こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
子どもが大人に、読んであげたい物語。♪
この「パコと魔法の絵本」は、2004年に公演された後藤ひろひと原作の舞台「MIDSUMMER CAROL ガマ王子vsザリガニ魔人」を、「嫌われ松子の一生」の中島哲也が映像化したもの。
若くして天才と呼ばれる中島監督が撮ったこの映画、ただで済むはずはありますまい。
な、な、なんとっ!
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パコと魔法の絵本
(C)2008 「パコと魔法の絵本」製作委員会 |
映画のクライマックス・シーンになると、それまで実写だった俳優たちが3DのフルCGに変化。
そのCGキャラとリアルの俳優がカットバックで進行を盛り上げると言う未だかつてない趣向が凝らされたのです。
もちろん、フルCGと実写合成は日本映画で初めての試み。
さてさて、肝心のストーリーはどんなふうだったのでしょうか?
ということで、ここからはドミニク嬢にタッチでございます。
ドミニク こんにちは~♪
伝説の舞台を映画化した「パコと魔法の絵本」。
原作は、伊藤英明と長谷川京子のw主演で、2004年に全国8都市で公開された舞台「MIDSUMMER CAROL ガマ王子VSザリガニ魔人」。
今回は、映画「下妻物語」と「嫌われ松子の一生」の中島哲也監督が映画化しました。
特に今回のキャストは、妻夫木聡さんが出るってことで、公開2ヶ月前から、私はワクワクして懸賞で当選したポップコーンとドリンク付きチケットを確保して待ちに待っていました。
そして、9月13日の公開初日、しかも1回目にワーナーに家族3人で行きました。
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パコと魔法の絵本
(C)2008 「パコと魔法の絵本」製作委員会 |
土曜の早朝で、混雑していましたが、みんなポニョ目当てで列を作っていて、自分の好きな席で観れました。
久々にポップコーンを頼むことになり、「バター、たっぷりでおねがいします」と頼んだら、本当にバターたっぷりで作ってくれました(笑)。
(バター、大好きです~~♪)
いつもは、こんな無理なお願い出来るかはわかりませんが、試しに、私のようなポップコーンにバターたっぷりがいい人は、頼んでみてくださいね。
普通ならトレーに直置きですが、なぜか袋に入って出てきました。(笑)
さて私の話はおいといて、パコのキャッチコピーは「子供が大人に、読んであげたい物語 小さな女の子がくれた大きな幸せ♪」。
最初はポップな色使いで、現代風にアレンジしすぎだなと思いました。
(ちょっと目が疲れた・・・BY夫)
阿部サダヲも、何で?という登場の仕方をします。
髭だの猫のコスプレだのどっから出てくるの?って感じです。
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パコと魔法の絵本
(C)2008 「パコと魔法の絵本」製作委員会 |
タイトルに魔法使ってるし、しゃべりも早めで、最初はちょっと新感覚な映画です。
もしかして、3DのフルCG使いすぎのB級とも若干思ったりして(?)
でも、病院内の部分になると、色が派手だけど、子供にもわかりやすいです。
阿部サダヲが、ナースコールを改良して作ったというボタンが(笑)。
手をおいたらあったみたいな感じでみんな、つい押してしまいます。
私の目当ての、妻夫木君かどうかよくわからない顔してましたけど、出てました。
声は本人ですが、でちゅ~~~とか。
役になりきってるけど、ありえない・・・↓
(上手だけど、なんか違う)
途中、実写になったり、CGになったりするので、「魔法にかけられて」思い出しちゃいましたけど、ストーリーは子供でもわかる話しでした。
この映画も、「おくりびと」とはまた違った意味で涙なくしては語れません。
なんで?って、最後までよく見たらわかると思います。
演劇で、ガマ王子が死んでエンディングになると、想像もつかない急展開を迎えます。
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パコと魔法の絵本
(C)2008 「パコと魔法の絵本」製作委員会 |
ストーリーは、一代で会社を築いてきたワガママジジイ(役所広司)&事故の後遺症で、1日しか記憶の持たない少女パコ(アヤカ・ウィルソン=本作品がデビュー作)との交流を軸とした話です。
妻夫木聡、土屋アンナ、阿部サダヲ、加瀬亮、小池栄子、劇団ひとり、山内圭哉、國村隼、上川隆也らが出てきます。
