こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
いい生活なんて
吐き気がするだけだ!
これは、先般89歳で亡くなったボブ・ラファエルソン監督の代表作『ファイブ・イージー・ピーセズ』(1970年)のキャッチコピー。
今週のcinemaアラカルトは、カリスマ彰の当番です。
さて、元々のレビュータイトルは以下。
◆映画「ファイブ・イージー・ピーシズ」が代表作のボブ・ラファエルソン監督死す
ではカリスマ彰、お願いします。
7月23日、映画監督のボブ・ラファエルソンが肺癌で死去した。享年89。
ボブ・ラファエルソン
主な監督作品は以下の通りだが、その結成にも関係したザ・モンキーズを起用した映画が処女作だ。
◇ザ・モンキーズ恋の合言葉 Head!Head (1968)
◇ファイブ・イージー・ピーセス Five Easy Pieces (1970)
◇キング・オブ・マーヴィン・ガーデン -儚き夢の果て- The King of Marvin Gardens (1972)
◇郵便配達は二度ベルを鳴らす The Postman Always Rings Twice (1981)
◇ブラック・ウィドー Black Widow (1986)
◇愛と野望のナイル Mountains of the Moon(1990)
◇お気に召すまま Man Trouble (1992)
◇ブラッド&ワイン Blood and Wine (1996)
◇ノー・グッド・シングス The House on Turk Street (2002)
◆『ファイブ・イージー・ピーセス』(1970年 ボブ・ラファエルソン監督 1時間38分)
いい生活なんて
吐き気がするだけだ!
バックナンバーを見ると、ジャック・ニコルソンと気が合ったのか、ニコルソン主演の映画が多い。
しかし、「ファイブ・イージー・ピーシズ」(1970年 1時間38分)が飛び抜けた傑作だろう。
これはアメリカのドロップアウト、ヒッピー、ロードムービーなどの潮流を集約している映画だと思う。
ニコルソンも最近引退したし、この映画でニコルソンと共演したカレン・ブラック(癌になってクラウドファンディングで手術代を集めていたのには驚いた)、スーザン・アンスパックはすでに鬼籍に入っている。
スーザン・アンスパック:左
この映画の主題歌「スタンドバイユアマン」を歌っていたカントリー歌手のタミー・ウイネットもやはり55歳の若さで1998年に亡くなっている。
この映画は池袋の文芸座で2回見た。1974年だったかな。
私のベスト20には必ず入る映画だ。
◆『永い言い訳』allcinema ONLINEの解説から引用
裕福な音楽一家にそだった青年ボビーは、自分の階級を離れ、石油採掘の仕事をする浮き草のような生活を送っていた。そんなある日、彼の恋人で下層階級の女性レイが妊娠する。ボビーは家庭に戻ることを決心するが、彼もレイも、家族の中ではドロップ・アウトした存在になってしまっていた……。生きる価値を見いだせない青年の苦悩を描いた青春ドラマ。 |
(追伸)
岸波
なるほどな。表題作は見ていないが『郵便配達は二度ベルを鳴らす』は昔、見たと思う。
不倫の果ての夫共謀殺人でお縄になるかと思ったら、うまいこと誤魔化して結婚。で、愛が冷めて別れるがまたくっ付いてハッピーエンド・・かと思ったら自動車事故で奥さんは死んでしまう、だったと思う。
観客は散々引きずり回されて、結局のバッド・エンド。ああいう映画はダメだ、僕には合わない。
で、ラファエルソン監督って、米陸軍時代に通訳として日本に居たんだってね。それで小津安二郎にハマった。うん、確かに影響を受けているかも知れないな。