こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
久利生公平、最大の危機。
このところ、家内のケイコに誤って「Storyスナップ~会津漫遊編」のフォト・データを消去されてしまったり、痛風になったりと災難続きの僕としましては、痛快な映画を見たかったのです。
となれば、必ず笑えるジャッキー・チェンの「ラッシュアワー3」あたりが狙いどころ。
ところがっ!
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HERO
(C)2007 フジテレビジョン・東宝・J-dream・FNS27社
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ケイコはどうしてもキムタクの「HERO」を観たいというので困りました。
だって、僕はテレビの「HERO」も観たことはないし、第一“イケメン”は嫌いですから。(うん)
そう言うとケイコは、「HERO」の見所をどんどん喋って、例の“あるよ”というネタまで振るものですから、ついつい話に引き込まれてしまい・・・
結局、「ラッシュアワー3」を断念して「HERO」を一緒に観ることになったのです。
そうしたら・・・何て面白いんでしょう、この映画!
見終った後は、大満足で帰路に着いた僕達でした。
←(オススメです!)
さて、その気になる内容ですが・・・?
もともと、この「HERO」は、2001年にフジテレビ系列で放映されて、平均視聴率34.3%を記録するというこの時間帯で歴代ナンバーワンの大ヒット番組でした。
主人公の久利生公平(木村拓哉)は、中卒でいつもラフなジーンズにダウンパーカーという格好をしている型破りの検事、その相手役は松たか子演じる担当事務官の雨宮舞子。
久利生公平は、番組の中で東京地検城西支部を皮切りに、沖縄、北海道、山口を転々とし、今回の映画版では、6年ぶりに城西支部に舞い戻ります。
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HERO
(C)2007 フジテレビジョン・
東宝・J-dream・FNS27社 |
ということで、共演陣は城西支部のオリジナル・キャストである大塚寧々、阿部寛、八嶋智人らに加え、日本映画に初出演となるイ・ビョンホン。
さらには、巨悪の代議士役に森田一義(タモリ)、最大のライバルとなる犯人側の敏腕弁護士・蒲生に松たか子の実父松本幸四郎と超豪華な布陣です。
これだけ実力派で個性的な俳優たちの共演ならぬ競演は、実に見ごたえがありました。
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HERO
(C)2007 フジテレビジョン・東宝・J-dream・FNS27社
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スペシャル・ドラマ版での山口地検虹ヶ丘支部の勤務から6年ぶりに東京地検城西支部に舞い戻った久利生検事は、自分の離婚調停で忙殺されている同僚の芝山検事(阿部寛)に代わって、彼の担当していた傷害致死事件を引き継ぐことになります。
容疑者がすんなり自白していたこともあって、あっさり片がつくと思ったのも束の間、この容疑者は、公判で突然自白を撤回し、無実を主張するのです。
その容疑者の弁護人に付いたのが、元検事で、刑事事件の無罪獲得数日本一という超敏腕弁護士の蒲生(松本幸四郎)です。
そんな優秀な弁護士が、何故、一介の青年の弁護人に付いたのか分りません。
しかし蒲生は、さすがに冷静な敏腕弁護士。
公判で目撃者や久利生検事の論述の盲点を付いて、どんどん検察側を追い詰めて行くのです。
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HERO
(C)2007 フジテレビジョン・東宝・J-dream・FNS27社
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困った久利生検事は、捜査の原点に返って現場を徹底的に検証。
路肩に乗り上げた傷から、もしも容疑者の車に同じ形跡が残っていれば、現場に来なかったとする容疑者の証言を崩せることに気づきます。
ところが容疑者は、事件後直ちに車を処分していたため、久利生と雨宮(松たか子)は売り払われた先の韓国の釜山まで探しに行くことになります。
やがて、この容疑者は、贈収賄事件で起訴されている代議士花岡練三郎(森田一義)のアリバイを証明する唯一の証人であったことが分ります。
花岡代議士は、自分の偽りのアリバイを崩されないために、どうしても傷害致死事件の容疑者を無罪にしなければならなかったのです。
←(敏腕弁護士を付けたのもそういうワケでした。)
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代議士:花岡練三郎(森田一義)
(C)2007 フジテレビジョン・
東宝・J-dream・FNS27社 |
花岡代議士の贈収賄疑惑の行方を左右するということで、俄然、マスコミの注目を浴びるこの公判。
大きな事件に色めき立つ城西支部の仲間達・・・
劣勢の久利生をふがいないと憤る花岡事件担当の地検特捜部・・・
真相解明をひたすら祈る被害者の許婚・・・
久利生を追い詰めながらも、彼のひたむきな熱い心に内心、共感を感じている蒲生・・・
様々な人々の様々な想いが交錯する中、久利生検事は、最後の論戦に挑みます。
さて、公判の行方は??
