こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
L、最後の23日間
この「L change
the world」は、絶対に見逃せません。
何といっても、「DEATH NOTE」(デスノート)で探偵役エルを演じて人気沸騰した松山ケンイチが、今度は攻守ところを変えて主役ですからね。
と言うことで、2月9日の封切り日に、またもケイコと見てまいりました・・。
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名探偵エル
(松山ケンイチ)
(C)2008「L」FILM
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(C)2008「L」PLOT PRODUCE |
おっと、その前に、このスピンオフ映画の原点となった「DEATH
NOTE」(デスノート)について、説明しておかねばなりますまい。
もともと「DEATH NOTE」は、「週刊少年ジャンプ」に連載された、原作:大場つぐみ・作画:小畑健のサイコサスペンス漫画。
2004年に単行本化され、その第一巻は初版でいきなり100万部を売り上げて、漫画単行本最速記録を打ち立てました。
また現在までに、12巻累計で2500万部も発行されている超人気コミックなのです。
その内容は、名前を書かれた人間は死んでしまうという死神の「デスノート」を偶然手に入れ、それを使って犯罪者を次々と粛清していく主人公・夜神月(ライト)と、その犯人を追う名探偵エルとの闘いを描いたストーリーです。
死神が登場するなど、設定はSF漫画と誤解されそうですが、実際はライトとエルの虚虚実実の駆け引きを中心とした本格ミステリです。
さて、この漫画をもとに映画版「DEATH
NOTE」が制作され、2006年に前・後編が公開されました。
名前を書かれれば必ず死ぬというデスノートを握られたエルが、真犯人ライトを追い詰めた究極の秘策は、“先にデスノートに自分の名前を書いてしまう”という捨て身の作戦。
それに気づかず、エルの名前を書いたことを勝ち誇って、間もなく死ぬはずのエルに“真犯人は自分だ”と告げてしまうライト。
しかし、「23日後に心臓麻痺で死ぬ」と先に書いていたエルの死期を変えることは出来ず、ライトは真犯人として破滅するというストーリーでした。
犯人ライトを演じた藤原竜也の知能犯ぶりも堂々としたものでしたが、それを追い詰める名探偵エル役の松山ケンイチも名演技。
和製ジョニー・デップの異名もとる彼のカッコよさと言ったら・・・!!
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エル
(L change
the world)
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僕は、今回の「L change
the world」を見るに当たって、できるだけ予見を持たないようにしていたので、知っていることと言えば、「今度はエルが主人公である」ことのみ。
多分、エルの視点でリメイクしながら、本編では明かされなかったエピソードを交えて掘り下げるのではないか・・・そんな風に考えていたのです。
ところがっ!
映画が始まるや否や、どうも様子がおかしいのです。
最初にこそ死神リュークが登場したり、第二のデスノートを持つ海砂(ミサ)の尋問など記憶にあるシーンが出てきますが、後はライトもエルも関係ないエピソードが延々と続くのです。
あれ??
・・・やっと、設定に気づいたのは30分以上も過ぎようとする頃。
よくよく考えれば、最初に答えが出ていたのです。つまり・・・
L、最後の23日間 (!!)
あららら・・・この映画は、デスノート事件が決着した後、エルが死ぬまでの間に起きた別事件を扱う話だったのです!
そして、その新たな「事件」とは・・・?
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マッド・サイエンティストたち
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今度の敵は、新種の凶悪ウィルスを用いたバイオ・テロにより「人類削減計画」を企てるマッド・サイエンティスト“ブルー・シップ”。
しかし、そのワクチンを開発した博士が一味の企みを知り、ワクチンを道連れに我が身を犠牲とします。
ワクチンが無ければ自分達も凶悪ウィルスを使用することが出来ないため、ブルー・シップは博士の娘に何らかの形でワクチンのデータが託されたものと考え、その少女・真希を付け狙います。
進退窮まった真希が名探偵エルに助けを求め、エルは彼らとの対決を決意するのですが・・。
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真希とエル
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うーん、しかしなぁ。
本編「DEATH
NOTE」では、天才犯罪者と天才探偵の息詰まる頭脳戦が醍醐味だったのですが、今回の敵はいかにも“お馬鹿”。
第一、地球環境を守るために、それを汚している人類を滅亡させるだの、ワクチンも確保しないうちに「人類滅亡計画」のことを軽々しく話して墓穴を掘るなど、つっ込みを入れ始めるとキリがありません。
また、エルの方も、ひたすらママチャリで街中を逃げ回るなど、推理の見せ場がありません。
エルって、世界の警察に協力要請できるという設定なのに、助けに来たのはFBIを自称する南原清隆(ナンチャン)一人って、おかしくありませんか?
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悪の企み「人類削減計画」
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で、意外と役にはまっていたのが、ブルー・シップの一味を演じた高嶋政伸。
顔面にケロイド状の特殊メイクをしているため、最初、“高嶋弟に似てるけど、誰だろうなぁ”と思いました。
そもそも悪役が似合うなどとは考えられないキャラクターなのですが、さすがに名役者!
演技で、これだけ雰囲気が変えられるとは驚きです。
また、二人の子役や松山ケンイチも、与えられた役柄を熱演してくれました。
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L change
the world
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それにしても、もう少し何とか出来なかったものか・・・。
ライトの事件に決着が付いたと言っても、デスノート自体は残されたワケですから、もっと堂々としたスピン・オフのストーリーを作ることが出来たのでは?
ねぇケイコ、どうだった?
残念な結果ね。
博士役の鶴見辰吾が死ぬ時の演技は凄かったけどね。
ちょっと、引っ張りすぎじゃない?
うむぅ・・確かに熱演し過ぎて、何言ってるか分かんなかったし。
字幕でも付けないと意味不明よ。
ぶわっはっはっはー!(確かに)
「人類削減計画」ってのも何だかなー。
いいの、ストーリーなんかどうでも。
そんなー!
どうせみんな、マツケンを見に来ているだけなんだから。
オイオイ・・。
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マツケン
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確かにケイコの言うとおり。
劇場を見渡せば、若い女性の観客でいっぱいになっていました。
この先、観客動員がどのように推移するか分かりませんが、多くの「DEATH
NOTE」のファンのためにも、もう一度、新たな展開でエルの活躍を見せて欲しいものです。
これで終わってしまうのでは、実に惜しい。
それほどまでに、このエルというキャラクターは魅力的なのですから・・。
/// end of the “cinemaアラカルト53「L change the world」”///
(追伸)
岸波
映画版「DEATH
NOTE」の前編は観客動員数223万人、興行収入28億円を記録し、2週連続で国内映画興行ランキング1位でした。
また後編は、観客動員数430万人、興行収入52億円を記録し、国内映画興行ランキング4週連続で1位となりました。
今回のスピン・オフ作品も、是非、好成績を収められるよう期待しています。
しかし、この「DEATH
NOTE」のコミック原作を書いた“大場つぐみ”という人物は謎に包まれています。
新人原作者ということですが、この「DEATH NOTE」以外には登場せず、関係者も詳しい人となりを公開していないからです。
緻密なストーリー構成、奇想天外な発想はとても新人のものとは信じがたいため、“実は大物原作者の別名ではないか?”という憶測が広まっています。
そのあたりについては、Wikipediaでも考察されているので、興味ある方は、一度検索してみることをオススメします。
では、次回の“cinemaアラカルト”で・・・See
you again !
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ライトとエル
(DEATH
NOTE)
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