こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
君に届け いのちへの想い
松雪泰子主演の「余命」…うーん、お手上げです。
どう考えても、僕が見るタイプの映画ではありません。
こんな時、やっぱり頼りになるのはドミニクでしょう。
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余命
(C)2008年「余命」製作委員会 |
夢見る懸賞生活のドミニクです。
試写会で、両親と娘と夫の母、親友と大人数で観てきました♪
谷村志穂さんの小説を映画化。映画「手紙」の監督の作品です。
私は、「手紙」も観ましたが、手紙とはタッチも構成も感じが違いました。
「手紙」のような急ピッチな、展開も無く、ただ、共通点は刹那さでしょうか?
一言で言うなら「余命」というタイトル通り、悲しい話でした。
~ということで、今回は全面的にドミニクにお任せです。
さあ、どうぞ!
ドミニク
泣けるかというと賛否両論。
子供が居るから泣けるかというとそうでもなく、私は、泣けませんでした。
映画で、泣きそうになったのは、「涙そうそう」と「おくりびと」位でしょうか!?
そして、最近の映画って、サブタイトル多すぎだと思うのですが、みなさんはサブタイトルについてどう思いますか??
タイトルに凝縮して欲しいです。
以下ネタバレしますので、劇場に足を運んでから読んで下さい。
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余命
(C)2008年「余命」製作委員会 |
付き合いだした頃は、彼・良介(椎名桔平)も滴と同じ研修医だったという設定です。
主人公「百田 滴」は、乳ガンで、研修医時代手術を受けます。
その時、彼が、滴に「結婚しよう」とプロポーズ。
それから、10年後。良介は、滴の夫になったものの、医者ではなく、日暮らしのフリーカメラマンに転向していました。
ヒモと呼ばれても仕方ない位、医者の滴に頼って生活中。
本当にだらしない姿を演じきっている良介(=椎名桔平)スゴイです。
「○円頂戴!」とお金を貰うシーンはまさに、ヒモ。
椎名桔平さんが、だらしないワケではないですが~ウマすぎ。
なんか、「あんなんだったら、嫌だな~」と思わせてくれる名演技です。
(私の中では、佐藤浩市さんに並びますね~。役者魂を感じます。)
わざとらしくない、好演技です。
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余命
(C)2008年「余命」製作委員会 |
子供がなかなか出来なくて、あきらめて犬を飼っていた二人。
そして、10年目の結婚記念日。
ようやく赤ちゃんを授かった事を知る、38歳の滴(松雪泰子)。
親友の医者(保井きり子)も応援してくれます。
夫も大喜びで、「行きつけの喫茶店でも、報告~!」
まさに幸せの絶頂期。
年も年だし、産むなら今しかない!!
子供ってどんなもんかとりあえず小児病棟へ行ってみる滴。
「「モモタ シズク」先生も「モモ」ってゆ~んだね。「モモ」って知っている?」と小児病棟の子供が話しかけてきます。
子供に「モモ」の本を読んでもらいました。
私も学校の図書室で見つけて、この「モモ」というタイトルの本を読んだ記憶がありますが、中身は残念ながら記憶にありません。
時間泥棒から時間を返してもらったような・・・?
読んだのに記憶にない本って、ありますよね。
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余命
(C)2008年「余命」製作委員会 |
話が映画に戻りますが、そんな時、鏡で見たら、右胸にアザが!
病院の検査器具で、自ら検査。これは、アザじゃない。
予感は的中した。乳ガンが再発してしまっていました。
やっと授かった赤ちゃんを諦めて、自分の命を選択し、治療をするか?
それとも、自分の命を諦めて、赤ちゃんを産むか?