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公判
(C)2007 フジテレビジョン・
東宝・J-dream・FNS27社 |
このHEROの面白さは、登場人物たちのディテールが緻密に描かれているところですね。
通販オタクの久利生、格闘技ファンの雨宮、“被疑者をいじめること”に生きがいを感じる中村美鈴検事(大塚寧々)、美鈴と所内不倫しながら娘には全く頭の上がらない柴山検事(阿部寛)・・。
そして、妻に逃げられ済みで美鈴の社交ダンス・パートナーである冴えない中年、末次隆之事務官(小日向文世)など、一クセも二クセもあるメンバー達。
また、今回の大きな見所は、密かな恋心を抱きあう久利生と雨宮の恋の行方でしょう。
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雨宮舞子(松たか子)
(C)2007 フジテレビジョン・
東宝・J-dream・FNS27社 |
二人はドラマ版の最終話でワールドカップを見に行く約束をし、雨宮が久利生のいる石垣島を尋ねるところまで描かれていました。
ところが、映画版で明かされたその後の顛末は、久利生がイカ泥棒の捜査のために雨宮をほったらかしにして破局したというもので、その後、6年間も二人には音信がなかったのです。
さあ、そんな二人が、この映画のラスト・シーンでは、何と!何と・・・(後はヒ・ミ・ツ)
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久利生検事(木村拓哉)
(C)2007 フジテレビジョン・
東宝・J-dream・FNS27社 |
この「HERO」は、9月24日までの17日間累計で動員375万人、興収48億円の大ヒットになりました。
また、その人気に海外からの上映希望も殺到。
韓国では「日本沈没」の217館を超える邦画史上最多の250館での上映が決定し、香港や台湾、シンガポールでの公開も決まりました。
最後の法廷シーンで反撃に出る久利生検事の熱血弁論は圧巻です。
そして、彼に協力する仲間達の熱い行動も胸に迫るものがあります。
キムタクファンの皆さん、そして僕のようにイケメン嫌いのアナタも、すべからくこの映画、必見です!
/// end of the “cinemaアラカルト48「HERO」///
(追伸)
岸波
映画の大ヒットを記念して、9月23日にテレビで「ドラマレジェンド HEROスペシャル」が放送されました。
内容は、2006年に5年ぶりに製作・放映された「特別篇」を2007年版として特別編集したもので、こちらも22.1%の高視聴率をマークしました。
この特別篇では、映画版で悪の黒幕として登場する花岡練三郎代議士の事件の伏線が描かれていまして、両方を観ることで、登場人物たちの関係がよく理解できるようになっています。
このあたり、一部のブログや評論で「映画で初めてHEROを観た人には、人間関係が分り図らくて不親切」と評された原因になっていると思うのですが、そうは思わなかったな。
僕自身、映画で初めてHEROを観たわけですが、基本的な人間関係は十分に察しがつきましたし、「全部見ているコアなファンなら、さらに楽しめる」作り方をする亀山千広ゼネラル・プロデューサー一流のシカケだと思うからです。
←(「踊る大走査線THE
MOVIE」も彼の製作です。)
それにしても、ケイコに勧められて、この映画を観て本当によかったです!
では、次回の“cinemaアラカルト”で・・・See
you again !
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HERO
(C)2007 フジテレビジョン・東宝・J-dream・FNS27社
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