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「Glidin'」(TAM Music Factory)
by 岸波(葉羽)【配信2022.1.29】
 

◆この記事は作品のストーリーについて触れています。作品を実際に楽しむ前にストーリーを知りたくない方は閲覧をお控えください。

 こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。

 一人娘を亡くした日も、
 愛する妻を亡くした日も、
 男は駅に立ち続けた……

 これは1999年公開、高倉健の代表作とも言われる『鉄道員(ぽっぽや)』のキャッチコピー。

 今回は、日本の『鉄道員(ぽっぽや)』と本家イタリアの『鉄道員』の二本立てでございます。

鉄道員(ぽっぽや)

(C)1999「鉄道員(ぽっぽや)」製作委員会

 ということで、元々のブログ・タイトルは以下の通り。

1 キャスティングと演出に問題ありの映画「鉄道員(ぽっぽや)」

2 本家本元のイタリア映画「鉄道員」の見事な出来栄えに大拍手

 ではカリスマ彰、よろしくお願いします。

岸波さま 映画アラカルトのネタ2本送ります。「鉄道員」ネタ2本です。

◆「鉄道員(ぽっぽや)」(1999年 降旗康男監督 1時間52分)

 ありがとう---この想い、届くだろうか

 TV録画していた映画「鉄道員(ぽっぽや)」(1999年 降旗康男監督 1時間52分)を見る。

 高倉健の代表作品の特集があって、録画していたようだ。

鉄道員(ぽっぽや)

(C)1999「鉄道員(ぽっぽや)」製作委員会

 浅田次郎の同名小説が原作だが、浅田次郎にせよ、降旗康男監督にせよ、イタリア映画「鉄道員」(1956年 ピエトロ・ジェルミ監督・主演 1時間52分)を意識していたと思う。

 1970年代後半の北海道の美幌近くの駅長がひとりで切り盛りする小さな駅の定年(当時の国鉄の定年は55歳だろう)間近の駅長を高倉健が演じている。

 生まれたばかりの長女を亡くし、また妻(大竹しのぶ)も先立ってしまった不幸な男である。

 その回想と不思議な少女(広末涼子)との交遊や同期の国鉄マン(小林稔侍)との友情が北国の厳しい自然の中で展開される。

 鉄道員を美化し過ぎた気持ち悪さを書くレビューが目につくが、それはともかく大竹しのぶというのが完全なミスキャストだと思う。

 どう見ても薄幸の役には向かないキャラクターなのだ。

 不思議な少女役の広末涼子も同様だが、まあ許せる範囲か。小林稔侍のしつこい演技もどうかな。

 それと映画出演はこれが最初で最後になった志村けんが九州の炭鉱から流れ着いた子連れの炭鉱夫役で出演している。ちょっと張り切り過ぎの演技だった。

 また最後のシーンなども、もう少しやりようがあったのではないだろうか。

 キャスティングと演出に不満が残った映画だった。

 こうなると本家のイタリア映画「鉄道員」が見たくなってきた。

◆allcinema ONLINEの解説から引用

 浅田次郎の直木賞受賞作を、高倉健主演で映画化した人生ドラマ。鉄道員(ぽっぽや)として気概と誇りを胸に生きてきた男が、定年目前になり自らの人生を振り返る。監督は「あ・うん」の降旗康男。共演に大竹しのぶ、広末涼子。

 北海道のローカル線、幌舞線の終着駅・幌舞。駅長・佐藤乙松は筋金入りのぽっぽや。職務に忠実なあまり、生後2ヵ月で死んでいった娘や思いがけない病で死んだ妻を見取ることさえできなかった。佐藤は近く廃線になる幌舞線とともに定年を迎えようとしていた……。


◆「鉄道員」(1956年 ピエトロ・ジェルミ監督&主演 1時間58分)

 パパ、ボクと一緒にお家に帰ろう……

 日本映画「鉄道員(ぽっぽや)」(1999年)に続き、TV録画していた本家本元のイタリア映画「鉄道員」(1956年 ピエトロ・ジェルミ監督&主演 1時間58分)を見た。

