

 若い時に、こんなタイプに憧れることもあるよね・・『東京ラブストーリー』の 赤名リカのような。

 パラレルワールドで、夢の中の恋を見ているような不思議な気持ちにさせてくれる・・いや、そんなタイプ、周りに居なかったけど(笑)

 

 では、次回の“cinemaアラカルト2”で・・・See you again !

突然炎のごとく

C)1962 LES FILMS DU CARROSSE/ SEDI

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To be continued⇒  “cinemaアラカルト380” coming soon!

 

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