こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
IT ALL STARTD HERE
観てまいりましたよ、ジュラシック・シリーズ完結編の第6作『ジュラシック・ワールド 新たなる支配者』を。
まずは下の「アメリカ映画館用初版ポスター」(の一つ)をご覧ください。
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ジュラシック・ワールド 新たなる支配者
(C)2022 Universal Studios and Amblin Entertainment. All Rights Reserved.
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IT ALL STARTD HERE(すべてはここから始まった)・・そうでした。
そもそもの始まりは1990年、ユニバーサル・ピクチャーズがマイケル・クライトンの小説「ジュラシック・パーク」の映画化権を出版前に買い取り、スティーブン・スピルバーグ監督を起用して制作した1993年の『ジュラシック・パーク』の世界的な大ヒット。
第1作『ジュラシック・パーク』
ポスターの図柄は、ジュラ紀の蚊の祖先が恐竜の血を吸っているところ。この蚊が現代の琥珀の中から発見され、体内に残った恐竜の血液(DNA)から最初の一頭が復元されて物語が始まるのです。
今回のシリーズ完結編では、旧シリーズ「ジュラシック・パーク」三部作の主人公と後半の「ジュラシック・ワールド」二作の主人公が総結集。
さて、どんなオトシマエを付けてくれるのか楽しみです。
シリーズの壮大なる終幕
映画の冒頭、棲息地イスラ・ヌブラル島の火山爆発から恐竜たちが救出され、メイジー(イザベラ・サーモン)の判断によって世界へ解き放たれてから4年が経過した世界。
今や世界は、あらゆる陸や海に恐竜が跋扈するジュラシック・ワールドに変貌している。
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ジュラシック・ワールド 新たなる支配者
(C)2022 Universal Studios and Amblin Entertainment. All Rights Reserved.
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そんな中、かつてジュラシック・パークを設立したインジェン社のライバル企業であったバイオシン社がイタリアのドロミティ山脈に恐竜の保護区を整備し、世界中から恐竜を集めて彼らの免疫系を活用した新薬を研究中。
保護活動をするオーウェン
一方、前作の主人公オーウェン(クリス・プラット)とクレア(ブライス・ダラス・ハワード)は、恐竜を捕えて保護する活動をしながら、ロックウッド卿の娘の遺伝子クローンであるメイジー(イザベラ・サーモン)と三人で暮らしている。
ロックウッド卿は、ジュラシック・パーク建設に関わった人物。
三人家族
そして、近郊の森には、あのヴェロキラプトルのブルーが無性生殖で産んだ子供ベータと共に棲みついている。
だがある日、密猟者によって子恐竜のベータが捕獲され、一緒にいたメイジーも拉致されてしまう。
ベータとブルー
オーウェンとクレアはメイジーとベータを救出するため、恐竜の闇取引が行われているという地中海マルタ島に潜入。
メイジーがバイオシン社の恐竜保護区に移送された情報を入手すると、退役軍人ケイラ(ディワンダ・ワイズ)の力を借りてイタリアを目指す。
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ケイラとオーウェン
(C)2022 Universal Studios and Amblin Entertainment. All Rights Reserved.
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その頃、アメリカ中西部の農場に巨大化したイナゴの群れが襲来。
巨大イナゴの群
調査を依頼されたエリー・サトラー博士(旧シリーズの主人公)はバイオシン社が管理する農場だけが被害を受けなかったことに疑念を抱く。
そこで、古生物学者のグラント博士(サム・ニール:旧シリーズの主人公)に協力を求めてバイオシン社に向かう。
グラント博士とエリー博士
一方、バイオシン社には、旧友の数学者マルコム博士(ジェフ・ゴールドブラム:旧シリーズの主人公)が潜入していた。
彼は、バイオシン社が恐竜のDNAを用いてイナゴを巨大化させ、自社で遺伝子改良を施した作物以外を捕食させるという陰謀を突き止めていた。
マルコム博士
三人は陰謀の証拠となる改良イナゴのDNAを入手し脱出を図るが、そこにバイオシン社の魔の手が迫る。
さて、三人は無事脱出して陰謀を阻むことができるのか? オーウェンとクレアはメイジーとベータを救出できるのか? はたまた人類と恐竜の未来やいかに!?