豪華キャストなのに、なぜかみんなありえない変装というか配役です。
アヤカ・ウィルソンだけは、本当に天使のように可愛い顔で天心爛漫が似合う少女です。
ストーリーは、堀米(阿部サダヲ)が、大貫の仏壇を訪ねて、屋敷に行くところから始まります。
そこには、変なコスプレをした人がわんさかいます。
大貫の甥っ子の子供が住んでいるのですが、広いので別の人に部屋を貸していろんなひとがごろごろしています。
パンフレットに書いてあった、おはなしを書きます。
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パコと魔法の絵本
(C)2008 「パコと魔法の絵本」製作委員会 |
むか~し、むかしそれほど昔じゃなけれど、あるところに病院がありました。
そこには、ちょっとかわった患者さんが入院していました。
大人の俳優に脱皮できずに、自殺未遂を繰り返す「室町」(妻夫木)
消防車に轢かれた消防士の「滝田」(劇団ひとり)
ジュディ・オング好きのおかま「木之本」(國村準)
銃で撃たれて入院してきた「龍門寺」(山内圭哉)
よくわからないけど変な「堀米」(阿部サダヲ)
言葉遣いの悪い看護婦「タマ子」(土屋アンナ)
コスプレ大好き医師の「浅野」(上川隆也)
顔は怖いが、お金に弱い「雅美」(小池栄子)
その夫で、大貫の甥っ子の「浩一」(加瀬亮)
その中でも、「大貫」(役所広司)は、ワガママジジイ。
「お前が私の名前を知っているだけで腹が立つ。気安く私の名前を呼ぶな」
役所さんは、本当に演技がうまいな~と関心しました。
「アルゼンチンババア」とは、ぜんぜん迫力が違います。
髭とハゲで、誰だか想像もつきませんが、声でわかりました。
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パコと魔法の絵本
(C)2008 「パコと魔法の絵本」製作委員会 |
賠償金を吊り上げるため入院している〔オカマ〕の可愛がっていた、猫を蹴飛ばして「足を引きずるのが面白い」と、動物愛護団体からクレームのくるような高笑い。
(ひどすぎる)
毎日、意地悪を言っては、みんなから煙たがられていました。
そこへ、最近、入院してきた小さな患者のパコが。
「ゲロゲ~ロ。ゲロゲ~ロ。ガマの王子はわがまま王子。」
毎日同じ絵本を読んでいて、ワガママジジイの大貫と一緒に読もうとします。
しかし、大貫は自分が座りたかったベンチに先に座っていただけで、パコを突き飛ばします。
でも、翌日になるとパコはけろっとした顔でベンチで本を読んでいます。
大貫は「その本を読んでやる」と読んでくれました。
その大貫が立ち去ったあと、「わ~、きれい」と、金のライターをベンチで拾います。
翌朝、初めての黒字で買った金のライターがなくなっていて、花壇の花をむしる大貫。
全く記憶のないパコは、タバコに火をつけようとしてライターがなくて困った大貫に「私、ライター持ってるよ」と金のライターを渡します。
自分が忘れたライターをパコが持っていたことに腹を立て、パコをぶちます。
(やっぱり、ひどい・・・)
先生やみんなは、それを見ていました。
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パコと魔法の絵本
(C)2008 「パコと魔法の絵本」製作委員会 |
パコは事故の後遺症で、1日しか記憶が残らなくなっていたのです。
しかも、その事故で両親を亡くしていたのですが、それさえもわからない。
翌日ほっぺを触ると「おじさん、昨日もパコのほっぺ触ったよね?」
本当は、ぶったのに・・・。
「本当は、ぶったって言いましたか?」
そう医師が。
素直でない大貫は、言えるはずもありません。
昨日のことも覚えてないパコが、大貫だけ覚えているはずがないと医師がいいます。
でも、確かに、パコは大貫だけを覚えていました。
ママはもういないのに、毎日枕元においてある絵本をママからの誕生日プレゼントだと思って、今日誕生日なんだよと読むパコを見て、大貫は人生で始めての涙を流します。
「先生、この涙はどうすればとめられるんだ?」
「いっぱい泣けば止まります」
大貫は、涙が枯れるまで泣きじゃくります。
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パコと魔法の絵本
(C)2008 「パコと魔法の絵本」製作委員会 |
さすがにパコの記憶がないことを知って、ぶったのを反省して、大貫はパコの為になにか出来ないかと思います。
「おたんじょうびおめでとう 毎日読んでね ママより」~の言葉どおり、毎日パコのために絵本を読んでいた、ワガママジジイの大貫。
パコによって、改心されます(笑)
