こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
こんな時代劇、観たことない。
5月2日、待ちに待った時代劇「GOEMON」をケイコと観て参りました。
まさにこの映画、上のキャッチコピーのとおり、いまだかつて観たことのない時代劇・・ぶっ飛びました。
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GOEMON
(江口洋介)
(C)2009「GOEMON」パートナーズ |
時代劇とは銘打っているものの、気分は近未来。
全編フルCG、まるでコンピュータ・ゲームの中で、リアル・キャストが演技しているような感じです。
衣装もメイクも建築デザインもパラレル・ワールドの中の異世界。
主人公の五右衛門は、30メートルくらいの大ジャンプをしながらの殺陣で魅了してくれました。
もう、ハリウッドのワイヤーアクションなんて、チャチで比較になりません。
「時代劇」としてばかりでなく、これまで誰も観たことの無い、まったく新しい映画の誕生です。
こんなとてつもない映画を作り出したのは、写真家で宇多田ヒカルの元夫である紀里谷和明。
2004年の「CASSHERN」に続く第二作監督作品で脚本も担当し、加えて、自らも重要人物明智光秀役で出演しています。
それでは、内容解説の方はドミニクにお願いいたしましょう。
こんばんは~。夢見る懸賞生活のドミニクで~す♪
「レッドクリフ2」に、「ヤッターマン」、「トワイライト」、「ドロップ…」。
映画好きなので、ずっと観てましたが、こちらにはしばらくぶりの登場です。
話題作でかなり電波ジャックして、宣伝してますよね。
5月1日からの作品を、先行上映試写会の当選で一足早く観て来ました♪
CGかなり駆使してます。
豪華なキャストに好感が持てる反面、時代劇好きには、背景が、納得いかない部分もあり、まるで、ゲームの世界を実写とコラボした感じです。
CG化に関しては、「パコと魔法の絵本」など結構最近増えてますよね。
若い世代も違和感なく見れるので、ターゲットが増えたり、予算が浮いたり、無理なものも可能になるなど、利点もあります。
全体的には、江口洋介さんの演技がGOODということで~。
試写会の会場には5歳くらいの男の子もいました(笑)
話が子供には難しいと思いますが、今回の客層は若者が多かったです。
ネタバレしますので、以下、会場に足を運んでから読んでくださいね。
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霧隠才蔵と石川五右衛門
(C)2009「GOEMON」パートナーズ |
時代は、戦国時代。
主人公は、戦国時代の大泥棒・石川五右衛門。
名前は有名ですが、お金持ちから盗んだものを庶民に分け与えるってゆ~くらいで、実際どんな人物だったのかよく分かりません。
私は、プレステ2の「戦国無双」というゲームで散々やりこんでいて、五右衛門を=小太りのおっさんというイメージで確立してましたが、江口さんはどう見ても細身のイケメンの五右衛門を演じてらっしゃいます(笑)
(五右衛門のイメージ変わりましたよ~)
ゲームって、おっさんをイケメンに書き換えてる部分があるので、歴女(れきじょ)と昨今呼ばれる歴史好きの女性には、実物の似顔絵を見せるとすごいギャップだそうです。
(イケメンだと思っていたのに~(涙)とか)
草食男子という言葉が流行っていますが、歴女達は昔の「男らしい男」が好きだそうで可愛い男子が増えるのを良く思っていないみたいです。
確かに、今回の五右衛門は男らしいく頼りがいのある人物です。
この作品を、「CASSHERN」の紀里谷和明監督がどういう風に仕上げたのか、予告から気になっていました。
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茶々姫
(広末涼子)
(C)2009「GOEMON」パートナーズ |
主人公の江口洋介さんといえば、一つ屋根の下の「あんちゃん」で頼りがいのある兄役を演じて有名ですが、ほかにも「東京ラブストーリー」や「白い巨塔」、映画で言うと「スワロウテイル」「少林少女」など、最近は舞台もドラマも映画も本当に出まくりですね。
(個人的に、江口さんは、短髪の医者姿が好きです。)
CGということなので、馬にまたがるシーンも背景が緑色で、あとで合成という感じだったそうです。
役者の江口さんとしては、実物もないのに「ここに馬が居るとして…」と演じるのが難しかったそうです。
