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「Glidin'」(TAM Music Factory)
by 岸波(葉羽)【配信2022.11.26】
 

◆この記事は作品のストーリーについて触れています。作品を実際に楽しむ前にストーリーを知りたくない方は閲覧をお控えください。

 こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。

 私が手に入れた
  最高の被写体

 これは2018年制作・劇場未公開のロシア映画、ブラディミール・アレニコフ監督の『美しすぎる裸婦』のキャッチコピー。

 今週のcinemaアラカルトは、カリスマ彰の当番です。

美しすぎる裸婦

(C)IMDb.com

 さて、元々のレビュータイトルは以下。

◆スランプの初老写真家が口のきけないモデルを監禁するロシア映画「美しすぎる裸婦」

◆結局脱ぎまくるアネット・ベニングが最大の見所の映画「グリフターズ 詐欺師たち」

 ではカリスマ彰、お願いします。

岸波さま cinemaアラカルトも私の番かな? 2本立てで 総合タイトルは、 「裸見せりゃいいってもんじゃない!B級映画2本立て」。

 

◆『美しすぎる裸婦』(2018年 ブラディミール・アレニコフ監督 1時間44分)

 ついに見つけた
 私だけの女神(ミューズ)

 10月は、競馬は全く的中がなく最悪だったが、TV放映を録画して鑑賞している映画は、9月に死んだゴダールの1960年代の映画4本に本日まで6本を加えて合計10本。

美しすぎる裸婦

(C)IMDb.com

 ゴダールの4本以外についてもハズレがなくてなかなかの的中率だった。その6本の100点満点での採点は以下の通り。

1.「キカ」(1993年 アルモドバル)=85点

2.「殺し」(1962年 ベルトルッチ)=60点

3.「美しすぎる裸婦」(2018年 アレニコフ)=55点

4.「善き人のためのソナタ」(2006年 ドナースマルク)=65点

5.「クライング・ゲーム」(1992年 ジョーダン)=65点

6.「ピュア」純潔(2009年 ラングセット)=65点

「キカ」と「殺し」、「善き人のためのソナタ」、「クライング・ゲーム」はこのブログでも紹介済みなので、今回は「美しすぎる裸婦」を紹介。

「美しすぎる裸婦」

 ロシア映画である。冒頭はサンクトペテルブルクだろうか。

 ピークを過ぎた初老の写真家が、自分の個展で偶然見かけた若い女を起死回生の作品集のモデルに起用する。この若い女は口がきけないというのがポイントだ。

 スタジオ兼自宅にこの若い女を連れてきて写真を撮り始める。そのうちにカメラマンの要求はエスカレートとして、女は逃げだそうとする......

美しすぎる裸婦

(C)IMDb.com

 監禁をテーマにした映画はあるし、写真家がモデルを監禁してしまう話もありそうだが、よく考えたらあまりなさそう。しかも舞台はロシアでさらにモデルは口がきけない。

 それだけの話なのだが、この写真家のスタジオ兼自宅の雰囲気というのがなかなか魅せるのだ。かなりこのロシア人写真家は成功したのだろう。

 日本語で「焼肉」なんていう文字の見える絵画も見える。さらに写真家の愛犬が名演技を披露する。そして、意表を突いたラストがかなりインパクトがあった。

 まあ、美しいヌードも含めて1時間47分はあっという間に過ぎてしまう。

 ウラジミール・アレニコフ原作・監督による2018年の作品。

 主に使われている曲はヘンデルの合奏協奏曲作品6の2(HWV320)の第2楽章アレグロだが、素晴らしい選曲だ。

 最初ヴィヴァルディの協奏曲かと思ったがヘンデルの曲だった。

 写真家の性欲と芸術的野心が入り混じった心理を表すには爽やか過ぎるかなとも思うが、ラストシーンで納得。

◆劇場未公開作品で公的サイトでの論評が無いため、あらすじ省略。

◆『グリフターズ 詐欺師たち』
(1990年 スティーヴン・フリアーズ監督 1時間59分)