むか~し、むかしおーきなおーきなお池のほとりでちーちゃな、ちーちゃな花が咲きました。
ガマの王子はワガママ王子。
「わしの命令が聞けぬというのか?」
~と、アメンボ家来のお家を壊します。
ミズスマシ君のお家も壊します。
そこへ、ザリガニ魔人がやってきて、みんなを・・・。
怖い怖い沼エビの魔女に、大きな大きなザリガニ魔人。
ザリガニ魔人達に、お池の仲間たちをやられて改心。
自分は小さいけれど、それでもザリガニ魔人に立ち向かいます。
まるで、絵本の内容はワガママだった大貫そっくり。
そんな時、「サマークリスマス」のポスターが。
毎年、入院患者と先生で演劇をしているというはなしを見て、これだ!と。
毎日パコに読んであげていた「ガマ王子vsザリガニ魔人」の演劇をみんなでやろうと。
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パコと魔法の絵本
(C)2008 「パコと魔法の絵本」製作委員会 |
ところが、今まで大貫に散々いじわるされてきたみんなが大反対。
特に室町は、俳優の経験があるのに猛反対。
「意味ね~だろ、どうせ、すぐ忘れちまうガキのために芝居なんか・・・」
でも、それまで誰の心にも居たくなかった大貫が、パコの心に残りたい一心で頑張って、脚本も書いたり、なんとかみんなの協力を得ます。
「自転車小屋の室外機がこの時期動いているから、誰か死ぬわ~。あそこは、霊安室と繋がっているから、間違いないわよ。」という、オカマの噂話。
みんなは、よく発作がおきる大貫が死ぬと思っています。
かわいいメダカちゃんの役を嫌がっていたタマ子も、役のなかった「掘米」も自信のなかった「室町」も。
みんな一丸となって、サマークリスマスの準備。
「へ?じゅんぺいが死んだ???」
みんなが、ヤクザの公衆電話の声に耳を傾けます。
「じゅんぺいが死んだんだって」オカマが。
「じゅんぺいって誰よ」
「サル。頭のいいやつで・・・まさか俺に向かって銃を撃つとは・・・」
「暴発したんじゃなくて、サルに撃たれたんかい?」
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パコと魔法の絵本
(C)2008 「パコと魔法の絵本」製作委員会 |
ヤクザの銃が暴発して、弾が体に入ったのではなくて、可愛がっていたサルに撃たれた?
そして、そのオカマの娘が結婚(?)
「娘が居たんだけど。結婚するんだ・・・」
「娘が、いたんかい(?)」
よく見ていた写真は、お父さんだった頃の写真で。
「お父さんだか、お母さんだかわからないじゃない。 だから、来ないで」ってかいてあると、結婚報告ハガキを見せてくれました。
ヤクザとオカマの2人は、涙が出ました。
大貫は「いっぱいなけば、涙は止まる」と先生に教えてもらったように、2人に促します。
2人とも、わんわん、泣きます。
室町は、元・天才子役で、20歳を過ぎても「可愛い路線」しかできなくて、逆にキモイといわれてから、自分に自信をなくしていましたが、台本を読んでも「ザリガニ魔人の役」が自分には出来ないんじゃないかと、4階の窓から飛び降りようとします。
でも、そこへ、消防士の滝田さんが杖を付いて通りかかり、「室町さん!!!!!」と助けに入ったものの、2人も落下。
なぜか、滝田さんが下敷きで、松葉杖から車椅子に。
室町さんは、大丈夫でした。
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パコと魔法の絵本
(C)2008 「パコと魔法の絵本」製作委員会 |
そして、いよいよサマークリスマス。
病院の病棟や診察室全部を舞台として、絵本と同じ衣装を着たみんなが演劇を。
「大貫」(役所広治)→ガマ王子
「滝田」(劇団ひとり)→魚。
「木之本」(國村準)→ガマ王子の母
「龍門寺」(山内圭哉)→ミズスマシ君
「堀米」(阿部サダヲ)→ヤゴときどきとんぼになったりする
「タマ子」(土屋アンナ)→語り部。メダカちゃん
「浅野」(上川隆也)→タニシ
「浩一」(加瀬亮)→アメンボ家来
「室町」(妻夫木聡)→ザリガニ魔人
「雅美」(小池栄子)→沼エビの女王
ガマ王子が、家来の家を壊します。
病院全体なので、かなり大掛かりなセットです。
そして、そもそも、入院患者で演劇をやろうってゆ~のが無理がありますよね。
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パコと魔法の絵本
(C)2008 「パコと魔法の絵本」製作委員会 |
沼エビの女王は、台本になかった「ヤゴ」が倒してしまいます。
「ヤゴ」かなり出たがりです。トンボになったりもします。
