こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
未来をあきらめない
快挙です! ・・・フラガール!
なんと本家アカデミー賞最優秀外国語映画賞部門に日本代表として出品されることが決定したのです。
その選出条件は、2005年10月1日から2006年9月30日までの間に初公開され連続7日間以上公開されていなければならない~というもの。
9月23日封切りの「フラガール」は、この条件にギリチョンでセーフになった訳で、しかも数多くのライバル邦画を抑えての選出ということですから、まさに“快挙”というしかありません。
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フラガール
(蒼井優)
(C)2006
BLACK DIAMONDS |
え、僕ですか?
勿論、23日の封切り日に見てまいりましたとも。
しかし、今回は「東欧見聞録」に出かけてしまったケイコを欠いて単独での鑑賞。
思わず“感傷”なんて誤変換をしてしまいそうで、ハートブレイクなダディでありました。(うっうっ・・)
しかしこの「フラガール」、その歴史を知る地元の人間にとっては涙なくして見られない作品です。
今から約40年前、「黒いダイヤ」ともてはやされていた石炭産業が、石油を重視する国のエネルギー政策の転換によって次々と閉山する中にあって、閉塞した状況を「何とか打開できないか?」と起死回生の策を考案したのが、当時、常磐興産の副社長であった中村豊氏(故人)でした。
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中村 豊氏
(元常磐興産社長) |
彼のアイディアは、当時の誰もが憧れの的としていたハワイを一大テーマパークとして、炭鉱跡の寒村に開設しようというもの・・。
斜陽の炭鉱を南国のパラダイスにしようなどというアイディアは、おそらく誰もが一笑に付したに違いありません。
そもそも“テーマパーク”などと言う言葉は、まだ存在しませんでしたし、ましてや、若い女性が裸を晒してフラダンスを踊るなどということは、当時の倫理観としては“あってはならないこと”だったのです。
しかし、幾多の困難を乗り越え、そのパラダイス「常磐ハワイアンセンター」は1966年に開業します。
後に、「スパリゾート・ハワイアンズ」と改称したこのパラダイスは、日本で初めてのテーマパークとして、年間100万人を超える入場者を迎え続けています。
日本ディズニーランドが開業した後、各地に“雨後のタケノコ”のように建設されたテーマパークですが、その多くが経営不振によって閉鎖を余儀なくされる中で、炭鉱の娘たちが文字通り「裸一貫」で築き上げてきた元祖テーマパークは、どっこい生き残って、地域の振興に揺るぎない貢献を続けているのです。(うっうっ・・)
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Water Park
(in
スパリゾート・ハワイアンズ) |
地元いわき市の誇り、そして郷土福島県の誇りでもあるスパリゾート・ハワイアンズの誕生秘話・・・その実話を再現した「フラガール」は、既に本年度邦画ナンバーワンの評価も出ています。
さて、前置きが長くなりましたが、この映画のリポーターは僕ではありません。
この映画に対しては、「岸波通信cinemaアラカルト」が誇る二人の女性シネマ・フリークが感想を寄せてくれました。
ということで、まず今回の「前編」では、封切り日に観た葉羽よりもさらに早く観ていたという人物・・・そうです、“懸賞の女王”ドミニク嬢の登場です!
それではドミニク、お願いしまーす!
ドミニク
人生には降りられない舞台がある。
まちのため、家族のため、友のため、
そして自分の人生のために、
彼女たちはフラダンスに挑む。
50万ともいわれる空前のフラダンスブームの今、明かされる常磐ハワイアンセンター(現・スパリゾートハワイアンズ)の誕生を支えた人々の奇蹟の実話。
今回は、地元テレビ局、プレゼンツ『フラガール』特別試写会の招待券が懸賞で当選しました。
ドミニクが今月観た作品の中では、一番流れが解りやすく、テンポが良かったです。
それでは、「ハワイにご招待!」気分で、どうぞ。
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フラガール
(C)2006
BLACK DIAMONDS |
昭和40年、閉鎖が迫る炭坑まち、現在の・・・福島県いわき市。
時代はそこに、北国をハワイに変えるという起死回生のプロジェクトが持ちあがった。
目玉となるのは、フラダンスショー。
誰も見たことがなかったフラダンスショーを炭坑娘に教える為、東京からダンサー平山まどかがやってくる。
旬を過ぎ、親の借金を理由に高い給料で働かねばならない、まどか。
教える相手はド素人。
フラダンスショーの為の、ダンスのプロを呼ぶのは簡単だった。
でも、炭坑町を復興させるためフラダンスのダンサーの募集は炭坑をやっている家庭の娘に限定。
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フラガール
(C)2006
BLACK DIAMONDS |
主人公の紀美子は父を亡くし母子家庭でしたが、高校に通っていました。
ある日、フラガール募集の貼り紙を見た友達に誘われ、フラガールの説明会に参加します。
肌を露出するなど恥とされていた時代だったので、世間の風当たりは冷たくフラガールのビデオを見せると…みんな途中で帰ってしまいます。
紀美子はあくまでも親友の連れで、オーディションも面接もせず、会場に残されたのは、たった3名。
後で、南海キャンディーズのしずちゃんが父に連れられ参加します。
主人公紀美子は、最初は乗り気ではなかったものの、ダンサー平山まどかのダンスを影からこそっと見たときから、本気で踊りたいと思うのです。
それとは反対に、何も無い山の中に大きな施設を莫大なお金を掛けて建築する・・・。
炭坑をリストラされたお父さん方は、もちろん面白くありません。
「小娘に何が出来る?」
何年も働いた炭坑をクビになって帰った友達の父(高橋克実)が家に帰ると、娘がフラガールの衣装を着て「ジャーン!」と。
怒った父は、ボコボコに娘の顔を殴り、髪の毛をジョキジョキおかっぱにしてしまいます。
主人公紀美子にフラガールのきっかけをくれて共に頑張って来た親友でしたが、夕張に引越してしまいます。
お父さんが炭坑をリストラされてお金が無いからと参加する娘も沢山いました。
最初は、客席から物が飛んできたりもしました。相手にされなかったりもしました。
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フラガール
(C)2006
BLACK DIAMONDS |
踊りを間違えたりもしました。それでも、彼女たちは未来をあきらめず、一生懸命努力します。
何度もみんなで、練習を重ねました。
フラダンスの手の動きは手話のように山を表していたり、月だったりします。
しずちゃんの父が炭坑内で事故に遭い、命の危機に面しますが、しずちゃんが「踊ります」と気丈に。
そのせいで、「父親が最後に、おまえの名を呼んでいたよ。この親不幸者!」と親戚のおばちゃんから罵倒。
父親の死に目に遭えなかった、涙の場面も含まれています。
クライマックスでは、温水の工事が間に合わず、やはり東北の気温では寒く、椰子の木が枯れそうになります。
そんな時登場するのが、娘・紀美子のフラガール入りを断固として反対した紀美子の母。
高校をサボって、フラダンスの練習をしていると知った時、「そんな事をするためにおまえを生んだんじゃねぇ!出でけぇ!」とビンタして以来、相当、ギクシャクしていました。
でも、真剣に取り組む娘を見て・・・親心か!?
