こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
新次元の映像体験へ
高評価を博しているミッション・インポッシブルの最新作『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』をケイ子と観て参りました。
『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』では、さすがに老けたハリソン・フォードを見て複雑な気持ちになりましたが、61歳と還暦を越えたトム・クルーズはどうなのか?
いやぁ・・全く心配ありませんでした! m9(´∀`)
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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE
(C)2023 PARAMOUNT PICTURES.
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1996年に第一作『ミッション:インポッシブル』が公開されてから26年。第7作にして初の「前・後編」制作となりました。
第1作で登場したイーサンの上司ユージーン・キトリッジ役を演じたヘンリー・ツェニーが実に26年ぶりに復帰するのも話題。(今回はIMF局長として)
そして本作ではイーサンの大事な仲間が一人死んでしまうと言う衝撃のサプライズも。さて、その内容は?
過去からは逃れられない
このミッションで 君は全てを失うだろう
映画の冒頭、北極海を航行中のロシアの最新鋭潜水艦「セヴァストポリ」の内部で、十字架型の不思議な形の「鍵」を球状のシステムに差し込んで起動。
すると間も無く、艦内のディスプレイにアメリカの潜水艦が魚雷を放つ画像が表示され騒然。止む無くセヴァストポリ側も応射。
ところが、敵魚雷が着弾する直前に雷影は消失し、こちらの魚雷が向かった先の敵艦影も消失。
発射した魚雷は制御不能のまま自艦にUターン。自爆装置も効かない!!
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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE
(C)2023 PARAMOUNT PICTURES.
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結局、セヴァストポリは自らの魚雷に破壊されて海の底に。
そして、死亡した船員らとともに謎の十字キーが氷の海に浮かんでいく。
はい、この「十字キー」が今回の重要ガジェット。
会場で売られている十字キーペンダント
この鍵は、暴走した軍事AI「エンティティ」を制御下に引き戻すため必要なもので、敵味方入り乱れ、この鍵の行方を追う事になります。
しかもこの「十字キー」は二本に分解されており、二つ揃わないと機能しない。うむむむむ・・。
「マタイによる福音書」にキリストがペテロに天国への2つの鍵(英語ではCross keys)を与える描写がある。それがモチーフか?
上の状況を踏まえ、IMFの新人エージェントがイーサン・ハント(トム・クルーズ)の元を訪れる。
依頼内容は、鍵の一つを持っている元MI6諜報員イルサ・ファウスト(レベッカ・ファーガソン)から鍵を入手すること。
イルサは第5作『ミッション:インポッシブル /ローグ・ネイション』から登場したイーサンの協力者。・・明らかに好意を寄せ合っている。
元諜報員イルサ・ファウスト
一方、米国政府内では、各軍事・情報機関のトップによる会議がもたれ、IMFの局長となっているキトリッジ(ヘンリー・ツェニー)も秘書を伴って参加。
軍事AI「エンティティ」は自我を獲得して暴走し、各国の重要機密を全てハッキングして人類の滅亡を企てていること。それを止めるには二つの十字キーを入手してエンティティのソースコードにアクセスするしかないことが説明される。
エンティティを支配下に置けば、世界を支配することも容易にできるのだ。そしてその鍵の一つは、元MI6の諜報員が持って逃げていると。
突如その時、キトリッジの秘書が室内に緑色のガスを噴射。ガスマスクを渡されたキトリッジ以外は全員昏倒する。
キトリッジ
秘書の仮面を剥いで現れたのはイーサン。彼は米国がイルサの首に賞金を掛けたことに激怒したのだ。そして「鍵の入手は引き受けるが政府に渡すのではなく自らの手で破壊する」と。
さて、イーサンは無事鍵を入手しエンティティの暴走を止めることができるのか、はたまた賞金を掛けられたイルサの運命や如何に!?
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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE
(C)2023 PARAMOUNT PICTURES.
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今回のストーリーは一言で言えば「鍵捜し」ですが、これを取り巻く様々な勢力が複雑な動きをします。
まずは鍵を探すイーサンのチーム(ルーサーとベンジー)。
イーサン・チーム
エンティティの手先となって、これを阻止しようとするガブリエル(イーサイ・モラレス)。
彼が人間としての今回のディラン(悪役)で、過去、イーサンとの複雑ないきさつがある。
AIの手先ガブリエル
このガブリエルの右腕・暴力装置として、圧倒的な破壊力を持つ女暗殺者パリス(ポム・クレメンティエフ)。
女無双パリス
第6作『フォールアウト』から登場した闇商人ホワイト・ウィドウ(ヴァネッサ・カービー)。
今回も敵か味方か分からない動きをする。
なお前作、彼女の吹き替えで酷評の声もあった広瀬アリスが今回も続投。僕は、イメージが合ってたと思うけどな。
ホワイト・ウィドウ
イーサンらを逮捕しようと追うCIAのメンバー、そしてIMFの上司キトリッジ。
CIAのジャスパーたち
そして、鍵を持って逃げているイルサと今回初登場の女泥棒グレース(ヘイリー・アトウェル)。
グレースは超絶技でイーサンから鍵を奪って逃走したり、闘いに巻き込まれたり、手錠で繋がれたり(笑)
イーサンと女泥棒のグレース
これらの人物たちが各シーンで複合的な闘いを繰り広げるので、人間関係を把握して行かないと大変。しかも、敵になったり味方になったり立場の変わる者も多数(笑)
そして、ミッションイン・ポッシブルのシリーズでは、イーサンの上司や身近な人間が敵であることが多いですが、今回は「アメリカ」そのものも敵に廻しています。
まさに、前例を見ないインポッシブルなミッションとなることは間違いありません。
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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE
(C)2023 PARAMOUNT PICTURES.
