こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
ひとり じゃない。
2006年1月に劇団ひとりが処女作として発表し、瞬く間に100万部を突破したのが、この映画の原作「陰日向に咲く」。
小説は、6人の陽の当たらない人生を歩んでいるオチこぼれの6人が社会復帰するまでを描いたオムニバス形式になっています。
で、映画のキャッチ・フレーズが「ひとり じゃない。」って、出来すぎですね。
だって、作者が「劇団ひとり」で、オムニバスの主人公達の人生は終盤で互いに絡み合うのですから。
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陰日向に咲く
(C)2008「陰日向に咲く」製作委員会
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さて、映画では主人公が9人に増えて描かれ、V6の岡田准一、「NANA」の宮崎あおい、西田敏行、三浦友和などそれぞれの個性を活かしながら笑いと涙の群像劇に仕上がっています。
今回、この「陰日向に咲く」ともう一篇の「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」について報告してくれるのは、夢見る懸賞生活のドミニク嬢。
それではドミニク、お願いします。
ドミニク こんにちは~♪ 夢見る懸賞生活のドミニクです。
3日連続仕事後、夫に娘を預け映画鑑賞してきました。
全回チケットが1枚しかなかったので、夫は、エイリアンズVSプレデター2を観てきました。
「仲むつまじいお父さん、お母さん、娘が居て」のお父さんだけやられた…。
ポジション的にオレだけ犠牲じゃん~と涙目で帰ってきたので、今回はパスしました。
仕方がないので、私は妹を誘って映画に行きました。
「だって、当選したチケット無駄に出来ない!」じゃありませんか。
(観たい映画も沢山あったし。)
~というわけで、映画好きのドミニクが完全に映画三昧満喫してきました。
初日は、招待券当選で、妹とフォーラムで、「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」PG12
2日目は、招待券当選で、妹とワーナーマイカルで「陰日向に咲く」
3日目は、試写会当選で、母と友達と「アメリカン・ギャングスター」PG15を観てきました。
PG設定があるものが多く、いつもは娘を連れて行く所が、めずらしく今回、娘は1本も観てないんですよ~。
まず、ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂですが、結論から言えば、平凡な高校生陽介(市原隼人)が友達・能登(三浦春馬)の死をきっかけに、何かを見付けていくという感じでしょうか?
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ネガティブハッピー・
チェーンソーエッヂ
(C)
ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ製作委員会 |
三浦春馬といえば、映画「恋空」でも不良役でしたよね。
最近の不良は、見かけ倒しで、実は「ごめん」と気は優しいのが多いようで、この映画で描かれている幼なじみの不良も女を取り合いますが、「ごめん~」と。
観ている方としては、拍子抜けしてしまいます。
次回は、映画「奈緒子」で黒髪で登場するので、期待の新人俳優です。
チェンソー男がめちゃくちゃ強い。
ヒロインである女性・絵理(関めぐみ)の心が弱まる度に強くなります。
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絵理と陽介
(C)
ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ製作委員会 |
ただ、どうしてチェンソーを振り回すヤツが現れる場所を知っているのかとか疑問が多々あります。
いまどきの高校生が共感する映画であってほとんど、なんとなくってゆー事で片付けるし、個人的にはもうちょっとといった感じでした。
この作品はベストセラーになっています。
「好きなだけおごってやる」と言った割に財布にお金が無くてふたりで食い逃げしたり、本当にいい加減なヤツだな~と思いました。
でも、水筒持参で(かなりエコなヤンキー?)戦闘後の彼女をフォローします(笑)。
曲は福島県郡山市の大学に通う大学生「GReeeeN」が作った「BE FREE」で、曲は私は好きでした。
そして、もう一つの「陰日向に咲く」。
バスの運転手である主人公伸也はパチンコから足を洗えず、借金まみれになっていた。
1年前実の父が、一度は完済してくれたものの再度借金して、職場で50万肩代わりしてもらったり。
ガラの悪い借金取りに、いいこと教えてやろうかとそそのかされ、オレオレ詐欺に手を染める。
リダイヤルボタンを押したら、前に掛けた番号に繋がるのですが、シンヤが迷っている隙にたまたま大ボラ吹きのカリスマホームレス「モーゼ」が入ってきて掛けて、モーゼが押した番号につながる。
この話は、もともと短編小説なのですが、みんなが上手く絡み合っていきます。
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シンヤ
(岡田准一)
(C)2008「陰日向に咲く」製作委員会 |
さて話しに戻りますが、老婆はシンヤの「オレだよ!オレ!」という問いに関して、「シンイチ?」と息子と勘違いしてくれて、心の交流が始まってしまいなかなか現金が引き出せませんでした。
息子と呼ぶには年が離れすぎていたので、花火の日に後輩が現金を貰いに行くという約束をします。
そんな彼が浅草で知り合った寿子。
寿子は、道に100円を落とします。
金に、ある種、がめついシンヤは、100円が転がってきて何とか拾おうとします。
(岡田君そこまでやる???と言うくらい面白くてウケました。)
借金を返すため、小遣い帳を付けているのですが、100円ショップで買ったのは赤ちゃん日記みたいな(笑)
何やっても、ホント、だめんずです。
そんな寿子が探していたのは、若かりし頃、売れない芸人・雷太に恋した母鳴子の愛の軌跡。
縁あって、2人は、寿子の母が昔働いていた、ストリップ劇場へ足を向ける。
とは言っても母は、ストリップ劇場で漫才をする漫才師。