深夜番組のトークで、本人が言ってました。
(でも、たいしたもんだ)
この作品は、監督とケンカしながら、いい作品に仕上げようとお互いぶつかりながら作ったせいか、思っていたより、よく仕上がったそうです。
それだけあって、表情は最高の顔してますね。
ヒロインの茶々さま(広末さん=織田信長のめい)と五右衛門の身分違いの恋も…。
叶わなかったことは、歴史でも分かりますけどね。
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五右衛門と猿飛佐助
(C)2009「GOEMON」パートナーズ |
天下統一を目指した織田信長が、家臣明智光秀に裏切られて、本能寺の変で暗殺される。
右腕であった、豊臣秀吉が明智光秀を討伐。
そして政権を握った1582年。
紀伊国屋文左右衛門宅の財宝からある重大な秘密を隠した南蛮の箱を盗んだ五右衛門。
石田三成(要潤)は、その箱を探しに屋敷へ忍び込む。
お目当てのものが無かったので、自らの忍・霧隠才蔵(大沢たかお)に、屋敷の女子供まで皆殺しを命じる。
そんなことは露知らず、五右衛門は、いつものように広場で銭を撒くついでに、「中身が空じゃん」と箱をばらまき、それを拾った少年とのストーリーが始まる。
気分のいい五右衛門は、女性の沢山居る飲み屋みたいなとこへ。
蝶のように、女性が群がってきます。
実際、「あの時代あの服装はないだろう~」と思うほど、豪華絢爛です。
そして、なぜか、旬の女優がお色気たっぷりの衣装で、ちょい役。
翌朝、猿飛佐助(ガレッジセールのゴリ)が、「いい儲けくれるから」と、新たな地図を持って寄ってきます。
「屋敷の地図間違ってたぞ!」と、井戸から水を汲みながら叱る五右衛門。
そういえば…箱を石田三成が探していたと佐助は教えてくれます。
「そうなの???」という感じで、貧乏人の住む町に。
箱を持ち帰った少年が病弱な母に「これを売って薬を…」と思ったら、役人の又八に目の前で母を殺されて…。(号泣)
五右衛門は、その役人の腕を切り落とします。
孤独になったその少年を置いていくわけにもいかず、五右衛門はその少年を連れて自分の住処へ。
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霧隠才蔵
(大沢たかお)
(C)2009「GOEMON」パートナーズ |
徳川家康の忍・服部半蔵(寺島進)。
この人は、昔は織田信長に仕えていて、実は、才蔵と五右衛門の師匠です。
才蔵と五右衛門は、織田信長に拾われた少年で、幼馴染という設定です。
五右衛門は、今一匹オオカミですが、才蔵は石田三成のいいように使われているので敵対しますが、ピンチの時は、主人に隠れて助け合うという厚い友情で結ばれています。
五右衛門と才蔵の二人の戦闘シーンもありました。
でも最後に、服部半蔵が五右衛門を助けてくれます。
そして、箱の中にシルされていた場所へ行くと、明智光秀からの最後の遺言のようなものが。
「織田信長を、明智光秀と豊臣秀吉が共謀して、殺した!?」
おっと、重要な証拠が残っていました。
服部半蔵が「それ売ってくれたら殺さない」と言うので、「よし!」と五右衛門が売ります。
それを持って帰って、徳川家康に見せると、「なにぃ~!!秀吉のやつめ、明智光秀のせいにして自分が英雄気取りだと~。」
そんな歴史、学校では習っていませんが、こんな解釈もアリかな。
豊臣秀吉(奥田瑛二)が南蛮から大砲を仕入れ、朝鮮や明国を攻めようと思っています。
そして、茶々に「オレの側室になれ」と。(絶対嫌だって!)
戦乱の世を止めるために、切り札として千利休が出てきて、茶々さまに「私が、交渉してこよう」と申し出てくれます。
茶々の盾になってくれましたが、あえなく秀吉に殺されて首だけに。
(きゃ~豚の顔だけ出てきた食事みたい。)
なんで、こんな残酷な事が出来るのか!?
交渉のシーンで、おそらく秀吉に殺されてしまうだろうという空気は読んでいましたけど、むごすぎる。
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豊臣秀吉
(奥田瑛二)
(C)2009「GOEMON」パートナーズ |
茶々を秀吉が側室にしようとして、祝いの船の席で、徳川家康が歌を謡います。
その時、石田三成にそそのかされた才蔵が家康を殺そうとしたと捉えられてしまいます。
でも、石田三成は「オレの名を言うと出世話はなくなるぞ」と脅して、なぜか石田三成はいいカッコを。
(はぁ~??)
