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「Glidin'」(TAM Music Factory)
by 岸波(葉羽)【配信2022.10.15】
 

◆この記事は作品のストーリーについて触れています。作品を実際に楽しむ前にストーリーを知りたくない方は閲覧をお控えください。

 こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。

 ゴッホが見た世界が、
 あなたの魂を解放する、
 圧倒的感動体験。

 これは2018年公開、ジュリアン・シュナーベル監督の『永遠の門 ゴッホの見た未来』のキャッチコピー。

 今週のcinemaアラカルトは、カリスマ彰の当番です。

永遠の門 ゴッホの見た未来

(C)Walk Home Productions LLC 2018

 さて、元々のレビュータイトルは以下。

◆ウィレム・デフォーが一世一代の名演を見せた映画「永遠の門 ゴッホの見た未来」

◆エイズで早逝した鬼才ジャーマンの映画「カラヴァッジオ」は一見の価値あり

 ではカリスマ彰、お願いします。

岸波さま cinemaアラカルトも大丈夫かあ(笑)! 画家伝記ものを2本送ります。 2本目はこの後、すぐ! ウィレム・デフォーが一世一代の名演を見せた映画「永遠の門 ゴッホの見た未来」。

 

◆『永遠の門 ゴッホの見た永遠』
(2018年 ジュリアン・シュナーベル監督 1時間50分)

 幾つもの説が混在する、美術史上最大の謎=ゴッホの死。
 その謎が、130年の時を超え、いま解き明かされる!

 久しぶりに映画(と言ってもTV録画だが)を見た。

 その「永遠の門 ゴッホの見た永遠」(2018年 ジュリアン・シュナーベル監督 1時間50分)は、オランダ生まれの画家フィンセント・ファン・ゴッホ(1853〜1890)の最晩年を描いている。

永遠の門 ゴッホの見た未来

(C)Walk Home Productions LLC 2018

 ゴッホ役はウィレム・デフォーが演じている。 デフォーと言えば、なんと言っても「プラトーン」(1986年 オリバー・ストーン監督 2時間)のポスターである。

 これは世界一有名な映画ポスターかもしれない。

 なにしろ脇役エリアス軍曹役のデフォーが主役のチャーリー・シーンを差し置いて、ポスターで主役を張ったのだ。

「プラトーン」

 今回のポスターも明らかにこの「プラトーン」の ポスターを意識していることは明らかで笑える。

 しかし、デフォー(1955.7.22〜)は脇役・悪役が多い役者だが、このゴッホ伝記映画ではベネチア国際映画祭男優賞に輝いている。

 後半の鬼気迫る精神異常者ぶりはなかなかであるが、切り落とした左耳の処理にかなり苦労しているようだ。


(ウィレム・デフォーの一世一代の名演)

 それに比して、前半の異常者ぶりはやや物足りない。そういう演出プランなのか。

 またもう幻影なのかもしれないが、死因(ピストル自殺と言われている)が2人の青年に腹部を撃たれたことになっている。

 もっとも兄思いのゴッホの弟テオによる射殺説もあるというから驚きだ。

 この映画の監督であるジュリアン・シュナーベル監督(1951.10.26〜)は、私のベスト映画20には必ず入る映画「潜水服は蝶の夢を見る」(2008年 1時間52分)も監督している。

「潜水服は蝶の夢を見る」

 脳梗塞で体の自由を奪われたファッション誌ELLEの編集長が巻き起こす奇跡を描いているが実に素晴らしい映像美とストーリーだった。

 シュナーベル監督は映画も撮る現代美術家であるらしいから、今回ゴッホ自伝映画のメガホンをとったのも肯ける。

永遠の門 ゴッホの見た未来

(C)Walk Home Productions LLC 2018

 アルルの風景描写の見事さなど特筆ものである。ただゴッホの台詞がかなりわかりづらい。

 キリストを意識した殉教者(実際ゴッホは牧師の息子で伝道師見習だったこともある)めいた発言をしている場面がかなりある。

 シュナーベルは、他にオーバードーズで27歳で急死した現代画家バスキア(1960〜1988)を描いた「バスキア」(1996年 1時間48分)という映画も撮っているが、これは是非見てみたい映画だ。

