こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
夢にときめけ! 明日にきらめけ! めざせ甲子園!
実に熱いドラマです、ご存知「ROOKIES-卒業-」。
封切りの5月30日、心を弾ませてケイコとワーナーマイカルシネマズ福島に足を運んだ・・・
~のですがっ!!
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ROOKIES-卒業-
(C)2009 映画「ROOKIES」製作委員会 |
映画館のある階に入っただけで、ものすごい数の若者達。
こんな風景を見るのは、最近では「花より男子ファイナル」の狂騒以来。
当然に予想される人気でしたが、最終の21時20分からのクールだったので思わず油断してしまったのです。
開演15分前のチケット売り場のあるホールは、もはや身動きもままならぬ大混雑。
(うむむむむ、ヤバイよヤバイよ)
案の定、数人前でチケット完売のアナウンスがあり、列に並んだ観客から悲鳴があがりました。
~ということで、出直して翌日、ようやく期待を裏切らない作品を観ることができました。
映画のまだ序盤、キャプテン御子柴の次のセリフ・・・
「ねえ、先生
俺、時々思うんだ。
今までのことはすべて
“キセキ”だったんじゃないかって。
仲間に出会えたこと。
そして先生に出会えたことのすべてがさ。
だから・・・、だからこそ俺たち
最後にもう一度
“キセキ”を起こしてみせるよ。
俺たちの夢を
つかむために。」
うーん、僕はもう号泣。
このセリフを書いてるだけで、また感動が蘇ってまいりました。(うっうっ・・)
原作「ROOKIES]は、森田まさのりが1998年から週間少年ジャンプに連載した人気マンガ。
単行本の売り上げは累計2000万部を突破し、若者を中心に大きな支持を集めています。
僕はリアルタイムではなく、セブンイレブンで売り出した総集・極厚本で読んだのですが、その時点でも凄い人気。
新刊が店頭に並ぶや否や売り切れてしまうので、数店探し回ったことも。
このシリーズ、セブンイレブン発行のナンバーでも超ロングランを続けていまして、現在、さらにページ数を多くした“超・超極厚本”の新編集本がリリースされているところです。
また、昨年4月から7月末まで、TBSテレビ系列で佐藤隆太が熱血教師川藤幸一を演じてテレビ放映。
平均視聴率15%の好成績を記録し、福島県郡山市出身のグループGReeeenが歌う番組主題歌の「キセキ」も大ヒットいたしました。
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ROOKIES-卒業-
(C)2009 映画「ROOKIES」製作委員会 |
さて、ROOKIESのストーリーですが、原作をアレンジしたテレビ版では、二子玉川学園高校(通称ニコガク)へ赴任してきた新人教師・川藤幸一(佐藤隆太)が、部員の不祥事によって活動停止中の野球部メンバーと出会います。
教師にさえ裏切られ責任をとらされた野球部員は自暴自棄に。野球部の部室は、さながら不良たちの溜まり場と化しています。
しかし川藤は、そんな彼らの心の奥底に野球への情熱が失われていないことを見抜くのです。
自ら野球部の顧問を志願し、体当たりで野球部を再建しようとする川藤。
夢を見失いそうになっている人間には熱く語りかけ、夢を持つ人間には必死になって応援するその姿・・
「夢を持つ人間を馬鹿にするな!」
そんなひたむきな彼の生き方に、一人、二人と共鳴し、やがて一丸となって夢に挑戦するのです。
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ROOKIES-卒業-
(C)2009 映画「ROOKIES」製作委員会 |
このストーリーの人気の秘密は何と言っても教師川藤の愛すべきキャラクターでしょう。
決して人を疑わず、真正面から語りかける実に熱いその人間像。
そうです、1970年代の学園ドラマに登場する熱血教師そのものなのです。
しかし、このドラマは、当時のような単純なつくりではありません。
まず、川藤自身のユニークなキャラ設定。
この教師、あとさき考えずに野球部顧問を志願しますが、実は野球そのものは全くの素人。(本当はルールもよく知らない)
専門は空手で、都大会優勝の経験もあるという猛者。(実は喧嘩には自信がある)
そして、国語の教師であることから、生徒を励ます言葉にも名言がポンポン飛び出します。
悪いことをすると必ずバレるぞと言う代わりに・・・
「天網恢恢疎にして漏らさず!」(老子)
先々を考えて行動しないとダメだぞと言う代わりに・・・
「遠き慮なき者は必ず近き憂いあり!」(ピタゴラス)
さらには、無類のカップラーメン好き、ネクタイが上手に結べない等々、70年代熱血ティーチャーとは一味も二味も違うのです。
まあ、そんな押しかけキャラですから、どちらかというと疎んじられるタイプ。
ニコガク野球部員は、この天然熱血教師をあきれながらも尊敬しているのでした。
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ROOKIES-卒業-
(C)2009 映画「ROOKIES」製作委員会 |
さて、映画「-卒業-」の舞台は2009年春。
夢に向かって歩き出したニコガク・ナインも揃って三年生に進級し、二人の新入部員を加えます。
一人は、ひょんな誤解から部員の平塚が「エースで4番」と思い込み、尊敬の眼差しを向ける濱中太陽。
もう一人は、中学時代から名を馳せている名手赤星。
しかし、メジャーリーグを目指していると広言してはばからない赤星は、「試合になったらエースとして助けてやる」とうそぶき、練習に参加しようとはしないのです。
たちまちチームに広がる不協和音。
そんな折も折、ツッパって歩いていた赤星は不良たちに絡まれ、それをかばおうとした主将御子柴(小出恵介)は足を骨折してしまいます。
最後の甲子園予選を前に、悔やんでも悔やみきれない御子柴。
部員たちには明るく振舞いながらも一人になって慟哭するその姿を陰から見ていたのは、原因を生んだ赤星でした。
赤星は、御子柴の代わりにチームの一員に加わることを決意します。
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ROOKIES-卒業-
(C)2009 映画「ROOKIES」製作委員会 |
そうして迎えた地区大会、その相手は、ピッチャー安仁屋(市原隼人)の因縁の相手、川上貞治を擁する笹崎高校。
中学時代に川上と対戦した安仁屋は、どうしても川上の投げるフォークボールを打てないまま、大事な場面で打席に立ちました。
しかし、ここでも追い込まれ、最後の空振りをしたときに、キャッチャーがまさかのパスボール。
「振り逃げだ!」とのベンチの声に一塁へ駆け出す安仁屋。
その時、チラと見たマウンドの川上は、まるで安仁屋を憐れむような薄笑いを浮かべたのです。
一塁ベース目前に立ち止まり、どうしても屈辱のベースを踏めずにアウトをコールされる安仁屋・・・。
そんな因縁を跳ね返すことができるのか?
