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「明るく楽しく上品に」(TAM Music Factory)
by 岸波(葉羽)【配信2008.7.11
 

◆この記事は作品のストーリーについて触れています。作品を実際に楽しむ前にストーリーを知りたくない方は閲覧をお控えください。

 こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。

 ハッピーエンドは3度ない?!

 「花より男子ファイナル」は、神尾葉子の人気コミックをテレビドラマ化し高視聴率を記録した「花より男子」の劇場版として映画化したものです。

 テレビ版でおなじみのキャストやスタッフが再結集し、テレビドラマで道明寺がつくしにプロポーズしてから4年後を舞台に、新たなエピソードを展開しています。

 そう・・・この映画版では、原作漫画のエピソードを使わないで、完全オリジナル脚本を採用しているのです。

花より男子ファイナル

花より男子ファイナル

(C)2008 映画「花より男子
ファイナル」製作委員会

 主演は、主人公のつくしに井上真央、道明寺に松本潤などテレビ版と同じ面々が演じています。

 海外ロケは、香港・ラスベガスなどで行われ、前売り券は東宝史上最高となる24万枚を突破しました。

 封切りから二日間の興行収入が10億579万8910円と、これはTBS製作の映画史上最高の出足だそうです。

 さて、今回レポートをしてくれるのは、快刀乱麻の辛口評論でお馴染みの森晶緒嬢。では、晶緒ちゃん、お願いします。

 

森晶緒森晶緒 

 昨日観に行って来た待望の「花より男子F」。

 前売りまで買う熱の入れよう……だったにも関わらず、周りの観る前の反応が的中。

 感想は…特に語るものの無い残念!!な映画。

 映画と言うより、恋愛お茶の間ドラマを、アイドル映画に焼き直した感じ。

 元のドラマは、マンガ原作に近く、主人公の牧野つくしのキメゼリフ「ありえないっつーの!!」通り、つくしともう一人の主役道明寺の「ありえないっつー」真っ直ぐさが良かった好感触のドラマだった。

 それだけに、それを期待して、もしくは続きのま新しさを想像して行ったら、すごくなんちゅー事が無いストーリー。

花より男子ファイナル

花より男子ファイナル

 一番いけなかった点は、ギミックの使い方。

 一番決めなくてはいけない場面が、なんとな~く、しかもガクッと力が外れる事の顛末。

 ほんわかと言えば言えなくもないが、あれだけお金を制作費を使って、「結局それかい」と突っ込みは入れたくなる。

 しかし悪い所だけでは無かった。

 役者さんは良かったのだ、本当に!!

 皆イイ演技をしてたし、キャラクターも成り立っているし、存在感もちゃんと成立していた。

 道明寺役の松潤こと松本 潤も体が鍛えられていて、若い爽やかな色気も出せていたし、何より、道明寺らしい可愛らしさも充分あった。

 主人公のつくし役の井上 真央ちゃんも可愛かった(活躍シーンが少なかったけど・・。

花より男子ファイナル

花より男子ファイナル

(つくし:井上真央)

(C)2008 映画「花より男子ファイナル」製作委員会

 一つだけつくしに関して文句をつけたかったのは、ラストなど、ドラマの時もそうだったが、真央ちゃんが、女の子象徴イメージの伏し目がちの上目遣いが多過ぎた所位か。

 決して真央ちゃんの演技力とは関係無いと思う。単なる演出の失敗。

 マンガのつくしのイメージだと、ああ言う上目遣い的アプローチは到底しなさそうなキャラクターなので。

 いけなかったのは逆に造り手側ではないだろうか。

  元来お茶の間ドラマは決して映画に引けをとる物では無い。

 いい作品は特に映画をもしのぐ力を持っているし、視聴範囲も映画とは比べられない、違う広げ方の
可能性がある。

花より男子ファイナル

花より男子ファイナル

(C)2008 映画「花より男子
ファイナル」製作委員会

 では何がいけなかったか。

 作り込みの浅さもあるが、一緒に観に行った友人の的を得た意見が、対象年齢を限定していた感が否めない点、中高生限定に造られていた感じ。

 現に女子高生らしい観客達からは、上映中も上映後も満足の声も聞こえて来た。

 しかし、それで本当にいいのだろうか?

