こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
夢の続きが始まるーー
満を持して・・というか前号で『仮面の忍者赤影』が飛び込んだので順送りとなりました『キングダム2 遥かなる大地へ』です。
この「キングダム」、原作の連載漫画の方も目を離せない展開となっていますが、こちら映画では、主人公の「信」がいよいよ戦場に飛び出します。
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キングダム2 遥かなる大地へ
(C)原泰久/集英社 (C)2022 映画「キングダム」製作委員会
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今回描かれるのは、原作本で第5巻中途~7巻に相当する蛇甘(だかん)平原の戦い。
前作は、弟のクーデターで玉座を追われた秦王えい政の窮地に、山の王・楊端和(ようたんわ:長澤まさみ)の力を借りながら王座奪還までを描いた物語。
今回は「キングダム」登場人物の中でも、信と人気を二分する彼の右腕、羌かい(清野菜名)が登場するとあって、ファン必見の場面、目白押し。
ということで、早速その内容です。
命をたぎらせ、生きろ!
映画の冒頭、秦王えい政(吉沢亮)の寝所に暗殺者朱凶チームが忍び込む。既に近従の者たちは全滅している。
えい政は、駆け付けた信(山﨑賢人)と河了貂(かりょうてん:橋本環奈)の活躍で事なきを得たが、朱凶は蚩尤(しゆう)という言葉を口にして息絶える。
蚩尤(しゆう)は伝説の最強暗殺者、それが次にやって来ると言うのか。そもそも内部の手引き無しに王宮に入り込むのは至難のはず・・周辺に裏切り者が居るのか?
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キングダム2 遥かなる大地へ
(C)原泰久/集英社 (C)2022 映画「キングダム」製作委員会
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朱凶の死で、えい政の命を狙う黒幕はうやむやになったが、時を同じくして魏国が国境の丸城住民を皆殺しにして侵入したという報せが届く。
天下の大将軍を目指す信にとっては手柄を立てる絶好のチャンス。だが白兵戦にそぐわない河了貂(かりょうてん:橋本環奈)は城に残ることに。
城に残る河了貂
戦場に到達した信に、「伍」という五人一組の戦隊を組めと指令が下る。しかし新参者の少年は誰からも相手にされない。
そうこうするうち、同郷の尾平(びへい:岡山天音)と尾到(びとう:三浦貴大 )の兄弟に遭遇。
もう一人、顔を覆面で覆った小さな兵士"羌かい"を引き入れ、"新参者を率いるのが自分の役目"と称する伍長・澤圭(たくけい:濱津隆之)が参加して最弱の伍(笑)が整う。
最弱の伍、成立(笑)
侵攻した魏軍を率いるのは、魏火龍七師の筆頭将軍呉慶。迎え撃つは秦の猛将麃公(ひょうこう:豊川悦司)。
さて、信は仲間と共に生き残り、見事、手柄を立てることができるのか?
はたまた、謎の兵士"羌かい"の正体とは!?
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キングダム2 遥かなる大地へ
(C)原泰久/集英社 (C)2022 映画「キングダム」製作委員会
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今回の『2』で、ファンの注目は何と言っても初登場の羌かいでしょう。
この後、信と二人で幾多の死地を乗り越える最強の相棒なので、このキャスティングは大切・・いったい誰が?
で、制作発表があり「清野菜名」という名前が・・ああ『劇場版 今日から俺は!!』に出てたあの娘(赤坂理子)か。
赤坂理子(清野菜名)
もともとファッション誌の専属モデルだった彼女は、突如『TOKYO TRIBE』と『少女は異世界で戦った』の激しいアクションで2015年ヨコハマ映画祭で最優秀新人賞を受賞。
翌2016年に初主演した『東京無国籍少女』で、見事ジャパンアクションアワード最優秀女優賞を受賞。凄いね!
