こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。

　呪い合え、
　全てを懸けて

　話題の『劇場版　呪術廻戦0』をケイコと共に観てまいりました。

　『鬼滅の刃』完結後、Amazon Kindleでは常に売れ行き上位に存在し続けたこのシリーズ、読むか読まないか、あるいはこの劇場版を観るか見ないか散々迷っていました。

　ところがっ！！！

劇場版　呪術廻戦0 (C)2021「劇場版　呪術廻戦0」製作委員会 (C)芥見下々／集英社

　そんな僕の背中をドーンと押したのが、『ミステリ＆シネマ・パラダイス』を連載しているPie造さんのこのエントリー。

Pie造　ミステリ＆シネマ・パラダイス#988 『劇場版 呪術廻戦 0』 2021年 日本映画 監督 朴性厚 テレビアニメ『呪術廻戦 』の前日譚を描く。 素直に言おう。 めちゃクソおもろかった。 久々に家族の元に帰ったら、 なんとこれを観に行く事になっていたのだった。 アニメは嫌いな訳じゃないのだが、古い人間だから、 最近のアニメの絵面がどうにも…だったんだよね😅 でも観て良かったよ👌 . . 弱きを助け強きを挫く。そして…。 鉄板が最強なんだよ！👍 ほんまに上手くできてるよな〜 改めて思う、日本のアニメはやっぱすげぇ！ アベンジャーズに対抗できる日本のアニメ。 脚本が圧倒的に素晴らしい。夏油はロキだな。ガンダムも連想した。 知識ゼロでも観れた。泣けるぜ。 鬼滅の刃も観るべきなのか… 乙骨ってすげえ名前だよな（笑）優太はシンジやアムロの譜系。

　そうなんです・・彼はそもそもあれだけ映画を観まくっているのに、アニメは殆ど言及されない。

　その彼が、こんなに熱を持ってオスならば面白くない筈がない！！

　ということで、劇場に足を運んだ次第でございます。

　映画の冒頭、この話の主人公である16歳の乙骨 憂太（おっこつ ゆうた）が封印御札を貼られた部屋に幽閉されている。

　彼には超凶暴な特級過呪怨霊・祈本里香が憑いており、本人の意思と関わりなく彼に危害を加えようとする人間を攻撃して瀕死の状態にしてしまう。

　そう・・この世界には人間に仇なす呪霊が実在し、それを祓うための呪術師を育成する東京都立呪術高等専門学校が存在するという世界観。

特級過呪怨霊・祈本里香

　憂太に憑いた怨霊があまりにも強力で本人もコントロール出来ないことから、呪術高専の幹部は完全秘匿での死刑執行を決定。本人も受け入れている。

　そこに現れた呪術高専の教師五条 悟（ごじょう さとる）が、訓練によって呪いを解く事を提案し、死刑執行は保留となる。

劇場版　呪術廻戦0 (C)2021「劇場版　呪術廻戦0」製作委員会 (C)芥見下々／集英社

　憂太に憑いている折本里香は元々幼馴染の同級生。仲の良かった二人は「大人になったら結婚する」と約束していたが、里香は交通事故によって死亡。

　それを受け入れられず「ずっと一緒だって約束したのに」と言う憂太の願いに応えるように里香は怨霊として復活し、背後霊のように彼を守っている。

　同じ高専一年生の禪院 真希（ぜんいん まき）と共に臨んだ最初の呪霊討伐では、真希と共に巨大な呪霊に呑み込まれ、先に呑まれていた二人の小学生ともども真希が呪いに当てられて戦闘不能に。

禪院 真希

　その窮地に、憂太は初めて自分の意志で折本里香を召喚し、三人の命を救うことに成功。

　待っていた教師の五条 悟に憂太は言う・・「もしかして、僕が里香ちゃんに呪いをかけてしまったのかもしれません」。

　それに対し五条は・・「これは持論だけどね、愛ほど歪んだ呪いはないよ」。

五条 悟

　その言葉に憂太は、必ず里香の呪いを解くと決意するのだった。

　いやぁ、素晴らしいネームですね・・「愛ほど歪んだ呪いはないよ」。グサッと心に突き刺さりました。

　『呪術廻戦』は「週刊少年ジャンプ」に2018年14号から連載中で、今回の原作となった「東京都立呪術高等専門学校」は、それに先立ち、「ジャンプGIGA」に2017年第1号から4話で書かれた前日譚です。