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ジュラシック・ワールド 新たなる支配者
(C)2022 Universal Studios and Amblin Entertainment. All Rights Reserved.
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こうして新・旧シリーズの主人公たちが一同に会して国際的陰謀と闘う設定は燃えますね♪
シリーズに深く関わり、今回の『新たなる支配者』の監督を勤めたコリン・トレボロウは「今作で全てが決着するようにシリーズは設計されて来た」と言っています。
まさに正真正銘の大団円となる訳です。
コリン・トレボロウ監督
旧シリーズ三部作は、まだジュラシック・パークが出来る前、恐竜たちの再現と飼育をする中での事件、新シリーズはパークが実現した後の事件を扱って来ました。
そして、それらは同じ時系列で一連の出来事として描かれたのです。
リブートやパラレルワールドに逃げることなく、しっかりとシリーズの辻褄を合せてきたのは、最後にこう締めくくる目論見があったのですね。
また、クローン人間メイジーの出生の謎についても回収されています。
前作で彼女はロックウッド卿が染色体異常で亡くした娘の代わりにクローン再生したと言われ、メイジー自身も「自分は人間じゃない」と絶望したことから、同じクローンで生まれた恐竜たちを「解放」するという暴挙に出ました。
メイジー
しかし、拉致されたバイオシン社でクローン開発を担当していたヘンリー・ウー博士から自身の出生の真実を明かされることになります。
メイジーはクローンの試験管ベビーではなく、科学者でもあった母親が「無性生殖」し、実際に出産した子供だったのです。
その際、母親の研究で染色体異常が遺伝しないよう改良している。
出生の秘密
ヴェロキラプトルのブルーも同様に「無性生殖」でベータを産んでおり、このシリーズでは「無性生殖」が重要なキーワードだったのですね。
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ジュラシック・ワールド 新たなる支配者
(C)2022 Universal Studios and Amblin Entertainment. All Rights Reserved.
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振り返ってみれば第一作『ジュラシック・パーク』では、若き日のウー博士が「このパークの恐竜たちは全部メスなんです」という台詞がありました。
今回の『新たなる支配者』では「生物は子孫を残すために自ら”新たな道”を作り出す」と語られています。
現実の生物界でも、メスだけの集団が性転換する事例、雌雄同体の虫類が無性生殖で子孫を残す事例がありますから、あり得ない話ではありません。
岸波通信anothe world.Episode39『進化のトリガー』>>参照。
そう・・考えてみれば、あのイエス・キリストも聖母マリアの無性生殖で生まれた人間でした。
聖母マリア
今回の『新たなる支配者』の特徴の一つは、ヴィラン(悪役)が少ないこと・・と言うか一人だけです(笑)
第一作『ジュラシック・パーク』でバイオシン社のスパイを勤めていたルイス・ドジスンがその人。
彼は一作目であっさり姿を消していましたが、その後、バイオシン社内で頭角を現し現CEOの地位まで登り詰めています。
ルイス・ドジスンCEO
巨大イナゴで世界制覇を狙ったのも彼、恐竜を集めてDNA改変で軍事利用できる種を作ろうとしているのも彼、 無性生殖の実験体としてメイジーとベータを拉致したのもコイツ、本当に悪いヤツなんです。
逆に、これまでのシリーズでヴィランの立ち位置に近かったヘンリー・ウー博士(B・D・ウォン)は、メイジーに出生の真実を伝えたり、CEOに内緒でイナゴを壊滅する研究をしていたりで立場転換。
ヘンリー・ウー博士
ドジスンの片腕として広報部長を勤めていたラムジー・コール(ママドゥ・アティエ)は、マルコム博士(ジェフ・ゴールドブラム)からドジスンの陰謀を教えられて翻意し、マルコムらに力を貸すようになる。
ラムジー・コール広報部長
ラストはもちろんハッピー・エンド。ドジスンが自ら育てた毒恐竜に襲われて自滅し拍手喝采。
まあ、今回の大団円はある意味「お祭り」なので、こういうスッキリした結末こそ相応しいでしょう。
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ジュラシック・ワールド 新たなる支配者
(C)2022 Universal Studios and Amblin Entertainment. All Rights Reserved.
