こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
空想と浪漫、
そして、
友情。
をっと、このキャッチコピーは三度目!!
そうです・・タケヒコオーナーのレビューを受けて、いよいよ僕の『シン・ウルトラマン』登場。
タケヒコオーナーがあらすじを書いてくれたので、今回は”雑考編”となります。
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シン・ウルトラマン
(C)2021「シン・ウルトラマン」製作委員会 (C)円谷プロ
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cinemaアラカルト307「今年公開される期待の新作4本」で”ビミョー”と書いたので、きちんとその理由をつまびらかにせねばなりますまい。
でもね、99%は大感激だったのですよ。その前提が無くては始まらない。
ということで、さっそく書いてみましょう。
みなとみらいに、現る
ついに観てきた「シン・ウルトラマン」。これは庵野監督(この映画では企画・脚本)の悲願であったに違いない。
というのも、実は庵野監督にとってこれが四作目の「ウルトラマン」になるからだ。
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シン・ウルトラマン
(C)2021「シン・ウルトラマン」製作委員会 (C)円谷プロ
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その1本目は、彼が大阪芸術大学の講義で「CMフィルムを作成せよ」という課題が出て、“CMなんだからその後のテレ番本編も必要だろう”と制作したミニ本編『ウルトラマン』(笑)
もちろん貧乏学生に予算があるはずもなく、ウルトラマンはウィンドブレーカーを着た庵野本人の胸に手造りのカラータイマーを貼り付けただけのチープな姿。
庵野ウルトラマン(笑)
怪獣役の友人との格闘は、ただの学生の喧嘩にしか見えなかったそうだが、試写会では大ウケ。
分かるわかる!
さらに2本目は、大学全体のイベントである「ファースト・ピクチャーズ・ショー」に向けて制作した『ウルトラマンDX(デラックス)』。
何が"デラックス"かと言うと、下宿の四畳半に牛乳パックなどでビル群を模造し、これを破壊するという力が入ったもの。(大笑い)
いやぁ、このノリ、十分に理解できます。だって僕も高校の時に、カリスマ彰と組んで文化祭向けの自主制作映画『男は男である!』を作ったからね。
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高校時代の三人男
カリスマ彰(左)
葉羽/岸波(中央)
アンブレラあつし(右:笑) |
庵野氏が『ウルトラマンDX(デラックス)』の大成功に気をよくし、仲間たちと作った3本目が『帰ってきたウルトラマン マットアロー1号発進命令』。
もちろんコレはTVシリーズの『帰ってきたウルトラマン』とは何の関係もなく、自分たちで作った庵野ウルトラマンが“帰ってきた”というオマージュ。
ここに至っても、ジャンパーにこそウルトラマンらしき彩色を施したが、顔は庵野氏の生顔のまま。
庵野ウルトラマン(笑)
しかし凄いね、こんな爆破シーンまで。
帰ってきた庵野ウルトラマン
まあ、僕らも福島刑務所の塀を超えて潜入し、無許可撮影するという無茶をやったもんだが(笑)
これだけのウルトラマン愛に溢れる彼が“本物”を作りたくならないワケがない。
かくしてその夢が数十年ぶりに実現したのが今回の『シン・ウルトラマン』だったのだ。
そしてその『シン・ウルトラマン』は前作『シン・ゴジラ』と世界観が連続している。
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シン・ウルトラマン
(C)2021「シン・ウルトラマン」製作委員会 (C)円谷プロ
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映画冒頭のタイトルロゴで『シン・ゴジラ』と出てきた時はビックリ・・そのロゴを打ち破る形で真のタイトル『シン・ウルトラマン』が出現するというサプライズ。
これには笑った!