彼女は、芸能系の高校に進むため上京した時に『バイオハザード』のミラ・ジョヴォヴィッチの演技に衝撃を受け、高校の三年間、徹底してアクションの訓練に励んだと言う。
その努力が実を結び、アクション映画の新星として各賞を総なめに。まさに、『キングダム』の羌かいにはこの人しかいないというはまり役。
羌かい(清野菜名)
その羌かいの初剣技シーンが凄まじい。魏の新兵器の馬戦車に壊滅状態に追い込まれた歩兵たちは残党狩りに遭い、足を痛めた尾平(岡山天音)は包囲される。
ここに助けに入る羌かいの猛烈なアクション剣技は、『るろうに剣心』で魅せた佐藤健の超絶剣技に勝るとも劣らない。
羌かいの超速剣技
さすがアクションで鍛えただけあって、立ち姿も美しい。
昔だったら千葉真一門下生の志穂美悦子あたりが抜擢されただろうが、まず現代には彼女以外見当たらない。しかも才色兼備となると。
あれ?・・清野菜名って2020年に生田斗真と結婚して妊娠中だったはず。
あの激しい動き、大丈夫だったんだろうか?
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キングダム2 遥かなる大地へ
(C)原泰久/集英社 (C)2022 映画「キングダム」製作委員会
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今回のキャスティングでもう一人注目を浴びている意外な人物が。それは、羌かいに助けられた尾平(びへい)その人。
最初、『カメラを止めるな!』に出演以来、いろんな作品の名脇役として大ブレイクしている濱津隆之の名前を聞いた時、「なるほど、彼ならピッタリだ」と勘違いした人は僕のほかにも大勢いたはず。
でも彼は、伍長の澤圭役だったんですね(笑)
澤圭(濱津隆之)
この尾平というキャラがなぜ愛されるかと言うと、とにかく明るくてちょっとエッチ。夜会ではムードメーカーだけど、戦では全くの根性なし(笑)
だから何度も死地に陥るのだが、やがて信が最も信頼する仲間の一人として成長する人物なのだ。
うん、岡山天音クンも悪くない。かなり"寄せ"てる。
けど、見た目からしても濱津隆之が尾平だと思うんだけどな(笑)
尾平(岡山天音)
脚本に協力している原作者の原泰久が、今回一か所だけ原作に無い場面を挿入した。それが、羌かいが戦に加わった理由を告白するシーン。
魏兵の猛攻から生還し、羌かいの強さに刮目した信が、その夜、「女だてらに何故にここに来た?」と質して答える場面だ。
彼女は女暗殺者「蚩尤(しゆう)」の一族。最強の蚩尤を選ぶ儀式で同年代の女子たちが殺し合い、最後に生き残った一人が正式な蚩尤を名乗るのだ。
その儀式で、最愛の姉羌象(きょうしょう)が自分を助けるため、眠り薬を飲ませて一人だけ闘いに出たが、別村の策略にかかって惨殺されたと言う。
羌かいと羌象(山本千尋)
自分がこの戦に参加した理由は、姉の仇、蚩尤がいる魏国に向かうため。討ち果たしたら自分も死ぬつもりだと言う。
すると信は、「仇を討ちに行くのはいい。だが死ぬのはだめだ。お前の姉の羌象はそんな事を望んでいない。仇を討ったら必ず俺たちの所へ帰ってこい」と。
羌かいと信(後ろ姿)
このシーンが挿入されたことで、その後の闘いで”こんなところで死ぬわけにはいかない”という羌かいの想いが、より深く理解できるようになった。
原作者の原泰久もヤングジャンプのインタビュー記事の中で、こう述べている。
「今の自分だったら、映画の方のドラマを漫画でも描くんじゃないかな」と。
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麃公将軍(豊川悦司)
(C)原泰久/集英社 (C)2022 映画「キングダム」製作委員会
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さて、今回の映画では若手らの活躍はもちろんだが、それを支える重要な役柄でベテラン俳優陣が重厚な演技を披露している。
