こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
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つらい記憶を美しく上書きする
最新ロマンティックコメディ
実はコレ『ザ・ロストシティ』の公式キャッチコピーではなく、「映画ナタリー」サイトで脳科学者中野信子とタレントのSHELLYが同作を観て語る対談企画のアオリです。
僕とケイ子が見終わった感想もまさにコレ!
この夏最高の「おバカ映画」(注:誉め言葉)でした。しかも密林冒険譚なのに、紫ラメのスパンコールにローヒールという出立(イデタチ)(笑)
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ザ・ロストシティ
(C)2022 Paramount Pictures. All rights reserved.
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この映画を最後に俳優業を休業すると宣言しているサンドラ・ブロックの事実上の引退作品。
てゆーか、アカデミー賞主演女優賞も受賞している彼女の最後の作品がこれなの!?という衝撃。
サンドラ・ブロックをはじめ、チャニング・テイタム、ブラッド・ピット、ダニエル・ラドクリフという超豪華俳優陣が完全に振り切れたおバカを演じるハチャメチャ・ロマンス・アドベンチャー・・これで面白くない訳がない。
ということで、さっそくその内容です。
ド派手に探し出せ!
映画の冒頭、『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』の名シーンばりに、大量のヘビが蠢く遺跡の中に拉致されているロレッタ(サンドラ・ブロック)とダッシュ(チャニング・テイタム)。
「蛇だけ準備して、私たちが来るまで待ってたの?エサはどうしてたの?」と現実的な突っ込みを入れるロレッタ。
「これじゃ駄目。アリエナイ、削除!」と言うとヘビが消え去る。シーンは現実に戻り、彼女は書きかけの小説を削除してノートPCを畳む。
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ザ・ロストシティ
(C)2022 Paramount Pictures. All rights reserved.
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主人公のロレッタ(サンドラ・ブロック)は元考古学者の小説家。
恋愛冒険小説の『The Lost City of D』がベストセラーになり、続編を書こうとしているがスランプで筆が進まない。
彼女は先年、考古学者であった夫を亡くしているのだが、未だに彼への想いに捉われているようだ。
そんな中、広報担当者のべス(ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ)は、ロレッタと作中の主人公ダッシュのイメージモデルを務めるアラン(チャニング・テイタム)による販促ツアー・イベントを企画する。
ウザいモデルのアラン
だが、ツアーの途中で怪しい男たちに拉致されてしまったロレッタ。
彼女を捕えた大富豪のアビゲイル(ダニエル・ラドクリフ)は『The Lost City of D』の大ファンで、そのロストシティに隠された伝説の秘宝「炎の冠」を探してほしいと依頼する。
「いやいやいや、お断りします。アレは私が書いた小説だから・・そもそもそんな場所知らないし」
「いや、既に見つけてある。後はこの象形文字の断片を頼りに、秘宝の場所を見つけるだけだ」・・というトンデモナイ進行。
大富豪アビゲイル
断ったロレッタは薬で眠らされ、アビゲイルのプライベート・ジェットで南の島へ移送される。
一方、ロレッタの拉致現場を目にしたアラン(チャニング・テイタム)は、自分で奪還するのはムリと考え、元シールズ特殊部隊にしてCIA工作員の男ジャック・トレーナー(ブラッド・ピット)に救出を依頼。
CIA工作員ジャック
結局、アランもジャックと同行することになり、二人はロレッタの付けたスマートウォッチのGPSを頼りに島へ乗り込む。
さて、二人は無事にロレッタを救出することが出来るのか? はたまた隠された秘宝「炎の冠」の正体やいかに!?
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ザ・ロストシティ
(C)2022 Paramount Pictures. All rights reserved.
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僕が『トップガン マーヴェリック』を差し置いてコチラ『ザ・ロストシティ』に行こうと思ったきっかけは、YouTubeで見たハチャメチャな予告編。
夫を忘れられない悩める恋愛小説家とそれを助けようとする筋肉だけのポンコツ・モデル。特にウケたのは、密林の川でたくさんのヒルに襲われたアランがケツ出ししてロレッタにヒルを取ってもらうシーン。
「早く取ってくれ、次は前も! あ・・アレが見たこともない大きさに腫れてる」
~との言葉に、身体の前の方を興味深く覗き込むロレッタ。いやいや、もう腹を抱えて大笑い!
実際の映画では、若干別のシチュエーションになっている。
ポンコツ男アラン
そもそも、僕にとってのチャニング・テイタムのイメージは『G.I.ジョー』シリーズや『ジュピター』、『ホワイトハウス・ダウン』などのカッコいいヒーロー。
それが、正義感はあるけれど頭カラッポのポンコツ男を演じるのが楽しくてたまらないって?
ところがっ!!
