こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
史上最大の巨大台風、日本直撃!
最初に取り上げますのは、「252 生存者あり」。
昨年12月5日の金曜ロードショーを見ておりましたら、日テレ開局55周年記念映画として製作されましたこの「252」封切りの前夜祭として「252
Episode ZERO」を放映していました。
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252 Episode
ZERO
(C)2008「252」ドラマ製作委員会 |
熱いですね~、この番組。特に主演の市原隼人君が。
市原隼人と言えば、あの激熱テレビドラマ「ROOKIES」のメンバーの一人。
期待を裏切ろうはずはありません。
ハイパー・レスキュー隊の果敢な活躍に、見終わった後は感動で涙ぼろぼろでございます。
そして、映画「252」のCM・・・。
“252 生存者ありっ!”のセリフ、たった一言に再び熱いものがこみ上げて・・。
ということで、早速翌日は劇場に足を運ぶこととあいなりました。
◆「252 生存者あり」
映画は、テレビ「Episode ZERO」の二年後が舞台。
関東地方に直下型の大地震が発生して、首都機能は壊滅的被害。
さらに、追い討ちをかけるように史上最大級の台風が臨海副都心や汐留を直撃。
首都に浸入した津波によって、地下鉄はあっという間に飲み込まれてしまいます。
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252 生存者あり
(C)2008「252」製作委員会 |
しかし、新橋駅の地下には取り残され孤立した生存者たちが。
その中には、元東京消防庁ハイパー・レスキュー隊員であった伊藤英明の姿も。
彼らを命がけで救い出そうとするレスキュー隊の隊長は、その兄である内野聖陽。
しかし彼は、崩落を始めた地盤に隊員が二次災害に巻き込まれる危険を察知し、“撤収”という苦渋の決断に追い込まれるのです。
気違いのようになって義兄を責める弟の妻。
さて、地下に取り残された「252(要救助者)」たちの運命やいかに・・・。
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252 生存者あり
(C)2008「252」製作委員会 |
地下に取り残された5人それぞれの演技が光ります。
元レスキュー隊員の伊藤英明、聾唖者であるその娘、娘を身を挺して救い自らは重傷を負っている韓国女性、自信を失ってふてくされている研修医の山田孝之、倒産を回避する起死回生の商品に賭けている中小企業社長の木村祐一。
絶望的な状況の中で仲たがいしながらも、最後には、お互いのために身を挺する仲間たち。
この心を開きあうストーリーが、ズシンと胸に響いてきました。
また、苦渋の決断をしなければならない内野聖陽が一人になった時の男の慟哭。
彼の苦しみを知って、命令に背いてまでも突入しようとするレスキュー隊の部下たち。
泣き所は満載です。
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252 生存者あり
(C)2008「252」製作委員会 |
そして、気象庁の若手技師が、台風の目に入る18分間の間ならば、ヘリを飛ばして救出の可能性があることに気づくのです。
この映画、はっきり言って二回見る価値があると思います。
◆「ワールド・オブ・ライズ」
アメリカン・ギャングスターの社会派監督リドリー・スコットの演出。
レオナルド・ディカプリオとラッセル・クロウの二大俳優の競演。
世界を救うのは、いったい誰のどんな嘘か?
うーん、それなのに、ああそれなのに・・・。
このキャッチ・コピーと「ワールド・オブ・ライズ」という和製タイトルのせいで、全ては台無しになってしまった映画です。
こんなパターン、以前にもありました。
そう、「ステルス」のKY予告編。
映画のテーマをミスリードさせる最悪の情報でした。(うむむむむ・・・)
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ワールド・オブ・ライズ
(C)2008 Warner
Bros. Entertainment Inc. |
CIAの敏腕工作員ロジャー・フェリス(レオナルド・ディカプリオ)はヨルダンに本拠地を置くテロ組織のリーダー、アル・サリームを追いかけています。
ロジャーの上司は、安全なアメリカに身をおいて、スーパーで買出しをしながら電話で冷酷な指示を出すだけのエド・ホフマン(ラッセル・クロウ)。
ロジャーは、ヨルダン情報局のハニ・サラームと共同戦線を張りながらも、誰が敵で味方なのか皆目分からないままにミッションを遂行します。
やがて、自分がCIAであることがテロリストに露見し、最愛の女性も人質に取られて、ロジャーは単身、敵地へと乗り込むのですが・・・。
この嘘で塗り固められた世界、いったい誰の嘘が世界を救うのか・・・おいおい、違うだろ!
この映画、そんな浅薄な謎解きがテーマではありません。
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ワールド・オブ・ライズ
(C)2008 Warner
Bros. Entertainment Inc. |
映画の原題は「虚構の死者」。
それは、アメリカの“虚構の正義”のために犠牲になって行く中東の人々だと思います。
その欺瞞に気づいてスパイから身を引くロジャーと、その欺瞞を知りながら国家の手先として動くホフマンを対比させているのだと思うのです。
映画自体は、中東でテロリストを追うスパイの活動を臨場感たっぷりに見せますが、「いったい誰が嘘をついているのだろう?」という余計な考えに誘導されて、ストーリーが楽しめません。
終わってみれば、驚くほどのどんでん返しでもなく、「なんだ、やっぱりコイツか」という感想しか残りません。
むしろ、事件が解決した後のロジャーのさわやかな身の引き方の方が印象に残るのです。
こういう誤った邦題とキャッチ・コピーって、誰の責任なんでしょうか?
