こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
生まれてきてよかった。
「崖の上のポニョ」の後編でございます。
ポニョを守る5歳の主人公宗介君のお母さんはリサ(声:山口智子)と言いまして、とっても行動的なのですが、このキャラ・・・似てるんです。
そう! 岸波通信モデルのリサリサ嬢に!
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リサリサ嬢 |
名前が同じだとキャラクターも似るのでしょうか、いや、そんなことはありますまい、うーむ・・。
(閑話休題)
で、前回、紹介し切れなかったドミニク嬢の最終コメントがこちらです。
ドミニク
気になったのが、宗介の父の出番が少ない事。
まぁ、話しに絡んでなくても進みますから、最初と最後にちらっと出ればいいということもありますけど、本当に母と子が大活躍の映画でした。
(我が家のよう?母と子だけ、イベント参加しまくりみたいな(笑))
今回は、画面構成を単純に作ったという事もあって、若干子供の時見たアニメを思い出しました。
今回の作品の公式HPを拝見したら、宮崎駿監督が、宗介を通じて、ひまわりのおばあちゃんに自分の母を重ねて、再会シーンが登場したとプロデューサーのコメントが。
最近、おばあちゃんを描いているな~とは思っていましたが、理由があったんですね。
深く知って、なるほどと思いました。
いくつになっても、母は母。子は子なんですね。
ジブリ作品は、親子の絆だったり、友情だったり、本当に時代にそくした事が描かれています。
映像に残さずに記憶に残して欲しいと撮影を禁止するジブリ美術館。
三鷹のジブリの森美術館には2回ほど子供の来館しましたが、デジカメで撮れない分、一生懸命記憶してきました。
実際、トトロのカフェで、トトロのカップで出てくると嬉しくなっちゃいます♪
中庭にウッドチップもひかれたそうです。
また行きたいな~。当たらないかな(笑)
これからも、監督が「お迎えが来ることを指折り数えて…」と、言わず、後世に残す作品を作り続けて欲しいと思いました。
by ドミニク
ということで、お次は森晶緒嬢にお願いしたいと思います。
森晶緒
今日はorお晩ですorおはようございます♪story
Worldの森 晶緒です。
先日、本当に待望に待ち兼ねた「崖の上のポニョ」を観て来ました(^o^)/しかも2回も!!
1度目と2度目では理解も感動も全く違うものでした(*^_^*)
ストーリーに関してはドミニクさんにお任せして、その感動、思うがままを徒然と語ってみたいと思いますo(^-^)o
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崖の上のポニョ
(C) 2008二馬力・GNDHDDT |
知らない人の方が珍しい宮崎駿作品。
特に私の場合は、以前から大ファンだったけれど、「風の谷のナウシカ」のマンガを読んでから、もう宮崎駿を人として愛してやまない所まで来ているので、とにかく全部で無くとも、理解したいと思うのが宮崎駿作品。
ポニョの感想は人それぞれ千差万別。
1度目に観た時は、子供向けで可愛いい!!としか言いようのないポニョの世界と、ワクワクする動きの世界、そして深過ぎてわかれなかった物語の世界が一緒に心に飛来して、自分でも上手く感情が掴めなかった。
しかし、それは前作「ハウルの動く城」の時も同じだったので、理解できる部分が多ければ多い程、作品が愛情を増すとわかっていたので、もう一度観る予定を初めから立てていた事もあり、その時どう観るかが又期待できるものでもあった。
子供過ぎると言う感想もよくわかった。
1時間30分強の上映時間も宮崎駿作品にしてはかなり短めだった事もあり、何を言いたいのか、ストーリーとしての展開も短く、秘密を箱ごと渡された感じ。
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崖の上のポニョ
(C) 2008二馬力・GNDHDDT |
しかし一番強く感じたのは、アニメーションとしての絵の美しさと厚さ。
そのまま家に帰宅して、次の日を迎えた。
そして「ポニョ」の世界を想うと、何かよくわからないけどすごく幸せな気持ちがした。
もしかしてこれはすごくいい作品なのでは!?と今更ながらに感じ2度目の観賞へ。
前日、宮崎監督が携わったアニメ作品のテレビ番組での話の中で、「ポニョ」が話題に昇り、はっきりと「つまらない」と言う意見も聞こえ、何を持ってつまらないと言っているかは大体わかっていた。
