こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
“西の魔女”と呼ばれるおばあちゃん
と少女との、驚きと愛に溢れた
かけがえのない時間が始まる
「西の魔女が死んだ」は、1994年に刊行された梨木香歩の同名の短編小説(童話)を映画化したもの。
原作は、日本児童文学者協会賞新人賞や小学館文学賞など数々の賞を受賞し、100万部のベストセラーとなりました。
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西の魔女が死んだ
(C)2008「西の魔女が死んだ」製作委員会 |
ストーリーは、中学校でいじめに合い不登校となった主人公のまいが、“西の魔女”と呼ばれるイギリス人のおばあちゃんの元に預けられ、次第に心を開いていく姿を描いています。
しかし、ほんのちょっとしたことからおばあちゃんといさかい、家を出て両親の元で暮らすようになったまいでしたが、しばらくして、おばあちゃんが死んだことを知らされるのでした。
まいは、再び訪れたおばあちゃんの家で何を発見するのでしょうか・・?
では、ドミニク、お願いします。
ドミニク こんにちは~♪
映画大好きドミニクです。
今回の試写会は、フォーラムの試写会初の試み、ケータイかPC応募。
往復はがきも可能となっていましたが、みんな当選メールプリントアウトしてくるか、携帯の当選画面を提示していました。
応募にまで、電子化の波が来ています。
昔は、はがき応募が基本でしたが、試写会も今はネット応募のみ受付ってゆ~のもあります。
今回の客層は、いつもの往復はがきで応募して入っている会場とメンバー(常連)さんとメンバーが半分くらい違っていました。
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西の魔女が死んだ
(作:梨木香歩) |
隣の人に聞いたのですが、なんとか1人分当たって1人で参加したそうです。
高倍率だったのか?結構「おひとりさま」多かったです。
そして、会場をグルッと見てみたら30代の女性が特に多かったように思います。
今回は私と母が当選し、2人で、行ってきました。
初対面の人に「2人で当たったんですか?すご~い」と言われました。
(妹と娘は外れて行けなかったので、すごくないですよ…。)
ちなみに劇場窓口で名前確認されました。
アカデミー賞女優シャーリー・マクレーンの娘サチ・パーカーが、日本映画デビュー(といっても、おばあちゃん役(笑))。
主人公・まいは、オーディションで選ばれた高橋真悠。
学校が嫌だという人が居たら、その人には絶対観て欲しい映画です。
以下ネタバレしますので、劇場に行ってから読んで下さいね♪
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西の魔女が死んだ
(C)2008「西の魔女が死んだ」製作委員会 |
ごく日常の場面ばかりで、つまらないと思い人もいるかもしれません。
でも、見方を変えると、ごく普通の事が一番大事で、あたりまえの事が「大切」なんだというメッセージだと思います。
タイトルも衝撃的ですね。
「西の魔女が死んだ」というタイトルで内容も想像できちゃうかもしれません。
内容的には、おばあちゃんの死から始まり、2年前の孫とおばあちゃんの過ごした時間を回想します。
不登校になってしまった「孫」とおばあちゃんの、「魔女修行」をゆる~くといった児童文学の映画化です。
十数年前から読み継がれている梨木香歩原作の児童文学です。
もしかして、通信の中にも子供の頃原作を読んだかたも居るのではないでしょうか?
残念ながら、読書家・ドミニクは、読んだことはなかったです。
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おかあさん
(りょう)
(C)2008「西の魔女が死んだ」製作委員会 |
女の子の付き合いは独特で、トイレに誰か行くと取り巻きも行く。
興味も無い話に相槌を打ち・・・。
そんな生活に中学1年生の主人公・まいは、疲れてしまい、今年は友達を作らなかったら教室で一匹狼になって…。
一匹狼も長く続くことはなく、不登校に。
親もおばあちゃんも、まいが不登校になっても怒りません。
何か理由があってのことだから・・・と、みんな、まいを信じています。
ハーフだったお母さんは、逆境にめげず、一匹狼でも大学まで卒業したと物語の解説で。
もし、私の娘が、友達関係で悩んで不登校になったりしたら、寛大な気持ちで受け止めてあげる自信がないです。
「育てにくい子ね~。感受性が豊かで。とりあえず、田舎の母に預けるわ~」
多分、母の電話の向こうに父がいると思われます。
それで、まいは、おばあちゃんに預けられます。
しばらくおばあちゃんの家でお世話になることになった、まい。
まいの乗ってきた車をじ~とみる陰が。
一瞬、誘拐?車上荒らし?と思いましたが、ふもとに住む男性で、たまに庭の手伝いもしてもらっているとのこと。
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ふもとに住むゲンジ
(木村祐一)
(C)2008「西の魔女が死んだ」製作委員会 |
おばあちゃんの庭のニワトリが夜のうちに殺されてしまいます。
「いたちか犬の仕業だわ~」
ふもとに住む男(木村祐一)に、ニワトリ小屋を直してもらいます。
「人は死んだらどうなるの?」
誰でもが思う素朴な疑問をまいはおばあちゃんに投げかけます。
