こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
いつもの通勤電車
駅の数だけ乗車してくる《謎》と《伏線》
乗客100人の中から1人を捜し出せ!!
昨夜、いつものように食事の後、何気なくAmazonプライムで無料視聴していたリーアム・ニーソンの『トレイン・ミッション』。
前にも観たけどやっぱり面白いな・・と思いながら寝落ち。肝心の結末や真犯人の事をすっかり忘れている。
でも、まあいいかと思ったのです・・無料(タダ)だし。
ところがっ!! m9っ`Д´)
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トレイン・ミッション
(C)STUDIOCANAL S.A.S.
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視聴後にもう一度タイトルを確認したらこんな文字が。
『プライムでの配信は11月17日で終了』
あわわわわ! というわけで今、終了数時間前の時計と睨めっこしながら、慌てて見直し、コレを書いているのであります(汗)
さて、2018年公開のアメリカ映画。監督のジャウム・コレット=セラと主演のリーアム・ニーソンは『アンノウン』、『フライト・ゲーム』、『ラン・オールナイト』に続く4度目の名タッグ・コンビ。
原題の『The Commuter』は通勤者という意味。(ここが中々に深い・・始発から終点までの間に起きるリアルタイム・サスペンス!)
さて、映画の内容は?
この謎が、解けるか?
映画の冒頭、主人公のマイケル(リーアム・ニーソン)は妻のカレンと居るベッドで目を覚ます。
そしていつものように、出かける準備をして通勤電車へ。妻のカレンからは息子の進学でかなりの学費が必要になる事を告げられて渋い顔。
10年来も利用している通勤電車はハドソン川沿いをニューヨーク中心部へ向かい、かなりの数の乗客とは顔見知り。取り留めの無い話に花が咲く。
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トレイン・ミッション
(C)STUDIOCANAL S.A.S.
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ところがある日、勤務している保険会社へ出勤すると、突然のリストラ通告が待っていた。動揺するマイケル。家のローンも残ってるし、息子の進学もある。第一自分は60歳。再就職のアテなどない。
そんなところに、かつてニューヨーク市警に勤務していた頃の相棒で親友のアレックス(パトリック・ウィルソン)から飲み会のお誘いが。
アレックスとマイケル
困ったような顔をしているマイケルに「冴えないな、何か問題を抱えてるのか」と聞かれるも、理由はとても言えない。
そして帰路の通勤電車。不審な女ジョアンナ(ヴェラ・ファーミガ)が話しかけて来る。
「仮定の話だけど、もしこの列車の乗客の中からプリンという人物を探し出して、その人物が抱えている鞄にGPSを付けるだけで10万ドルあげると言ったら、アナタやる?」と。
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トレイン・ミッション
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いやいやいや、これは仰天のオファー!?
冗談だろうと聞き流すマイケルに・・
「実は〇号車のトイレに手付金の2万ドルが隠してある。見つけることができたらそれはアナタのものよ」と。
謎の女ジョアンナ
いやコレ、誰だって心が動きますよね。しかもマイケルは目の前で金に困っているのだし。でも、アブナイ匂いがする話なので「冗談言うな」と拒否。
するとジョアンナが去ったので、とりあえず指示されたトイレに行って探すと、通気口の中から大金が出て来る。
信じられないと驚愕するマイケル。
ホントに有ったよ!?
いやコレ、絶対犯罪絡みの危ない話だ! 危険を感じたマイケルは2万ドルを持ったままた次の駅で下車しようとする。
しかし、そこに黒人の少年が待っていて、小さな封筒を渡す。そして、携帯のベルが鳴る。
「手付は受け取ったでしょ。もう止められないわ。もし途中で止めたら、貴方の家族がどうなるか分からないわよ」・・。
メッセンジャーの少年
封筒を開けると、そこには妻カレンが肌身離さず身に着けているはずの結婚指輪が。(ええええ~)
さて、マイケルは、手がかりが少なすぎるこのミッションをクリアできるのか?
はたまた、拉致された家族の運命や如何に!?
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トレイン・ミッション
(C)STUDIOCANAL S.A.S.