 女子中高生だって、いいものならちゃんと理解できる。

 むしろ、対象年齢が若い程、しっかりとした造りの方が、爆発的な反響を呼ぶ可能性は高い。

 そこら辺を甘く見過ぎると、今回の様に、皆が一生懸命でも、心に引っ掛かる所さえない作品に、映画だけと言わずドラマもなってしまうのではないだろうか?

花より男子ファイナル

花より男子ファイナル

(C)2008 映画「花より男子
ファイナル」製作委員会

  実は週末、レンタルDVDで「スウィニートッド」と「ヘアスプレー」、「ボーン・アルティメイタムも観た。

 「スウィニートッド」に至っては、自分史上最悪の映画の1本になってしまった。

 殺人シーンのせいでは決して無い。

 むしろそこは映像的に処理されているからどうと言う事は無いのだが、問題はラストのギミックの使い方=ストーリーが余りと言っては余りにも酷い話。

 「デス・ノート」の前編的だが、それより酷い。

 人として酷い話。

 何でああ言う話が、ブロードウェイで人気を博し、映画にまでならにゃあならんのだ!?と思わず我が家で大声を出す位。

 気分直しの「ヘアスプレー」は、あっかるいのと、歌とダンスは最高いいのだが、いかんせんくっだらなさ過ぎて、途中で嫌になって観るのを止めてしまった。

 対照的に、「ボーン・アルティメイタム」は映画館で観たが、大変面白かったので、もう一度DVDで観た次第。

 2度目でも…十二分に面白い!!

 造りがものすごくちゃんとしているのだ。

ボーン・アルティメイタム

ボーン・アルティメイタム

(C) 2006 Universal Studios.
ALL RIGHTS RESERVED.

 アクション自体、見せ方、セリフ以外の演出、そしてラストのボーンのセリフ!!全てが魅せる映画なのだ。

 こうして観てみると、映画のエンタテイメント性とは何だろう、ギミックさえあればいいのか!?と言う疑問に、ボーンがピシッと、「そうじゃない、やはり造り!!(ストーリーももちろん)」と答えを出してくれた気がした。

 それにしても「スウィニートッド」は頂けなかった!!

 哀しい話だからって何でも映画化していいのか!?

 造り手側の自己満足じゃないのか!?と問いたいと思うと、まだ「花より男子F」の方が良心的かもしれない……期待外れは仕方無いが…。

花より男子ファイナル

花より男子ファイナル

(舞台となった香港)

(C)2008 映画「花より男子
ファイナル」製作委員会

 花男は、観る側に恵まれた環境だっただけに、そしてあのキャストだっただけに!!実にもったいない!!作品だった気がする。

 あくまでも私見ですけどね。

   森晶緒森晶緒

 

/// end of the “cinemaアラカルト65「花より男子ファイナル」”///

 

(追伸)

岸波

 晶緒ちゃんの評価は辛口でしたが、この「花男F」、公開4日間で観客動員100万人を突破するという日本映画としては記録的なヒットとなっています。

 この大ヒットを記念し、主演の井上真央、松本潤ら主要キャスト5人が、何とジェット機を借り切り、全国5都市を2日間で回る“弾丸キャンペーン”を行うことになりました。

 明日7月12日に札幌、名古屋、福岡、13日には大阪、東京の各映画館で舞台あいさつを行う。

 二日間の移動距離は約4,660キロで、ジェット機を借り切っての“全国キャンペーン”は、もちろん映画史上初の試みです。

 

 では、次回の“cinemaアラカルト”で・・・See you again !

花より男子ファイナル

花より男子
ファイナル

(C)2008 映画
「花より男子ファイナル」
製作委員会

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To be continued⇒  “cinemaアラカルト66” coming soon!

 

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