◆「ウォンテッド」
次は年末年始でなく、去年9月下旬に公開されたアンジェリーナ・ジョリーが出演した「ウォンテッド」。
美しい暗殺者として登場するアンジェリーナ・ジョリーや渋い演技でストーリーを牽引するベテランのモーガン・フリーマンらが脇役を固めています。
主人公のウェスリー(ジェームズ・マカヴォイ/吹き替え:DAIGO)は、いつも女性上司にイビられ、恋人は友人に寝取られるというしがない経理担当のサラリーマン。
ところが、スーパーで買い物をしている途中で突如、正体不明の暗殺者から命を狙われるハメに。
彼を窮地から救ったのは、セクシーな謎の美女フォックス(アンジェリーナ・ジョリー)。
彼女は、ギリシャ神話の時代から神に代わって人類の敵を暗殺してきた組織“フラタニティ”のメンバーで、実は、ウェスリーの本当の父親は、フラタニティの“切り札”とも呼ばれた凄腕の暗殺者だという。
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ウォンテッド
(アンジェリーナ・ジョリー)
(C) 2008 Universal
Studios.
ALL RIGHTS RESERVED. |
そう・・・謎の美女フォックスは、“人類の敵”に暗殺された父の代わりに、息子であるウェスリーを暗殺者としてスカウトに来たのでした。
会社を辞めて、暗殺者としての訓練に励むウェスリー。
そしてついに、ウェスリーは父を殺した仇であり、組織の裏切り者であるクロスの暗殺任務に付くのですが、この任務自体が大きな陰謀に巻き込まれていたのです・・・。
~ということなんですが、この主人公、全然存在感がありません。
三ヶ月たってからこのcinemaアラカルトを書いていても、その顔さえ思い出せない始末。
浮かんでくるのは、アンジェリーナ・ジョリーとモーガン・フリーマンの顔ばかり・・・。
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ウォンテッド
(モーガン・フリーマン)
(C) 2008 Universal
Studios.
ALL RIGHTS RESERVED. |
原作はマーク・ミラーとJ.G.ジョーンズによるグラフィックノベルですが、このストーリー自体が荒唐無稽で、さっぱり現実感がないのです。
その荒唐無稽さは、暗殺者たちが特殊能力で弾丸を曲げて撃てるとか、自動機織り機の布目に暗殺すべき人類の敵の名前が浮かび上がることばかりではありません。
どう考えても、ウェスリーを殺しに来たとしか思えないクロスの行動が、実はそうでなかったと言われても、シーンの中では明らかに殺意が見られるのです。
まして、ここでは書けませんが、ラストシーンで本当の敵が判明するくだりなど、「それならそれで、もっと他にいい解決法があっただろう!」と考えてしまうのです。
このストーリーの浅さ、日本では到底考えられません。
そんなこんなで、アンジェリーナ・ジョリーのセクシーさだけを改めて思い知らされた映画でした。
◆「ハンコック」
最後は、ちょっとオマケで昨年夏の公開、ウィル・スミス主演の「ハンコック」。
ロサンゼルスに住む酒びたり男のハンコックは、実はスーパーマン。
脅威の力持ちで、空を飛ぶこともできるし、その上、不老不死。
街で事件が起きるや否やすぐさまに駆けつけて悪人たちをやっつけるのですが、ビルは壊すは道路は破壊するわで、むしろ損害を大きくしているだけ。
ある日、彼に命を救われたPR会社のレイは、ハンコックを正義のヒーローに変身させようと、コーチを買って出るのですが・・・。
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ハンコック
(C)2008 Columbia
Pictures Industries, Inc. |
このストーリー、てっきりアメコミ原作かと思いましたらば、さにあらず。
わざわざアメコミ風のテイストにして書き下ろしたストーリーなのですね。
でも、これって結局何を言いたかったのか?
もう一人のスーパー・レディが現れる後半部分は、前半とは何の関係もなし。
いきなりシリアス路線に転換するのですが、感動できるような筋立てでもなし違和感が際立っただけ。
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ハンコック
(C)2008 Columbia
Pictures Industries, Inc. |
今年に入ってちょうどDVDが発売されたところですが、まず日本では売れないのでは?
ウィル・スミスも、出演映画をもう少しチョイスした方がいいんじゃないかと思わせる作品でした。
~ということなんですが、結局、この年末年始の興行収入ナンバーワンは、ディズニー映画の「ウォーリー」。
あらららら、見てないよ僕!
大阪のpecoさん、どうでしたか「ウォーリー」は?
/// end of the “cinemaアラカルト83「252生存者あり+3本」”///
(追伸)
岸波
コンビニに行きましたら、カウンター後ろのDVDコーナーに「Terminator」のパッケージが。
えーと・・・ターミ・・ネータ・・・・え! ターミネーター!?
シュワちゃんでなく見慣れぬ女性ロボットが描かれていたので、思わず”何だこれは”!
そうなんですね、アメリカのテレビ・シリーズ「ターミネーター/サラ・コナー・クロニクルズ」の第一集DVDだったのです。
この「サラ・コナー」、映画の「T2」の後日談として描かれているストーリー。
そして何と、新たなターミネーター役者を迎えての「ターミネーター4」が、この「サラ・コナー」のさらに続編として製作中と言うではありませんか。
あの評判の悪い「T3」を時系列から放逐し、「T4」から「T6」まで新たなる三部作として製作されることまで決定したそうです。
うーん、楽しみだなぁ・・。
注目の新・ターミネーター役は、シュワちゃんと同じオーストリア出身のローランド・キッキンガー。
彼は、シュワちゃんによく似ていると言われ、シュワちゃんがカルフォルニア州知事になったときに制作された実録映画では、実際にシュワルツェネッガー役も演じました。
あ、そうそう・・・
この「T4」ですが、どうやらシュワちゃん自身もチョイ役で出演する可能性が高いとのこと。
ますます、楽しみじゃありませんか。
では、また次回の“cinemaアラカルト”で・・・See you again !
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「サラ・コナー・クロニクルズ」 |
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