さらに『シン・ゴジラ』で赤坂内閣総理大臣補佐官を演じた竹野内豊が今作でも政府の要人として登場、前作で片山副総理兼外務大臣だった嶋田久作が総理大臣に出世して登場。
名前は「大隅」に変わっている。
極めつけが今回のウルトラマンに変身する神永役の斎藤工で、前作でも戦車中隊長を務めていたのだ。
斎藤工(第1戦車中隊長)
この「岸波通信」でも森明緒ちゃんが書いている様々なストーリーは、「汐花町」という同一の街で繰り広げられる設定だが、『シン・ゴジラ』と『シン・ウルトラマン』も同様な関係にあるようだ。
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シン・ウルトラマン
(C)2021「シン・ウルトラマン」製作委員会 (C)円谷プロ
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さて、『シン・ウルトラマン』を観て考えるところが色々あった。
と言うのは、事前に「昔を知っているファンにしか響かない・昔を知らない人が見る全く新しい1本としてどうなのか」であるとか「登場人物が地理的にどこにいるのか説明不足(例えば禍特隊の本拠を俯瞰する場面がないなど)」など、否定的なレビューを見てしまったためだ。
なので劇場で観始めた時から、それらのことがどこか頭の隅にあった。
結果、自分自身の感想としてどうだったか・・答えはNOだ。
確かにTVシリーズ『ウルトラマン』へのオマージュ満載で、昔のファンにはたまらない映画だが、こうした巨大怪獣あるいはロボットと巨大化した正義の味方が戦うと言う設定は、その後の日本でも「戦隊モノ」や「ガンダム」など様々な形で継承されて、もはや定番として日本に定着し、各世代が違和感なく入り込める世界観だからだ。
「登場人物や基地の空間的位置」に拘るレビュアーは、『サンダーバード』の基地がある孤島を俯瞰したシーンなどを引いているが、今回の「禍特隊」の基地(事務所?)は政府に近い都内のビルにあることは明確だし、シン・ゴジラが鎌田方面から再上陸したと同じ形で今回の様々な禍威獣が出現した場所をいちいち説明する必要性を感じない。
ま、札幌の時計台か。
しかし、圧倒的に引っ掛かった部分があった。それは、禍特隊のコスチュームだ。
TVシリーズ「ウルトラマン」の科特隊などが独自の戦闘服や兵器を携えていたのと対照に、今回の禍特隊はスーツにネクタイというスタイル。
ウルトラマンの科特隊
しかも、禍威獣が出現した現場に何の武器も携えず真っ先にスーツのまま駆け付けたりする・・いったいどうするつもりなのか。
だから主人公神永も勤務中のワイシャツのままウルトラマンに変身する(笑)
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シン・ウルトラマン
(C)2021「シン・ウルトラマン」製作委員会 (C)円谷プロ
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まあ・・“じゃあどうする”と言われても考えつかないのだが、もう少しリアリティを考慮しても良かったのではないか。
結論として、少年期以来のウルトラマン大ファンの僕としてはタケヒコオーナーと同様に十分に楽しめる映画だったが、少々ビミョーな思いも残ったのである。
米津玄師の音楽は特に良かった。
さて、封切り17日間で興行収入は27億円を突破。
『シン・ゴジラ』は最終的に82億円超の興収を獲得したが、その『シン・ゴジラ』と公開週末3日間と対比すると『シン・ウルトラマン』が117.2%。
このままの勢いで『シン・ゴジラ』を超えて行くのか。それとも?
/// end of the “cinemaアラカルト310「4本目のウルトラマン」”///
(追伸)
岸波
もう一つ、面白いネタがありました。それは、シン・ウルトラマンがゼットン戦でマルチバースに飛ばされてしまった時、助けに来た長兄「ゾーフィ」。
そう、本来は「ゾフィー」なのですが、これは「さらばウルトラマン」で同じくウルトラマンを助けに来た「ゾフィー」が当時の児童誌で『ゼットンを操る悪の宇宙人ゾーフィ』などと誤って紹介されたネタを使っているんですね。
このあたり、よっぽどコアなファンでないと知らないと思いますが、よくもまあこのネタを『シン・ウルトラマン』にぶっ込んで来たものだ(笑)
外にもまだ多くのオマージュがありますが、いろんな人が掘り起こして書いてるので、それらを見てください。
だからね、僕はホントに楽しんだのですよ・・たった一つを除いては(笑)
では、次回の“cinemaアラカルト2”で・・・See you again !
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知性を持った外星人ザラブ
(C)2021「シン・ウルトラマン」製作委員会 (C)円谷プロ
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