　逆に言えば「東京都立呪術高等専門学校」で認められ、「週刊少年ジャンプ」で連載が開始されたという事。

乙骨 憂太

　作者の芥見下々氏は岩手県出身、1992年2月生まれですから、まだ弱冠19歳の新進気鋭。

　いやぁ、本当に漫画家の年齢は若いですね。それでよくコレだけのネームが書けるものだと感心します。

　本人は「顔出しNG」ということで性別も不明ですが、どうやら各種情報を総合すると「少なくとも男性の声だった」という有力情報もあります。

劇場版　呪術廻戦0 (C)2021「劇場版　呪術廻戦0」製作委員会 (C)芥見下々／集英社

　Pie造さんは『アベンジャーズ』との共通点を指摘していましたが、僕は大好きな『ジョジョの奇妙な冒険』を思い起こしました。

　ジョジョで言う「スタンド」が呪術廻戦での「呪霊」。同じ能力者にしか「見えない」というところも共通点があります。

本人は『BLEACH』や『HUNTER×HUNTER』の影響を受けていると。

ジョジョのスタンド

　そして、登場人物の過去が挿話で描かれ、主人公チームばかりでなく敵役側の事情にも共感できる『鬼滅の刃』や『金田一少年』の要素も感じます。

　更には、まだ未熟だったころの乙骨 憂太のウジウジ感は『ヱヴァンゲリヲン』のシンジの影も。

　とにかく、どの登場人物を主人公にしてもストーリーが書けるほど、誰もがみな”キャラ立ち”しているのです。

　『呪術廻戦』の本編では、千年以上も封印されている最凶呪霊「宿儺」の「器」である虎杖 悠仁（いたどり ゆうじ）やその高専同級生、伏黒 恵（ふしぐろ めぐみ）と釘崎 野薔薇（くぎさき のばら）の三人が主人公。

　今回の『呪術廻線０』は前日譚であるため、本編主人公の三人は登場せず、その上級生である乙骨 憂太と禪院 真希、そして狗巻 棘（いぬまき とげ）、パンダ（※人間の言葉を話す突然変異呪骸⇒長くなるので説明省略）の四人が主人公となっています。

劇場版　呪術廻戦0 (C)2021「劇場版　呪術廻戦0」製作委員会 (C)芥見下々／集英社

　そして、最凶の敵として立ちはだかるのが、呪術高専のエース五条と同期生であった特級呪詛師夏油 傑（げとう すぐる）とその一派。

特級呪詛師夏油 傑

　そうそう・・この夏油 傑の一派で主人公らと闘うメンバーの一人が騒乱後に味方に加わるというパターンがこのエピソード以降にもあり、この辺りは『ファイナルファンタジー』とも共通点を感じますね。

敵キャラが味方パーティに加わる・・あ、『ドラクエ』でもあったかな？

　この作品の面白さは、Pie造さんも言うように「最後に必ず正義が勝つ」という鉄板ストーリーのカタルシスであることは言うまでもありませんが、「呪い」が生じるまでのおどろおどろしいストーリーを扱いながら、暗さ一辺倒でない部分でしょう。