また、プレー中に指に打球を受けてキャッチャーの若菜が骨折。
ベンチにいるのは、全く打てない平塚、野球ド素人の濱中、そして足の骨折から退院・復帰したばかりの主将御子柴の三人のみ。
絶対絶命のピンチ!
さて、ニコガクナインは、最後の夏、夢をつかむ事ができるのでしょうか・・・?!
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ROOKIES-卒業-
(C)2009 映画「ROOKIES」製作委員会 |
監督は、「陰日向に咲く」の平川雄一朗。
彼は、この脚本を読んだ時に感動し、人前もはばからず号泣したそうです。
うーん、「陰日向」にも泣かされましたが、さすがは平川監督、この「-卒業-」では、10分に一回はクライマックスの泣き所があるという全編、涙と感動の演出です。
え? 川藤のセリフやキャラがクサくて泣けない?
そんなアナタは、鬼、悪魔、人でなしでございます!(うん、そうに決まった)
もっと素直な気持ちで映画と対峙しましょう。
むしろこの映画は、ヘンに斜に構える人間ばかりになった今の日本に、正々堂々と答えを提示しているのです。
「夢にときめけ 明日にきらめけ by 川藤幸一!」
70年代の伸び盛りの日本、もっとひたむきに努力して、みんなが一生懸命だったじゃありませんか。
あのすがすがしさを、もう一度、取り戻そうじゃありませんか。
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ROOKIES-卒業-
(C)2009 映画「ROOKIES」製作委員会 |
ケイコ、どうだった今回の映画は?
うーん、みんなよくやって感動的・・・ではあったけど。
あったけど?
テレビの時は、マイナスをプラスに向けた感動よね。
でも、この映画は、プラスに向いた方向を伸ばす話でしょ?
人間の生き方の方向をマイナスからプラスに導くってのは大変なことなのよ。
そういう意味では、テレビのストーリーの方が感動できたわ。
いい映画だったけどね・・。
うーん、いつもながら手厳しいなぁ・・。
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ROOKIES-卒業-
(C)2009 映画「ROOKIES」製作委員会 |
映画が公開された最初の二日間、30日と31日の観客動員数は約98万7,000人で、興行収入が12億円以上という大ヒットとなりました。
昨年、77億6千万円を稼ぐ大ヒットとなった「花より男子ファイナル」の公開二日間の興行収入と比較すると、「ROOKIES-卒業-」の方がが121.7%も上回っています。
配給元の東宝では“累計100億円”の大台に乗るだろうと鼻息が荒いことになっています。
しかし、たしかに劇場での観客の熱気は凄かったです。
若者のカップルばかりでなく、おそらく息子が少年野球をやっているのでしょう・・・親子連れが多いのも目に付きました。
どうです? 今どき、愛と夢と勇気を真正面から語る熱血映画はキライですか?
そんなアナタは、きっと心が病んでいる・・・・
鬼、悪魔、人でなしですっ! (あはははは!)
/// end of the “cinemaアラカルト92「ROOKIES- 卒業-」”///
(追伸)
岸波
映画のラストでは、いきなり卒業式の場面になります。
部員が居なくなった部室で、激闘の日々に想いを馳せる川藤・・・。
と、そんな彼を卒業した部員たちが「ちょっと、顔を貸せ」と。
すわ、お礼参りか?!
うーん、このラストシーン、素敵です。
登場人物全員が、心のままに号泣しながら撮ったというラストシーン。
思わず、出演者の想いがジンジンと伝わって参ります。
幸せな気分になりたい、明日に夢と元気を持ちたいアナタにおすすめの作品です。
では、また次回の“cinemaアラカルト”で・・・See you again !
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ROOKIES-卒業-
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