 名作の誉れ高い映画である。

鉄道員

 「ぽっぽや」に比べて、こちらは50歳の男盛りの機関車運転士。

 大酒を飲み、家庭内暴力も辞さないし、驚くのは機関車運転中に、喫煙はともかく、ワインを飲んでいること。

 いかにも典型的な1950年代の復興イタリアの労働者家庭の風景なのだが、見事の一言に尽きるキャスティングは、この役ならなるほどこんな顔をしていそうだなと頷かせる。

 そしてひとつひとつの演出のキレが素晴らしいのだ。一言で言うと本当に上手い。映画とか演劇をやっている方には、是非見て欲しい。

 子役が上手いのは外国映画の場合、この映画に限らないのだが、どういう指導をするのだろうか。

 この映画で主演も務めたピエトロ・ジェルミは、デ・シーカ、ロッセリーニなどと並んでネオ・リアリズムの映画監督のひとりに数えられるのだが、その代表作は65年経っても古びないのだ。

 演劇やオペラの長い歴史がその底流にあるのだとしかいいようがない。

 そして、この映画と、イタリア映画の二大映画監督フェリーニ、ヴィスコンティとはそんなに距離はないということを今回感じたのだった。

 ひとつ気になったのは音楽。

 カルロ・ルスティケッリ作曲のあまりにも有名なギターがフィーチャーされた鉄道員のテーマはいいのだが、クラシックの名曲(シューベルトのオペラ「ロザムンデ」間奏曲とウェーバー「舞踏への招待」)を繋ぎの音楽としてかなり安易に使っている。

 こんなこと今ではまずやらないこと。このあたりだけは時代を感じてしまった。

◆allcinema ONLINEの解説から引用

 第2次世界大戦後のイタリアに生きる庶民の人生の歓びや哀しみを、ある一人の初老の鉄道機関士の姿を通して描いた、映画史に残る感動作。

 50歳のクリスマスを迎えたイタリアの鉄道機関士アンドレア・マルコッチは、末っ子のサンドロから英雄のように慕われていたが、長女のジュリアと長男のマルチェロからは、その厳格さや律儀で一徹な態度から敬遠されていた。しかしそんな彼らもやさしく献身的な母サーラがいるおかげで毎日平穏に暮らしていた。そんなある日、娘の流産や息子の不良化に気を病んでいたアンドレアが列車を運転していた所、彼の前に一人の若者が身を投げた。急いでブレーキをかけたアンドレアだったが、間に合わずにその青年を轢いてしまう……。

 いたいけな少年サンドロの純真な眼を通して、親子の愛情や夫婦の愛、そしてイタリアの地に生きる庶民たちの喜怒哀楽を、全編に流れる温かい人間愛で描いた映画史に残る名編。

 

/// end of the “cinemaアラカルト288「鉄道員(ぽっぽや)+鉄道員」”///

 

(追伸)

岸波

 『鉄道員(ぽっぽや)』は観ていないけど、僕はこの話なら素直に泣いちゃいそうだな・・。

 あと、志村けんが張り切りすぎるのは予想が付くけれど、大竹しのぶの件は、それはそれで、ある意味リアルな気がする。

 というのは、うちのカミさんがステージ4の癌を宣告されて二人で闘病した時も、僕らは決して泣き言は言わなかったし、いつものように冗談を言い合っていた。

 だから薄幸そうな人間だけが薄幸な運命に見舞われるワケではないと思う。

 それから本家イタリアの『鉄道員』だけれど、こちらは本当に名作中の名作だと思う。彰が言う通り、子役の演技は素晴らしいし、そもそもどの俳優の演技も自然で、違和感なく観られるんだよね。

 しかし改めて思うが、昔のイタリア映画はどれも主題曲が素晴らしい。

「道」、「ひまわり」、「自転車泥棒」、「ニューシネマパラダイス」・・どれもこれも、あの哀愁を帯びた音楽を聴いただけで、映画のシーンが鮮明に蘇って来るもの。

 

 では、次回の“cinemaアラカルト”で・・・See you again !

鉄道員(ぽっぽや)

(C)1999「鉄道員(ぽっぽや)」製作委員会

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To be continued⇒  “cinemaアラカルト289” coming soon!

 

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