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鳴子と雷太
(陰日向に咲く)
(C)2008「陰日向に咲く」製作委員会 |
だんだん明らかになっていくのですが、母は、旅行に来ていた浅草の雷門でいきなりネタを披露してきた雷太に惚れ、田舎から上京してきて、あがり症で内気なのに、雷太が漫才師になりたいんだと思い、その夢を叶えるため日夜漫才の勉強をし、コンビを組んで努力を重ねる。
でも、もともと売れない路上漫才師の雷太は、その劇場でストリッパーとして働く女性・ジュピターの事が大好きで、劇場入りしているんですね。
(本編では語られなかったのですが、原作には書いてありました。)
ジュピターさんは、アメリカ兵の彼氏が居て、突然ストリップ劇場を辞めます。
このあと原作だとジュピターさんは、アメリカ兵に「このメスぶたが!」とムチで打たれています。
だからその傷があって、劇場で働けなかったんです。
ジュピターさんが劇場を去ると、漫才を続けていく意味を失った雷太。
せっかくのデビューの話しも捨ててしまいます。
そしてふたりはコンビ解散…
でも鳴子は、雷太を探し続けます。
映画だとぼかしてありますが、本と映画ではちょっとニュアンスが変わっています。
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ゆうすけ
(塚本高史)
(C)2008「陰日向に咲く」製作委員会 |
25歳の崖っぷちアイドル・みゃーこを一途に応援するアキバ系オタク・ゆうすけ。
実は、ゆうすけの小学校の5年生の時の初恋の相手が、このみゃーこ。
今日もみゃーこが、出演するイベントへ。
みゃーこの持ち歌♪ふきむキ~ス♪で、振り向いたら閑古鳥。
そんなときゆうすけは携帯を取り出し、「電車が遅れてるから、みんなこれない?」とオーバーリアクションで演技をしてくれます。
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ミャーコ
(平山あや)
(C)2008「陰日向に咲く」製作委員会 |
でも着信が入って聞こえない~。
「着信が来て聞こえないんだけど~」とムリな演技を見せてくれます(笑)
でも健康番組でドロドロ血のドロ子さん役を演じて、その痛々しいみゃーこの為に何とかしなくては・・・と番組の感想を、いろいろな人になりすまして、死にかけていたお祖父ちゃんが笑ったとか何回も何回もメールします。
本当にゆうすけは、優しくて、頭がいいので、そのお陰で、みゃーこは人気を取り戻します。
そして、みゃーこはゆうすけの事を覚えています。
映画では描かれなかったけど、今後、2人は、どうなるのかな。期待が持てます。
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リュウタロウ
(三浦友和)
(C)2008「陰日向に咲く」製作委員会 |
エリートサラリーマンリュウタロウは、モーゼのような風格の大ボラ吹きのカリスマホームレス・モーゼに出会います。
会社も長期休暇届を出し、ホームレス用の衣装も作って、ホームレスを体感します。
でも、野球選手の息子が、お父さんはこの中に居ると探しだし、モーゼが、名乗りを上げます。
モーゼのテントには、野球選手の新聞の切り抜きが!!
一躍、有名になって、ホームレス生活を脱退。
…が、しかし、モーゼは嘘をついていたのです!
モーゼが住んでいた、家?の本当の持ち主(本当の野球選手のお父さん)のホームレスが現れて、リュウタロウは、ホームレス生活を辞めます。
一方、シンヤは、オレオレ詐欺の相手が現れなかったので、電話をすると老婆の住んでいたアパートの大屋さんが電話に出て、「死んだよ!」と。
その老婆の家に行くと、一人の男性が。この男性は、モーゼでした。
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モーゼ
(西田敏行)
(C)2008「陰日向に咲く」製作委員会 |
本当にまずしかったので、ぐちゃぐちゃの千円札で缶に入っていました。
シンヤが騙し取ろうとしたお金に手紙も添えられていて、「また電話かけて」と。
涙が出そうなオレオレ詐欺でした。
そして、家に戻ります。
そこへ息子シンヤが現れて…病気で死んでお母さんはいなくなっちゃったけど、リュウタロウとシンヤは、桃の木の下で写真をとります。
カリスマホームレスは、モーゼ=雷太で、寿子の母、鳴子と再会。
ジュピターは、シンヤがオレオレ詐欺をしていた相手でした。
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ストリッパーのジュピター
(緒川たまき)
(C)2008「陰日向に咲く」製作委員会 |
最初は、笑える部分が多かったのですが、最後は、感動作に仕上がっています。
時間の都合で、いろいろ変わった部分も多いですが、今放映されている邦画の映画の中では、私的には、どっちがよかった?と言われたら「陰日向に咲く」がオススメですね。
ただ、原作より、はしょっている部分があるので本も読んだ方がいいかな~と(笑)
/// end of the “cinemaアラカルト52「陰日向に咲く+1本」///
(追伸)
岸波
この「陰日向に咲く」は、お笑いタレント(劇団ひとり)が本気で書いた小説として話題を集めました。
しかし何といっても、その人気を押し上げたのは我らが「太田総理」の功績もあるでしょう。
読書家として知られる爆笑問題の太田光は、「この小説が直木賞を受賞しなかったら、日本の文壇は腐っている」と絶賛したのです。
事実、直木賞の有力候補と目されて来ましたが、残念ながら平成18年上半期の受賞候補にはノミネートされませんでした。
また、太田光のラジオ番組『爆笑問題カーボーイ』でも取り上げられ、その翌日に出版社が増版を決定したという経緯もあります。
2月上旬の興行収入ランキングを見ると、大方が予想した吉永小百合の「母べえ」をあっさり抜き差って堂々の一位を確保しています。
このエンディング・・・泣けますよ。
では、次回の“cinemaアラカルト”で・・・See
you again !
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原作「陰日向に咲く」
(劇団ひとり) |
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