こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
さすらいのセールスマン、
サムとヨナタは
今日も途方に暮れるーー。
これは2014年公開、ロイ・アンダーソン監督『さよなら、人類』のキャッチコピー。
今週の当番はカリスマ彰。観た方がいいのか、観てはいけないのか判然としませんが、とにもかくにも彰は”今年最大の発見だった!”と言い切っております。
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さよなら、人類
(C)Roy Andersson Filmproduktion AB
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ということで、今回紹介する映画二本がコミになった元々のブログ・タイトルは以下の通り。
◆ ロイ・アンダーソンの映画「散歩する惑星」「さよなら、人類」は今年最大の発見だった!
ではカリスマ彰、よろしくお願いします。
岸波さま 次回cinemaアラカルト用の原稿です。よろしくお願いします。
◆「散歩する惑星」(2000年 ロイ・アンダーソン監督 1時間40分)
夜明けは近い
スウェーデンの映画監督のロイ・アンダーソン監督による映画「散歩する惑星」(2000年 1時間40分)と「さよなら、人類」(2014年 1時間41分)が立て続けに、「ザ・シネマ」チャンネルで放映されていたので録画して見た。
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実はこの2本は、「リビング・トリロジー」とよばれる3部作の第1作と第3作。
第2作「愛おしき隣人」(2007年 1時間34分)だが、早い機会に放送してもらいたいものだ。今までに見たことがないユニークな映画であることは間違いない。
「散歩する地球」「さよなら、人類」(原題は枝の上で存在について考察する鳩)はほぼ同じスタイルのちょっと変わった映画である。
20、30ほどの短いストーリーからなり、関連があるものもあれば、ないものもあり、時に中世の話になったりする。また明らかに幽霊も登場する。
ブラックユーモア4コマ漫画風だったり、ナンセンスコント風(内村光良などによるNHK「LIFE!〜人生に捧げるコント」にタッチが似ている)、モンティ・パイソン風ドタバタコメディだったりする。
しかしその底流には人生への絶望や悲哀が感じられる。映像にはベルイマンやタルコフスキーの影響が随所に感じられる。
◆『散歩する惑星』allcinema ONLINEの解説から引用
カンヌの国際広告祭で8度のグランプリに輝いているCF界の巨匠ロイ・アンダーソンが、構想に20年、撮影に4年を費やしたという不条理ムービー。どこかの惑星で展開するブラックでシュールな出来事の数々をCGを一切使わずローテクを駆使して(?)アナログ感たっぷり描く。2000年のカンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞。
ここは、とある惑星のとある場所。サラリーマンは突然リストラされ泣きわめく。道に迷った男は訳もなく殴られる。マジシャンは人体切断のマジックに失敗して男を本当に切り刻んでしまう…。そんなある日、家具屋を経営するカールは、保険金欲しさに自分の会社に火をつけてしまう。タクシー運転手をしていたカールの長男トーマスは、人々の悩みを聞かされるうちに自分が精神を病んでしまい、誰とも話せなくなってしまう。今は彼の跡を継いで次男シュテファンがタクシー運転手をしていた。やがて街全体がただならぬ雰囲気に包まれていく…。 |
(※文章的には、上からの連続。)
◆「さよなら、人類」(2014年 ロイ・アンダーソン監督 1時間41分)
じゃあ、また明日。
ロイ・アンダーソン監督(1943.3.31〜) ンはスウェーデンTVCF界の巨匠だというが、そう言われてみればなんとなくTVCF風ではある。
ロイ・アンダーソン監督
基本はワンシーンをワンショットで撮影し、全てスタジオ撮影のため、金と時間が恐ろしくかかり、アンダーソン(スウェーデン人なら発音はアンディションだろう)は、費用捻出のためCFの仕事をしなければならなかったという。
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さよなら、人類
(C)Roy Andersson Filmproduktion AB
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「さよなら、人類」の1シーン。このシーンは泣けたなあ。
右背景(⇒)の二人のセールスマンの左側の男が部屋では売り物のマスクを被りこんな(上掲写真↑)になっている。
さらに(TV録画だから)何度でも味わいやすいという特色があり、そのたびに新しい発見がある。
とにかく、2022年に私が見た映画で今のところ最大の発見と言っていいのではないだろうか。
◆『さよなら、人類』allcinema ONLINEの解説から引用
「散歩する惑星」「愛おしき隣人」のスウェーデンの巨匠ロイ・アンダーソン監督による第71回ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞作。面白グッズを売り歩く冴えないセールマン・コンビを主人公に、彼らが行く先々で遭遇する奇妙で不条理な人生の一断面を、哲学的視点を盛り込みつつ、細部まで計算された画面構成のもと、シュールかつブラックなタッチで綴る。
冴えないセールスマン、サムとヨナタン。吸血鬼の牙や笑い袋といった面白グッズを2人で売り歩いているが、まるで成果を挙げられず散々な日々。フラメンコの女教師は、レッスンを受けに来るお気に入りの若い男の子の身体を指導のフリをして触りまくり、フェリーの船長は船酔いが耐えられずに理容師に転職する。さらには、現代のバーになぜか、18世紀のスウェーデン国王カール12世が騎馬隊を率いて現われ…。 |
/// end of the “cinemaアラカルト297「散歩する惑星+さよなら、人類」”///
(追伸)
岸波
本文中にも紹介がありますが、第二作は2007年の『愛おしき隣人』。
北欧の町を舞台に、一生懸命に生きながらも恵まれない人々の日常をユーモラスに描いたオムニバス作品。
パターンとしては他の二作と同様、ロックスターと結婚を夢見る少女、世界で一番ついてない夫婦、誰からも愛されたことのない男、困窮した家計を嘆く精神科医などが次々と登場します。
でもアレですね。「さよなら、人類」と言うと、たまが歌ってヒットさせた『さよなら人類』が思い浮かびます。
♪二酸化炭素をはき出して あの子が呼吸をしているよ~♪というヤツです。
歌詞の中でも「野良犬はぼくの骨くわえ、野性の力をためしてる」とか不条理感満載の曲でしたけれど、そういうトコ、映画の雰囲気と似ていますね・・。
ん!? 映画『さよなら、人類』は2014年だけれど、たまの『さよなら人類』は1990年5月5日に日本クラウンから発売。もしかして日本語タイトルはパクリ!?
そう言えば『恋する惑星』という金城武の映画も1994年にありましたっけ。うむむむむぅ、こっちもか!?
では、次回の“cinemaアラカルト”で・・・See you again !
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