「ストーブ貸してくんちぇ。ストーブ貸してくんちぇ」とリヤカーで各家庭からストーブを借りて廻ります。
おかげで椰子の木は枯れることなく、オープンを迎えます。
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松雪泰子
(C)2006
BLACK DIAMONDS |
お客さんは、沢山来てくれて、常磐ハワイアンセンターオープン初日のシーンは凄いです。
実際のハワイアンズのドームをエキストラで埋め尽くし撮影したそうです。
映画を観ているのではなく、フラガールをハワイアンズで観ている気にさせられます。
観ていてこんなに楽しい作品は、珍しいです。
感動もありました。
ジェイク・シマブクロさんのウクレレも某番組で「神様の音色」と言われた程、素敵です。
まぁ、個人的にドリフの高木ブーさんの雷様のウクレレも好きなんですけどね(笑)
撮影のために、3ヶ月ダンスの猛特訓を重ねた松雪泰子(平山まどか)と蒼井優(紀美子)達。
もし本当フラガールの舞台に出ていても本物と見分けがつかないくらい本当に上手になっています。
全体的には、豊川悦司と岸部一徳の訛りが凄く気になります。
そんな訛られても、通じないんですが…。
福島弁なのに、イントネーションが新鮮な響きです。
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豊川 悦司
(C)2006
BLACK DIAMONDS |
よくテレビ局のCMの間に、「試写会プレゼント」と放送していますね。
応募が、往復ハガキなので、なかなか家に無かったり、メモが間に合わなかったりで、断念する方が多いです。
別試写会は上映開始日より先行されるので、先行上映会とも呼ばれます。
福島県内のテレビ局は、ネット応募は無いと言うことも無いのですが、めったにありません!
END ドミニク
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フラガール
(C)2006
BLACK DIAMONDS |
まるでNHKの「プロジェクトX」のような驚くべき実話。
しかぁしっ!
この「フラガール」の監督を務めた李相日(り・さんいる)氏は、こんなことを言っています。
「お話をいただいた当初は引き受けるつもりがなかったんです。
というのも、ハワイアンセンターの副社長が主人公だったからなんですけど、それではNHKの『プロジェクトX』みたいだなあと(笑)。
それで主人公を松雪泰子さん扮する女性ダンス教師にしようということで、引き受けることにしたんです」
うむぅ・・・「プロジェクトX」でなかったからこそ、この映画を引き受けたのだと・・。
さて、次回の「後編」では、いよいよフラガールの地元、福島県いわき市在住のまめしば嬢がレポートをしてくれます。
乞うご期待!
/// end of the “cinemaアラカルト31「フラガール(前編)」///
(追伸)
ドミニク
「フラガール」は、9/23~一般公開される作品です。
福島放送とサンクスホームの試写会がありました。(9/7)
フラガールをみなさんより先に観てきたので、感想を書いてみました。
9/24(日)の10時の回のあと、監督とフラガール9名がワーナーマイカルシネマズ福島に来るそうです。
当日は混むので、ワーナー公式サイトのE席リザーブでないと席が取れないかもしれません。
昨日は、同じく明日公開の「イルマーレ」の試写会に行ってきました。
湖の2004年のポストに入れると2006年のポストに届きます。その繰り返しです。
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イルマーレ
(C)2006
松竹 |
吹き替えじゃなかったので、娘は飽きてしまいました。でもなんとか見てくれました。
来週までの映画チケットが2枚あるので、また、映画行きます。
先週もワイルドスピード東京ドリフト×3観ました。
タカシというキャラクターと主人公ショーンがドリフト対決するのですが、タカシがショーンに「がいじん!」と言い放つ。
でも、ぎこちない日本語で・・・。
「あなたも外人さんでは?」と。
事実、タカシも外人でした。(笑)←映画では日本人になってますけどね。
ハリウッドから見た日本なのでちょっと変です。
若い車好きの男性が沢山試写会来ていましたー。
やっぱり、試写会も対象年齢とかで決まるのかな?と感じました。
「フラガール」を観た翌日、サンクスホームから電話きました。
会場に来ていた人、家買いそうな若い夫婦多かったし・・・。
では、次回の“cinemaアラカルト”で・・・See
you again !
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常磐ハワイアンセンター
(昭和66年の開業当時)
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