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それにしても・・『新たなる支配者』ってどういう意味だ?
予想されるのは、人類が繁殖する恐竜に敗れて地球の支配者の座を奪われる・・という安易なストーリー。
しかし映画の結末では、ほとんどの恐竜は保護区に集められ、比較的小型の恐竜や翼竜たちは地球上の現生物種と共存を始める。
全然「支配者」出てこないじゃん!?
オーウェンとブルー母子
そこで原題を確認してみると「Jurassic World: Dominion」。
この"Dominion"、小文字で書くdiminionの意味は「支配権、支配、支配力、主権、統治、統治権」なのですが、原題のように大文字でDominionとした場合は「自治領」になります。
なんだ、そしたら『ジュラシック・ワールド:自治領』が正訳なんじゃないの?
まさに再建される恐竜の「サンクチュアリ」(聖域・保護区)の事じゃないか。それならばスッキリする。
ただ、ネタバレ気味でもあるし、邦題としてインパクトは薄れるかな・・ここは分かった上での誤訳なのかも知れません。
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ジュラシック・ワールド 新たなる支配者
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今回、注目点だけをいつくか拾いましたが、全編ハラハラドキドキのシーンが満載。
特にオーウェンが超速の恐竜たちに追われながら街中をバイクで逃走するシーンは007並み。いや、それ以上か。
また、主人公の中の女性四人、クレア、数十年ぶりのエリー博士、成長したメイジー、初登場の無双闘士ケイラはいずれも魅力抜群。
映画史に残る興行収入とともに、伝説となっていくシリーズであることは間違いありません。
/// end of the “cinemaアラカルト320「ジュラシック・ワールド 新たなる支配者」”///
(追伸)
岸波
最終作で伏線も回収されてスッキリ、悪人が倒され人類と恐竜が共生する未来も描かれてスッキリ。
オマケに結婚もせず微妙な関係を続けていたオーウェンとクレア、元恋人で破局していたエリーとグラント博士もアッチッチになって超ハッピーエンドでした。
エリーとグラント博士
そしたら・・
実は、エリー役のローラ・ダーンとマルコム博士役のジェフ・ゴールドブラムは実生活で婚約していたのですね。(そっちかよ!)
エリーとマルコム(元婚約者)
残念ながら二人は結婚するまでには至らず二年ほどで婚約解消してしまうのですが、そんな裏話もあったんだ・・。
また、今回唯一の悪役と言っていいドジスンCEO役は、第一作のキャメロン・ソアから、アメイジング・スパイダーマンで父親役をやったキャンベル・スコットにチェンジしました。
調べてみると、キャメロン・ソアは映画出演後にハレンチな犯罪を犯して投獄されていたとのこと。あららら、本当の悪人だったんだ・・じゃ、しょうがない。
第一作でのキャメロン・ソア
ちなみに「ルイス・ドジスン」という役名は、不思議の国のアリスのルイス・キャロルの本名「チャールズ・ラトウィッジ・ドジソン」から命名されたとのこと。
本名をラテン語に直し、それを英語に変えたのがルイス・キャロルというペンネームでした・・って、誰も分かんないよ、ソレ!(笑)
では、次回の“cinemaアラカルト2”で・・・See you again !
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