前回の『1』でも話題になった大将軍王騎の大沢たかお、その副将騰の要潤、呂不韋の佐藤浩市、昌文君の髙嶋政宏、昌平君の玉木宏・・これだけでも十分に重厚な布陣だが、今回はそれに加えて、魏火龍・呉慶の小澤征悦と秦の猛将麃公(豊川悦司)の演技がアツい。
魏火龍・呉慶(小澤征悦)
さらにもう一人、信が属する軍団の千人将、縛虎申(ばくこしん)の渋川清彦が素晴らしい演技をしている。
縛虎申は、秦軍団の中でも最も危険な役目を買って出て大勢の部下を死なせることで有名な武将。「特攻好きのいかれた将」と陰口を叩かれている。
事実、蛇甘(だかん)平原の戦でも縛虎申の部隊が先陣を切り、多くの歩兵が犠牲となっていた。
縛虎申千人将(渋川清彦)
しかしこの縛虎申、山頂に陣取る敵副将宮元の守備兵に信ら一党が風穴を開けたと聞くや、自らが先頭となり寡兵とともに馬を駆って突撃。
味方が次々と矢に倒れる中、最後はボロボロの姿で敵将の前に辿り着き、寸前で敵兵の刀と槍に貫かれる。
だが、最後のトドメを刺しに来た敵将宮元に対し、絶命したと思われた縛虎申がカッと目を見開き、「近い!近すぎるぅ!」と言うや最後の力をふり絞って敵将の首を刈るのだ。
敵将宮元役の高橋努も熱演だった。このシーン、最高!
縛虎申の胸アツシーン
だが、このシーンを真の名場面にしたのは、そこに信の一行が到着してからだ。
山頂に秦の旗を掲げたことで、全戦場の魏軍に大きな動揺が走る。が、復讐の怒りに燃えた部隊は山頂奪還のために攻め上がって来る。
「もう十分だ。囲まれる前にここから逃げよう」という仲間に、「せっかく千人将が命をかけて奪った山頂だ。俺は絶対にここを動かない」と信は激高。
その時、虫の息の縛虎申が信を諭す・・「勇猛と無謀は違う、命を大切にしろ」
ぅをををを~カッコ良すぎ!!
包囲される信たち
しかし、時すでに遅く、あらゆる下山口から攻め上がって来る魏兵に、信たちの寡兵では為す術なし。もはや一巻の終わりか?
その時、誰も予想し得なかった"居ないはずの男"が援軍に登場する!?
ここは敢えて書きません。実際見て胸が熱くなって下さい。
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キングダム2 遥かなる大地へ
(C)原泰久/集英社 (C)2022 映画「キングダム」製作委員会
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今回のクライマックスは、魏火龍・呉慶(小澤征悦)と秦の猛将麃公(豊川悦司)の大将同士の一騎打ち。
ここもねぇ・・素晴らしい名シーンなんですよ。
この一つ前のシーンといい、一つ後の秦の王宮でのシーンといい、名優にはちゃんと見せ場を作ってある。
現代日本を代表する名優たちが夢の競演・・といった映画でしたね。
あと、無いものねだりではあるけれど、前回の大ヒーロー(ヒロイン?)楊端和(長澤まさみ)の出番は、今回はありません。見たかったな、楊端和(笑)
楊端和(長澤まさみ)
/// end of the “cinemaアラカルト318「キングダム2 遥かなる大地へ」”///
(追伸)
岸波
映画のラスト・クレジットの後で『キングダム3』の制作告知がありました。
(ブラボー!!)
次の戦いでは、いよいよ秦の最大・最強の敵として立ちはだかる趙国の三大天・李牧(りぼく)と龐煖(ほうけん)が登場するはず。
趙の三大天・李牧
この李牧、各国を動かして対秦包囲網を作り上げる智将でありながら武力でも豪傑、しかも『キングダム』随一のイケメンなのです!
秦王えい政に”国宝級イケメン”の吉沢亮クンを使っちゃってるから、それ以上となると誰が居るんだろう?
あ・・そうだ! ディーン・フジオカ氏なんかどうですかね?(笑)
では、次回の“cinemaアラカルト2”で・・・See you again !
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キングダム2 遥かなる大地へ
(C)原泰久/集英社 (C)2022 映画「キングダム」製作委員会
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