彼のアメリカでの最も有名な役どころは2012年、スティーブン・ソダーバーグ監督の『マジック・マイク』で主演した男性ストリッパー役だそうで(笑)
その年の『ピープル』誌が選ぶ「最もセクシーな男性」にも選出されました。
”最もセクシーな男性"
さらに調べてみると、彼は大学を中退し、実家で建設関係の仕事をする傍ら、男性ストリッパーとしてバイトしていたと。あらららら・・実話だったんだ。
その後、マイアミでスカウトされて男性モデルに。そして2012年の『マジック・マイク』で俳優ブレイク、翌2013年の『ホワイトハウス・ダウン』で人気俳優の座を確たるものにしたのです。
う~ん・・こうして見ると、今回のアラン役は”上手に演じていた”と言うより、”素のお茶目を前面に出した”と言うのが正解かも(笑)
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ザ・ロストシティ
(C)2022 Paramount Pictures. All rights reserved.
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一方のサンドラ・ブロックですが、1994年、キアヌ・リーヴスの出世作『スピード』で”ワイルドキャットの姐ちゃん”を演じて以来の大ファンです。
"GIRL NEXT DOOR"(近所のお姉さんのような親しみやすい女性)と呼ばれる彼女のフランクな雰囲気はとても好ましい。
そんな彼女、2009年公開『しあわせの隠れ場所』で翌年のアカデミー賞主演女優賞とゴールデングローブ賞主演女優賞など多数の映画賞を受賞。
『しあわせの隠れ場所』
ついでに「2009年マネーメイキングスター・トップ10」の1位を獲得。
女優のトップは1999年のジュリア・ロバーツ以来だそうで。
そして、忘れてならないのは、同じ2009年公開の『ウルトラ I LOVE YOU!』で、翌年のゴールデンラズベリー賞最低主演女優賞と最低スクリーンカップル賞を受賞。
同じ年に最高賞(アカデミー賞)と最低賞(ゴールデンラズベリー賞)をダブル受賞するのは史上初のことだった。
『ウルトラ I LOVE YOU!』
受賞しても欠席することが多い同賞の表彰式に、サンドラ・ブロックは大量のDVDをカートに載せて運び込む。
「あなたたち、本当はこの作品観てないでしょう?このDVDはみんなにあげるから」とスピーチして、会場を大いに沸かせた・・こういう所がいいんだよなぁ。
そうそう・・彼女は2011年の東日本大震災の時に、ハリウッド女優で誰よりも早く義援金100万ドルを寄付しました。
「日本人であろうとなかろうと、わたしたちはみんな繋がっていると思う。もし、同じような被害をアメリカが受けたら、日本はきっと同じことをしてくれるとも信じているわ」とアツいコメントを。
この行動と言葉、彼女の人間性を垣間見る気がします。
『ゼロ・グラビティ』
そんなサンドラ・ブロックが本当に大好き。
『ゼロ・グラビティ』のシリアスな役も『オーシャンズ8』のトリッキーな彼女も好きだけれど、今回の『ザ・ロストシティ』もまた忘れられない作品になりそうです。
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ザ・ロストシティ
(C)2022 Paramount Pictures. All rights reserved.
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さて、今回の作中作になる小説『The Lost City of D』ですが、実は『The Lost City of Z』というノンフィクション作品が存在します。
それを映画化したのが2016年公開『ロスト・シティZ 失われた黄金都市』。
『Z』の主人公は実在の考古学者パーシー・フォーセット(1867~1925)で、インディ・ジョーンズのモデルとも言われています。
『The Lost City of Z』
両者は繋がっている訳ではありませんが、ブラジルの古代遺跡を探索中に消息を絶ったパーシー・フォーセットを今回の映画・・考古学者であったロレッタの”最愛の夫”になぞらえている可能性はあるでしょう。
タイトルをオマージュするくらいですから。
また、この『Z』を制作したのはブラッド・ピットが代表を務める制作会社。
彼が今回の『ザ・ロストシティ』にチョイ役ながら友情出演したのも、『Z』との関わりがあったのではと推測されます。
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ザ・ロストシティ
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さて、映画の方ですが、冒険を進める中で次第に作家としての自信を取り戻してゆくロレッタ。最初はダメ男だったけれど、ロレッタを守りぬくために成長していくアラン。
大富豪アビゲイルが求めた「炎の冠」は宝物などではなく、王と王妃の真実の愛の記憶でした。
王の墓に自分の結婚指輪を外して収め、夫への追悼と別れをするロレッタ・・。
折しも火山の噴火と大地震が起こり、ロレッタとアランは手に手を取り合って決死の脱出行が始まります。さて、二人の運命や如何に!!
/// end of the “cinemaアラカルト314「ザ・ロストシティ」”///
(追伸)
岸波
いやぁ、本当に楽しめる映画でした。
ロマン・アドベンチャーの系譜として、1980年代の『ロマンシング・ストーン』シリーズや、言わずと知れた『インディ・ジョーンズ』シリーズ、そして『ハムナプトラ』シリーズが思い浮かびますが、いずれも何も考えずに没頭できる作品。
で、特に今回は、下ネタまで含んだ”おバカ映画”という事で、笑いあり涙ありの冒険譚。
ロレッタが自分自身を取り戻してゆく姿やポンコツ・アランの成長物語が、最後には胸を打ちます。
エンターテインメントというのは、こういうモノだったんですよね。
それにしても大好きなサンドラ・ブロック、これでお終いなのか。うむぅ・・そのうち、気が変わらないかな(笑)
では、次回の“cinemaアラカルト2”で・・・See you again !
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