かつて故・丹波さんは、言いました。
人は死んだら「大霊界」へ行くと。
映画、椿山課長でも、死んだら、天国があると。
でも、おばあちゃんは、言いました。
「死んだことがないから、分からないわ。
だから、もしおばあちゃんが死んだら、まいに教える♪
でも怖がるといけないから、そっと・・・魂が肉体から離れたって・・・」
「お父さんはね、人は死んだら終わりっていうの」
(・・・。(^_^;))現実的ですな~(~_~))
「あ、おばあちゃん。(死ぬの)急がなくてもいいよ~」
会場から笑いが巻き起こりました。
おばあちゃんのおばあちゃんは、魔女だったと。
おばあちゃんのおじいちゃんが船から落ちて溺れていたので、船の進む方向に向かえばいいと思って泳いでいたら急におばあちゃんの声で、「右」と。右に行ったら、砂浜着いて助かったという話。
その話を聞いて、魔女修行を始めます。
魔女修行と言っても特別なことをするわけではありません。
規則正しく生活し、野山の木々に触れ、ラベンダーの上にシーツを干し、お日様のにおいのするシーツで寝るとか。
ラズベリーを摘んでジャムにするとか、自然満喫という感じです。
ずいぶん魔女修行になれた頃、お父さんが迎えにきました。
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おとうさん
(大森南朋)
(C)2008「西の魔女が死んだ」製作委員会 |
あまりの生活の楽しさに、現実逃避していましたが、まいは、じっくり考え、お父さんと帰ることに。
今まで、お父さんが一人で暮らしていたのですが、お母さんが仕事も辞めて単身赴任解消です。
まいも学校を転校して、新しい生活を選択しました。
おばあちゃんにニワトリ小屋を直してもらったお礼のお金を渡してきてと頼まれて置いてきたときに気付きます。
ニワトリ小屋の側に落ちていた白い毛は、ふもとに住む男性のうちの犬の毛に違いないと。
それをおばあちゃんに言ったら・・
「もしそうだとしても、現場を見たわけでもないでしょ。まい、決め付けるのはよくないわ~」
それで、喧嘩別れをします。
おばあちゃんは、「大好きだよ」と孫に言ってもらいたかっただけなのに。
おばあちゃんの家に来るのは、半日もかかるので、喧嘩したまま2年間いっさい遊びにきませんでした。
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まい
(高橋真悠)
(C)2008「西の魔女が死んだ」製作委員会 |
ラストシーン。
おばあちゃんが、死んだという現実に戻ります。
お母さんと2人で車を飛ばして、向かった先は、おばあちゃんの家。
そこには、おばあちゃんが、白い布をかぶって、北向きに寝せられています。
「うちこんなの(白い布)かけない・・・」
お母さんは、とり乱します。
まいも、おばあちゃんが、死んだという現実をつきつけられます。
でも、寂しくなんかありません。
テラスの窓に「ニシノマジョカラ ヒガシノマジョヘ タマシイ ノダッシュツ ダイセイコウ」
おばあちゃん(西の魔女)から、まい(東の魔女)へのラストメッセージです。
おばあちゃんは、覚えてくれてたんだ・・・。
このあたりで、会場からすすり泣く声がしました。
おばあちゃんの口癖「I
know・・・」がどこからともなく聞こえてきたような気がします。
手嶌葵「虹」が流れてきてエンドロールです。
最初から悲しみがはじまる映画でした。
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おばあちゃん
(サチ・パーカー)
(C)2008「西の魔女が死んだ」製作委員会 |
人が死んだら、その先はどうなるか本当に分からないですが、一度きりの人生だもの。
自分で決め、自分の意志で動くことが大事だと言っているように感じました。
人の世界は魂の成長をするもので、人は死んだら、魂が体から解放されるだけ。
そう映画の中の西の魔女(おばあちゃん)が言っていました。
楽しいことしたいし、魂の成長をするためにイベントに出かけたり、魂を磨きたいと思います。
そして、運を掴むためにも、自分の選択は間違わないようにしたいです。
今回の映画でおばあちゃんは、「何でも自分で決めること」をまいに教えます。
私も、後悔のないように、自分で選んでいきたいです。
/// end of the “cinemaアラカルト64「西の魔女が死んだ」”///
(追伸)
岸波
何とも優しくて、暖かくて、リリシズムに溢れた映画でした。
ラストシーンに流れる手嶌葵の透明感のある「虹」の歌声が、静かな感動を呼び起こさずにはいないでしょう。
この映画では、原作に登場するおばあちゃんの家を忠実に再現するために、清里高原に正確なセットが作られて撮影されました。
この家は、2009年1月4日まで保存され、一般公開されているそうです。
では、次回の“cinemaアラカルト”で・・・See
you again !
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西の魔女のセット
(C)2008「西の魔女が死んだ」製作委員会 |
eメールはこちらへ または habane8@ybb.ne.jp まで!
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To
be continued⇒ “cinemaアラカルト65” coming
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