最後に、ザリガニ魔人と、ガマ王子は戦いますが、妻夫木君が「○でちゅ~~」と子役時代の話し方をしていてキモイです。
しかも、体の下には、子役時代の顔がグルグルまわっています。
タマ子は、そんな室町の子役時代の病気の子供が死ぬシーンが大好きで・・・今でも室町に恋しています。
(あんな、すごむ看護婦でも。かなり乙女・・・)
ガマ王子が発作で倒れて、「もう少しでお話終わるから、最後までやらせてくれ・・・」 パタリ・・・。
最後にガマ王子が死んで、カエルの大好きな雨が降るのですが、アメンボ家来は用意できない。
そんなとき、消防士の滝田が、車椅子で庭に消防車のホースで撒きます。
劇団ひとりさんは、よくネタで消防士をやるのですが、結構この役ははまり役です。
途中で、堀米と甥っ子の子供の話に戻りますが、そのとき、コスプレの黒人が、「父さんにも、ぶたれたことないのに・・・」とかたことの日本語の寝言を。
え?これって、ガンダムのアムロ・レイの名台詞(笑)
思わず、笑い。
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パコと魔法の絵本
(C)2008 「パコと魔法の絵本」製作委員会 |
そして、最後に、ガマ王子のように大貫が死ぬのではなく、ただの発作で、本当は・・・(;O;)
みんなが、この絵本の1ページづつ持っているそうですが、堀米だけが返しにきて、舞台の裏である運命が待っていることを語ります・・・。
ラストに涙、涙です。
室外機が回っていたのは、そういうわけだったのね・・・。
オカマのいうこと、嘘じゃなかったんだ・・・。
そういうわけで大貫が、みんなの心から忘れられなくなったんだ、と。
しかも、この「ガマ王子vsザリガニ魔人」の絵本書いたの「堀米」って?
え~~~!そうなんです。と。
ヤゴ役の「掘米」でした。
しかも、設定ではぜんぜん売れなかったそうです。
現実世界でも「ガマ王子vsザリガニ魔人」は、主婦と生活社より3800円(税抜き)で、販売しているそうです。
もしよかったら、手にとって読んでみてくださいね。
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パコと魔法の絵本
(C)2008 「パコと魔法の絵本」製作委員会 |
読書の秋ですが、本を読むのが苦手な方は、ぜひ、映画館で秋の風感じてください♪
今回はラストは、語りません。
語っちゃうと面白くなくなるから。
自分の目で、どうなるかラストを観て欲しいです。
誰の心にも眠る絵本に加わればいいです。
私は、「うさぎのワンピース」という本が5歳の頃大好きでした。
花畑を通ると、ワンピースに花が転写され、子供ながらにいいな~♪と。
最近、同じ本を市立図書館で見つけ、子供に読んであげました。
そして、私が子供読んだ「あんぱんまん」は、アンパンマンに指が5本あったんですよ~。
絵本は、子供のものだと思いがちですが、大人にも忘れられない絵本があると思います。
時間がないから本を読めないというときは、童心に返って子供の絵本を手にするのもいいと思います。
昔読んだときとは、違う感想になると思いますよ。
/// end of the “cinemaアラカルト75「パコと魔法の絵本」”///
(追伸)
岸波
この「パコと魔法の絵本」は9月13日から全国公開されました。
たった一日しか記憶が持たない女の子のために、大人たちが忘れられない想い出を残してあげようとする感動のストーリーです。
劇場公開に先立って行われた完成記者会見では、中島哲也監督、原作者の後藤ひろひとほか、キャストの役所広司、アヤカ・ウィルソン(子役)、妻夫木聡などが登壇。
そのバックには、この日のために約400万円の制作費をかけて作られた高さ3m、幅4.2mの絵本が登場し、「世界最大の飛び出す絵本」としてギネスブックに申請されたそうです。
主題歌は木村カエラの「memories」。
主演の役所広司は「文句なく面白い映画が出来たと思っている。素晴らしいスタッフ、共演者たちと楽しく仕事が出来た。この作品に参加出来て幸せ。メイクは大変だったが、扮装の力で役により近付けたと思う」と語りました。
では、次回の“cinemaアラカルト”で・・・See
you again !
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世界最大の飛び出す絵本
(完成記者会見) |
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be continued⇒ “cinemaアラカルト76” coming
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