こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
「終わり」が始まる。
この週末に、ケイコと観て参りました映画「20世紀少年」。
原作は、2006年まで週刊ビッグコミックスピリッツに連載されていた浦沢直樹のSFサスペンスコミック。
浦沢直樹といえば、「YAWARA!」、や「MONSTER」などの作品を手がけ、巧みな人間描写とスリリングな展開を持ち味とする現代ジャパニーズ・コミックの旗手と目される一人。
現在まで、手塚治虫文化賞大賞を二回受賞しているのは彼だけで、単行本売上げの累計が1億部を突破しているというコミック界の“怪物”であります。
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20世紀少年
(C)2008映画「20世紀少年」製作委員会 |
もちろん僕は、この「20世紀少年」~そしてその続編である「21世紀少年」も含め、単行本全巻を所有していますとも。
ホレ、このとおり・・・
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「20世紀少年」単行本全巻
←面白いんです、とにかく! |
そんな、私めでありますから、当然、この実写版「20世紀少年」の封切り日は最重要チェック済み。
ふっふっふ・・
さて、その顛末は?
そのストーリーですが・・・
主人公の遠藤ケンヂは、ロッカーになる夢破れ、今は母親の経営するコンビニの店員をしています。
ケンジの背中には、失踪した姉の忘れ形見である「カンナ」(第2章主人公)という赤ん坊が、いつもおんぶされています。
そして、時間が止まったように平穏なその町には、ケンジの小学校からの同級生たちも暮らしていました。
ある日、同級会でみんなが集まると、子供のころに仲間たちで作った「よげんの書」の話題に。
それは、夢と希望に溢れた少年たちが、来るべき未来を空想して書き記したもの。
悪の組織が巨大ロボットやウイルス兵器で人類滅亡をくわだて、これに敢然と立ち向かう9人の正義のヒーローが世界を救うというたわいもないストーリーでした。
ところが・・・
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20世紀少年
(C)2008映画「20世紀少年」製作委員会 |
最近、彼らを取り巻いている様々な事件が、あの「よげんの書」のとおりではないかと誰かが言い出します。
折も折、「ともだち」と名乗る教祖が率いるカルト教団が急速に組織を拡大し、彼らはどうやら、怪しげな事件を起こしている黒幕らしい・・。
そして、犯行現場に残されていた謎のマークは、カルト教団のバッジ・マークであり、小学生のケンヂたちが考案した「ともだちマーク」と同じものであったことに気づくのです。
世界各地で次々と起こるウイルス兵器による無差別テロ、羽田空港の爆破・・・その「よげんの書」のストーリーをそのまま実行しているのは、彼らの同級生の誰かなのか?
仲間の一人、ドンキーが「ともだち」に殺され、自分のコンビニも襲撃されて焼け野原にされたケンヂは、謎を解くために立ち上がったものの、「ともだち」から返り討ちに。
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20世紀少年
(C)2008映画「20世紀少年」製作委員会 |
そして、「ともだち」は、“僕を止めるなら、9人のヒーローを集めないとだめだよ。・・あのよげんの書のとおりに。」と言い放つ。
小学校時代、いっしょに「秘密基地」を作った仲間を集めるケンヂ・・。
しかし、すでに国政や警察組織の奥深くまで掌握した「ともだち」教団によって、『テロリスト・ケンヂ一味』という汚名を着せられた彼らは、当局の執拗な追及にさらされます。
そんな中、彼らが「よげんの書」に書いた世界の終末・・・1999年12月31日に悪のテロリストによる巨大ロボットが地球を破滅させるというストーリーが、「ともだち」によって実行されようとしていることを知るのです。
さて、ケンヂたちはたった9人で陰謀を阻止しようと立ち上がるのですが・・・。
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20世紀少年
(C)2008映画「20世紀少年」製作委員会 |
この「20世紀少年」は、当初から3部作で製作されることが決定していまして、今年2008年の上半期に「第1章」と「第2章」が一挙撮影され、「第3章」はこの8月からクランク・インしました。
興行成績を見ながら続編が決定されることは、まま有りますが、最初から3本製作するという決定は異例のこと。
その制作費は3本で60億円~日本映画史上例を見ない巨額が投じられます。
また、原作を知っているファンが映画を見てキャスティングに違和感を感じないよう、俳優選考には作者の浦沢直樹自身が陣頭指揮。
まるでコミックのキャラクターがそのままスクリーンに現れたような見事な“劇似”の俳優たちがチョイスされました。
うーん・・・本当に似てるんだな、コレが。
その一部をご紹介・・・
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キャストの一部 |
ホーラね、凄いでしょう。
これはもう感動的ですらあります。
ところがっ!