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同じ前・後編二部作の『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』も141分と長尺でしたが、この『デッドレコニング』はそれを上回る164分!
両作とも共通して言えるのは、これだけの長さなのに全く中だるみ無し。展開に次ぐ超絶展開の連続で息する暇なし。 ←(忘れないように)
シリーズを重ねるとついついマンネリ化しがちですが、この二シリーズに限っては回を重ねるごとに進化する。大したもんです。
今回の真の敵は軍事AI「エンティティ」。こいつは既にネット上の存在になっており、『ターミネーター』のスカイネットのよう。どこにでも現れる。
AIのパシリとしてのガブリエルは画面に現れるが、エンティティ自体は形を持たないので、時々、様々なディスプレイに『巨大な眼』の姿で登場。
まるで『指輪物語』の冥王サウロンのよう。(そもそも「狙ってる」感じも。)
エンティティの眼
笑えるのは、エンティティからのハッキングを逃れるため、アメリカの各政府機関がネットを廃止し、データを全部紙に印刷して整理しているシーン。結局アナログに戻るしかないのか。
また、ケイ子が特に褒めていたので書きますが、今回の映画音楽は今までも何度かシリーズの音楽制作を務めてきたスコットランドの作曲家ローン・バルフによるもの。しかし今回、シーンとのマッチングが絶妙。
さらに、ミッション・インポッシブルのテーマも緊迫感溢れるアレンジになっており、過去最高・最大のミッションであることを際立たせています。
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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE
(C)2023 PARAMOUNT PICTURES.
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ミッション・インポッシブルのシリーズを通したキャッチコピーに以下のものがあります。
“Why do the stunts look real? Because they are real.”
(アクションがリアルなのはCGではなく本物だから)
まさにその通り。今回もとんでもないアクションで魅せてくれました。
TVでやっていたメイキング画像で、高い崖の上からバイクで飛び出すシーンを何テイクもチャレンジした映像を見ましたが、トムのアクションへの拘りは本物。
還暦過ぎてるんですよ!
どっ、どうすんの?!
そのシーンも凄かったけれど、僕が見ていて悲鳴を上げたのが三か所。
一つ目は、爆走する列車の上での格闘。
鉄路脇の指示版やトンネルが頭上を通り過ぎる時、それを首を下げてかわすのがギリチョンのタイミングなんですよ。
ト、トンネルが・・!
二つ目は、崖落ちシーンの一歩手前。バイクで爆走して崖の端っこで急停車したのが本当にギリギリ。(流石にコレ、特撮・・じゃないのかな:汗)
キ、キーーッ!!
三つめは、終盤で爆破された鉄橋から客車が次々に落ち、イーサンとグレースがひたすら走って上の客車に飛び移るシーン。
いやコレ、CGでしょ!? そうだと言って!!(笑)
ええええ~!
他にも、普通のカーチェイスなら主人公がカッコよく運転するところを、後続の車を迎え撃つため、運転が下手くそなグレースにハンドルを任せ、彼女が青くなりながら汗をかくところなど、緊張感満点。
とにかく超絶アクション、てんこ盛りなのです。
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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE
(C)2023 PARAMOUNT PICTURES.
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そして、エンティティのパシリのガブリエルですが、彼とイーサンの間には、イーサンがIMFに入る前に複雑な事情があった。
そのカギとなるイーサンの元カノ、ミステリアスな女性マリー(マリエラ・ガリガ)の回想シーンが挿入されています。
ミステリアスな女性マリー
彼ら三人の「いきさつ」は、『PART ONE』で明らかにされるとのことです。
さて、イーサンがキトリッジから受けた警告「このミッションで君は全てを失うだろう」の真実は、如何なるものなのか?
来年6月28日公開予定の『PART TWO』が待ち遠しいですね。(ストライキの影響などで変動する可能性もある。)
/// end of the “cinemaアラカルト374「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」”///
(追伸)
岸波
イーサンが「自分と一緒に居ると危険が及ぶ」という理由で、最愛の妻ジュリアを第4作『ゴーストプロトコル』で(死亡を偽装して)離婚してから、”相手役”はMI6の諜報員イルサでした。
しかしそのイルサが今作で命を落とした代わり、盗みはうまいが運転の下手な女泥棒グレース(ヘイリー・アトウェル)がチームに合流することになります。
イルサがストーリーから降板することについては、スタッフで激論を交わされた上での決定でした。
アクションが激しいし、キャストの年齢的な事もあったのかな?
でも、新メンバーのグレース、ちょっとオッチョコチョイなところもあって中々愛すべきキャラです。
つーか、トム・クルーズは、いつまでミッション・インポッシブルを続けられるんだろ? 次作の『PART TWO』が最終作という報道はまだありませんが。
では、次回の“cinemaアラカルト2”で・・・See you again !
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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE
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