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「Glidin'」(TAM Music Factory)
by 岸波(葉羽)【配信2022.12.10】
 

◆この記事は作品のストーリーについて触れています。作品を実際に楽しむ前にストーリーを知りたくない方は閲覧をお控えください。

 こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。

 この運命から、
 目を逸らさないーー。

 これは2021年公開、濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』のキャッチコピー。

 今週のcinemaアラカルトは、カリスマ彰の当番です。

ドライブ・マイ・カー

(C)2021「ドライブ・マイ・カー」製作委員会

 さて、元々のレビュータイトルは今回の標題そのままです。

◆村上春樹の短編小説を謎めいた長編映画にした「ドライブ・マイ・カー」

 ではカリスマ彰、お願いします。

岸波さま え、もう私の番なの?「ドライブ・マイ・カー」でいいけど。ということはラーメン道もか。←(そのとーり!)

 

◆『ドライブ・マイ・カー』(2021年 濱口竜介監督 2時間59分)

 その先にあるものを、
 僕はまだ知らない。

 TV放映された映画「ドライブ・マイ・カー」(2021年 濱口竜介監督 2時間59分)を録画していたが昨晩見た。

 昨年公開されたばかりだが早くもTV放映だ。

ドライブ・マイ・カー

(C)2021「ドライブ・マイ・カー」製作委員会

 原作をラジオでノーカット朗読(NHKラジオ・勝村政信)されたのを聞いているが、あのエッセイみたいな淡々とした小説をそのまま映画にしても面白くないだろうと思ったが、かなり脚色されていた。

 例えば小説では主人公家福(かふく)は役者だが、この映画では役者もやるが本業は演出家、家福の持っているサーブの車の色が黄色から赤になっている。

 家福の妻の死因が小説では苦しんで死ぬ病気だが映画ではクモ膜下出血による急死、家福夫妻には3日だけ生きた子供がいたが、映画では3つぐらいの女の子の写真が飾ってある。

 家から運転手に送迎してもらっている場所が銀座の劇場ではなく広島になっている。

 運転手渡利みさきの北海道の実家まで広島から車で行くかなり長いエピソードが加えられている(これかなり唐突)。

 さらに家福が演出するチェーホフの「ワーニャ伯父さん」の稽古にはオーディションから本番までかなりの時間が充てられていてしかも多言語演劇という上演スタイルになっている。

 映画冒頭には、原作にない「ゴドーを待ちながら」の多言語上演に家福が出演しているなどなど。

ドライブ・マイ・カー

(C)2021「ドライブ・マイ・カー」製作委員会

 で、どうだったかというと、実に微妙な映画だなあ。2時間59分はやはり長い。特に前半がかなり間伸びしている。

 主人公家福を演じる西島秀俊の演技が下手なのか上手いのか、実に微妙。

西島秀俊

 三浦透子演じるドライバーは、ちょっと滑稽な感じもして、これも微妙だなあ。

三浦透子

 家福の妻役(原作は女優、映画では元女優の脚本家)の霧島れいかはこんな感じの女なんだろうと一番しっくりくる。

霧島れいか

 この家福の妻が書いた好きになった同級生の家に忍び込んでオナニーする女子高生の話というのが一番面白かったのだが。

 それと運転手みさきが韓国のスーパーらしき店で買い物するラストシーンは一体どう解釈したらいいのだろうか?

 この三浦透子演じるドライバーみさきの正体を暗示するということなのか?韓国語が上手いので実は在日韓国人なのかな?

 ラストシーンの赤いサーブ(これ家福の車?)と車中にいる犬は前にも広島の演劇祭実行委員の韓国人が飼っていた犬みたいだ。

ドライブ・マイ・カー

(C)2021「ドライブ・マイ・カー」製作委員会

 そう言えば、広島で家福の送迎の車の運転手として渡利みさきを推薦したのもこの演劇祭実行委員の韓国人だった。

 さらにこの実行委員の妻は唖者でオーディションで家福に選ばれて「ワーニャ伯父さん」の多言語上演に手話で出演しているのだ!

 このロケ地広島は当初釜山を予定していたというが、コロナ禍で広島に替えられたというからそうした事情もあるのか。とにかく謎ばかりだ。

 この2分程のラストシーンで不思議な映画に様変わりしている。え、みさきは家福と結ばれて韓国行った?そんな馬鹿な!?

 しかし、中年役者の悶々とした生活を描いた100枚4万字ほどの短編小説をこんな長編映画にされて、村上春樹はどう感じたんだろうかな。それが一番知りたいなあ。

P.S. その後、この映画の脚本は、短編集「女のいない男たち」のほかの短編「シェエラザード」「木野」を「ドライブ・マイ・カー」に加えて作られていることを知った。

◆『ドライブ・マイ・カー』映画.comの解説から引用

 村上春樹の短編小説集「女のいない男たち」に収録された短編「ドライブ・マイ・カー」を、「偶然と想像」でベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞した濱口竜介監督・脚本により映画化。

 舞台俳優で演出家の家福悠介は、脚本家の妻・音と幸せに暮らしていた。しかし、妻はある秘密を残したまま他界してしまう。2年後、喪失感を抱えながら生きていた彼は、演劇祭で演出を担当することになり、愛車のサーブで広島へ向かう。そこで出会った寡黙な専属ドライバーのみさきと過ごす中で、家福はそれまで目を背けていたあることに気づかされていく。主人公・家福を西島秀俊、ヒロインのみさきを三浦透子、物語の鍵を握る俳優・高槻を岡田将生、家福の亡き妻・音を霧島れいかがそれぞれ演じる。

 2021年・第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、日本映画では初となる脚本賞を受賞したほか、国際映画批評家連盟賞、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞の3つの独立賞も受賞。また、2022年・第94回アカデミー賞では日本映画史上初となる作品賞にノミネートされる快挙を成し遂げたほか、監督賞、脚色賞、国際長編映画賞とあわせて4部門でノミネート。日本映画としては「おくりびと」以来13年ぶりに国際長編映画賞(旧外国語映画賞)を受賞した。そのほか、第79回ゴールデングローブ賞の最優秀非英語映画賞受賞や、アジア人男性初の全米批評家協会賞主演男優賞受賞など全米の各映画賞でも大きく注目を集めた。日本アカデミー賞でも最優秀作品賞はじめ、計8冠に輝いた。

 

/// end of the “cinemaアラカルト340「村上春樹の短編小説を謎めいた長編映画にした「ドライブ・マイ・カー」”///

 

(追伸)

岸波

 をを~ 今回はボリュームがあるねぇ。彰のを一本で掲載したのは、もしかして初めて?

 この映画は各賞を総なめにして随分と評判だったが観なかった。

 こういうタイプの映画は苦手だし、村上春樹を評価していないし。いくつも本を買ったが最後まで読めたのは無かったな。

 こういう世界は、スポーツ一辺倒の次男ヒロヒコも含めて、我が家の三兄弟、ヤスヒコ、ヒロヒコ、タケヒコ(オーナー)には無縁だな(笑)

 ということで、彰にお任せだね!

 

 では、次回の“cinemaアラカルト2”で・・・See you again !

ドライブ・マイ・カー

(C)2021「ドライブ・マイ・カー」製作委員会

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To be continued⇒  “cinemaアラカルト341” coming soon!

 

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