選択肢は、二つ。
本当は1人で、母の墓参りも兼ねて、故郷の奄美大島へ行き、ゆっくり考えたかったのですが、「オレも行く!」と、良介がくっついてきます。
仕方なく夫婦で行くことになるんですが、天真爛漫に良介は、はしゃぎます。
滴は、海を眺め…出産を決意。
まるで子供みたいにはしゃいだり、良介は憎めなく、優しい男だけど、頼りない。
良介には、子供が出来た事しか言っていない。
言えば、絶対、良介は、滴を選ぶだろう。そう思った。
滴の心の声が独り言のように、合間、合間にナレーションとして、入る。
滴の葛藤の部分のセリフが多くて、もっと、良介みたいに生きたいように生きれば良いのにと思った。
とにかく、独り言のようなセリフが、自らを苦しめているように感じる。
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余命
(C)2008年「余命」製作委員会 |
島の人は、滴らを大歓迎。特にいとこが歓迎してくれた。
結婚式も挙げていなかったので、そこでは、いとこに母が着た衣装を着せて貰い、ホントにキレイな滴が登場。良介も「キレイだ~」と。
観ている私も、思わず、松雪さんっていくつになっても、美人だな~とうっとり。
「フラガール」から年取ってないと思うほど、変わっていない。
滴をかつて好きだったであろう男性に、「なんでこんなヒモに滴が!お前、医者だったんじゃないのか!?」とけんか腰。
良介も言い返せずけんかになります。
翌日、滴は、起きると、ひとり母校へ。
そこで、僕のお母さんという作文をたまたま読みます。
まだお母さんではないけれど、お母さんのあったかさをその作文から感じます。
一方、良介は、滴が母校に行ったと言うので、行ったら、滴には会えず昨日のけんか腰の男性が、相撲のコーチで、いきなりその男性から、相撲を挑まれます。
細いので、負けますが、あきらめません。何度もかかっていきます。
(通りすがりの滴が、ふっ・・・と。止めないのかい?)
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余命
(C)2008年「余命」製作委員会 |
奄美での楽しい日々も終わり、戻ってきて、夫に再発がバレないように、産むことを決意しますが、このままだと膿が見えるように右胸に出てきて、バレてしまう。
(何とかしないと・・・)
と、そんな時、夫に「長期で、島でキャンプをして野鳥を撮影してくれないか?」と仕事が舞い込みます。
夫は、深く考え込みます。
「滴の出産時期と重なってしまうから、辞めようかな~」と言う夫を半ば強制的に「行って!30万ももらえる仕事なんてなかなか無いわよ!私は大丈夫だから」と。
妊婦になっても、満員電車は嫌いだからと中型バイク通勤は辞めない。
外科医だったのに急に「辞めてきた」と辞表を出して、後任に引継をし、「頑張って!」と、夫を島国へ仕事に行かせる滴。これで、誰も気づく者も居なくなった。
(良介が居なくなって、実は、ホッとした滴)
語り部分で、主人公の置かれた状況を主人公自身が説明するのが、クドかった。
結果的に追い出してしまったので、1人で出産になった。
それが、思っていたより辛かった。そして、そこにいた、妊婦さんのママに手を握ってもらったりした。
滴の目から涙が・・・。
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余命
(C)2008年「余命」製作委員会 |
女医(かとうかず子)に「これで(膿が出ているのに)、よく産んだわね~」
「私も医者です。ガンだと分かっています」と。
無事、男の子は生まれてくるものの、ガンが酷くなる一方。
帰宅して、カーテン締め切って孤独な生活を送っていた。
そこへ、親友の医者が心配して入ってくる。
匂いがしたらしく「見せて!」と。
「ガンね・・・。よく産んだわね~私なら勧めないわ」
一刻も争う状況なのに、本人は夫が帰ってきたら病院に行くと全く聞き入れない。
そして、夫がそろそろ戻ってくる頃だというのに、何か月しても全然携帯も連絡が取れない。
「どうしたんだろうね~。でも良介さん、滴ちゃんのためにご飯も一生懸命気を配って、実は漬け物を毎日かきまわしていたのよ。あなたの体を一番に気遣っていたし・・・。滴ちゃんの見ていないところで、バイクもメンテナンスをして、滴ちゃんが乗りやすいようにしていたのよ、良介さん」