けれど、それだけでは絶対に無い確信と、作品について色々情報やテーマを読み砕いて行って、あらためて観た「ポニョ」は、全部が全部理解できた訳ではないけれど、シンプルかつ素直に感動できる作品。
映画に委ねていると、そしてちょっとした事がわかっていたり、想像できたりすると、かなりの宮崎駿らしい、素晴らしい1本である事は間違いない。
もちろん楽しさはあるが、目を引く様な確かな面白さと言うよりは、とても細やかに、同時に大胆に造られていて、心を魅了する。
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崖の上のポニョ
(C) 2008二馬力・GNDHDDT |
物語としては、子供が主人公なので、宮崎監督も番宣で語っていたが、現代の子供に対する親の過保護なまでの環境に対するアンチテーゼの意味合いも強いらしいが、そこの所に関しては、こればかりは答えが無い問題なので、素直に映画を楽しんだ。
観る前から、温暖化による海面上昇の話かと勝手に思っていたが、そうでもないらしい(現に水位は下がる)。
もし例え海面上昇の話と捉えても、水位が上がった世界は、悲愴感とは無縁の、今と同じ命で溢れる世界に描かれていて、その渦中にある人物達も、素直にそれに対応している。
最も、むしろ、冒頭の海中やポニョの父「フジモト」が命の水で農場海域を豊かに命を育てている場面から、ポニョが初めて姿を現す所(これが、良く見てみると、プランクトンの様な小さな小さな生き物まで描かれていて、凄い!!としか言い様がない)、主人公の少年宗介の母「リサ」がアンテナを立てる夜空の星、古代魚や見た事もない生き物、ポニョの小さな、時には大きな妹達と、とにかく温かい命で溢れ返っている。
それとともに、津波となって押し寄せるお魚の躍動感とその上を走って跳んで、宗介の所にやってくるポニョのシーンの音楽といっしょくたになった高揚感。
私の感じたのは、甘くて濃くて夏の夜の空気にも似た夢の様な世界。
それが隅々までいきわたっている。
そしてそれは宮崎駿一人のものではなく、作画監督であり背景担当であり色彩担当でありアニメーターであり全てのスタッフの手と腕と魂で折り重なって造り上げられている。
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崖の上のポニョ
(C) 2008二馬力・GNDHDDT |
アニメーションとしての絵への挑戦もあり、統一されていない面があるにも関わらず、それらが総括して統一されている。
そう言う事への驚きと喜びはひとしおに楽しめた。
そして宮崎駿の世界。
昔の宮崎駿はあらためて愛を語る事は無かったけれど、段々にそれをはっきりと表す事が多くなった様に思う。
ラストの手前で、ポニョの母「グラン・マンマーレ」の言葉や宣言の中には確かな愛が感じられた。
愛はある。目の前にある。それがものすごくシンプルで伝わってくる。
そして、映画と言う擬似体験の中で、全体の中で、しかも感覚でわかると言うのは、すごく幸せな映画体験だと思う。
そう、本当に「幸せだなあ」と感じる映画。
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崖の上のポニョ
(C) 2008二馬力・GNDHDDT |
宮崎駿監督の企画意図=不安や神経症の時代に、の言葉に、この映画で、世界に負けるとか飲み込まれるんじゃ無く、共にある、いつも息づく生き物の世界を感じられたのだ。
私もそうだが、宮崎監督作品からは、社会観念と言うよりは、息づく世界がこの人は好きなんだなあといつも強く感じる。
その意味でもまさしく「ポニョ」は強く息づいて、そして幸せな作品だと思う。
2回観た今でもこの幸せが恋しくて、もう一度映画館に観に行こうかと思っている。
DVDなどで所有したいと言うよりも、感動を何度と幸せを何度も感じたい作品。
マンガ「ナウシカ」のセリフを借りるが、いつも人生の、そして世界の「秘密をわけてくれた」宮崎駿監督と、その表現者であるスタジオジブリに、ポニョや宗介の言葉の様な素直な気持ちで「大好き!!」と声を大にして感謝したい(^O^)
もちろん映画は観た人の意識化の問題で、この作品は捉え方が人それぞれ違っていいのだと思う。
ただ、私の想う宮崎駿は、生きる命に懸命な人なので、今を想い明日を想い、この作品を焼きつける一面もあるのだと思う。
だからこそ、その時に居れて、その世界に触れれる今が何よりありがたい!!