◆『永遠の門 ゴッホの見た未来』allcinema ONLINEの解説から引用

 ウィレム・デフォーが偉大な画家フィンセント・ファン・ゴッホの晩年を演じヴェネチア国際映画祭で男優賞を受賞し、アカデミー賞でも主演男優賞にノミネートされた伝記ドラマ。画家でもある「潜水服は蝶の夢を見る」のジュリアン・シュナーベル監督が、ゴッホの最期の日々に焦点を当て、不安や孤独と格闘しながらも自らの絵を追い求め続けた姿を、ゴッホの眼から見た世界の再現に挑んだ美しい映像とともに描き出す。共演はルパート・フレンド、マッツ・ミケルセン、マチュー・アマルリック、オスカー・アイザック。

 パリでまったく絵が売れずに苦闘するフィンセント・ファン・ゴッホは、出会ったばかりのゴーギャンの言葉を信じて、明るい日差しが降り注ぐ南仏アルルへと向かう。ゴーギャンの合流を待ちわびながら、精力的に創作活動に励むゴッホだったが、地元の人々とのトラブルをたびたび引き起こしてしまう。そんな中、ようやくゴーギャンもアルルにやって来て、共同生活を送りながら2人で絵画制作に没頭していくのだったが…。


◆『カラヴァッジオ』(1986年 デレク・ジャーマン監督 1時間33分)

 この身は愛するために、
 命は描くために。

 TV放映を録画していた映画「カラヴァッジオ」(1986年 デレク・ジャーマン監督 1時間33分)を見た。

カラヴァッジオ

(C)www.amazon.co.uk

 ゲイ宣言をして52歳でエイズのため死んでしまった鬼才デレク・ジャーマン(1942〜1994)が共感できる人物を描いた伝記映画のひとつ(他に「セバスチャン」、「ウィトゲンシュタイン」がある)。

「セバスチャン」

 なんでカラヴァッジオ(1571〜1610)の時代にタイプライターやトラックが出てくるのか?という具合に時代がクロスオーバーする不思議な映画。

 バイセクシュアルだった天才画家カラヴァッジオ(ナイジェル・テリー)の波瀾万丈の人生を描いている。

 1980年代を席巻し、さらにエイズで死すといういかにも1980年代の天才ジャーマンを偲ぶには恰好の映画だろう。

 尺が93分でやや説明不足だが、カラヴァッジオの鬼才ぶりが明暗の独特のコントラストを使った画面の中に描かれている。

 カラヴァッジオの愛人のレナを演じるティルダ・スウィントンが相変わらずイイ味を出している。

カラヴァッジオ

(C)www.amazon.co.uk

◆『カラヴァッジオ』allcinema ONLINEの解説から引用

 D・ジャーマン作品としては最も分かりやすい、どこか彼の師匠格のK・ラッセルを思わす、イタリア・ルネッサンスの異端の画家カラヴァッジオの生涯を描いた作品。彼の絵画を見せることに主眼を置き、透明な映像でその光と影を解析、同性愛や殺人と言った醜聞に満ちた呪われた画家の一生を、時に現代の車やタイプライターなどの事物を鮮かに滑り込ませ、観客に認識させる。

 伝統的物語手法と実験の間で、意欲的に“復興の精神”を検証した作品だったが、以降ジャーマンは再びより低予算の私的フィルムに戻っていくことになる。

 

/// end of the “cinemaアラカルト332「永遠の門 ゴッホの見た未来+カラヴァッジオ」”///

 

(追伸)

岸波

 おっと、文芸大作か・・これらは僕が観る映画とは全くカテゴリー外だ。

 なので、コメントのしようがない。

 ちなみに自分が今現在、ハマっているのはアメリカTVドラマシリーズの『S.W.A.T.』。シェマー・ムーアの主演でシーズン5まで継続中だ。

 テンポが非常によく、主要メンバーがそれぞれに抱えている家庭の事情などもストーリーに絡んできて非常にリアル・・というか、作られたヒーローではなく等身大の人間たちが様々な事情を抱えながらも、協力して難事件に挑む姿がいい。

 そして、心に刺さるセリフがかなりある。

 近いうち、コレのレビューも書こうかな?

 

 では、次回の“cinemaアラカルト2”で・・・See you again !

永遠の門 ゴッホの見た未来

(C)Walk Home Productions LLC 2018

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To be continued⇒  “cinemaアラカルト333” coming soon!

 

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