偽装をしていたのは社長なのに、まるで、自分は悪くないとでも逃げる姿、醜いです。
「助けたら、大変なことになるぞ~」と、五右衛門に佐助が忠告をします。
それでも、捕らえられて拷問にあう才蔵を助けに行く五右衛門。
自分の命と引き換えにかけがえの無い妻が殺され、子供が人質で秀吉の下へ。
「子供は預かった」という手紙があり、再び秀吉の所へ向かう才蔵。
「知らない~~~だから大変なことになりますよと言ったじゃないですか~」と、佐助は五右衛門から離れていきます。
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石田三成
(要潤)
(C)2009「GOEMON」パートナーズ |
自分の住処に戻ってきてから、急いで秀吉の下へ向かう五右衛門。
群集の中心にグツグツ煮えた鍋があり、その上に才蔵がはりつけに。
「だれに命令されたんだ~」
「(無言)…」
でも、群衆の中に五右衛門を見つけると、唇の動きだけで「後は任せたぞ」と。
そして、「天下の大泥棒・石川五右衛門だ」と自らを名乗り、群集に向かってこの世の矛盾について大演説を。
そして、秀吉に鍋の中へ突き落とされます。
五右衛門の身代わりとなって友情を最後まで守り抜いた才蔵。
本当にこのシーン感動です。
「さいぞう~~~~~~~!」
群集に押され、助けてやれなかった才蔵が鍋に入っていく姿を見る五右衛門も可哀想ですが、本当の事を言ったら助けるといった子供も一緒に鍋でグツグツと・・・いたたまれない映画です。
才蔵の部下と五右衛門は、才蔵の敵をとるべく秀吉の城へ。
最上階まで追い詰め、五右衛門が秀吉の命をとります。
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GOEMON
(C)2009「GOEMON」パートナーズ |
ラストシーン。
だれが豊臣秀吉の後任になるかで、徳川家康VS石田三成の権力争い。
そこを割って入ってきた、織田信長の赤い甲冑を付けて馬にまたがった五右衛門。
五右衛門は、才蔵の仇をとって三成を倒し、家康に「この後の世の中は任せたぞ」と首に扇子を。
普通なら笑って済ませるところなのに、刀でやられるんじゃないかと誤解して五右衛門を刺した部下。
その顔は、なんと佐助。
「ごほうびくだせ~」とばかりに「捕ったぞ~」と。
(ゴリ、高感度大幅ダウン↓)
中学校の歴史で、ならった言葉を思い出しました。
織田信長「鳴かぬなら殺してしまえ、ホトトギス」
豊臣秀吉「鳴かぬなら泣かせてみせよう、ホトトギス」
徳川家康「鳴かぬなら鳴くまで待とう、ホトトギス」
そして、主題歌は「X JAPAN」のリーダーYOSHIKI自身が本作のために書き下ろした主題歌、VIOLET UKの「ROSA」です。
映像的には、キレイでよくまとまっていますが、佐助(ゴリ)が、五右衛門を殺すって、なんか後味の悪い作品かも。
/// end of the “cinemaアラカルト90「GOEMON」”///
(追伸)
岸波
ドミニクにとっては「後味の悪い映画」になってしまったようですが、実際は、佐助に刺されたところではまだ死にません。(詳細はヒミツですが)
また、五右衛門の命をかけた願いは家康と半蔵の心にも届き、結果として、戦国時代が終焉するのは、歴史の通りです。
派手なアクションばかりでなく、五右衛門と茶々のピュアな愛情や五右衛門と才蔵の無私の友情も描かれ、ストーリーとしての深みもあります。
奇抜な衣装デザインは、ギリシャなど海外出身のデザイナーが起用され、パラレルワールドの異様な文化を表現することに成功していると思います。
こうしたパラレル時代劇として、これから「女信長」も制作が決定していますので、もしかするとこの路線、日本映画の新しいジャンルとして成長していくかも知れませんね。
一方、紀里谷監督のことですが、2002年に宇多田ヒカルと結婚した彼は、宇多田のアルバム「Distance」のCDジャケットや「DEEP
RIVER」などのプロモーションビデオを製作しています。
また、彼の映画第一作「CASSERN」のテーマソングである「誰かの願いが叶うころ」は、宇多田ヒカルが歌っていたのです。
うーん、この才能ある二人、どうして別れちゃったのでしょうね。
では、また次回の“cinemaアラカルト”で・・・See you again !
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石川五右衛門
(江口洋介)
(C)2009「GOEMON」パートナーズ |
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