そして一つはっきりと、「ポニョ」を観ると、チキンラーメンが食べたくなる事は請け合い!!
by
森 晶緒
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崖の上のポニョ
(C) 2008二馬力・GNDHDDT |
岸波
ドミニクも「5歳児の目線で」と書いてるように、きっとこの映画は、純粋に子供のための童話として楽しむのがよいでしょう。
大人の世界の常識とか辻褄といったものを、敢えて“余計なもの”として排除されているからです。
例えば、金魚のようなものであるポニョがいるはずのない「海水」にいること。そして、海水から出て気を失ったポニョを宗介が「水道水」で助けること。
人間に姿を変えて再び現れたポニョを宗介が「これはポニョだよ」と言ったことについて、母親のリサが「今日は不思議なことがある日ね」と驚かずに受け入れること。
家族がお互いを呼び捨ての名前で呼び合うこと。
嵐の中で、母親が子供たちだけを置き去りにして捜索に出ること。
海底に取り残された老人ホームのおばあちゃん達が、水の中で息をしたり、歩けなかった足が歩けるようになっていたこと。
数え上げればキリがありませんが、そんなことをいちいち説明する必要は無いのです。
童話に不思議な力を持った妖精が出てきたり、コブタがしゃべったり、ケーキの家が出てくるのは5歳児には普通のことなのですから。
だから、深読みをしてメッセージを探したり、教訓を得ようとして「ポニョ」を観るのは違う気がします。
子供目線で、不思議な世界の出来事にハラハラドキドキして、最後のハッピーエンドに喝采を叫べばいいのではないでしょうか。
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崖の上のポニョ
(C) 2008二馬力・GNDHDDT |
・・・と思うんだけど、ケイコはどう?
それでもいいけど、メッセージがないと言うのは違うわ。
ん、そうなの?
宮崎のアニメは、ナウシカもラピュタもその後のも全部そうだけど、いつも共通するメッセージが底流にあるの。
どんな?
ポニョには「世界の穴」と「生命の水」がでてきたでしょう?
この地球はこのままではダメになる、誰かがそれを止めなければ、“生命のやり直し”というカタストロフィーに至るっていう警鐘があるのよ。
ほぅ・・・“破滅”ではないんだ。
今回は、生命の水から「古代魚」が出てきて、カンブリア期の生命爆発をやりなおそうとするでしょう?
宮崎は単なる終末思想や破滅論ではなく、もっと大きな“見えざる手”の存在を意識の根底に持ってるのよ。
~ということだそうです。(ふむふむ・・)
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崖の上のポニョ
(イメージアルバム) |
さて、アニメーションはCGでという風潮の中で、宮崎監督が敢えて“手”で描くことにこだわった「ポニョ」。
満を持して、7月19日から全国481スクリーンで一斉に公開されています。
304億円という日本映画の興行成績ダントツの「千と千尋の神隠し」以下、2位の「ハウルの動く城」(196億円)、3位の「もののけ姫」(193億円)と、ベストスリーを独占している宮崎・ジブリ。
「ポニョ」はどこまで成績を伸ばすのでしょうか?
/// end of the “cinemaアラカルト71「崖の上のポニョ(後編)」”///
(追伸)
岸波
7月19日の公開初日、宮崎監督や声優陣の山口智子、長嶋一茂、天海祐希、所ジョージ、奈良柚莉愛(ゆりあ)、土井洋輝らが舞台挨拶と記者会見を行いました。
その中で、宗介の声を務めた小学3年生の土井洋輝くんは・・・
「宗介くんは僕の目標です。なぜなら優しくて、勇気があって、何でも一生懸命やる行動力のある男の子だからです」と実に立派なコメントを披露。
すると、同じ小学3年生でポニョ役の奈良柚莉愛ちゃんは、「誰と見たいか」と質問され・・・
「誰と観たいとかじゃなくて、みんなと一緒に観たら楽しくなると思うので、みんなで観たいと思います」と切り返して会場中の拍手喝采を浴びました。
うーん、恐るべしっ、日本の小学3年生!!
では、次回の“cinemaアラカルト”で・・・See
you again !
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宗介役の土井洋輝(左)と
ポニョ役の奈良柚莉愛(右) |
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To
be continued⇒ “cinemaアラカルト72” coming
soon!
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