　本来、非常に陰惨な話なのに、明るいキャラクターや挿話がある。この『呪術廻線』で言えば、その筆頭が最強呪術師五大悟。

五条 悟

　どんな危機の中でも飄々として軽口を飛ばすムードメーカ－・・『スターウォーズ』のハン・ソロや『コブラ』の主人公に近いキャラと言えましょう。

　そういうキャラを違和感なくストーリーに組み込めるのもまた作者の懐の深さ、力量ではないでしょうか。（19歳なのに：笑）

劇場版　呪術廻戦0 (C)2021「劇場版　呪術廻戦0」製作委員会 (C)芥見下々／集英社

　ストーリーの方ですが、元は五条悟と同期で親友であった夏油 傑（げとう すぐる）は、この世から呪霊を無くするために、呪いの発生源である非術師（一般人）を抹殺して呪霊師だけの世界を造るという極端な思想に走り、世界から同志を集めて呪術高専に宣戦布告を。

　まずは、東京都新宿と京都に各一千体の呪霊と同志らを放つ『百鬼夜行』を決行する。

　ところが百鬼夜行は最凶呪霊である「折本里香」を手に入れるための陽動作戦で、真の狙いは孤立した乙骨憂太（呪霊の宿り主）を誅殺ためだった。

　そこに気づいたのもまた最強呪術師五条で、新宿の敵チームを相手に現場を離れられない自分の代わりに、呪術高専に待機させた乙骨と禪院 真希の援護のため、狗巻 棘（いぬまき とげ）とパンダを瞬間移動させる。

狗巻 棘とパンダ

　しかし・・

　圧倒的な特級呪詛師夏油（げとう）の前に、真希・狗巻・パンダは重傷を負って戦闘不能に。

　五条の援護は、すでに間に合わない・・。

　憂太は召喚した呪霊「折本里香」に告げる。

「いつも守ってくれてありがとう。僕を好きになってくれてありがとう。
　最後にもう一度力を貸して。

　コイツを止めたいんだ。その後はもう何もいらないから。
　僕の未来も心も体も全部里香にあげる。
　これからは本当にずっと一緒だよ。

　愛しているよ里香。一緒に逝こう。」

　最終手段として、自分の命を差し出す代わりに里香の呪力の制限を解除。

（ををををを～！！）

劇場版　呪術廻戦0 (C)2021「劇場版　呪術廻戦0」製作委員会 (C)芥見下々／集英社

　うろたえる夏油は、なじる・・「そうくるか！この女誑し（たらし）め！」

　憂太は応える・・「失礼だな・・純愛だよ」

これもグッとくるセリフでしたねー！

　さて憂太と里香の運命や如何に。はたまた「百鬼夜行」の決着は。最後の闘いが今、始まる・・。

　本作品は、興業開始から24日間で観客動員数が628万人、興行収入85億円を突破しました。

　そして、日本アカデミー賞でのアニメ部門ノミネートばかりでなく、本家アカデミー賞でも有力な候補に上がっているとか。

　『鬼滅』も凄かったですが、こちらもなかなか侮れませんぞ。

/// end of the “cinemaアラカルト287「劇場版　呪術廻戦 0」”///

　

（追伸）

岸波

　ラストのセリフはあまりにも胸アツなので、そのまま掲載しました。

　なお、TVアニメの第一期24篇では、7巻55話から8巻64話までの「起首雷同編」が描かれ、その後漫画本編で描かれる五条と夏油が協力する「過去編」へと繋がり、その過去編の最後で夏油が呪術高専を離脱した後が、今回の「呪術高専0」という時系列になります。

原作ではさらに話が進み、夏油の身体に憑依した最悪の呪詛師によって五条が封印され、彼を救出するための高専メンバーの活躍が描かれています。

　また、映画本編には更に見所があり、憂太・里香に敗北した夏油の元に遅れてやって来た五条がトドメをさすシーン。

　彼らは元々親友同士。そこで語られる最後のセリフがまた胸を打ちます。

　いやぁ、実に泣けるいい映画だったなぁ・・。

　あ、そうそう・・エンディング・クレジットが出ても席を立つのはまだ早いですよ。ふっふっふ。

 

　では、次回の“cinemaアラカルト”で・・・See you again !

劇場版　呪術廻戦0 (C)2021「劇場版　呪術廻戦0」製作委員会 (C)芥見下々／集英社

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To be continued⇒　　“cinemaアラカルト288”　coming soon!

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