よく行く喫茶店のママ(宮崎美子)は、滴以上に良介のいいところを知っていた。
「なんで、突き放しちゃったんだろう・・・」
夫の愛の深さに気付かなかった滴は、良介と離れてその重みが分かった。
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「余命」の舞台挨拶
(C)2008年「余命」製作委員会 |
私の為に生きていた良介を何で追い出したのか・・・もっと信じてあげられなかったのか。考えればキリが無い。
携帯にも出ないし、なかなか戻ってこないので、喫茶店のパパは、自費で飛行機を飛ばしてくれて、探してきた。
無人島にでも行ってきたかい!?というほど、髭もボウボウの良介が戻ってくる。
「何で連絡取れなかったのよ!」と責める滴。
「自信が無かった・・・電話も出ないくらい考えていた。お前と話すと心が揺らぎそうで」と良介。
それから、「瞬太と名付けよう・・・」
でも、やっぱり滴を大切に思っていてくれて、滴がガンだと分かると、「医師目指そうと思う」と。
「奄美に帰ろう」と2歳くらいになった瞬太を連れて、奄美大島へ3人で移住します。
そこで、滴は病院でかつて、小児病棟の子供が読んでくれた「モモ」の本を読み聞かせます。
「・・・時間泥棒は・・・」
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「Get
A Life」
(「余命」のテーマソング)
by twenty4-7 |
滴は、医者のいうとおり、2~3年の命でした。
「瞬太はまかせたわよ~。
瞬太の連れてくる子は、間違いないわ~(お嫁さんは瞬太が気に入った子ならOKよ)」
と、滴は言い残して、亡くなってしまいました。
それから、良介は、男手ひとつで瞬太を一生懸命育てあげました。
立派にすくすく育ちました。
そして、迎えた高校入試。
「合格!したから、お父さんのカメラちょうだい!」と。
血は争えません。この子もカメラ好きです。瞬太(林遣都)は、まっすぐ育ちました。
「いいぞ。このカメラの使い方知っているか?」
「知っているよ。ありがとう父さん」
結構あっさり。
しかも、良介は、島の診療所の先生になっていました。
おそらく、医師免許合格したとみえます。
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余命
(C)2008年「余命」製作委員会 |
最近、松雪さんと林遣都君が、ダイハツミラのCMで共演しています。
人によって、感じ方が違いますが、ドミニク的の個人的な意見ですが、この監督の作品の中では、ジャンルは違いますが、「手紙」の方が良かったんじゃない?と。
今回も出演者は、豪華だし、演技もウマかったのですが、素直に良介を受け入れられない滴の思い込みの激しさがあったので、もう一歩及ばすというところです。
私が感情移入出来なかった点としては、滴の気丈さと強さ。
ただ、「おくりびと」もそうでしたが、今回も子供には見せられないラブシーンが!
ラブラブなのは一目瞭然で、分かりやすいですが、娘には刺激的でした。
洋画程ではないですけどね~(笑)
「何してるの~?」みたいな。
/// end of the “cinemaアラカルト88「余命」”///
(追伸)
岸波
この映画の原作は、谷村志穂の同名小説です。
結婚10年目に念願の妊娠、しかし同時に乳がんが再発し、出産か治療か究極の選択を迫られる女性を描いたこの作品。
昨年10月の第21回東京国際映画祭「日本映画・ある視点」部門に出品され、同11月の台湾金馬国際映画祭で「Gala Presentaitons:
Women & Secrets」部門特別招待作品として上映されました。
下の写真は、主演の松雪泰子、夫役の椎名桔平、生野慈朗監督らが開演初日に、都内で行った舞台挨拶の模様です。
では、また次回の“cinemaアラカルト”で・・・See you again !
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「余命」の初日舞台挨拶
(in
新宿バルト9) |
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be continued⇒ “cinemaアラカルト89” coming
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