 大人の愛はだましあい

 TV(ザ・シネマ)放送を録画していた映画「グリフターズ 詐欺師たち」(1990年 スティーヴン・フリアーズ監督 1時間59分)を見た。

 もしかして見たことがあったかなと思ったが、未視聴だった。

グリフターズ 詐欺師たち

(C)Miramax Films

 アンジェリカ・ヒューストン、アネット・ベニング、ジョン・キューザックの3人のろくでもない連中による騙し合いの映画だが、悪くはないが期待したほどではない。

 アネット・ベニング(1958年5月29日生まれ)が裸を見せてSEXさせれば世の中どうにでもなるという女役で脱ぎまくっているのが最大の見どころか(写真上掲)。

 競馬ノミ屋の手先役で当たると払い戻しが巨額になる危険な馬券を保険の意味で全米を飛び回って買っているアンジェリカ・ヒューストンが貫禄を見せている。


 その息子役でセコイ釣り銭詐欺で稼いでいるジョン・キューザック。まあそれぞれはなかなか面白いのだが、展開にはかなり無理がある。


 本作のフリアーズ監督(1941年6月20日生まれ)は「殺し屋たちの挽歌」(1984年)が似たような騙し合いの映画で見たことがある。どうもストーリーがモタレ気味になるのだ。

「マイ・ビューティフル・ランドレッド」(1985年)が大ヒットして大作の監督に起用されるようになったが、巨匠にはなりきれない名監督かな。

 なおこの映画制作者の一人に巨匠マーティン・スコセッシの名前がクレジットされている。

◆『グリフターズ 詐欺師たち』allcinema ONLINEの解説から引用

 舞台は現代のロサンジェルス。23歳のロイは一見おとなしそうな好青年だが、実はケチな詐欺師。14歳でロイを生んだリリーは、母親らしいことは全くしてやらず、ロイは8年前に家を飛び出したままだ。競馬のノミ屋で働くリリーはアメリカ中の競馬場を転々としている。ロイの恋人マイラは、色気仕掛けを得意とする、これも詐欺師。年の差がそれ程ないリリーとロイは、親子でありながら一歩間違えれば男と女の関係になりかねない。物語は、この母と息子と恋人の危ない三角関係を軸に、“グリフターズ”の生き残りをかけた騙しあいが展開してゆく。

 環境と人間関係が引き起こす心理状態の変化にスポットを当て、それらをハードボイルド・タッチで描いた快作。実に、映画的な画調、卓越した演出力、そして映画全編に渡る冷めたアイロニカルな切り口。これは文句なしの娯楽作品であると同時に、人間の奥底にひそむ感情を鋭く暴いた第一級の心理劇である。

 

/// end of the “cinemaアラカルト338「裸見せりゃいいってもんじゃない!B級映画2本立て」”///

 

(追伸)

岸波

 をを~ 遂に”総合タイトル”を付けて来たか。

 彰の分について、今まで本来の映画タイトルを並べて標題にしてたのには訳がある。

 通常、映画の論評を検索するときには必ず目的の映画名で検索する。なので、記事タイトルに映画名が入ってないと、せっかく書いたのに検索にかかりずらいんだな。

 今度NAVIGATIONに設置した「サイト内検索」でも同じ。普通は、ライターが付けた記事タイトルなんか覚えてないからね。

 ということで、個別記事のタイトル・プレート(画像)とラスト・クレジット(記事の最後にあるタイトル)はできるだけライターのタイトルを尊重するが、インデックスページの目次表記やページ・タイトル(画面には表示されない、ブラウザのタブに表示されるもの)は個別タイトルを並べる扱いにするね。検索エンジンが捜すのはそちらだから。

 ということで、よろしく頼む。

 

 では、次回の“cinemaアラカルト2”で・・・See you again !

グリフターズ 詐欺師たち

(C)Miramax Films

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To be continued⇒  “cinemaアラカルト339” coming soon!

 

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