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掴みもバッチリ、スピーディな進行。さすが監督・主演四作目の見事なコンビネーション。
しかし、リーアム・ニーソンの家族が誘拐されるのって鉄板ですね(笑)
しかも、伏線の張り方や映像の見せ方がうまい。
例えば冒頭の起床から通勤のシーンは、シチュエーション(気候や着衣)を変えて継ぎはぎされており、同じような毎日がずっと繰り返されている事を暗示する。
秋から冬へ・・
マイケルとカレンが車の中で会話しているシーンでは、後から誘拐の証拠として提示される結婚指輪をさりげなく見せていたり。
さらに、親友の警官アレックスとの二人呑みシーンでは、現在の警察組織は政治やコネに絡んで腐っている話をするし、背景のテレビでは、これから起きる事件の核心となる市職員エンリケの飛び降り自殺のニュースを流している。
二度見したので、実に細やかに伏線が張り巡らされている事に気付きます。
事件の構図ですが、犯人グループの真の狙いは、市職員エンリケが握っていた市幹部や警察幹部が共謀する巨大疑獄事件の証拠をプリンという人物が持ち出したため、それを入手して抹消する事でした。
もちろん、この辺りはかなり後になって明かされる。
エンリケはビルから投げ落とされて殺されるのですが、その一部始終を目撃していた「プリン」は、犯人がニューヨーク市警の制服を着ていたという重要情報も知っていたのです。
つまり、警察組織の中にも犯人グループが潜んでいる。もはや誰を信じていいのかも分からない。 (あらららら・・)
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トレイン・ミッション
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また、謎の女ジョアンナがから示された期限は「プリンがコールドスプリングスの駅で降りる前」。
「プリン」はFBIに保護を求めて、その駅で合流することになっており、犯人グループとしては、絶対にその前にプリンを特定して殺害しなければならない。
そのための暗殺者も電車に同乗している。
それなのに怪しい乗客が多すぎて、一向に「プリン」に迫る事が出来ない。まさに、ハラハラドキドキのタイムリミット・サスペンスでもあるのです。
見事だなぁと思ったカメラワークがありました。
100人以上の乗客の中から「プリン」を探し当てなければならない事になった時、カメラが七つの車両全体を継ぎ目なしに急速に引いて見せた場面。
「こんな大量の乗客からたった一人を見つけるなんてとても無理」という絶望感が強調されます。
ただ、リーアム・ニーソンの暴露によれば「劇中の電車は7車両の設定だけど、撮影で使っていたのはいつも1.5車両分だった」とのこと(笑)
あの見事なカメラワークは「そうでないように見せる」目的もあったんですね。
謎の女(ヴェラ・ファーミガ)
また、「プリン」抹殺の指揮を執る謎の女ジョアンナを演じたヴェラ・ファーミガですが、どこかで見たなぁと思って調べましたら、2019年の『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』で主人公マーク・ラッセル博士の妻エマ・ラッセル博士を演じていました。
エマ・ラッセル博士
犯人グループに拉致されるヒロインと思いきや、実は怪獣による地球環境の再生を目指すマッドサイエンティストで陰謀の黒幕だった人物。
いやぁ、怪しい女を演じさせるとピカイチだなぁ(笑)
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トレイン・ミッション
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映画のクライマックスですが、いくら家族を人質にされてるとは言え犯罪に協力することは出来ないとマイケルはプリンの引き渡しを拒否します。
すると逆上したジョアンナは「ならば列車ごと、全員を殺す!」と列車を暴走させます。いやいや、やってることが無茶苦茶。コワイ女だ。
待てよ、最近こういうの見たな・・あ、『ブレット・トレイン』のクライマックスで大脱線した新幹線が街を破壊しながら進んで行くシーンだ。ヒントはこの映画だったのか!?
果たしてマイケルは、この窮地を乗り切れるのか!?
どうです、アナタも観たくなったでしょう? でも、今日から「有料」ですよ。(お後がよろしいよう:笑)
/// end of the “cinemaアラカルト337「トレイン・ミッション」”///
(追伸)
岸波
この映画の後『アイス・ロード』も観ましたが、やはりリーアム・ニーソンの映画にハズレはありませんね。
こちら『トレイン・ミッション』の絶体絶命のシーンは、実は脱線事故の後なのです。
警察の中に居る犯人グループによって、脱線事故と乗客を人質にした犯人はマイケルということにされ、大勢の警察、マスコミ、狙撃隊に包囲されて「生き残った乗客を解放しろ」と迫られる。
ところが、生き残った乗客には「プリン」も居るので、解放に応じれば彼女の命が危険にさらされるのは必然。
そこで現れた一人のヒーロー・・「オレが代わりの人質になるから乗客を解放してくれ」と。
え、コイツが出て来る!? じゃ、コイツが真犯人!!?
何回どんでん返しがあるんだ、この映画・・よく出来た脚本です(笑)
では、次回の“cinemaアラカルト2”で・・・See you again !
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トレイン・ミッション
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