主人公のケンヂを演じたのは唐沢寿明・・・うーん、なんか違うんだな。
なぁ、ユウキ。どっか違うだろ?
うん、ケンヂ役は、何もできないんだけど“何かしでかしてくれそうなやつ”でないと。
そうそう・・・第1章のラストで自ら首都壊滅の犠牲となって姿を消してしまうケンヂは、仲間たちのシンボル的存在。
見た目は弱そうでも、いざとなれば身を挺して仲間を守る強烈なカリスマを持ったヤツなのです。
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主人公のケンヂ
(C)2008映画「20世紀少年」製作委員会 |
本来演技力のある俳優さんだけに、今回のキャラづくりはどうだったのか・・・。
と言うより、ケンヂの“ふてぶてしさ”を表現できるシーンが、あまり用意されていなかったような。
悔しいなぁ。(本人もそう思っているかもしれない)
で、この「20世紀少年」は、ケンヂたち主人公が小学生時代から40代になるまでを追った壮大なストーリー。
ということは、キャスティングも年代別に必要なわけでして、全3部作において、小学生時代・中高生時代・大人になってから~というトリプル・キャスティングになりました。
しかも10数人の主要キャストの周辺に、それぞれ重要な役割を果たす人物が存在するため、多くのキャストが必要になりました。
3部作全体で“セリフのある役付キャスト”の数が300人、1作ずつでも200人という膨大な数です。
通常の邦画作品では50人程度だそうですから、まさに前代未聞の規模です。
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教祖「ともだち」
(C)2008映画「20世紀少年」製作委員会 |
・・・よくできてると思うんだけど、どうだった?
面白かったよね。
(おっ!珍しく高評価・・。)
でも、一つだけ腑に落ちないことが。
ん? どんなこと。
あの人たちって、みんな同級生なワケでしょ?
小学校からの同級生さ。
あの役者たちって、みんな同い年には見えないよ。
あーれー!
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最終決戦!
(C)2008映画「20世紀少年」製作委員会 |
第2章以降の鍵を握るケンヂの姉の子「カンナ」役は、プロ・アマ問わずに公募した3000人の応募者の中から平愛梨(たいら・あいり)さんが抜擢。
彼女は、これまでもドラマ出演の経験がありましたが、俳優として伸び悩み、今回のオーディションには“引退覚悟”で臨んでいたのです。
原作と同じ容姿にするために、腰まで伸ばしていた黒髪もバッサリ。
俳優として苦節9年・・・背水の陣で臨んだ末の抜擢に、うれし涙が止まらなかったそうです。
彼女が演じるカンナちゃん・・・映画のエンディング・クレジットが終わったところで、突然登場!
みなさん、ユメユメ途中で席を立たないように。あはははは!
/// end of the “cinemaアラカルト73「20世紀少年」(第1章)”///
(追伸)
岸波
今回の第1章封切りに先立ちまして、20世紀少年の豪華化粧箱入り全巻セットが発売されました。
その名も「20世紀少年BOX」、金額1万5千円・・・うーん。
いいなぁ・・でも既に全巻持ってるしなぁ。
ナニナニ、映画に出てくるあのマーク入りの旗も付いてくる!?
あっはっは、大サービスだけど全部あるんだかんね、僕は。
えーと、もう一つオマケが・・・
映画にも出てきたロマン・ポルノ「姫始めの団地妻 濡れた淫●婦人」の実物ポスター・・。
ポスター・・・?
なにぃ!!!
では、次回の“cinemaアラカルト”で・・・See
you again !
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20世紀少年BOX
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